企業インタビュー
[ 川崎重工業株式会社 ]
[川崎重⼯業株式会社]【企画業務に興味のある方必見!】アフターサービス企画業務について魅力をお伺いしました
(2018.6.8更新)川崎重⼯業株式会社エネルギー・環境プラントカンパニー エネルギーシステム総括部カスタマーサポート部 企画課課⻑ 近藤幹紀様
インタビュー
エネルギーシステム総括部カスタマーサポート部 企画課課⻑ 近藤幹紀様
現在、携わっておられる業務について教えてください。
「アフターセールスサービス事業企画」という業務です。
企画課⾃体は、アフターセールスサービスについて企画業務を考える部⾨が必要だということで、2008年にできました。設⽴当初の課⻑は、産業⽤M7型ガスタービン(※累計⽣産台数100台以上)開発の第⼀⼈者で、部下は私を含めた3名の少数の部隊でした。課ができた当時は技術系3名、事務系1名の構成でした。
なお、カスタマーサポート部には、企画課以外にフィールドサービスを担当する部隊等があり総勢70名ほどいます。メンテナンスや不具合対応で忙しい中にあっても、アフターでしっかりと利益を得て、将来の開発投資に繋げて事業を継続していくことを考える部⾨が必要です。その為トップダウンで企画課を⽴ち上げることとなったのが、ちょうど10年前です。現在は、11名体制となっています。具体的な業務には、企画/管理業務として、ポリシー策定/管理・スキーム策定/管理・予実管理があります。それ以外に営業活動としてサービス拡販/新規受注⽀援業務や、拠点のLTSA(Long Term Service Agreement: ⻑期サービス契約)交渉⽀援として条件交渉・各種問い合わせ対応などがあります。
当社の産業⽤ガスタービン・ガスエンジンの納⼊実績は、国内での⾮常⽤発電設備、⼯場等の⾃家発電設備や新規電⼒事業者向けが中⼼です。⾮常⽤発電設備のメンテナンス需要が伸びていますが、関係会社(カワサキマシンシステムズ)や提携している指定サービス店のネットワークがあるので、国内はメンテナンス体制が充実しています。⼀⽅で海外はこれからです。市場環境を捉えた事業展開としても、海外拡販に注⼒しており、海外営業⼈財も強化中です。様々な地域で実績が出ると、納⼊後どのようにアフターサービスを提供する必要があるかを考える必要があります。国が違えば⾊々と事情も違ってきますので、営業が「この国で受注できそう」「この国を狙いたい」という状況になると考える要素が多数出てきます。その為、現在の業務は海外中⼼となります。国内についても⽅針を策定し、監督する機能はありますが、企画の仕事の約9割が海外となります。国内と海外担当で明確に業務を分けている訳ではない為、企画管理やポリシー策定に関しては国内・海外問わずに携わります。
国内と海外で意識する点はかなり異なりますか︖
違いますね。ついつい国内・海外と⾔ってしまうのですが、実際考えようと思ったら、「海外のどこなのか」というところでも違います。例えば法規制の話で「中古品の考え⽅」があります。我々の扱っている中⼩型のガスタービンは⼯場でオーバーホールするのですが、点検時期が到来したガスタービンを⼀旦搬出し、オーバーホールしてから再納⼊すると輸出通関を考慮すると数カ⽉間かかる為、予めオーバーホール整備したガスタービンを準備して、現地では交換⼯事だけで、すぐ稼働再開できるという⽅式を採⽤しています。ただ、予め整備したガスタービンを当該国に輸⼊する際に中古品規制に該当してしまうケースがあります。厳しく規制している国と、規制はあるけど条件をクリアすればOKな国などがあります。
国内では当たり前のビジネスモデルをそのまま海外に持って⾏くことができるとは限らないのです。また、製品だけでなく、スタッフの出張においても、技術指導員としてメンテナンスに⾏く場合、ある国では就労ビザが必要で、ビザを取得するのに1カ⽉以上要することもあるので、緊急時に備えて、予め何⼈かは労働ビザを取っておくことなどを考える必要があります。
それ以外にも⾊々とあるのですが、常に先々を考えて先⼿を打つ必要がある仕事です。業務はサービスの企画とか、体制、スキームとか⾊んなことを考えるような。本当に柔軟に対応いただくことがすごく⼤事です。ドキュメントや⼯程表を⾒て、実際の作業を思い浮かべることができる想像⼒が求められます。また、「臨機応変な対応⼒」や「気が利く」ことも⼤切ですね。それともうひとつ、「創造⼒」のある⽅もウェルカムです。ビジネススキームやサービス企画を創り上げて、海外のアフターサービス体制充実のため、代理店やサービス会社との契約などを活⽤し、網⽬を張っていく業務です。
産業⽤ガスタービンは、アフターサービスも含めて利益を得ることのできる製品で、販売代理店を探すと、販売兼サービス代理店となるケースが多いです。過去の成功事例では、インドネシアで2007年頃から⽇系企業を中⼼に納⼊実績が⾶躍的に伸びたのですが販売兼サービス代理店契約をした会社の功績が⼤きかったと思います。今でもインドネシアにおけるアフターサービスを担当頂いています。
営業戦略・サービス戦略もご⼀緒に考えるのでしょうか︖
はい、⼀緒に議論をしています。ただ、どうしても営業のほうが先に売ってしまいます(笑)。実際、国内の場合は純国産でアフターサービスが充実しています。⼀⽅で海外では、⾃国産という有意差はありませんし、海外メーカーとも激しく競合します。欧州、東南アジアなどサービス拠点がカバーしている地域は拠点主導でメンテナンス体制を構築しますが、ロシアや中国等は、メンテナンス体制が⼗分整っていません。そこに販売するなら、どうやってメンテナンスを提供するかというのを考えていかないといけない。まずはメンテナンスを実施してくれる、パートナー(現地業者)を探す必要がある。すると当然、彼らのトレーニングメニューを考える必要もあるし、より詳細な作業マニュアルも必要となる。マニュアル等の作成は技術部⾨やサービス部⾨(当部の実⾏部⾨)に協⼒要請をする。実際のトレーニングが必要ならその依頼もする。その為の社内調整が必要であり、周りを巻き込んで必要な戦⼒を集めます。また、英語を使⽤する場⾯も多く、英⽂メールは毎⽇、英語でのテレビ会議は⽉数回程度となります。相⼿先は、マレーシアや、ヨーロッパ・アメリカなどの拠点・パートナーが中⼼です。
出張もありますが、メンテナンス契約の条件交渉や⾦額交渉、営業戦略の⽀援が中⼼の為、突発的な出張は少ないです。国内であれば、東京の営業部隊との会議の為に出張することもありますよ。
近藤様が、この部署に異動してこられて、⼀番やりがいがあった仕事は何ですか︖
それは、マレーシアのオーバーホール⼯場の建設ですね。2008年までは、国内の設計担当だった為、10年間まったく英語を必要としない仕事でした。ところが、マレーシアのオーバーホール⼯場建設のリーダーをいきなり拝命しました。カワサキガスタービンアジア(以︓KGA)の事務所兼⼯場で、約50名が働いているのですが、オーバーホールに必要な設備や機器の導⼊だけでなく、そもそも⼯場を建設する場所を探す調査から携わり、⼯場を建てる段階では官庁申請なども経験しました。KGAのローカルスタッフが法規調査や申請業務をするのですが、なかなか思い通りには進まない(笑)。もともとKGAは、営業と現地サービスの拠点だったのですが、オーバーホールもできるようにしようと、⼯場機能を拡張したんです。それまでは、⽇本に持ち帰ってオーバーホールしていたのですが、マレーシアでもできるようにしようと企画して、⽇本から設備を移管したり、新しく導⼊したり。その他、オーバーホールでの部品修理や現合加⼯の為に、マレーシアの機械加⼯業者を探しました。実際、マレーシアの業者を訪問するとピンからキリまで(笑)、ガスタービンというモノ⾃体を知らない⼯場もいっぱいあって、製品・部品を理解していただいて、ちゃんと加⼯できるかどうかを確認しに⾏くのですが、なかなかスケジュール通りには動いてくれなかったりして、かなり⼤変でした。この時期は2週間に1回程度、マレーシアと⽇本を⾏ったり来たりしていました。でもオーバーホール⼯場が完成し、サービス開始時には達成感がありましたね。東南アジアで営業する際に、オーバーホール⼯場がマレーシアにあることは、⼤きなアピールになります。実際⼯場が完成してから、同国での受注も増えています。
弊社のような規模の会社に⼊って、ここまで企画要素のある仕事ができることは、すごく魅⼒的だと思います。実際の業務では、いろいろ選択肢があります。どの選択肢が⼀番いいのか、正直どれが正解なのかは、後になってみないと分かりません。議論を尽くして、納得感を持って、会社の上層部を説得して仕事進めることができる仕事です。
川崎重⼯業は、私の個⼈的な感想なんですけど、失敗の責任を追求するよりも、成功を評価してくれる会社です。
プロジェクトはトップダウンで決まるものもありますが、あるべき姿を⽬指したものを企画課から上げるプロジェクトもあります。決まった仕事だけをやっていれば良いという感じではないですね。弊社の発電事業を世界中に拡⼤するためには企画課がリードして推し進めていかなければならないことがたくさんあります。そのために⼒を貸していただける⽅をお待ちしています。
⽇本にいながらも、世界の相⼿に川崎重⼯業で裁量権を持って働きたい。そんな思いを持った⽅なら、ぜひご応募ください。
本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
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