企業インタビュー
[ 参天製薬株式会社 ]
【参天製薬株式会社】事業や中途採用の状況、社風などをインタビュー
参天製薬株式会社(以下、参天製薬)への転職をご検討中の方に向けて、採用担当者にインタビューしました。事業や今後の展望、中途採用の状況から社風までを教えていただきました。
01. 参天製薬の事業、強み、方向性について
・御社といえばやはり、医療用眼科薬国内市場No.1であることに加え、私達がドラックストアなどで購入可能な一般用眼科薬についても多くの製品を製造販売されていることから、“目薬”のイメージがあるかと思います。
数ある製薬会社の中でも、選択と集中により疾患領域を特化されていることに関して、眼科医療に懸ける会社の方針や思いなどをお伺いできますでしょうか。
私どもSantenは今年で創業130周年を迎えました。これまで眼科に特化したスペシャリティ・カンパニーとして、目の課題に向き合い、取り組み、成長を続けてまいりました。また、2015年には抗リウマチ薬事業を売却し、完全な眼科専業企業となりました。このように選択と集中を高めることによって目の悩みを抱える世界の人々に対し、Santenは世界で最も貢献できる企業であり続けたいと思っています。
・2020年までの経営計画「Vision 2020」においては、世界で存在感のあるスペシャリティ・カンパニーの実現を掲げられており、継続した増収増益や、海外売上比率の向上など、その成長性が魅力的だと感じております。
10年間の会社の成長について、どのように捉えておられますでしょうか。
私たちが10年前に「Vision 2020」を発表した当時の売上は約1,100億円でした。それを10年間でほぼ2倍の2,000億円にするという目標は非常に野心的で、挑戦的で高い目標のように感じられました。
しかし、実際はさまざまな環境変化、世界的な医療費抑制の動きなど厳しい環境であったにもかかわらず3年前倒しして2017年に2,000億円を突破し、目標を大きく上回る成長を実現することができました。
また、「Vision 2020」で掲げた重要な目標の一つにグローバル展開がありますが、これについても展開国・地域数は35から60以上へと大きく増加し、社員数は約1/2が外国人社員となりました。さらに、海外売上高比率も30%を超えるなどグローバル企業へと大きな進化を果たしました。
こうした目標を達成できた要因の一つに、いくつかの事業買収、提携などインオーガニックな活動があると考えます。例えば、2014年に獲得したメルクからの緑内障製品は、緑内障治療薬のラインアップおよび売上の拡大に大きく貢献しました。これにより、ヨーロッパとアジアにおけるビジネス展開を大きく加速することができました。
・新長期ビジョン(※)の根幹にもなっている基本理念「天機に参与する」ですが、御社の社名の由来にもなっており、その基本理念を非常に大切にされている印象を受けます。その言葉の意味を、改めて教えて頂けますでしょうか。※2020年に長期ビジョン「Santen 2030」を策定されています。
「天機に参与する」は、自然の神秘を解明して人々の健康の増進に貢献するということを意味しています。私たちはこの基本理念に基づき、眼科領域で人々の健康、幸福に貢献することを目指しています。世界の誰よりも目のことを真剣に考え、目に関わる課題解決に挑戦し続けたいと考えています。
・今回のビジョン策定の背景にもなっているかと思いますが、御社のフィールドである眼科領域においては、今後どのような市場変化があるとお考えでしょうか。
世界的な人口の増加や高齢化の進展により、加齢に伴う目の疾患を患う人々がアジアを中心に著しく増加していくと考えられます。また、モバイルデバイスの活用などライフスタイルの変化で、さまざまな目の問題を抱える人が増加すると思われます。加えて、この度の新型コロナウイルス感染症の影響もあり、屋外での活動が世界的に減少していく中で児童の近視が増えていくのではないかという懸念もあります。
一方、技術の進化により個人のニーズに合わせたより細やかなアイケアの提供ができ、これまで治療が行き届いていなかった人々への治療の提供が可能になってくると考えられます。さまざまなイノベーション、中でもデジタルテクノロジーは、これまで以上に世界の人々に、そして暮らしの中に浸透していくのではないかと考えられます。
・今回発表されたSanten’s VISION、「Become A Social Innovator」という言葉に、まさに御社のビジョンが表現されていると思います。製薬会社という枠を超え、【目】の領域で世界中に影響を与える企業を目指されていると感じておりますが、既に取組まれていることや社内での変化等ございましたら、お聞かせ頂けますでしょうか。
私たちはこれまでの製薬企業としての枠組みを越え、Social Innovatorとして社会への貢献を通じ成長を目指してまいります。Santenがこれまで130年間培ってきた眼科領域におけるリーディングカンパニーとしての強みを中心に据えて、それを最大限に生かしながら世界中の新しい技術、キャパシティをつなぎ、世界にとって価値のあるイノベーションを実現していくことを目指しています。
最近の具体的な成果としては、今年1月に国連の情報およびコミュニケーションテクノロジーの専門機関である国際電気通信連合(International Telecommunication Union:ITU)とパートナーシップを締結し、ITU とWHOとの取り組みである眼科領域におけるBe He@lthy, Be Mobile(BHBM)をサポートすることを決定しました。SantenとITU は、BHBM の、眼科領域における予防可能な非伝染性疾患に注力し、人々の目の健康の実現を目指しています。
また、今年2月にはGoogleを傘下に持つAlphabetの子会社で、ライフサイエンス関連の事業を手掛けるVerily 社と合弁会社の設立に合意しました。この新たな合弁事業は、さまざまな人々の目の健康の向上を目的としており、世界中の近代的な眼科診療を支援するためのソリューションを開発していく予定です。Santenの眼科における専門性および高い技術と、Verily社の統合医療機器や機械学習の開発における専門性を融合することで、独創的な眼科デバイスや総合的な技術ソリューションの開発と商品化を目指します。
02. 中途採用の状況や入社後活躍されている方について
・近年積極的に中途採用を行われていますが、“グローバル展開の加速化”が背景となっているのでしょうか。
先にお話ししました通りSantenの展開国・地域数は2010年の35から現在は60以上へと大きく増加しました。
これに伴い現地のビジネスに精通した即戦力人材が必要となっています。また、デジタル技術の活用など製薬業界の枠を越えた患者さん視点での眼科医療の発展を加速していることから、新たな領域でグローバルに即戦力となり得る人材を社外に求めていることが背景となっています。
・御社においては、中途入社でどのような方がご活躍されているのでしょうか。
Santenでは業種よりも前職での実績を重視しており、製薬以外の業種から転職された方も多いです。
即戦力として自らの強みを存分に発揮していただくことはもちろんですが、前職の経験に固執せず新しい環境に柔軟に適合し、新しい付加価値を提案できる方が活躍されていると思います。
03. 社風について
・御社の社風として、真面目で誠実な社員の方が多く、オープンフラットな印象を感じておりますが、実際に働かれている中でお感じになる社風をお聞かせいただけますでしょうか。
弊社は、“誠実に行い、信頼を得る” ことをとても大切にしており、採用面接においてもこの点は必ず確認します。したがいまして、Santenで働く人々は誠実に仕事を行い、周囲の信頼を得ることのできる人物だと確信しています。
実は私自身もキャリア入社なのですが、入社当時既に創業115年の会社で、古風かつ堅実でどちらかと言えば保守的な社風のイメージを持っておりました。しかし、実際に入社してみると海外展開に積極的で、新しいことにチャレンジする気質を持つ方々が多いことに驚き、良い意味でイメージを覆されました。
また、プロパー社員とキャリア社員の垣根がなくお互いがごく自然に融合してることにも驚きました。Santen入社前に勤務していた外資系製薬会社は合併を重ねた会社であったため、「あの人は元○○社」というような色分けをする風土があったのですが、Santenにはそういうところが全くなく、スムースに新しい職場・仕事に馴染むことができました。
プロモーションに関してもキャリア入社によるDisadvantageはなく、実力主義だと思います。
・参天グループとして従業員数も年々増えておりますが、社内で感じる変化などございますでしょうか。
グローバル化の進展に伴い、外国人の方が基幹ポストに就くケースが増えてきました。また、障がい者雇用においては法定雇用率を達成するだけでなく、当社理念の実現に欠かせない視覚障がい者の方の採用や支援についても積極的に取り組んでいます。
・2018年に谷内社長が就任されてから変化があったことや、社員の方からみた谷内社長のお人柄、印象的なエピソードなど、お聞かせ頂けますでしょうか。
多忙にもかかわらず、時間を割いて社内ポータルサイトにある社長ブログを頻繁に更新しています。これによって我々社員が社長の考えや想いをタイムリーに理解し、一丸となって目指すべき方向に進むことができているように感じます。
印象的なエピソードは、社長自身が率先して昨年2月から3月にかけて育児休暇を取得したことです。これにより前年度わずか6%であった男性の育児休暇取得率が、翌年度は67%と一気に10倍以上になりました。社長が率先垂範したことで、働き方改革も加速しているようです。
・基本理念に基づく期待行動を示した「サンテン・リーダーシップ・コンピテンシー(SLC)」グローバルに展開されていると拝見しました。どのようなものか、教えていただけますでしょうか。
Santenとして大切にしたいことは基本理念などで明確に示されています。これらを踏まえ社員に期待したい行動を具体的に表現したものが「Santen Leadership Competencies(SLC)」です。
この「SLC」はSanten内で人材を語る共通のことばであり、グローバルに組織・人材づくりを行う上での核となります。
04. 人事制度や給与制度について
・年齢キャリアに関係なく成果によって評価される制度が特徴的だと感じますが、その背景にある考え方などについてお聞かせ頂けますでしょうか。
Santenでは、会社のビジョン・戦略から必要な組織と職務(役割・責任)を設定し、その職務に適正な人材を配置します。つまり、「職務」が先にあり、その「仕事」の責任を果たせる人材を「配置」するということです。
そして、その職務に設定された期待行動とその具体的な成果を評価し報いていきますので、年齢やキャリアに影響されるものではないということが言えます。
05. 働き方について(在宅勤務など)
・以前からの在宅勤務制度導入や、コロナウイルス流行の際にいち早く在宅勤務に移行されるなど、先進的な働き方も印象的です。実際の働き方や、働き方に関する取組み、今後の見通しなどをお聞かせ頂きたいです。
Santenは、生産性、成果を重視し、職務やプライベートのニーズに応じた多様な働き方、考え方を尊重できる勤務形態を構築するという方針のもと、2017年にはいち早く在宅勤務(テレワーク)を導入するなど、働き方改革に積極的に取り組んでいます。
今回のCOVID-19に関しては、感染拡大防止に向け、オフィスワークの社員は、原則テレワークでの勤務形態やオンライン会議をはじめとするリモート環境をベースとしたコラボレーションへ移行しました。
また、営業職の社員においても、オンラインの活用により情報収集・情報提供を行うなど、新しいワークスタイルの構築を進めています。
06. タイズの印象や評価について
・転職エージェントに期待していることやタイズの評価を教えてください。
私たち採用担当者がエージェントさんに期待することを一言で言えば、候補者様の「質」になります。候補者様のスキルや経験は事前に確認可能ですが、もう一つ大切にしていて事前に確認することが難しいのは当社事業や理念への共感です。
私たちSantenは生命関連企業として生活者の皆さまに医薬品等をお届けすることで世界の人々に貢献していくことを宣言していますが、候補者様ご自身が実現したいことが当社の方向性と合致していることは働き甲斐と言う意味でとても重要な点と考えています。
タイズさまとは同じ大阪に本拠地のあるエージェントさまとして直接お話しする機会も多く、当社の企業文化をよくご理解いただけていると感じています。 またご担当者(釜瀬さま)は製薬企業で働かれたご経験があり、製薬企業での働き方や仕組みについて求職者様のよきアドバイザーとなりながら、我々企業側が求めている質の高い候補者さまをご紹介いただけていると評価しています。
07. 転職を検討されている方へメッセージ
・御社がこれから求める人材や、中途入社者に対して期待することなどを教えて頂けますでしょうか。
我々Santenは、今回発表した新長期ビジョンの達成に向けて困難なことにもチャレンジし、目の領域において「創造と革新」をもたらしたいと考えています。これを成し遂げるために、自ら率先して行動し変革に挑むことのできる人材、そして「まず、動く」「とにかく、やってみる」ことのできる人材を求めています。
Santenが目指す理想の世界「Happiness with Vision」を共に創り上げていける方々のご応募をお待ちしています!