株式会社ダイフク『eFA事業部』の設計部にインタビュー!海外出張や仕事のやりがい、中途採用について伺いました。

株式会社ダイフクのeFA事業部(半導体・液晶生産ライン向け搬送システム)設計部に、海外出張業務や仕事のやりがい、製品の強み、eFA事業部の中途採用で求める人物像などについてインタビュー!eFA事業部の魅力に迫ります!

株式会社ダイフク eFA事業部 生産本部 設計部 部長 乾吉隆様

株式会社ダイフク eFA事業部 生産本部
設計部 部長 乾吉隆様

海外売上95%!海外で活躍するeFA事業部のお仕事内容について

eFA事業部は海外の売上が95%ですが、海外駐在や出張の機会は多いのでしょうか?

そうですね。設計部は全体で90人ほどの社員が在籍しておりますが、1日に設計部の5~6人が、どこかの国に出張している感じです。1回の海外出張期間はだいたい1週間ですが、トラブルが長期化すると1ヶ月になっったりすることもあります。私自身も海外出張には月1~2回の頻度で行ってますね。

また、海外駐在に関しては、韓国、台湾、アメリカの半導体メーカーや、中国の液晶メーカーがeFA事業部の大きなお客様ですので、各国の現地法人に設計部の社員数名が駐在員として滞在しています。

海外出張では、どのような業務を行うのでしょうか?

ダイフクの小牧事業所に、海外顧客と仕様の打合せ等を行うエンジニアリング部門がありまして、そこで決定した仕様について、私たち設計部が設計していくというのが仕事の大きな流れになります。顧客に合わせた設計をする場合もありますので、海外の顧客を訪問して仕様決めの打合せに出たりすることもあります。また大きなトラブルが発生した時には呼ばれて現場に行くこともあります。

―――海外のお客様と直接やりとりするのが日常的、ということですね。

はい。お客様のところに行く必要が発生するときは装置のトラブルであることがほとんどですので、今でも行くときは胃が痛いです(笑)当社の装置は24時間365日稼働ですし、クリーンウェイ(※)が止まると工場全体が止まってしまいます。システムの信頼性が何よりも重要だと感じますね。
※最終製品が完成するまでに必要な何千もの工程の間をつなぐ天井搬送装置。

御社がお客様から選ばれる理由、強みは何だとお考えですか?

装置を納めて終わり、ではなくお客様に最後まで付き合う、お客様とのつながりを大切にするのがダイフクの特徴です。昔からお客様との信頼関係が築けているのが強みです。性能のいい搬送装置を納めるだけでなく、トラブルが発生した際にお客様と一緒になって解決するという姿勢が評価され、お客様から信頼していただいているのだと思います。トラブル対応はしんどいですが、解決した後はお客様と仲良くなっていることが多いです。当社はお客様に育てられている部分も多いですし、当社の搬送装置によってお客様自体も成長され、お客様との良い関係が継続できていると思います。

御社が納入する搬送装置はどのようなものなのでしょうか。

レールだけで10km。お客様の大規模な工場ですと100m×300mほどの面積のクリーンルームがあり、そこに約10kmのクリーンウェイのレールを設置し、1000~1500台のフープ(台車)が縦横無尽に工場を駆け回るような工場です。このフープの中はクリーン度が最も高くなっています。クリーンルームには、クリーン服を着てマスクをした作業員が入ります。

このような搬送装置はどれくらいの期間で施工していくのでしょうか。

最初の設計に2ヶ月、実際に部品を製造して、出荷して、施工して、という流れを全て含めると半年~1年ほどかかります。1つの工場が完成したら次の工場へと拡張していくことが多いです。

クリーンルームに納める装置の技術的な難しさはどういったところにありますか。

クリーンルームの中でゴミを出さない、まき散らさないという条件がより厳しくなっています。ゴミが発生する場合は、出てしまったゴミの処理技術をより高度にしていかなければなりません。スマホの普及に伴い、プロセッサの線幅がどんどん微細化しており、回路の線幅が7nm(ナノメートル)クラスになってきました。こういった背景から、ゴミの発生や装置の振動に対する要求が厳しくなっています。

業界特有のお仕事の難しさや大変さはお感じになられますか。

お客様のスピード感が速いです。納める設備の規模は大きくなっているのに、受注、設計、設備の立ち上げの一連の流れにかけることのできる時間が短くなっています。設備の完成が早まった分、お客様は生産活動を早めることができます。このような要請がより強まっています。

お客様からの要望に応えるためにスピードが重視されるかと思いますが、いかがでしょうか。

eFA事業部の製品の納入先は最先端の工場ですので、対応スピードが遅れると他社に先を越されてしまいます。また、スピードに乗り遅れると、今開発している技術が最先端ではなくなってしまいますので、スピードはとても重要ですね。

設計部について

設計部90名の組織の中で、半導体向け、液晶向けの業務は担当が分かれているのでしょうか。

設計部のおよそ6割が半導体向け、残りの4割が液晶向けの搬送装置の設計をしています。半導体と液晶の両方を担当している社員もいます。半導体と液晶で担当を分けるというよりかは、製品単位で分けています。半導体の場合はある程度規格が決まっており、10kgほどの容器を運び、搬送装置にそれほど大きな違いはありません。しかし液晶の場合は、製造するガラスの大きさによって運ぶものの大きさがずいぶん違いますし、何トンもの製品を運ぶので、半導体とは全く違います。

これまでは業界の浮き沈みがあり、半導体が忙しい時は液晶が冷え込んでいる、逆も然り、だったのですが、最近は両方が忙しいという状況です。

eFA事業部の年齢層が若いイメージを持っているのですが。

売上がここ数年、かなり増えていますので、それに伴った新卒採用、中途採用を進めており、平均年齢が若くなっています。特に30代の若手が多いです。eFA事業部はダイフクの中で最も中途採用が多い事業部です。

半導体・液晶業界は今後どのように成長していくとお考えでしょうか。

5G、IoT、自動運転、仮想通貨のマイニング等、スマホや液晶テレビにとどまらず、eFA事業のカバー領域が広がっていくという予想ができています。半導体が使われる製品がますます増えるでしょうし、データセンターやクラウドなどデータを保管する場所なども増えてくるでしょう。この業界はスーパーサイクルと言われていますが、今後も安定して成長する業界だと感じますね。

乾様が、お仕事の中でやりがいを感じる瞬間はどのような場面でしょうか。

開発に携わっていた頃は、自分が作ったものが動いた時の達成感ですよね。開発の段階ではうまく動いていても、量産になると問題が発生することも多々あります。そこで問題を解決できた時、また達成感を感じます。逆に、絶対にこの問題を解決するんだ!という思いがないと難しいと思います。

社員それぞれの裁量権は大きいでしょうか。

はい、もちろんです。チャレンジに対して寛容で、細かい縛りやルールが少ないと思います。やってみて失敗したならやり方を変えてまたチャレンジすればいいじゃないかという社風です。スピードが重要なので、石橋を叩いて悩むより、まずやってみて失敗したら軌道修正するようなやり方が求められます。

「自身の固定概念にとらわれず、結果に対して素直に考える力を持っている人を中途採用で求めたいです。」

eFA事業部がさらに事業を拡大させていく中で、どのような人材が中途採用で求められるでしょうか。

「技術に対して素直」な人ですね。自身の固定概念にとらわれず、結果に対して素直に、真面目に考える力を持っている人が採用で求めたい人物像です。設計の仕事は、機械工学の知識、材料の知識、電気の知識…あらゆる知識の上に成り立っています。最近はVRや3D-CADなどいろいろなツールの登場で技術が進み、業務が省力化され、効率よく仕事ができる環境が整ってきました。しかし、設計の仕事はベースの知識があってこそ可能です。出てきた結果に対して技術的に考える能力のある人、アナログな知識とデジタルな知識を融合させて考えることのできる人材が必要ですね。デジタルに頼りすぎて効率だけを求めると設計の本質を見失って、成長しないと思います。中途採用では、ベースの知識を持ち合わせた上に、AIやIoT等の新しい領域に貪欲な人は魅力的に思いますね。

「お客様だけでなく、製造や現場の方など色んな人の意見を聞きながら設計していく力が求められます。」

お客様と接する機会も多いとのことでしたが、採用ではコミュニケーション力も求められますよね。

もちろんです。お客様だけでなく、製造や現場の方と話す機会もあります。いろいろな人の意見を聞きながら設計していかなければなりません。まずは聞く能力です。相手が持っている意見を素直に聞いて、それを自分なりに解釈し、自分の中で、相手はこういうことを考えていると理解して、形にしていくのが大事です。言われたことをそのままやるのではなく、いったん自分の中で解釈して進めると、自身の技術の幅も広がりますし、個人的にもそういう人材を採用したいと思っています。

「世界の最先端を走る海外メーカー、最先端工場に触れる機会が多い仕事です。」

ご応募を検討されている方にメッセージをお願いします。

私たちのお客様のほとんどは、世界の最先端を走る海外メーカーです。そのようなお客様と直接話をしたり最先端工場に触れる機会が多い仕事です。お客様の工場の中が公開されることはまずありませんし、eFA事業部のマテハン技術を実際に目にすることはほぼないと思います。当社ではそのような搬送/保管装置に直接関わることができます。今や当社の搬送/保管装置は客様の製品生産に欠かせないものになっています。最先端の分野に触れたい、海外で活躍したいとお思いの方に是非、応募していただきたいです。

<乾様のご経歴>
―――ダイフク社に入社後、どのようなキャリアを歩まれて来られたのでしょうか?
1996年に新卒採用で入社してから22年間、eFA事業部で設計の仕事をしています。学生時代に機械工学を専攻しており、就職活動でダイフクの工場見学をした時に面白そうだと感じました。当時は「ダイフク」という名前すら知らなかったのですが、地元に帰りたいという思いもあり、ダイフクに入社しました。入社後は小牧事業所の配属となり、2000年に滋賀事業所に異動になって以来、滋賀事業所に勤めています。半導体向けの搬送装置や自動倉庫の設計を中心にやってきました。
eFA事業部の母体は、もともとFA&DA事業部の中にありました。私が入社した当時は、半導体分野で日本のメーカーがトップで、クリーンルーム向けの搬送装置のニーズに対していち早く対応し、それ以来eFA事業部の社員も、売上規模も拡大を続けています。

本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
※本記事は2018年に公開されたものを再編集しています。

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タイズは、2005年の創業以来、メーカー専門で転職支援を行っている転職エージェントです。15年以上の転職支援実績を元に記事を執筆しております。

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