業界トレンド
実用化目前!2019年は自動運転領域でエンジニアの採用が激化
実用化はもう目の前、「自動運転」の現在と未来。今、2020年を目標に自動運転が実現する等、コネクティッドカー時代の到来に向け自動車用製品市場は100年に一度と言われる大変革の時代を迎えています。
今後、急拡大が予測されているマーケットで必要とされるエンジニアとは?メーカー専門の転職エージェントタイズが、今どんな領域・職種にエンジニア採用のニーズが集まっているか、どんな技術が必要とされているのか、転職するメリットなどをご紹介します!
開発が加速する自動運転市場の現在
自動車業界を大きく変えると言われる次世代技術「自動車運転」。日本の自動車メーカーはもとより、世界中の自動車メーカーが開発を加速させ、すでに実証実験も進んでいます。実際にエリアを限定して導入を図り、実用化に向けて法整備を行うなど環境整備も進んでいます。
2030年には自動運転の市場規模が22兆円に拡大するとの調査会社の発表もあり、自動運転車の実現に欠かせない先進技術の開発に、自動車メーカー、電機メーカー、電子部品メーカー、AI企業、通信キャリアなど、幅広い分野の企業が参入しています。
自動運転車は現在どこまで実用化している?
自動運転とは、つまり人が運転せずに、自動車自身の判断で加速・操舵・制動を行い、目的地までの走行可能な技術。アメリカのSAEインターナショナルという団体が定めた自動運転の定義によると、自動運転は0~5のレベルに分けられています。
レベル0 | 自動運転の機能がない。これまでの一般的な自動車です。 |
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レベル1 | 少しだけ自動運転機能が入っている自動車。高齢者の事故が問題になっていますが、センサーで障害物を察知して、事故を防ぐために、自動的にブレーキがかかる機能がよく知られています。 また、高速道路などで使われる前を走る自動車との車間距離を一定に保ちつつ自動走行する機能「アダプティブ・クルーズ・コントロール」を搭載した自動車も今は数多く走っています。 |
レベル2 | 自動車の加速・減速・停止に加えて、ハンドル操作まで自動車がサポートしてくれる自動車。「アダプティブ・クルーズ・コントロール」がより高機能になった自動車です。 |
とはいえ、ここまではあくまでも人間が運転者という前提は変わりません。
レベル3 | このレベルからが、自動運転と聞いて浮かぶイメージに近くなります。まず、運転の主体は人間ではなく、自動車(システム)になります。ハンドル操作しなくても、状況の把握と判断は自動車が自動で行います。 ただし、緊急時には人の介入を必要とします。しかし、自動車の緊急時に人の操作に切り替わったとしても、差し迫った事故を避けることができるのかといった課題は残っています。 |
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レベル4 | このレベルになると交通量が少なくて、視界が良好などの条件を満たす限定されたエリアなら、ドライバーは不要になります。まだまだ実用化段階にはありませんが、シャトルバスや敷地内を走る自動車、高速道路を走る長距離トラック、農業用トラクター、土木工事用ブルドーザーなどから実現されていく可能性があると思います。 |
レベル5 | 完全自動運転で、条件もエリアも限定されず、ドライバーも不要の自動車です。 |
現状ではレベル1~2の間で実用化されており、レベル3をごく一部の自動車メーカーが取り入れている段階です。
現在の自動運転市場について
2030年にはレベル3~5までで約2,200万台の販売台数
アメリカの市場調査会社「グランドビューリサーチ」は、レベル4とレベル5の自動運転車の市場は2030年までに420万台に達すると発表しました。調査会社の株式会社矢野経済研究所では、レベル3の2030年の販売台数は1800万台になると発表。レベル3~5までの販売台数は約2,200万台と大きなマーケットとなることが予測されています。
2030年には8,000億円を突破
矢野経済研究所は、自動運転や先進運転支援システム(ADAS)向けのセンサーの世界市場(出荷額ベース)が2017年の8959億円から2030年には約3兆2755億円にまで拡大するという予測を2018年7月に発表。そのなかでも、LIDAR市場は2017年の約25億円から2030年には約4959億円にまで急拡大すると予測しています。
2030年には自動運転向けセンサー市場は3兆円突破
また、IoTやAI開発と共に組む込みソフトウエアの市場が拡大し、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は自動運転によって、車載向けの組み込みソフトウエア市場が2014年の4613億円から2030年ごろには8000億円規模まで拡大すると発表しました。
これから自動運転の普及は確実に進んでいくでしょう。それに伴い世界規模で自動運転関連市場は拡大を続けていくと予測されます。
1908年、フォードがフォード・T型を発売し、流れ作業による大量生産方式によって自動車は世界中に普及。ガソリン自動車からハイブリッド、PVへといった動力の変化も大きなインパクトを与えましたが、自動運転の実用化は自動車業界そのものを大きく変革し、新しい時代を創る技術になりそうです。
将来有望な市場で、新しい時代の幕開けとなる技術に携わり、求人市場での価値も上げていける。そんなメリットのある自動運転の技術開発は転職を考えているエンジニアにとって魅力ある仕事領域の一つだと思います。
自動運転の開発に求められる技術
自動運転技術の開発が急ピッチで進められている現在、下記のような技術分野の技術を持ったエンジニアへの需要がさらに高まっています。
【自動運転技術の開発・実用化に必要な技術】
自動運転技術には様々な技術が使われます
- 自動車の現在の位置を正確に特定する「位置特定技術」
- 障害物や人の動きなどを検知する「認識技術」
- 状況判断や運転操作の判断を行う「AI技術」
- 事故の可能性を予測する「予測技術」
- 膨大なデータをもとに最適なルートを決定する「プランニング技術」
- 緊急時に運転手が対応できるかを監視する「ドライバーモニタリング技術」
- 混雑状況や事故状況を収集しそれを自動車に伝える「通信技術」
など、さまざまな先進技術が必要となります。
自動運転の開発に取り組むさまざまな企業
現在、自動運転技術の開発には、電機・電子・素材メーカー、AI企業、ソフト開発企業、研究所、大学など国内外の企業・機関が協業して取り組んでおり、GPS、高精度地図、センサーとして搭載されるLIDAR(レーザデータ)、AI、ビッグデータ、電子部品、組込ソフトウエアなど、それぞれの得意とする専門分野の技術、ノウハウを活かして開発を進めています。
電機メーカーやAI企業など、さまざまな企業が取り組み
自動運転の求人に応募するエンジニアはこんな人
自動運転関連の求人に応募される方は、自動車業界以外からの応募が多いのが特徴です。これまで自動車にはなかった技術を搭載するので、例えば家電メーカーのエンジニアなど、自動車業界以外のエンジニアが多くなっています。具体的に、レーザーレーダーのLIDARセンサー、画像認識処理技術やGPSによる位置特定技術、ダイナミックマップと呼ばれる詳細な地図生成、組み込みソフトウエアなど、異業界からでも自動運転に必要な技術スキルをもったエンジニアなら転職できる可能性は十分にあります。
いろいろな業界からエンジニアが転職しています
実際に自動運転分野に転職された方は、自分のスキルアップや成長のために新たな分野に挑戦したいと意欲的に転職されるケースやこれから拡大する成長分野で可能性を広げることに魅力を感じて転職されるエンジニアが多いです。最先端の技術に携わることができますので、エンジニアとしての市場価値も上がるでしょう。
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