企業インタビュー
[ 株式会社イシダ ]
イシダで築ける技術者のキャリアとは?魅力や風土、求める人材について
左から株式会社タイズ 担当コンサルタント 前原 勇馬、阪口 晴基、株式会社イシダ 第二開発部システム開発四課 課長 中埜 雅文様、第三開発部 自動システム技術課 課長 渡辺 幸祐様
01. イシダとは
株式会社イシダは、1893年に創業された、食品業界を中心に計量、包装、検査、自動化システムを提供するリーディングカンパニーです。グローバルな展開を進め、世界各地での生産プロセスの効率化と品質向上に貢献しています。
イシダの強みは、独自の技術力と開発力にあり、特に食品などの定量計量に欠かせない組合せ計量機、コンピュータスケールは世界100カ国以上に販売され、世界シェアNo.1を獲得。世界中の大手食品メーカーや大手スーパーマーケットなどでイシダの製品は多数活躍しています。
また、イシダは「はかりしれない技術を、世界へ」というスローガンのもと、未来を見据えた新技術の開発に挑戦し続けています。
02. ご経歴について
中埜様)私は、出版社、ソフトウェア開発会社を経てイシダに入社しました。入社直後は、営業本部のSE部門の配属となり、POSの上位システムであるストアコントローラの開発に携わったあと、開発技術部門のシステム技術部という営業技術のチームと兼務になりました。営業部門と開発部門の兼務なのでなかなかない珍しい組み合わせですね(笑)
産業機械分野で機械のデータを見える化するためのWindows系アプリケーションの開発などに従事して、3年前に課長職に就任し、マネジメントにも励みながら、さらなる技術革新を目指しています。
渡辺様)私は前職で7年間、産業用機械の購買関係、メンテナンス、設計開発に従事していました。この経験を生かしてイシダに転職し、まずは営業技術部門でお客様と受注設計部隊の技術部隊を取り持つ仕事をしていました。
営業技術の業務には、社外装置を含む生産ライン全体をお客様に提供するエンジニアリング業務もあり、その中で、600アンペアという巨大な電気を扱う制御盤の設計なども経験しました。その後、特機課でパラレルリンクロボットの開発など、特殊な機械の開発にも取り組みました。特に、箱詰め装置の開発プロジェクトでは、長時間にわたる開発作業を経てイギリスへの納品まで行い、納品出張では、お客様から直接「アンビリーバボー」や「ファンタスティック」など称賛のお言葉をいただくことができて、大きな達成感を得られました。自分が開発したものを世界に出したいという夢を叶えられた瞬間ですね。
今は課長として、新たな目標に向けてチームとともに挑戦を続けています。
03. システム開発課・自動システム技術課とは
組織構成や所属している年代の割合について
中埜様)私のシステム開発の部署には3係あります。1係が計量機と包装機のソフト開発を担当していて、2係がWindowsアプリケーションなどシステムの開発を担当していて、3係がX線の検査装置のソフト開発を担当しています。
1係は40代くらいの中堅が多いです。2係は50歳に近い方が多くて、3係は30代未満の若手がバリバリ働いてくれています。3係が一番人数も多いですね。
渡辺様)私の自動システム技術課も3係あって、操作画面のユーザーインターフェース関係のソフトをつくる係、物を動かすためのモーションコントロールのソフトをつくる係、電気のハードウェアをつくる係に分かれています。
30代半ばぐらいのメンバーが多くて、主に活躍しているのは20代後半や30代ですね。
現状取り組まれていることやミッションについて
中埜様) システムでは、産業機械をすべてつないで見える化をして、情報収集するためのアプリケーションを開発しているんですけど、大型の受注案件がありまして、今度お客様の新工場にイシダの機械が177台繋がるんですよ。機械の納品は始まっていますがシステムの納品も始まるので、その対応が今のミッションですね。他には新製品に搭載するソフト開発も行っています。
渡辺様)私の部署は箱詰装置の電気ソフト系を担当している部署なので、お客様から大きな案件をいただき、装置開発を行うのが現状のミッションになりますね。
04. イシダで働く魅力や得られるやりがいとは
イシダは最上位の仕事ができ、チャレンジしやすい環境
中埜様)お客様のお困り事からヒアリングして、それを解決、実現できるシステムの仕様から考えることができるんですね。1からモノづくりができるという最上位の仕事ができるのは魅力です。システムを1からつくってみたいという方はすごくやりがいを感じられると思います。1番面白い部分を自分でできる環境ですよね。
渡辺様)私の部署は、この部屋に入りきらないくらいの大きな装置をダイナミックに動かせるのですが、それも魅力のひとつです。
あとは、チャレンジがしやすい、ちょうどいい規模感というのも魅力ですね。大企業ですと分業が進んでおり製品全体に及ぶようなチャレンジが難しい環境だと思います。私の部署では、一人が受け持つ守備範囲が広いので、その分装置全体に対対してのアイデアがどんどん出ています。一方で、受注が少ないなど、開発投資規模が小さすぎてもチャレンジできない環境になってしまうので、イシダはバランスが取れた規模ですね。
中埜様)お客様を熟知することが非常に重要なので、お客様の工場を見学させていただくことも非常に多いです。外部には公開できない食品工場の内部まで見学できるところも、面白いところですよね。
課員が感じる魅力は「主担当として一気通貫で取り組めるチャンスの多さ」
中埜様)挑戦できる風土があるので、新しいことをどんどん自分でできるというのは非常に楽しいと、課員からもよく聞きますね。
渡辺様)入社2年目ぐらいからは、バリバリ設計にジョインしていただきます。開発するチャンスに恵まれているというのも課員はよく言っていますね。数年のサイクルで装置をつくっていると、なかなかタイミングが合わず開発にアサインされないということがあるのですが、自部署の場合は少なくとも1年に1製品は開発していますので、自分が主担当になって納品まで行える経験を積めるというのは非常に楽しいと聞いていますね。
キャリアアップ・スキルアップを全力で応援してくれる環境
渡辺様)イシダってすごく自己啓発に注力しています。キャリアアップやスキルアップしたい方にはぴったりです。
私は、会社のプログラムでMBA(経営学修士)を取得しました。教科書代なども含めて何百万とかかるのですが、会社が負担してくれます。人数に上限があり、私の年は応募人数が上回ってしまったのですが、上限を超えて、応募者の全員が参加させてもらいました。
中埜様)私は役職に就く前から、外部団体の会合など数十万円費用がかかるようなところにも多く行かせてもらっています。他社様の方や社長など様々な方といろんな話ができます。
実は、私も今年の9月から大学に秋入学して、MOT(技術経営)を勉強させていただきます。開発と教育には投資を惜しまないという風土は、先代の社長のときから継承されている考え方なので、技術者にとってこんなにいい会社はないなと感じます。仕事に関わる資格を取ると手当もつきますしね。お金をもらって資格が取れて、スキルがついて、さらに手当ももらえるといういい事づくしですね。
イシダで築けるキャリアパスとは
中埜様)若手の方でしたら、最初はもちろんプログラムから始めて、より上流の設計をどんどんやっていくイメージですね。人によって違いますが、マネジメントの道に進むもよし、技術者としてスペシャリストになる道もよしです。
渡辺様)技術者はある程度のレベルまで到達すると、さらに伸ばしていくのか、それとも異なるキャリアパスを選択するのか、どこかで悩むと思うんですよね。イシダの場合、選ぶキャリアパスに応じて必要な知識やスキルを学べる制度が充実しています。先ほど述べたMBAやMOTは一例ですよね。どんなキャリアパスを選択しても、会社はバックアップしてくれます。
営業技術と製品開発の行き来もありますよ。よりお客様に提案していきたいから、営業技術にシフトしたという方もいらっしゃいます。
05. 風土や活躍されている方の特徴
イシダは助け合える、若手でもやりたいことを挑戦できる風土
中埜様)若手でも自分がやりたいことは、かなりできる風土ですよ。私もそうでした。前向きな失敗は歓迎されますので、挑戦は大歓迎です。なにかあった場合は必ずフォローしますし、私もやりたいことをずっとやってきたからこそ、若手の方にもやりたいことをやってほしいと思っています。
渡辺様)以前、私が係長をしていたときは、1機種1担当という形で開発していて、これは、自分が好きなようにできる良さはあるんですけど、責任も1人に集中し、負荷が重なるという問題もあり、孤立感もでてきました。5年前に、これを変えていこうと取り組みを始めて、ここ2年ほどは3人で3機種を担当するなどチーム開発にシフトしてきました。
これまでは一匹狼みたいな人が集まるような部署だったんですけど、今では誰かが抜けたときは誰かがカバーするという仲間を助け合える風土になってきているなと感じています。
活躍されている方の特徴は「自ら動ける人」「協調性がある人」
中埜様)係ごとに特色は違いますが、機械のソフト開発では、特に自ら動ける人が活躍されているなと感じます。今、新しい機械を開発するのにソフトウェアを全部一新しようとしています。ゼロイチで設計する必要があるので、自分でいろんなことを調べて勉強して、それを開発に生かす必要があります。そうやって、自ら動けるような人は輝いて見えますね。
渡辺様)コミュニケーション能力がある方が多いですね。やっぱり周りの人間のことを考えられる、自分だけが大変ではなくて周りも大変だという協調性がある方は多いですし、活躍されているなと思いますね。チームで進めていきたい方にはすごくぴったりな会社だと思います。
06. 今後取り組みたいことや将来像について
渡辺様)装置のソフトに求められるレベルは非常に高くなってきています。機械そのものの性能を上げるために、ソフトウェアが非常に大きな役割を担う必要があると感じています。業務の効率化を進めて、ソフトで機械の性能を上げていくという部分に注力できる体制をつくっていくことが私の目標です。
実を言うと機械ってかなり複雑になってきて、いろんなことができるようになっています。100個とか200個とかのパラメーターを調整しないと、希望の商品がつくれないんです。
お客様が求めているのは、チャットGPTに聞くような世界です。機械にもそれを求められてます。100個か200個あるパラメーターを自動で全部調整できれば、それができるようになるので、最終的にここが到達すべきところだと考えています。今は地盤をつくっている段階ですね。
中埜様)現在、ヨーロッパでサイバーレジリエンス法というセキュリティに関する法律案が可決されようとしています。それが施行されると、3年以内にヨーロッパに輸出する機械もそのセキュリティ要件を満たしていないとダメなんですね。私の部署では、レギュレーションを確認する部署と協力してその対応を進めていきたいと考えています。
渡辺様)昨今、国内では人口減少や高齢化が進んでいるので、食の需要は減少傾向にあります。イシダでは箱詰め装置など新しい製品で守備範囲を広げ、売上を拡大していきたいと考えています。また、数年後にはアメリカの倍になると言われているアジアの市場などの海外進出へのチャレンジも進めていきたいですね。
07. 求める人材とは
重要な能力は「折衝できるコミュニケーション能力」「三現主義を体現できる能力」
中埜様)係ごとによって求める人材というのは変わってきますが、システムでいうとコミュニケーション能力が1番になってきます。
システムはいろんな産業機械をすべて繋ぐ必要があるので、各機械のプロトコルをすべて決める必要があるんですね。見たことも聞いたことない機械と知らない担当者の中で打ち合わせをして、仕様を決めてうまく折衝する必要があるので、コミュニケーション能力が1番重要です。
もちろんプログラムができるのは必須であるものの、黙ってカタカタするだけではモノづくりはできないです。いかに各機械の特色を理解して、求められていることを実現するかがモノづくりの要です。
自分で考えて周りを巻き込んで進められる方に来ていただけると嬉しいですね。
渡辺様)私は、現場の声をしっかり聞ける方にぜひ来ていただきたいです。
開発と言うと仕様がすべて決まっていてつくるものが分かっていて、それをなんとか実現するんだということをイメージされるかもしれないですが、実は細かな仕様は設計者に委ねられます。お客様にとって何がいいのかということをちゃんと考えて、仕様をつくりあげていく必要があります。
イシダの行動規範にもありますが、現場・現物・現実という三現主義は非常に重要です。私もイシダに転職して感じるのが、トラブルや不明瞭なことが起こったら、現場に行って直接情報を取ってこいという風土ですね。現場を見ることで、どんな人が使っているのか何に困りごとがあるのかが分かるので、自分が何をつくらないといけないのかが分かります。だからこそ、本当にお客様が求めているモノづくりができるんだと思います。
今日も1人、アメリカに出張に行っていますけど、海外も含めて現場の声を聞けるという方にぜひ入社いただきたいと思います。
応募を検討されている方にメッセージ
中埜様)私のようにソフトウェアやシステムなどの経験をお持ちの方は、SEやソフトウェア開発会社に応募される方も多いと思いますが、メーカーでもそんな仕事はできるよということを知っていただきたいです。
実は、SIerよりもメーカーの方がもっと面白いことができます。私もメーカーに入って感じました。
渡辺様)メーカーは1から自分たちの手でつくり出すことができますよね。
中埜様)役職に就いていなかったときでも、提案して製品化できた経験もあります。SIerの場合、大手の独立しているところでないと1からつくり出すのは難しいですよね。
渡辺様)私達はお客様である食品会社をよく知っています。工場で働く人がどんな人なのか、どうやって使われてるのかなど熟知しています。このあたりが分からないと噛み合わないらしいんですよね。私達がお客様と話をすると、ようやく分かってくれる人が来たと言っていただけることが多いです。そういった意味でアウトプットできるものは、SIerとは変わってくると思いますね。
中埜様)SIerはシステムをピラミッドとすると、上から下へ考えるやり方なんですけど、私達は下から上へ考えるやり方なので、現場ありきのシステムがつくれるんです。イシダの営業はお客様のことを恐ろしいぐらい知っているので、営業と協力しながら現場に密着したシステムをつくれるというのは間違いないですね。
本当にお客様に寄り添った、お客様のためになる商品を1からつくりたいという方には、ぜひご応募いただきたいと思います。
渡辺様)3人のレンガ職人の話はよく聞きますよね。自分のしていることが何の意味を持つのかということを、実感しながら仕事できるのがイシダの良さだと思います。そのようなことで悩まれている方がいらっしゃいましたら、ぜひイシダに来ていただければと思います。