リファラル採用の始め方と運用のポイント|成功事例も詳しく解説

リファラル採用の始め方とポイント 成功事例

近年、新たな採用手法として注目を集めているリファラル採用。
従業員からの紹介により採用候補者を募るこの手法は、企業文化に適した人材の獲得に効果を発揮します。
一般的な採用手法と比べて高い採用成功率を誇り、人材定着にも優れた効果があることから、多くの企業が導入を検討しています。
本記事では、リファラル採用の基礎知識から実践的なアプローチまで、企業の人事担当者や採用責任者に向けて詳しく解説します。

01. リファラル採用とは?基礎知識を解説

リファラル採用とは?基礎知識を解説

近年、メーカー業界でも注目を集めているリファラル採用について、その基本的な概念から実践的なアプローチまでを詳しく解説します。採用手法の多様化が進む中、なぜリファラル採用が重要視されているのか、その本質を理解することから始めましょう。

リファラル採用の意味と本質

リファラル採用とは、英語の「referral(紹介・推薦)」に由来する採用手法で、自社の従業員からの紹介により採用候補者を募る方法です。

リファラル採用の本質は、社員が持つ信頼できる人脈を活用して、企業文化に適合する優秀な人材を見出すことにあります。

縁故採用(コネ入社)との明確な違い

縁故採用とリファラル採用は全く異なる採用方法です。

リファラル採用と縁故採用は、「人のつながりを通じた採用」という点では共通していますが、本質が異なります。

リファラル採用は、企業の正式な採用手法の一つとして、社員が人材を紹介し、通常の選考プロセスを経て採用を決定します。

一方、縁故採用は、選考基準や能力要件に関係なく、経営陣や社員の紹介という人間関係を重視して採用する手法です。

何より、リファラル採用は、通常の採用と同様に採用基準や選考プロセスが定められており、公平に適用される点が大きな違いです。

以下の表は、縁故採用とリファラル採用の違いをまとめたものです。ぜひ参考にしてください。

比較ポイント 縁故採用 リファラル採用
紹介者の範囲 経営者や役員のみが多い 全従業員
(一般社員を含む)
選考プロセス 特別枠での採用が多い

(選考プロセスがない場合も多い)

通常の採用と同様の
公平な選考
採用基準 紹介者との関係性が
重視される
一般応募者と
同じ基準で評価

縁故採用が特別枠での採用と捉えられがちなのに対し、リファラル採用は実力主義に基づく採用手法として位置づけられています。

リファラル採用と一般採用の違い

リファラル採用と一般的な採用手法の違いについて、具体的なプロセスの観点から説明します。

リファラル採用の選考ステップ

リファラル採用における採用までの流れは、以下の通りです。

1.まずは社員からの候補者紹介からスタート

2.書類確認

推薦者の情報があるため、この段階を省略するケースも多くあります。

3.面接選考

紹介者からの情報を参考にしながら、候補者の人柄や適性を深く評価します。

4.最終的な採用判断

面接での評価に加え、推薦者の意見も参考にしながら、スキルや企業文化とのフィット感を総合的に判断して決定します。

一般的な採用と同様の評価基準を保ちながらも、紹介者からの情報を活用することで、より深い理解に基づいた採用が可能となります。

一般採用の選考ステップと特徴

一般的な中途採用における採用までの流れは、企業が求人媒体や人材紹介会社を通じて募集活動を行うところから始まります。

その後、提出された履歴書や職務経歴書による書類選考を実施し、一部の企業では筆記試験や適性検査を行うこともあります。

書類選考を通過した候補者に対して面接を実施し、この際に会社説明も同時に行われます。 面接は職種や役職によって回数が異なりますが、最終的に選考を通過した候補者に内定が出され、条件面での合意を経て入社となります。

このような一連のプロセスは、企業や職種によって異なる場合があり、特に管理職などの上位ポジションでは、より詳細な選考が行われます。

転職の成功率を高めるためには、企業の情報や選考対策への知見が豊富な転職エージェントに相談すると効果的です。

メーカー専門の転職エージェント「タイズ」では、他の大手エージェントと異なり、コンサルタントが転職者も採用企業もどちらも担当しているため、企業の社風や職場環境など非公開情報も深く理解しています。求職者一人ひとりに最適な求人をご紹介しているので、まずはお気軽にご相談ください。

02. リファラル採用が注目される背景と展望

リファラル採用が注目される背景と展望

企業でリファラル採用への関心が高まっている背景には、人材市場の変化や企業の採用戦略の進化があります。ここでは、その具体的な要因と今後の展望について詳しく見ていきましょう。

採用成功率向上への期待

2030年には約644万人の労働人口が不足すると予測される中、人材獲得競争は一層激化しています。

このような状況下で、リファラル採用は既存社員の専門的なネットワークを活用し、必要なスキルと経験を持つ候補者に直接アプローチできる手法として注目を集めています。

実際、一般的な採用手法と比較して合格率は14倍高く、採用率は22.2%となっています。

「友人・知人からの紹介」という人物評価の裏付けがある状態で選考を開始できることから、採用成功率の大幅な向上が期待できます。

参考:イマドキの若者は先輩・知人の声で就職先を決めたい 新卒リファラル採用、応募からの内定率が通常の14倍に|株式会社MyRefer(マイリファー)

参考:Source of Hire 2016 (Infographic)│SocialTalent

人材定着率強化のニーズ

リファラル採用は、紹介者である社員が企業文化や職場環境を熟知しているため、候補者との適性を事前に見極めやすく、ミスマッチを防ぐことができます。

候補者は信頼できる知人から実際の職場環境や業務内容について詳細な情報を得られるため、入社後のギャップが少なくなります。

入社時から社内に知人がいることで、新入社員の早期適応やスムーズな人間関係の構築が促進され、帰属意識も醸成されやすくなります。

これらの理由により、リファラル採用では一般的な採用方法と比べて離職率が低く、長期的な人材定着が期待できます。

働き方の多様化へ対応

リファラル採用は、多様化する働き方やキャリアニーズに対応する有効な手段として注目されています。

従来の求人広告による受動的な採用では、多様な経験や専門性を持つ人材との出会いが限定的でしたが、社員のネットワークを活用することで、より幅広い人材プールにアプローチすることができます。

特に、副業・兼業やリモートワークなど、柔軟な働き方を求める人材との接点を得やすく、そうした候補者の具体的なニーズや希望を事前に把握できます。

グローバルトレンドの影響

グローバル企業、特に米国企業においては、リファラル採用が主要な採用手法として確立されています。

CareerXroads社の調査によると、リファラル採用は全採用の28%を占め、求人サイトや自社採用サイトを大きく上回る最も効果的な採用経路となっています。

リファラル採用実施企業の45%が採用を社員紹介のみで完結させており、この手法への高い信頼性が示されています。

このようにアメリカではリファラル採用が推進されているため、日本でも注目されていると言えます。

参考:2012 CareerXroads Source of Hire: Channels of Influence|CareerXroads社

今後の成長予測とアンケート結果分析

企業の採用戦略において、リファラル採用への注目度が近年高まっています。

株式会社プロフェッショナルバンクの調査結果によると、今後注力したい採用手法として、社内リファラル採用が53%、社外リファラル採用が23%と、合計で76%の企業がリファラル採用に積極的な姿勢を示しています。

このトレンドは、人材獲得競争が激化する中で、より効果的な採用手法として今後さらに増大することを示しています。

参考:『リファラル採用』についてアンケート調査|株式会社プロフェッショナルバンク

03. リファラル採用のメリットとデメリット

リファラル採用のメリットとデメリット

リファラル採用を検討する企業が増える中、効果と課題を正確に理解することが重要です。ここでは、リファラル採用の主要なメリットとデメリットを詳しく解説します。

メリット5選

以下でメリットを5つ紹介します。

  1. 採用コストとプロセスの削減効果
  2. 転職市場潜在層へのアプローチ
  3. ミスマッチの低減
  4. 定着率向上
  5. 従業員エンゲージメントの向上

1.採用コストとプロセスの削減効果

リファラル採用は、人材紹介会社への紹介手数料や求人媒体への掲載料が不要となり、紹介者へのインセンティブを支払う場合でも、従来の採用手法と比較して大幅なコスト削減が可能です。

また、紹介者が候補者の適性を事前に見極めているため、説明会や面接の回数を減らすことができ、採用プロセスの効率化にもつながります。

さらに、候補者が企業について基本的な理解を持っていることで、情報提供や選考にかかる時間も短縮され、採用担当者の業務負担も軽減されます。

2.転職市場潜在層へのアプローチ

従来の求人サイトや転職イベントでは、積極的に転職活動をしている求職者にしかリーチできませんでしたが、リファラル採用では、転職を明確に意識していない潜在層とも接点を持つことができます。

特に、信頼する友人や知人からの紹介は「良い会社だろう」という好印象につながりやすく、転職の検討を促すきっかけとなります。

また、高いスキルを持ちながらも通常の採用チャネルでは出会えなかった優秀な人材との接点も生まれ、企業にとって採用機会の拡大につながります。

3.ミスマッチの低減

紹介者となる社員が、候補者に対して職場の雰囲気や具体的な業務内容、企業文化、ビジョンなどをリアルに伝えることができるため、入社後の期待と現実のギャップが生じにくくなり、ミスマッチの低減につながります。

4.定着率向上

職場に知人や友人がいることで、業務上の些細な疑問や職場での悩みを気軽に相談できる環境が整い、不安やストレスの軽減にもつながります。

このように、入社前の情報提供から入社後のサポートまで、一貫した支援体制が構築できることで、早期離職のリスクを抑制し、定着に繋がります。

5.従業員エンゲージメントの向上

リファラル採用は、採用活動を通じて既存従業員のエンゲージメント向上にも貢献します。

従業員(紹介者)が知人や友人に企業を紹介する過程で、企業理念や仕事のやりがい、会社の魅力を改めて見つめ直す機会となり、自身の働き方や企業における役割の再認識につながります。

また、信頼できる人材を企業に紹介したいという意識が、会社への帰属意識や貢献意欲を高める効果があります。

さらに、紹介した人材を大切に育てたい。という姿勢も相まって、企業と従業員間の信頼関係が強化され、組織全体のエンゲージメント向上に好影響を与えます。

デメリット5選

次にデメリットを5つ紹介します。

  1. 紹介者の認識不足によるミスマッチ
  2. 紹介者と候補者の関係性への影響
  3. 似たような人材が集まりやすい
  4. 大量採用・即時採用の困難さ
  5. 紹介者の採用活動による負担

1.紹介者の認識不足によるミスマッチ

紹介者が自社の求める人材要件や募集ポジションの実態を正確に理解していない場合、候補者に誤った情報を伝えてしまう可能性があります。

特に、紹介者が募集部署と異なるセクションに所属している場合、業務内容や必要なスキルについての認識にずれが生じやすくなります。

また、紹介者が候補者の能力や適性を適切に評価できない場合もあり、これは面接時や入社後のミスマッチにつながる可能性があります。

このリスクを軽減するためには、募集要件や評価基準を社内で明確に共有し、紹介者の理解を深めることが重要です。

2.紹介者と候補者の関係性への影響

リファラル採用の大きなデメリットとして、紹介者と候補者間の関係性への影響が挙げられます。

特に選考の結果、不採用となった場合、それまで良好だった両者の個人的な関係が悪化するリスクがあります。

また、採用後も配置や評価の違いによって職務へのモチベーションに差が生じたり、一方の転職が他方の離職を誘発したりする可能性があります。

このように、リファラル採用は人と人との繋がりを活用する採用手法であるからこそ、その関係性が逆効果となってしまう場合もあります。

これは職場全体の人間関係にも影響を及ぼす可能性があり、特にチームワークが重視される現場では慎重な運用が求められます。

3.似たような人材が集まりやすい

リファラル採用では、社員が自身の友人や知人を紹介することから、似たような教育背景や価値観を持つ人材が集まりやすい傾向があります。

これにより組織内の人材が同質化し、多様な視点や考え方が失われる可能性があります。

企業のグローバル展開においては、異なる視点や経験を持つ多様な人材が重要となるため、人材の同質化は大きな課題となります。

また、既存の人間関係を基にした採用は、社内での派閥形成や公私の境界があいまいになるリスクも伴います。

このような課題に対しては、自社に必要な人材像を明確にし、意図的に多様性を確保する取り組みが求められます。

4.大量採用・即時採用の困難さ

リファラル採用では、大量採用や即時採用への対応が困難です。

リファラル採用では、転職活動を積極的に行っていない人材にもアプローチできる一方で、具体的な転職スケジュールが未定であることが多く、入社時期の調整に時間を要する傾向があります。

また、社内でのリファラル制度の浸透には一定期間が必要で、従業員からの紹介も確実に得られるとは限りません。

そのため、事業拡大や新規プロジェクト立ち上げなど、短期間での大量採用が必要な場合は、他の採用手法と組み合わせた総合的な採用戦略を構築する必要があります。

5.紹介者の採用活動による負担

紹介者は通常業務に加えて、知人への声掛けや候補者の情報提供、採用プロセスのフォローなど、採用活動に関わる様々な業務が発生します。

特にメーカー企業では、研究開発や商品企画、設計業務など、専門性の高い業務に従事する中で、こうした採用関連の業務が本来の職務に支障をきたす可能性があります。

また、採用活動が私生活にまで影響を及ぼすリスクもあるため、業務時間内での対応や役割の明確化、補助制度の作成など、適切なガイドラインの設定が大切です。

04. リファラル採用の費用と注意点

リファラル採用の費用と注意点

リファラル採用を導入する際には、適切な予算計画の構築が不可欠です。ここでは、具体的な費用項目と重要な注意点について解説します。

費用発生のポイント

リファラル採用に関連するコストには、インセンティブ制度の設計・運用費用、採用管理システムの導入費用、そして社内広報活動の費用などが含まれます。

また、インセンティブ制度の設計においては、研究開発、設計、製品企画など、職種の専門性や役職レベルに応じた適切な報酬金額の設定が重要です。

費用対効果を十分に検討し、持続可能な制度設計を行うことが求められます。

必要総額の目安

リファラル採用における費用の総額は、主にインセンティブの設定によって大きく変動します。

インセンティブ制度を導入する場合、一般的に採用成功1件あたり1万円から10万円程度の報酬を設定する企業が多く見られます。

これに加えて、候補者との面談時の交通費や食事代などの交際費も必要となり、インセンティブを含めた1人あたりの総額は3万円から15万円程度となります。

一方、インセンティブを設定しない場合でも、採用プロセスに必要な諸経費として1人あたり1万円から5万円程度の費用が発生すると想定されます。

企業規模や採用ポジションに応じて、適切な予算設定を行うことが大切です。

他の採用手法との費用比較

厚生労働省の調査によると、民間職業紹介事業者を利用した場合は1件あたり平均85.1万円、求人情報サイトでは平均28.5万円、スカウトサービスでは平均91.4万円の費用が発生します。

一方、リファラル採用では、インセンティブを含めても1人あたり最大で15万円程度と、従来の採用手法と比較して大幅な費用削減が可能です。

このコストパフォーマンスの良さは、採用予算に制約のある企業にとって大きなメリットとなります。

参考:職業紹介事業に関するアンケート調査 結果の概要|厚生労働省

インセンティブは法的考慮が必要

リファラル採用のインセンティブ制度設計では、労働基準法や職業安定法などの法令遵守が必要です。

紹介報酬の支払いタイミングや金額設定については、明確なルールを設け、透明性のある運用を心がける必要があります。

■違法となるケース

  • 就業規則や雇用契約に明記せずに報酬を支払うケース
  • 報酬額(インセンティブ)が高すぎるケース

■違法となる理由

  • 職業安定法第30条により、無許可での有料職業紹介事業は違法
  • 職業安定法第40条では、従業員への募集報酬の支払いが原則禁止 (違反時は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)

■必要な対策

  • インセンティブは「賃金・給料」の形で支払う (職業安定法第40条の例外規定を適用)
  • 就業規則や賃金規程に支払条件を明確に記載
  • 10人以上の企業は規程変更時に従業員への周知と行政官庁への届出が必要
  • インセンティブ額は採用者年収の30%未満に抑制 (「人材紹介事業」とみなされないための目安)

効果的な代替インセンティブ案

リファラル採用において、金銭的なインセンティブに代わる効果的な報奨制度として、さまざまな選択肢が考えられます。

  • 全社会議やイベントでの表彰制度の導入
  • 紹介者と候補者との会食費用の会社負担
  • 経営層との食事会の機会の提供
  • 有給休暇の付与
  • 社内表彰制度の活用
  • 人事評価項目への組み込み(昇進・昇格への反映)

メーカー企業では、専門的な技術研修の受講機会の提供や、業務に関連する資格取得の支援なども魅力的なインセンティブとなり得ます。

大切なのは、自社の企業文化や従業員の価値観に適した制度を設計することです。

05. リファラル採用を成功させるための実践アプローチ

リファラル採用を成功させるための実践アプローチ

リファラル採用を最大限に機能させるためには、体系的なアプローチと継続的な改善が必要です。ここでは実践的な導入・運用方法について解説します。

運用ルールの策定

リファラル採用を効果的に運用するためには、まず明確な制度設計が不可欠です。

最初のステップとして、エンゲージメントが高く、紹介経験を持つ社員などから運用メンバー(中心メンバー)を選定します。次に、採用目標(KGI)の策定において、具体的な採用人物像、採用時期、採用人数などを明確に定義します。

特に求める人材像については、性格や保有スキルなど、具体的なペルソナを設定することで、曖昧さを無くします。

運用ルールは全社員に周知し、単なる「採用の依頼」ではなく、企業の制度として確立することが重要です。

社内周知と従業員の巻き込み方

リファラル採用を成功させるには、社員の自発的な参加と全社的な盛り上がりが重要です。

具体的な巻き込み方として、定期的な説明会の開催、社内報での成功事例の共有、部門別の採用ニーズの明確化などを通じて、社員の積極的な参加を促進します。

また、社外の勉強会や交流会への参加支援を通じて、社員の人脈形成を支援することも効果的です。

制度を単なる人事施策ではなく、社員全体で取り組む活動として位置づけることで、持続的な成果につながります。

採用広報の強化

リファラル採用の成功には、効果的な採用広報の強化が不可欠です。

社内外への情報発信を通じて、企業の魅力や求める人材像を明確に伝えることが重要です。具体的には、自社の技術力、製品の特徴、研究開発体制、働き方改革への取り組みなど、企業としての強みを分かりやすく整理し、従業員が知人に説明しやすい形で提供します。

また、採用に関する記事や情報を積極的に発信することで、社員の採用活動への意識を高めると同時に、その情報が社員を通じて拡散されることで、潜在的な候補者の興味を引くきっかけを作ることができます。これにより、従来の採用活動との相乗効果も期待できます。

リファラル採用特化ツール導入の検討

リファラル採用は専用ツールの導入が効果的です。進捗管理、インセンティブ管理、コミュニケーション管理など、採用プロセス全体を効率化する機能を備えたツールについて解説します。

リファラル採用特化ツールとは

効率的なリファラル採用の運用には、専用ツール導入の検討が有効です。紹介候補者の進捗管理、インセンティブの計算・支払い、紹介者とのコミュニケーション管理など、採用プロセス全体を効率化する機能を備えています。

既存の人事システムとの連携や、部門ごとの採用進捗の可視化など、組織特性に合わせた機能が重要となります。

ツール選定時には、機能面だけでなく、導入コスト、運用期間、システム連携の容易さなどを総合的に評価し、自社にとって最適なツールを選択することがポイントです。

リファラル採用特化ツールおすすめ2選

①MyRefer|株式会社MyRefer

MyReferは、リファラル採用のプロセスを効率的に管理できるクラウドサービスです。既存の求人情報を一括で取り込み、社員への共有がスムーズに行える点が特徴です。

スマートフォン対応のマイページにより、時間や場所を問わず簡単な操作で求人の紹介が可能となっています。

また、選考状況の管理機能、採用活動の状況やキャンペーン情報、ランキングなどを可視化することで、効果的な採用施策の実施をサポートします。

価格 月額費用:55,000円~

初期費用:無料

無料トライアル:要問い合わせ

サポート体制 コンサルティングのみのサポートプラン有り

参考:リファラル採用サービスMyRefer

②リファ楽|オンサイト株式会社

リファ楽はLINEを活用したリファラル採用サービスです。国内で高い利用率を誇るLINEを採用プラットフォームとして活用することで、従来のメールや電話よりも気軽に参加できる環境を提供します。

応募者の紹介から面接、採用、特典付与までの一連のプロセスをLINE上で完結できる点が特徴です。

価格 月額費用:55,000円~

初期費用:無料

無料トライアル:要問い合わせ

サポート体制 ・専門のコンサルティング担当者による運営サポート 

・LINEアカウント取得の代行サービス 

・採用プロセス全体のサポート

参考:リファ楽

PDCAサイクルの確立

リファラル採用を継続的に改善し、成功に導くためには、PDCAサイクルの確立が重要です。

具体的な数値目標(採用人数、紹介人数、採用コストなど)を設定し、計画(Plan)に基づいて施策を実行(Do)します。その後、目標達成度を定量的に評価(Check)し、効果が不十分な場合は、インセンティブの見直しや広報強化など、具体的な改善策(Action)を講じます。

このサイクルを継続的に回すことで、自社に最適なリファラル採用の仕組みを構築することができます。

従業員の協力率向上の具体策

リファラル採用の社内浸透を図るには、複数の周知チャネルを効果的に組み合わせることが重要です。

社内メールは部門長から定期的に配信することで開封率を高め、成功事例のインタビュー記事は対象職種に応じた内容で共有します。

オフィス内の目につきやすい場所へのポスター掲示や、QRコード付きの紹介カードの配布も効果的です。

さらに、制度の詳細や紹介のコツをまとめたリファラルBOOKの作成・配布や、定期的な表彰会の実施により、社員の参加意欲を高めることができます。

各施策は単発ではなく、継続的に実施することで、より高い効果が期待できます。

06. 実例から学ぶリファラル採用

実例から学ぶリファラル採用

リファラル採用の実践例を見ることで、その効果と成功するためのポイントについて理解を深めることができます。 ここでは、実際に成功を収めている企業の事例を紹介していきます。

SmartHR社の事例

クラウド人事労務システム「SmartHR」を提供するSmartHR社は、リファラル採用における独自の取り組みで成功を収めています。

社員から「不採用時に相手に申し訳ない」という心理的な負担が指摘されたことを受け、「ごめんねごはん制度」を導入。

これは、採用に至らなかった候補者との会食費用を会社が負担する制度です。

この取り組みにより、社員の紹介に対する心理的ハードルが下がり、紹介数が増加。現在では全社員の約30%がリファラル採用による人材となり、効果的な採用チャネルとして機能しています。

参考:アカリク|リファラル採用を実施した企業の事例から学ぶ、成功の秘訣を解説します

アンドパッド社の事例

建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供するアンドパッド社は、質重視のリファラル採用戦略で成功を収めています。

採用したい人材像を明確に定義し、その人材と接点を持つ可能性の高い社員に絞って紹介を依頼する戦略を採用。

この選択と集中により、月間紹介数は6倍に増加し、さらに紹介された候補者の90%が内定を承諾するという高い成果を達成しました。

数を追うのではなく、ターゲット人材と関連性の高い社員からの紹介に注力したことが、効率的な採用につながりました。

参考:アカリク|リファラル採用を実施した企業の事例から学ぶ、成功の秘訣を解説します

株式会社荏原製作所

荏原製作所は、技術系人材の採用競争激化を背景に、リファラル採用を戦略的に展開しました。

特徴は、段階的な展開アプローチです。まず若手社員400名にアンケートを実施し、リファラルへの態度を分析しました。

協力的な社員を中心に制度を開始し、その後10年目までの社員や中途入社2年目までの社員へと対象を徐々に拡大しました。

この戦略により、難しいとされる専門性の高い若手中途人材の採用に成功。また、アンケートを通じて社員の会社への本音も把握でき、採用施策を超えた組織改善の気づきも得られました。

参考:Refcome|リファラル採用に成功している企業15社の事例を解説

また、リファラル採用以外の採用手法として、企業と求職者をつなぐ豊富な実績と専門知識を持つ転職エージェントの存在は、双方にとって重要な役割を果たしています。

タイズは、荏原製作所をはじめとする大手・中堅メーカーを中心に20年近くの実績があり、多くの大手メーカーから採用窓口として高い信頼を獲得しています。「優良メーカー」への転職支援実績はNo.1の実績も多くあります。各職種への深い知見と独占求人を活かし、あなたの理想のキャリアを実現します。

オムロン株式会社

オムロン株式会社では、エージェント依存度の高いキャリア採用からの脱却を目指し、リファラル採用の強化に取り組みました。1年間にわたり、毎月のサイネージ展開と説明会を継続的に実施し、社内での認知度向上を図りました。

特徴的な取り組みとして、対面での紹介に活用できるリファラルカードの配布や、事業所内のカフェなどの人が集まる場所へのQRコードPOPの設置を行いました。これらの施策により、週1回程度の問い合わせが入るようになり、新たな協力者も着実に増加しました。

最大の成果は、リファラル採用の明確な導線が確立されたことです。以前は不明確だった紹介プロセスが標準化され、社員全体で共通認識を持てるようになりました。

参考:Refcome|リファラル採用に成功している企業15社の事例を解説

メーカー専門の転職エージェント「タイズ」はオムロン株式会社の採用支援実績トップクラスを誇り、優秀パートナー賞を受賞。「企業の本質を深く理解した求人紹介」「手厚い面接対策」「高い内定率」など、多くの転職者から高い評価をいただいております。企業とのパートナーシップを活かした採用支援で、あなたの求めるキャリアを実現します。まずは、お気軽にご相談ください。

岩波書店の縁故採用事例

2012年、岩波書店は縁故採用を導入しました。「社員または著者の紹介状」を応募条件として設定し、縁故採用を公然と打ち出したのです。

この斬新な取り組みは当初、賛否両論を巻き起こしましたが、厚生労働省が法的な問題はないと判断したことで、縁故採用の正当性が認められました。

参考:岩波書店の応募条件、コネ採用の明示は法的にOK?

リファラル採用が向いている企業の特徴

リファラル採用が効果的な企業には、主に2つの特徴があります。

1つ目は、社員の会社への満足度が高い企業です。

透明性のある人事評価制度や適正な賃金水準、働きやすい職場環境、効果的なマネジメント、活発な社内コミュニケーションなどが整っており、社員が自社を誇りを持って他者に紹介できる環境が整っています。

2つ目は、成長段階にあるスタートアップやベンチャー企業です。

事業拡大に向けて優秀な人材の確保が必要でありながら、採用予算に制約がある企業にとって、低コストで質の高い人材を獲得できるリファラル採用は最適な手法となります。

07. 【転職者向け】リファラル採用に関するよくある質問

【転職者向け】リファラル採用に関するよくある質問

リファラル採用に関する転職者からの疑問や不安に答えていきます。

内定のしやすさや不採用理由、面接のポイント、今後の動向など、転職活動に役立つ情報をQ&A形式でご紹介します。

リファラル採用は受かりやすい?

リファラル採用は一般的な採用ルートと比較して、内定率が高い傾向にあります。これは、紹介者が企業の求める人材像を理解した上で候補者を推薦するためです。

これは選考基準が緩和されることを意味するものではなく、事前のマッチング精度が高いことが要因といえるでしょう。

リファラル採用で不採用になる主な理由

リファラル採用で不採用となる主な理由には、3つの要因があります。

1つ目は志望動機が具体性に欠けることです。企業理念や事業内容への理解が浅く、自身のキャリアプランとの関連性が明確でない場合、不採用となりやすいです。

2つ目は「紹介だから受かりやすい」という思い込みによる準備不足です。リファラル採用も通常の選考と同様の基準で評価されるため、十分な準備が必要です。

3つ目は待遇条件の不一致です。給与や勤務条件などについて、事前に詳細な確認を怠ると、選考過程で双方の期待値の違いが明らかになり、不採用につながる可能性があります。

面接での候補者の見極めポイントはどこ?

リファラル採用の面接では、企業文化との適合性を重点的に評価します。企業理念や価値観に対する考え方、チーム内での協調性、長期的なキャリアビジョンなどを、具体的なエピソードを交えながら確認します。

紹介者との過去の協働経験を通じて、実際の仕事における姿勢や行動特性を把握することが重要です。

また、面接時のコミュニケーションスタイルや態度、企業への熱意なども、文化的フィットを判断する重要な要素となります。

面接対策などについては、企業のことをよく知っている転職エージェントを活用するといいでしょう。

面接対策において、マニュアルに沿ったアドバイスのみを提供するエージェントも少なくありませんが、メーカー専門の転職エージェント「タイズ」は、コンサルタントが転職者と企業どちらも担当しているので、企業の文化や価値観を深く理解した上で、あなたの経験や強みを最大限活かせる個別の面接対策をご提供します。実績豊富なコンサルタントが、あなたの転職成功に向けて、きめ細やかにサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

リファラル採用は今後増える?

企業におけるリファラル採用は、今後さらに拡大すると予測されています。特に、専門性の高い技術職の採用や、グローバル人材の確保において、その重要性は増していくと考えられます。

また、デジタル化の進展により、リファラル採用のプロセスがより効率化され、活用しやすくなることも、普及を後押しするポイントとなっています。

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この記事を書いた人

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長友 美悠

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより

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