メーカー職種解説
[ 購買 ]
購買に転職するには?調達との違いや仕事内容、平均年収、事例を紹介
こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。この記事では購買について解説します。購買は企業の活動に必要なものを購入する職種です。どの業界においても物品を調達する仕事が必要なため、転職需要が高いと考えられます。とくに製造業の場合は、部品や原材料などの購入もあり、未経験の方も含めて人材確保に力を入れている企業も少なくありません。
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製造業の転職に強いメーカー専門の転職エージェント「タイズ」でも、購買を募集するメーカーの求人だけで220件あり、需要が高いといえます。しかし、購買に転職するにはどうすればよいかわからないと考えている人もいるのではないでしょうか。
本記事では、購買の仕事内容や平均年収、向いている人の特徴、転職するポイントを解説します。購買に転職してみたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
タイズで取り扱っている物流企画の求人は、以下の一覧ページや特集ページで紹介しているので、転職を検討している方はあわせてチェックしてみましょう。
購買の求人一覧はこちら
製造業・「購買/資材調達」の人気求人特集【定期更新】
―目次―
1.転職需要のある「購買」とは
2.転職で気をつけたい購買と調達の違い
3.転職する前に知っておきたい購買の仕事内容
3-1.見積もり
3-2.発注
3-3.検収
4.購買に転職して得られるやりがい
5.購買の転職に向いている人や必要なスキル
5-1.コミュニケーションが得意な人
5-2.交渉力のある人
5-3.情報収集が得意な人
5-4.スケジュール通りに行動できる人
6.購買に転職したあとの平均年収
7.購買に転職する3つのポイント
7-1.企業が求める人物像を把握する
7-2.職務経験で活かせる強み・実績をアピールする
7-3.購買に強い転職エージェントを利用する
8.購買に転職した事例
8-1.自動車メーカーの購買に転職した事例
8-2.電機メーカーの購買の購買・調達に転職した事例
8-3.機械メーカーの購買の購買・調達に転職した事例
9.実績や強みをアピールして購買の転職を成功させよう
転職需要のある「購買」とは
購買とは、企業活動に必要な資材を購入することです。たとえば、製造業の場合、生産計画にあわせて必要な材料や部品を必要なタイミングで届くように調整します。ほかにも、事務用品や文具なども社内で要望があれば購入するのも業務のひとつです。
購買の役割は、予算内で品質の高いものを購入することで、利益や顧客満足度にも大きくかかわります。高品質なものをなるべく早く安く購入し、企業活動をスムーズにできるようにサポートすることが求められる職種です。
購買は幅広い業界で必要とされていますが、とくに製造業で重宝されています。製造業では、多種多様な商品をつくるためにさまざまな部品や資材などを仕入れる必要があるためです。
製造業の特徴については以下の記事で詳しく紹介しているので、業界未経験の方はぜひ参考にしてみてください。
製造業とは?種類(業種)や仕事内容、年収、向いている人、働くメリットは?
転職で気をつけたい購買と調達の違い
購買と似た職種として調達がありますが、以下のような違いがあります。
購買 | 調達 | |
役割 |
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入手するもの |
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入手方法 | 購入のみ |
|
購買は調達の一部であり、調達のほうが幅広い仕事を任されるのが特徴です。ただし、企業によっては購買部門と調達部門が混同されている場合もあるため、購買のみの業務をしたい方は求人内容を確認してから応募しましょう。
購買と調達の違いは、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
購買・調達の違いとは?仕事内容や年収、未経験で転職するコツを紹介
転職する前に知っておきたい購買の仕事内容
購買の主な仕事内容は、以下の3つです。
- 見積もり
- 発注
- 検収
自分の興味のある仕事が購買にあるか、以下で詳しく確認してみましょう。
見積もり
見積もりでは、サプライヤーに見積もりを依頼し、購入先を選ぶのが主な仕事です。サプライヤーとは物品を供給する企業で、製造業の場合は部品メーカーや資材メーカーなどが挙げられます。
部品や資材を購入する際、生産に関係する部門と打ち合わせをし、いつまでに何を購入するかを決めます。購入するものが決まり、部品や資材を取り扱うサプライヤーを探し、見積依頼書を送るのが基本的な流れです。
見積書が送られたら内容を精査して購入先を選びます。購入先を選ぶ際は、商品の価格だけではなく、品質や納期、アフターサービスなども考慮しなければなりません。見積もりの内容によっては、社内でコミュニケーションをしっかりとり、見積もりの内容を評価します。
見積額によっては交渉をして価格を下げてもらうことも必要です。
川崎重工の購買では新しく別のサプライヤーを探して見積もりを依頼し、従来の取引先に価格交渉をするといった業務もおこなっています。仕事内容について詳しく知りたい方は、以下の記事をチェックしてみてください。
Q.ご自身の強みを生かして上手く仕事をおこなわれたエピソードを教えてください。
A.蒸気タービンの案件を進めていた時に、ある購入品に関して引合い先が1社しかなく、新しい取引先を探して火力発電の展示会に参加しました。そこで日本1社と海外1社を見つけ、従来のメーカーにも見積もりを依頼しました。従来のメーカーが今の価格では他2社に勝てないということでかなり価格を下げてくれました。新しく競合体制を構築できたのが成果です。
発注
サプライヤーを選定したら、必要な資材や部品の個数を社内関係者と確認し、発注書を作成します。
発注書はサプライヤーと注文内容の認識にずれがないようにするために必要です。もし発注書に間違いがあれば違うものが届いたり、納品が遅れたりするリスクがあるため、トラブルを最小限に抑えるためにも、発注内容を入念に確認します。
発注書に記載する項目は、以下のとおりです。
- 商品名
- 数量
- 価格
- 合計金額
- 納期・納品場所
- 支払い方法 など
上記の内容を確認し、問題がなければ発注します。
在庫状況や生産計画も考えて適切なタイミングで発注し、企業活動が滞ることがないように調達することが求められます。
検収
検収は、発注した資材や部品が注文通りに届いているかを確認する仕事です。
納品書や発注書をもとに、以下の事項を確認します。
- 商品名
- 個数
- 納期
- 品質
発注した内容と異なる場合があれば発注先に連絡し、返品や再出荷依頼などの対応が必要です。購買だけで品質が判断できなければ、社内関係者にも確認してもらい、問題がなければ支払い手続きをします。
最後に、検収した結果をサプライヤーの信頼性評価に活用し、今後も取引するか考えます。信頼性を評価し、購買業務の改善や不良品の混入を最小限に抑えることも購買の重要な役割です。
購買に転職して得られるやりがい
購買に転職して得られるやりがいは、以下のとおりです。
- 経営や利益に直接的に貢献できる
- 自分の成果が数値で明確になる
- 世界中から自社のビジネスに必要なものを見つけることがおもしろい
購買は自社製品・サービスの品質・納期・コストすべてにかかわる仕事です。品質や納期は高品質な製品・サービスを納期までに製造するために重要で、コストも利益に直結するため、品質の高いものをできるだけ早く・安く購入することが求められます。
企業の信頼にもかかわるため、責任が大きい分やりがいがあるでしょう。
また、世界中から自社のビジネスに必要なものを見つけ、自社製品の製造に貢献したり、コストダウンにつながったりした際に達成感を得られる場面もあります。
購買の転職に向いている人や必要なスキル
購買への転職に向いている人や必要なスキルは、以下のとおりです。
- コミュニケーションが得意な人
- 交渉力のある人
- 情報収集が得意な人
- スケジュール通りに行動できる人
自身に当てはまる性質やスキルがあれば、選考で強みとしてアピールできるでしょう。それぞれのスキルが必要な理由を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションが得意な人
購買では社内外の人と頻繁にかかわるため、コミュニケーション力が欠かせません。
社内では他部署から必要なものをヒアリングし、要望にあわせたものを納品する必要があります。社外ではサプライヤーに商品の価格や品質について詳しく聞き、発注先を適切に選定する必要があるため、質問力が重要です。
トラブルがあった際も関係者とすぐに連絡を取り合い、調整する姿勢が求められます。多くの人と話し合いながら進めることから、購買はコミュニケーションが得意な人に向いています。
交渉力のある人
できるだけコストを抑えるには、自社の要望をサプライヤーに受けてもらうための交渉力が必要です。
購買では、サプライヤーに利益相反な価格を提示して、低価格で購入するケースもあります。しかし、厳しい価格設定をするとサプライヤーとの関係が悪化し、取引が打ち切られる場合もあるため、注意しなければなりません。サプライヤーと良好な関係を築きながらも、できるだけ安く購入することが企業活動において重要です。
サプライヤーのコストを安く抑えるための提案をしたり、原価を理解したりしたうえで価格を抑えられるよう、顧客折衝をする能力も重宝されます
情報収集が得意な人
購買では、常に情報を収集して、新しいサプライヤーを開拓することも望まれます。
必要な資材を低コストで入手するには、できるだけ多くのサプライヤーを知っておくことが大切なためです。加えて、原材料の価格相場や市場などの情報を把握し、最適なサプライヤーを選択することが求められます。
ただサプライヤーの情報を集めるだけではなく、情報をもとに国際情勢の変化や市場の変化を察知して行動できる姿勢が重要です。
スケジュール通りに行動できる人
生産計画にあわせて仕入れることが求められるため、いつまでに何が必要かを理解して行動できる能力が求められます。
とくに製造業の場合は、複数の部品や資材を扱うため、同時並行で納期を管理しなければなりません。生産計画を把握し、納期から逆算して必要なものを発注できることが望まれます。
購買に転職したあとの平均年収
タイズのデータでは、購買の平均年収は、以下のとおりです。
大手企業(正社員) | 中小企業(正社員) | |
20代 | 500 | 450 |
30代 | 650 | 550 |
40代 | 800 | 650 |
単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の年収は458万円であり、中小企業の20代正社員こそ平均値ですが、年齢とともに平均よりも高くなっていく傾向があります。
具体的な金額は企業によって異なるため、志望している企業の年収を確認し、自身の希望にマッチするかを判断しましょう。
購買に転職する3つのポイント
購買に転職する際は、以下の3つのポイントを押さえましょう。
- 企業が求める人物像を把握する
- 職務経験で活かせる強み・実績をアピールする
- 購買に強い転職エージェントを利用する
転職に成功する確率を高めるためにも、ポイントを一つひとつ実践することが大切です。
転職に成功するコツは以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
転職成功者が成功率を高めるために、実践していた5つのコツ<転職体験談>
企業が求める人物像を把握する
購買は、企業によって業務内容が異なるため、企業がどのような人材を求めているかを把握しましょう。
タイズの求人でも、以下のように求める人物像を記載している企業があります。
- 問題解決のために関係者を合意に導けるコミュニケーション力のある人
- 積極的にリーダーシップが取れる人
自己分析した結果と求める人物像を照らしあわせ、マッチする企業か把握してから応募しましょう。
職務経験で活かせる強み・実績をアピールする
企業が求める人物像を把握したら、職務経歴書や面接でアピールできる実績を記載しましょう。
実績をもとに強みを洗い出し、自己PRを書きます。面接で深掘りされた際も答えられるよう、「なぜこのように行動したか」「その強みをどのように企業で活かせるか」などの回答を用意しておくことをおすすめします。
実績のアピールは書類通過率にも大きくかかわるため、専門家に添削してもらうことも考えましょう。実際にタイズを利用して転職した人も職務経歴書を見てもらったことで、通過率が上がっています。詳しくは事例ページで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
その当時の選考通過率は1.5割程度と、非常に悪かったです。タイズに登録後、アドバイザーに相談しながら経歴書をかなりブラッシュアップしました。各職務における具体的な数値実績やエピソードを、それぞれ2〜3行ずつ追加していきました。結果として、選考通過率は約3割にまで大きくアップしました。
購買に強い転職エージェントを利用する
購買未経験の人や転職活動を短期間で終わらせたいと考えている方は、転職活動エージェントを利用しましょう。
購買の転職実績の多い転職エージェントを選ぶことで、職種や業界に詳しいコンサルタントがアドバイスをしてくれ、成功率が高くなります。
転職エージェントでは、マッチする可能性の高い企業を紹介してくれたり、職務経歴書の添削や面接対策をしてくれたりなど、さまざまなサポートを受けられます。
転職エージェントを選ぶ際は、ホームぺージの実績が豊富かどうか確認することがポイントです。
以下の記事でも転職エージェントの選び方について詳しく紹介しているので、ぜひお読みください。
転職エージェントの選び方 -ホームページを比較する
購買に転職した事例
購買への転職に成功した事例を3つ紹介します。どのように転職活動をしたか、ぜひ参考にしてみてください。
タイズでは本記事で紹介する事例以外にも数多くの転職実績があります。以下の事例・体験談では、転職活動で工夫したことやどのように転職エージェントを選んだかを、利用者の実体験から詳しくチェックできるので、あわせてお読みください。
自動車メーカーの購買に転職した事例
20代女性のY.Mさんは、タイズを利用して自動車メーカーの購買に転職しました。
Y.Mさんはもともと機械メーカーの調達をしていましたが、将来性が不安な点、グローバルな企業に入りたい点から転職活動をはじめました。
転職を決意してからは複数の転職エージェントに登録し、タイズに紹介してもらった企業と他エージェントの企業の面接を受けることにします。
複数社面接を受け、練習を何度か重ねた結果、現職の自動車メーカーの一次面接に合格しました。二次面接では深掘りした質問に苦戦した場面もありましたが、無事内定を獲得できました。
Y.Mさんは自分自身特別なスキルももっていないと感じていましたが、強みを効果的にアピールできたことで第一志望の企業への転職をかなえ、現職でやりたいことができています。
タイズのコンサルタントのサポートと自身の努力により、希望通りの転職を実現できました。
詳細は以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
20代で自動車メーカーの購買への転職成功事例・体験談
電機メーカーの購買の購買・調達に転職した事例
金属メーカーの購買で働いていた20代F.Gさんは、実家の事情で地元に戻りたいことと、購買職のプロフェッショナルになりたいという理由で転職を考えるようになりました。
転職活動では、はじめに6~7社のエージェントに登録し、アドバイザーにキャリアの相談をします。キャリアが短いため、多くの転職エージェントから「大手企業への転職は難しい」といわれましたが、タイズでは「可能性がある」という言葉があったため利用することにしました。
タイズからは15〜16社の購買職求人を提案してもらい、3~4社書類選考に通過しました。自身でも面接の経験を重ね、試行錯誤しながら改善していきます。結果、第一志望の大手電機メーカーから内定をもらい、入社することに決めました。
地元に戻れただけではなく、年収が上がったり、スキルを磨ける環境に身を置けたりできたなど、転職してよかったと感じています。
より詳しい内容は以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
20代で大手電機メーカーの購買への転職成功事例・体験談
機械メーカーの購買の購買・調達に転職した事例
30代前半のS.Oさんは、造船会社の調達から機械メーカーの調達に転職しました。
前職の将来性に不安を感じた点や、社内事情で思うように仕事ができなかった点が転職を考えるようになったきっかけです。さまざまな業界で事業展開している企業に入りたいこともあり、転職活動をはじめました。
転職活動では、はじめに複数の求人サイトと転職エージェントに登録しましたが、コンサルタントの熱心なサポートによりタイズのみを利用することにします。
S.Oさんのキャリアとマッチする企業を紹介してもらい、3社中2社が書類選考で合格しました。
タイズでは、求人の紹介だけではなく、書類審査、Webテスト、面接に対する手厚いアドバイスを受けます。
その結果、自分のキャリアとマッチする機械メーカーから内定を獲得し、一から勉強する楽しさを感じながら、新鮮な気持ちで仕事をしています。
事例の詳細は、以下のページで紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
30代前半で機械メーカーの調達への転職成功事例・体験談
実績や強みをアピールして購買の転職を成功させよう
購買は製造業をはじめ、さまざまな業界で欠かせない業務です。見積もりや発注、検収などの業務を通して、スムーズに企業活動をおこなえるようにします。
利益に直結するため責任が大きい分、成果が出た際には大きな達成感ややりがいが得られるでしょう。
転職をしたいと考えている方は、まずは企業が求める人物像を把握しましょう。自分とマッチしているスキルや人物像があれば、強みとしてアピールできるよう自己PRや志望動機に落とし込みましょう。
ただし、自分の強みや実績がないと感じる方や、未経験から挑戦したいけどどのように転職活動をすればよいかわからない方もいるでしょう。転職活動に不安がある場合は、転職エージェントを利用するのも方法のひとつです。
メーカー専門の転職エージェント「タイズ」では、メーカー転職に特化した支援を提供しています。製造業の購買職について詳しい専門のコンサルタントから、企業選びや選考の対策など、転職に成功するためのサポートを受けられるのが特徴です。
どのような戦略で転職を進めればよいか丁寧に提案しているので、転職でお悩みの方はぜひ気軽にご登録ください。