企業インタビュー
[ 株式会社安田精機製作所 ]
【株式会社安田精機製作所】中途採用、求める人材、社風などをインタビュー!
プラスチック、ゴム、繊維、革、紙、インキ塗料などの、素材段階での物性評価を行う「材料試験機」というニッチな分野で60年以上の歴史を持ち、国内でトップシェアを獲得されている株式会社安田精機製作所(以下、安田精機製作所)。兵庫県西宮市に本社・工場を構える同社の社内の雰囲気や、事業の強み、求める人材像などを人事採用担当にお伺いしました。
ご経歴をお聞かせください。
大学卒業後は音楽放送・通信関連の企業に就職し、約5年間、新規開拓営業に従事していました。その後、米国留学を経て、営業社員として当社へ入社しました。工場研修や近畿エリアでの営業活動を経て、営業系管理職として歩み、現在に至ります。現在は、西日本営業課、海外営業課、東京営業所、メディアマーケティング課の統括および、人事採用を担当しています。
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01. 安田精機製作所の事業内容や強みについて
安田精機製作所の事業内容についてお教えください。
当社は材料試験機の製造販売を行っています。私たちの身の回りのあらゆるモノ・商品は、すべてが何らかの評価試験をパスして初めて世の中に出ています。当社の試験機はその中で、商品の材料となるプラスチック、ゴム、繊維、革、紙、インキ塗料などの、素材段階での物性評価を行う役割を担っています。さまざまなモノづくり産業および社会を陰から支える、縁の下の力持ちと言える存在です。例えば自動車ひとつをとっても、1台の自動車は外装、内装、タイヤ、ガラスなど、膨大な量のパーツで構成されています。タイヤなら、タイヤへと成型されるゴムシートの段階で、強度試験や耐摩耗性試験などさまざまな試験が行われます。内装などに使われるプラスチックもペレットの段階から、たわみ性試験や耐熱試験、さらに成型のしやすさを測る流動性試験など、多種多様な試験が行われます。日々研究を重ねて新たな素材を開発し続ける素材メーカーにとっても、またそれらの素材で製品をつくり品質を保証する完成品メーカーにとっても、あらゆる物性試験は常に欠かせないものであり、とても奥深い世界です。当社は素材メーカー、完成品メーカーの双方に、材料試験機を提供しています。
安田精機製作所の材料試験機には、どのような強みがあるのでしょうか?
材料試験機業界は非常にニッチな業界ですが、当社はその中でも特に、自動車産業にとって欠かせないプラスチックとゴムの物性試験に強みを持っています。
また「カタログ品を売って終わり」ではない体制も、多くの顧客から高い評価をいただいています。例えば、ひとくちに「ゴムの材料試験機」と言っても、顧客のニーズは多岐にわたります。「自社の製品に合わせてここを特に強化したい」「作業環境に合わせてカスタマイズしたいがどうすれば」といった異なる要望が、顧客ごとに存在すると言っても過言ではありません。それらをひとつひとつヒアリングして持ち帰り、営業・エンジニアが一体となって課題解決と提案に取り組むことが、当社の大きな強みとなっています。
さらに、納めた試験機を30年、40年にわたり使い続けてくださる顧客も少なくありません。その試験機が役目を終えるまでのトータルコーディネートも当社は大切にしています。日頃のメンテナンスや年1回の定期点検で試験機を見続けるサービスエンジニアは、修理履歴が全て頭に入っているほど1台1台の試験機に精通しており、更新の提案など営業的な役割を担うケースも多数です。最初から最後まで、全部署が一丸となって顧客に寄り添い、「ずっと付き合いたい」と思える存在となるよう心がけています。
今後の展望と戦略についてお聞かせください。
日本国内はもちろんのことですが、今後は東南アジアを中心とした海外市場にも、さらに注力していきたいと考えています。自動車産業を中心に、これらの国々には日本メーカーの海外拠点も多く、まだまだ開拓すべき大きな市場が広がっています。JIS規格・ASTM規格・ISO規格に準拠した装置での評価試験が確立すれば、どの国のどのメーカーでもビジネスチャンスが生まれるでしょう。国をあげて産業支援を推進している成長国に対し、私たちも自社の技術でぜひお役に立ちたいと、提案活動に邁進しているところです。
02. 中途採用の選考や求める人材について
営業をされていた柿本様が人事採用に携わられるようになった経緯をお教えください。
「一緒に働く仲間、一緒に成果を上げていく仲間を、自分たち自身で見極めたい」という、私たち社員からのボトムアップが出発点です。当社では面接選考において、一次面接および、二次の役員面接を実施しています。その一次面接を現場主導で行いたいと経営層に要望し、「やってみろ」と経営層も快諾してくれました。現在、一次面接は、営業系では営業部の面接担当メンバーが、エンジニア系では各部署の設計課長や係長が担当し、二次の役員面接にも基本的にそのメンバーが参加しています。これによって、例えばエンジニア系では「現場が求めるスキル」と「本人が活かしたいスキル」の相違がないようなスキルチェックが可能になりました。また、当社側と転職者の双方が「この人と一緒に働きたいかどうか」を面接で見極めることができるため、入社後のアンマッチも全社的に減ったと思います。
面接方法を変えられて、転職者側の反応はいかがでしたか?
当社では一次面接後に、社員との座談会も、現場主導で独自に実施しています。配属予定部署を中心とした社員たちと、20〜30分間の座談会を通じて自由に会話することで「こんな人たちが、こんな業務に、こんな気持ちで携わっている」と、五感で感じています。実際に見て、合う・合わないを転職者側にも見極めてほしいという思いからですが、「座談会で、この会社は肌に合うと感じた」と当社を選んでくれるケースが増えています。
これから安田精機製作所に中途入社する方には何を求めますか?どんな方と一緒に働きたいとお考えですか?
当社は創業66期目を迎えますが、まだまだ未完成かつ、将来に向けて解決すべき課題も多い組織です。だからこそ、その未完成さに面白味を感じてくれる方に来ていただきたいと考えています。「毎日が決まったことの繰り返しではない」ことに居心地の悪さを感じる方には、当社は向いていないと思います。当社の完成していない部分に対して「こうした方がいいのでは」「自分はこうしたい」と発信できる方、「これはどうしてこうなってるの?」と疑問を持つ方と、一緒に面白い仕事をしていきたいですね。
社員の皆様は、どんなタイプの方が多いでしょうか?
当社では人間性のマッチングを最も大切にしているため、皆、出身や経歴はさまざまです。営業もエンジニアも業界関係なく、多彩な分野から集まっていますね。共通点は、一人ひとり個性が強く、かつ柔軟で好奇心旺盛、新しいことにチャレンジしていく意欲を持っていることです。常に面白いことを吸収して守備範囲を広げようとする人、自分から「こんなことがしたい」と、受け身でなく前向きに発信する人が多いです。
入社後の研修は、どのようにされているのでしょうか?
営業の場合もエンジニアの場合も、まず当社の全体像を把握するための研修プログラムを受けていただきます。営業の場合は、まず入社後に営業部門で1ヶ月、工場で2ヶ月。エンジニアの場合は、まず営業部門で1週間、工場で2ヶ月。その後、各部署を1週間単位でまわり、当社業務の基本的な内容を網羅的に学んでいきます。これは、社内のさまざまな部署の人々との関係づくりを最初に行うためでもあります。当社の仕事は、営業もエンジニアも、自分のデスク上だけで完結するものではありません。「この装置をベースに、こんなスペックにしてほしい」「こんなふうにカスタマイズしてほしい」といった、ひとつひとつの顧客ニーズに応えるため、他部署のメンバーと課題解決に向けて協働することが重要です。多くの人々に助けを求めながら、どんな提案をするかを考える方が、面白くなおかつスムーズに仕事が進みます。そうした関係づくりをまず行えるようにしようと、この研修プログラムも社員からのボトムアップで誕生しました。
03. 安田精機製作所の社風や働き方(テレワークの状況、残業・有給休暇の状況)について
一言でいうとどのような社風でしょうか?また、それを表すエピソードも教えてください。
「まずはやってみよう」という精神のある社風だと思います。走り出してから失敗すればその都度修正すればいい、まずは行動に移そうという考え方です。社員が「こんなことがしたい」と発信すれば、大抵の場合は「やってみろ」とチャレンジさせてもらえます。具体的なエピソードは非常に多くて限りなくありますが、一例をあげるなら、委員会活動でしょうか。コミュニティアップ委員会、安全衛生委員会、エコ委員会などが、若手の委員が中心となって活動しており、社内の重要な取り組みを活発に進めています。
働き方について、新型コロナによって、何か変化はありましたか?
かなり大きく変化したと思います。当社では、国の緊急事態宣言を契機に、初のテレワークを実施しました。営業は一部の幹部を除いて全員テレワークを行いましたが、製造だけは顧客への納期もあり止めることができません。1日の稼働率を下げつつ納期も守るためにはどうすれば良いかと、製造部とともに知恵を絞った結果、緊急事態宣言中は1週間のシフト制で稼働することにしました。製造の皆も「こんな時だから」と快諾してくれて本当に有り難かったです。テレワークを通じて生じた変化は、今も社内のあちこちで活かされていると感じます。例えばオンライン会議が浸透した結果、他拠点との物理的な距離を感じなくなりました。東京営業所とも日常的にオンライン会議を行うようになり、コロナ前よりもコミュニケーションが深まっています。働く場所は問題ではない、ということを学びました。
ワークライフバランスについてはいかがでしょうか。残業時間や有給消化の状況などは?
当社はオンオフの切り替えについても、日頃から大切にしている会社だと思います。定時は17時30分ですが、早い日は18時頃にフロアの電気がほとんど消えていますね。もちろん「日帰り出張から帰ってきたら20時になった」という日もありますが、普段から残業の多い風土ではありません。決まった時間内で集中して仕事を進め、キリ良く帰ることを、管理職をはじめ一人ひとりが心がけています。有給消化率は50〜60%位です。家族の都合などで必要な時に、誰もが遠慮することなく有給を利用しています。自分の業務を調整した上で、有給と組み合わせて1週間の連休を取得する人もいますよ。休み中のサポート方法を前もってチームの中で決めておくなど、周囲との連携力で業務に支障をきたすこと無く、プライベートの時間も確保しています。
最後に、安田精機製作所への応募を検討している方へのメッセージをお願いします。
ぜひ一度、実際に当社を見て、どんな会社なのかを五感で感じていただきたいと思います。当社の材料試験機はさまざまな分野にわたる産業を支えるものであり、顧客の幅も広く、日々新たな発見にあふれています。顧客も自社もずっと研究に励み続けている、進化の歩みを止めることのない世界です。それを自ら楽しめる方に、ぜひ来ていただきたいですね。当社のエンジニアは、ただスペックの決まった装置をつくるのではなく、いかに使い勝手を向上していくかという終わりなき課題とも向き合います。改良・改善の余地はまだまだあり、「新たなものを生み出したい」「モノづくりをずっと突き詰めたい」と考える方なら、大きなやりがいを感じていただけるはずです。自社内のひとつの建屋の中で、設計〜製造〜出荷まで完結する体制のため、自らの設計が装置として組み上がり実際に動くところまで見ることができます。また、営業も海外事業やIT活用など、今後やれることがまだまだあります。営業とエンジニアが協働し新しいアイデアや製品を顧客に提供していく、そのような環境に魅力を感じてくださる方をお待ちしています!