企業インタビュー
[ 株式会社ホリゾン ]
【株式会社ホリゾン】人事責任者に聞く!中途採用で求める人材像や社風などをインタビュー
高度に自動化されたポストプレス機器で、世界トップクラスのシェアを誇る株式会社ホリゾン。滋賀県に本社を構え、開発・エンジニア職から、経理などの管理系職種や営業まで幅広く中途採用を実施されています。今回は人事責任者の方に、事業の強みや今後の展望、求める人材像などをお伺いしました。
01. 事業や強み、今後の展望について
堀様のご経歴をお聞かせください。
大学では化学を専攻し、卒業後は大手メーカーの研究開発部門で5年間、研究開発に従事していました。その後、当社に入社し、ドイツ拠点「Horizon GmbH」にて海外代理店を対象とした海外営業を担当。現在は本社で、人事責任者として各種人事制度の策定や採用活動全般、経営戦略における判断業務全般に携わっています。
ホリゾン様の事業についてご紹介いただけますでしょうか。
当社の事業は大きく分けて3セグメントになります。まず1つ目は、主力であるポストプレス機器事業。先日、経産省の「グローバルニッチトップ企業100選」にも選ばれたように、非常にニッチな分野でグローバル展開を行い、シェアトップを獲得しています。ポストプレス機器とは、印刷(プレス)の後(ポスト)に、さまざまな紙加工を行う産業用機器です。顧客は印刷・製本業界、または大量の取扱説明書などを発行する大手企業内のパブリッシング部門など、100%法人向けの事業になります。
2つ目は、コンシューマ向けの事業です。「Tシャツくん」をはじめとした、家庭で手軽に本格シルクスクリーンを行えるプリントキットを製造販売。自社Webショップ等を通じて一般のお客様へ、楽しみやワクワクを提供していくことを目的としています。
3つ目は今後本格始動する、全く新たな事業になります。
ポストプレス機器では、国内・海外ともに圧倒的なシェアを有しておられますが、どのような強みをお持ちなのでしょうか。
当社のポストプレス機器は、国内では総合シェア70〜80%、海外では製品によって30〜50%のシェアとなっています。当社ではポストプレス機器事業をスタートした20年前から、「印刷製本工場の自動化」を掲げ、自動制御に取り組んできました。印刷の後工程である紙加工にはさまざまな種類がありますが、その主流となる「糊付」「ホチキス綴じ」「紙折」「断裁」「丁合」の5カテゴリーで、当社は自動化を実現しています。ポストプレス機器における競合メーカーは世界に10社程度ありますが、5カテゴリーにおよぶ自動化を実装しているのは当社のみです。自動化によって何が変わるかというと、長らく「3K職場」と言われてきた印刷工場のスマートファクトリー化が実現します。今まで手作業の割合が高かった工程を、自動制御された機械が行うので、重い紙束を持ち上げて腰を痛めたり、インクで汚れたり、紙の端でケガをするといったことが無くなります。人の手が介在しないため作業ミスも無くなります。当社はこうした「製本のスマートファクトリー化」を掲げ、印刷後加工のワンストップサービスを提供しています。さらに近年では機器単体にとどまらず、印刷の上流工程から出荷などの下流工程まで含めた、トータルなFAシステムの提供に取り組んでいます。このような非常にニッチな分野で自動化を推進する企業は世界でも数少なく、メーカーとしては後発にも関わらずシェアを獲得できる理由のひとつとなっています。この分野の世界最先端であるという自負のもと、機器メーカーから「印刷製本のFAシステムメーカー」への進化を目指していきます。
スマートファクトリー化について、顧客の反応はいかがでしょうか。
例えば紙折機や製本機の操作は、以前なら熟練した職人技が求められる世界でした。世界的に少子高齢化が進む中、そうした技術の継承は非常に困難となっています。当社の製品を導入したことで「新しく入った従業員でも1日目から作業をこなせるようになった」「簡単操作でスキルレス化が実現した」と喜んでいただけることが大変多いです。
製本機器市場へ参入されたきっかけは何だったのでしょうか。
当社は1946年に創業し、当時はOEM系の製造を手がけていました。何とか自社ブランドを持ちたいと模索し、社会に欠かせない教育・書籍に関わる仕事をしようと決めたのが40年前です。小回りのきく卓上製本機からスタートし、まずは一般オフィスや小規模な印刷工場向けに販売。そこで培った商品力とマーケティング力を基に、「省スペースで生産性の高い製本設備機器が欲しい」というニーズに対応する製品開発へと発展していきました。いち早くデジタル対応を果たしたことで、「多品種少量生産ならホリゾン」という立ち位置を確立しました。
新規事業では、どのようなことに取り組んでいかれるのでしょうか。
先にお話ししたこととも繋がりますが、既存市場を拡張する取り組みとして、製本の中間工程や後工程のマテハン、ロジスティック領域のシステム化に取り組んでいます。製本の技術を活かし、近隣市場、例えばTシャツやかばんなどの布地に印刷するシルクスクリーン・転写印刷など、紙印刷以外の印刷市場にも踏み出していきます。また当社技術の更なる活用として、測定機器関連・医療機器関連分野でも開発販売をスタートしており、すでに幾つかの実績をあげています。今後は、生産性向上のために開発した自社設備のブランド展開を予定しており、メカと制御が融合したモノづくりのソリューションを、機械系メーカー向けに提案していく予定です。
2020年には新たに本社びわこ工場が竣工し、構内には「ホリゾンイノベーションパーク」がオープンされますが、どのような施設でしょうか。
「ホリゾンイノベーションパーク」は、世界の印刷業界における発展のシンボルとなるようなショールーム機能が中心となります。スマートファクトリーを体感・実感していただける最新製本システムを備えた、提案のためのオープンラボとして機能していきます。
そして本社びわこ工場には、全ての開発部門、マーケティング部門、生産管理・生産技術部門を集約。その名の通り、さまざまなイノベーションを楽しみながら生み出していきたいと考えています。
今後の事業や市場の展望についてお聞かせください。
活字離れ・書籍離れと言われる昨今ですが、最近では逆に「デジタル疲れ」の傾向も見られます。また今回の新型コロナにより、書籍の売上が世界的にアップしているという状況もあり、世界の印刷産業の市場規模は底打ちしており、印刷総量は増えないものの、今後も無くなることはありません。印刷の仕事、本に関わる仕事は、社会がある限り必要とされ続け、多品種少量のオンデマンド印刷・製本への需要はますます高まると考えています。その中で当社は、印刷工程・製本工程の更なるデジタル化にシフトしているところです。当社のデジタル対応技術を活かし、変化の只中にある業界に向け最適なソリューションを提供し、デジタル化すべきさまざまな工程に対し、IoTやソフト面の強化も含めた適切な製品投入をすべく開発を推進します。コロナ禍による非接触・三密回避のニーズも、当社が推進する省人化への取り組みと方向性が合致しています。
02. 社風や文化、働きやすさについて(残業や有給休暇)
次に、ホリゾン様の社風についてお聞きします。社員の皆様はどのようなタイプの方が多いでしょうか?
真面目で素直な中にも、主体性と自由な意見を持った、キラリと光るところのある人が多いです。当社では3年前からキャリア採用と外国籍の採用を開始していますが、自然に受け入れられる柔軟な風土があることを再確認した次第です。開発部門は、従来から若手技術者の意見も積極的にとり入れる風土で、入社2年目の意見で機構や構造が決まったり、入社3年目の設計した電子部品が採用される、といったことも珍しくありません。マーケティング部門においても、Webセミナーやポッドキャストなど新しい販促ツールの導入などを、20代後半の社員が主導して進めていますので、若手でも意見を言える環境ですね。
働きやすさについてはいかがでしょうか。残業や有給取得のご状況は?
残業は、平均すると月に20〜30時間程度。2019年度の有給取得日数は平均10日です。
時間外勤務については厳格に管理をするのではなく、一人ひとりの主体性を尊重しています。仕事のやりがいとプライベートの充実、両方が満たされてこそ幸せが実現する考えのもと、「仕事もプライベートも楽しい」と思えるような環境づくりを目指しています。
03. キャリア採用の狙いや求める人材について
キャリア採用は、どのような狙いで行っておられるのでしょうか。
近年までほぼ全員がプロパー社員でしたので、他社の文化ややり方を取り入れる必要がありました。外部の風を入れる狙いでキャリア採用をスタートさせた結果、キャリア入社者の仕事のやり方を見て、プロパー社員が刺激を受けており、やはり学びは大きいと感じています。今後もキャリア採用を継続することで、プロパー社員とキャリア入社者のシナジーを生んでいきたいですね。
キャリア採用者の育成体制はいかがでしょうか。
30代半ば以上の即戦力者は、入社直後からバリバリと活躍する人が多いです。こうした層のキャリア入社者には、教育というよりも、思うように自由にやってもらうことを大切にしており、それが本人のやりがいにも繋がっています。キャリアの浅い若手層なら、まずは当社の一連の業務を知ってもらい、人とのネットワークを築くところからスタートします。当社では、どれだけ後輩教育に携わったかが人事評価のひとつの指標となっているため、現場全員で新入社員の実力向上に貢献する風土が根づいています。
キャリア採用において、どのような方を求めるかをお聞かせください。
受け身ではなく、主体性ある方を求めています。若手・中堅問わず、自分のスキルと経験を発揮したい、意見を発信したいという方に来ていただきたいと思います。現在、当社は変革期なので、その変革に自ら参画する人、変化を起こすことにやりがいを感じる人が、当社では活躍しています。新卒社員も入社2〜3年で自らの開発が製品に採用される環境ですから、キャリア入社者にはさまざまなチャンスがあります。
04. タイズの印象や期待することについて
タイズの印象や期待することについて、教えてください。
タイズさんはこちらが求めている人材ニーズの細かい部分まで把握されていて、キラリと光る魅力的な方を紹介してくれています。一般的な転職エージェントは「求職者」か「企業」のどちらかだけ担当されることが多いですが、タイズさんは一人のコンサルタントが両方を担当されています。そのためミスマッチが少なく、魅力的な方をご紹介いただけているのかなと感じております。
今後もこれまで同様、弊社だけではなく転職希望者にとっても価値のあるマッチングをしていただき、弊社の発展に貢献いただきたいですね。
最後に、応募を検討されている方へのメッセージをお願いします。
「大きな組織に窮屈さを感じていた」という人が、当社には数多く入社しています。当社は、モノづくりの上流から下流まですべての工程を社内に持っているため、一部分ではなく責任ある立場で開発に携わっていただけます。「やりたい仕事を思うようにできない」「自分のやりたいことを発信できない」というジレンマを抱えている方は、当社でなら、その実力をいかんなく発揮していただけるはずです。やりたいことを実現できるモノづくりの中堅メーカーで、ぜひ一緒に仕事を楽しみましょう!