メーカー職種解説
[ 整備士 ]
整備士への転職は未経験でもできる?平均年収や失敗しないコツを解説
こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。 この記事では整備士について解説いたします。整備の仕事につきたい人や、車に興味がある人のなかには、整備士への転職を検討している人もいるのではないでしょうか。
この記事は約14分で読み終わります。
整備士とは、自動車の点検や修理などをおこなう仕事です。急を要する修理や板金・塗装など、幅広い業務に対応しています。
本記事では、整備士への転職を目指す方に向けて、仕事内容や必要な資格・スキルについて解説します。整備士の平均年収や転職を成功させるためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
―目次―
1.整備士への転職は未経験でも実現できる
2.整備士への転職に向けて知っておきたい5つの仕事内容
2-1.点検整備
2-2.分解整備
2-3.緊急整備
2-4.電子制御装置整備
2-5.板金整備
3.整備士に転職する3つの魅力
3-1.自動車に関する知識が身につく
3-2.ニーズが高く安定性がある
3-3.整備を通してやりがいを感じられる
4.整備士の平均年収
5.整備士に向いている人の4つの特徴
5-1.車が好きな人
5-2.最新技術を扱う仕事がしたい人
5-3.コツコツ作業するのが好きな人
5-4.コミュニケーション能力がある人
6.整備士への転職に役立つ資格
7.整備士への転職に失敗しないための5つのコツ
7-1.転職活動の計画を立てる
7-2.転職理由を明確にする
7-3.自己PRで強みをアピールする
7-4.企業・業界研究をして志望動機を明らかにする
7-5.転職エージェントを活用する
8.整備士への転職を実現して整備の仕事をはじめよう
整備士への転職は未経験でも実現できる
整備士になるには国家資格が必要ですが、作業内容によっては未経験の方や資格をもっていない方でも整備士として働けるため、多くの方に転職のチャンスがあります。
整備士資格に対応した作業内容は、以下の通りです。
資格の有無 | 作業内容 |
国家資格がある場合 |
|
無資格の場合 |
|
整備士資格は専門学校に通って取得するのが一般的ですが、認証や指定を受けた自動車整備工場で1年以上の実務経験を積むことで、整備士3級の受験資格を得られます。さらに3年以上の実務経験を積めば、整備士2級の受験資格を得ることも可能です。
整備士の求人のなかには、資格をもっていない方や未経験の方も応募できるものがあります。整備士への転職を検討している人は、自分のスキルや資格、経験などに合った求人に注目しましょう。
整備士への転職に向けて知っておきたい5つの仕事内容
整備士がおこなう主な業務は、以下の5つです。
- 点検整備
- 分解整備
- 緊急整備
- 電子制御装置整備
- 板金整備
具体的な仕事内容を把握し、転職に向けて整備士への理解を深めましょう。
点検整備
点検整備では、主に12ヶ月点検や車検といった定期点検、消耗した部品の交換などをおこないます。
主な点検整備例は、以下の通りです。
- ハンドルの操作具合の点検
- ブレーキの効き具合のチェック
- ホイールやベアリングの点検
- サスペンションの緩みやがたの点検
- ファンベルトの点検
自動車は走行距離や使用状況によって少しずつ部品が消耗していくため、定期的な点検が必要です。事故を未然に防ぎ、安心安全に自動車を運転できるようにする重要な整備のひとつといえます。
分解整備
分解整備では、主にエンジンやミッションなどの不良箇所を分解し、点検や整備をおこないます。
主な分解整備例は、以下の通りです。
- エンジンを外しておこなう点検または整備
- ドライブシャフトやプロペラシャフトなどの点検または整備
- ブレーキドラムなどの点検または整備
エンジンやミッションといった部品を分解し、故障した箇所を見つけて整備します。高度な技術を要するため、国から認証を受けた認証工場や指定工場でのみ作業が可能です。
緊急整備
緊急整備とは、事故や故障に対する緊急でおこなう点検や整備を指します。
主な緊急整備例は、以下の通りです。
- 事故車やエンジントラブルの対応
- 事故によって車体が破損した場合の修理
エンジンの電気系統や部品の交換などをおこない、車が安全に走れるよう早急に修理をします。迅速な対応が求められるため、スムーズな作業と正確に精密機械を修理する技術力が必要です。
電子制御装置整備
電子制御装置整備とは、自動ブレーキや自動運転などに搭載されているカメラやレーダーの点検・整備です。ハイブリッドシステムやナビゲーションシステムといった電子制御装置の点検をおこなうため、専門的な知識が必要になります。
近年電気自動車の開発が進んでいることから、電子制御装置整備の需要は今後さらに高くなると考えられています。センサーの取りつけ角度の調整や故障診断機を使用した診断をおこなうには、特定整備の承認が必要です。
板金整備
板金整備とは、自動車の車体にできた傷やへこみを修理(板金)し、車体をきれいに塗装する業務を指します。
主な板金整備例は、以下の通りです。
- フレームの修理や内板骨格修正
- パネルの取り替え
- フレームの修正
板金は、パネルと呼ばれる鋼板を叩いたり、引っ張ったりして車体を修理することです。板金完了後に車体に下地を施し、塗装や磨きをおこないます。
板金整備の仕事は資格をもっていない場合もおこなえますが、技術を求められるため、経験を積むことが大切です。
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整備士に転職する3つの魅力
車の点検整備に携わる整備士の魅力は、以下の3つです。
- 自動車に関する知識が身につく
- ニーズが高く安定性がある
- 整備を通してやりがいを感じられる
どのような魅力があるのかを把握したうえで、整備士への転職を検討していきましょう。
自動車に関する知識が身につく
進化を続ける自動車技術と毎日触れ合うことで、自動車に関する最新の知識や情報が身につきます。経験を重ねることで複雑なトラブルにも対処できるようになるため、技術やスキルを高められる点が魅力です。
企業によっては定期的に勉強会を開催したり、研修を実施したりできるケースもあります。仕事を通しての経験だけではなく、学習できる場があることで車に関する専門知識がより増えていくでしょう。
ニーズが高く安定性がある
整備士は自動車が存在する限りなくならない仕事です。人手不足も相まってニーズは高い傾向にあり、資格や経験がなくてもチャレンジしやすいことから希望する条件に合った企業へ転職できるチャンスがあります。
近年ではAIやロボットの導入によって状況が変わりつつある仕事もありますが、車の整備では機械だけではなく整備士によるチェックが欠かせません。専門性の高い知識やスキルを習得すれば、将来に渡って安定した需要のある整備士になれるでしょう。
整備を通してやりがいを感じられる
整備士は車に乗る人の安全を守る役割を担うという点で、やりがいを感じられる仕事です。車の不具合を見つけて修理するだけではなく、整備内容を車のオーナーにわかりやすく伝えることで感謝される機会も多くあります。
日々の業務に向き合いながら一人前になるまでの道のりは長いですが、オーナーから車の相談を受けるようになると頼りにされている実感を得られます。
整備士の平均年収
厚生労働省が運営している「職業情報提供サイト(日本版O-NET)job tag」によると、自動車整備士の平均年収は487,6万円です。
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」給与所得者全体の年収は458万円であることから、整備士の平均年収は平均よりも約30万円高くなっています。
タイズのデータでは、整備士の平均年収は以下の通りです。
大手企業(正社員) | 中小企業(正社員) | |
20代 | 450 | 400 |
30代 | 650 | 550 |
40代 | 700 | 580 |
単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)
会社の規模や労働条件のほか、業績に応じて給与が変わる「インセンティブ制度」によっても金額が変動することもあります。転職先がディーラーか、整備工場かによっても異なるので、志望する企業の情報をしっかり確認しましょう。
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整備士に向いている人の4つの特徴
毎日自動車の点検や整備を担当する整備士に向いている人の主な特徴は、以下の4つです。
- 車が好きな人
- 最新技術を扱う仕事がしたい人
- コツコツ作業するのが好きな人
- コミュニケーション能力がある人
自身の性格と照らし合わせながら、整備士への適性を確認していきましょう。
車が好きな人
整備士は人よりも車と関わる時間が多く、車好きな人にとっては魅力的な仕事です。電子制御装置やエンジンなどの機械を取り扱うことも多いため、メカニックが好きな人にも適しています。
整備士として働くうえで、日々進化する車の技術を学び、構造を正確に把握することが必要です。常に学ぶ姿勢をもち続けるためには、車にまったく興味がない人よりも、車の仕組みや最新技術に興味がある人が向いています。
最新技術を扱う仕事がしたい人
自動車技術は日々目まぐるしく進化しており、整備士は新しい技術を身につける必要があります。常に探究心をもち、自動車技術に対して熱心に学ぶ姿勢が大切です。
最近では、電子制御装置の進化のほかに電気自動車やインターネット通信技術を搭載した「コネクテッドカー」など、新たなテクノロジーも導入されつつあります。新しい技術を身につけていかないと整備士としての市場価値が下がる可能性も少なくありません。
最新技術を扱いたい人や、勉強熱心に取り組める人は、整備士として進化し続けられるでしょう。
自動運転領域におけるエンジニアの採用について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
実用化目前!2019年は自動運転領域でエンジニアの採用が激化
コツコツ作業するのが好きな人
整備士の仕事は1台の車に対して黙々と作業する場面が多いので、コツコツ取り組むのが好きな人に適しています。
また、小さな部品も取り扱うので、手先の器用さも重要なポイントです。子どもの頃から細かい作業が好きな人も整備士に向いています。
コミュニケーション能力がある人
整備士は人よりも車と向き合っている時間のほうが長いと思われがちですが、修理や点検をした結果を車のオーナーに説明することも大切な仕事です。車の状態をわかりやすく伝え、オーナーの悩みや要望を聞き出す必要もあります。
整備士の仕事ではチームの連携による作業も多く、自分の役割だけではなく、周りと協力しながら進めていくことも重要です。作業現場ではチームメンバーとスムーズにコミュニケーションがとれ、オーナーへ理論的にわかりやすく話せる人が整備士に向いています。
整備士への転職に役立つ資格
基本的に整備士の仕事には国家資格が必要です。資格は等級別に分かれており、ガソリンやディーゼルなど扱う車種によっても資格の種類が異なります。
主な資格は以下の通りです。
資格 | 特徴 |
一級自動車整備士 |
|
二級自動車整備士 |
|
三級自動車整備士 |
|
特殊整備士 |
|
整備士の資格は3級から1級と等級があり、3級では自動車に関する基礎知識と技術、2級では分解や点検など整備作業全般の知識・技術が求められます。
1級ではより深い知識や技術を証明できますが、2級と対応できる作業内容がほとんど変わらないことから、まず目指したいのは2級といえるでしょう。
より転職に有利な資格を取得したい場合は、整備士のほかに専門性の高い特殊整備士の資格を取得すると、専門性をアピールしやすくなります。
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整備士への転職に失敗しないための5つのコツ
いざ整備士への転職を目指すときに、失敗しないためのコツは以下の5つです。
- 転職活動の計画を立てる
- 転職理由を明確にする
- 自己PRで強みをアピールする
- 企業・業界研究をして志望動機を明らかにする
- 転職エージェントを活用する
ポイントをしっかり押さえて、整備士への転職を成功させましょう。
転職活動の計画を立てる
整備士への転職活動をはじめるときは、どのくらいの期間で転職先を決めたいか計画を立てましょう。ゴールを設定してから動くことで、ムダなく効率的に転職活動をおこなえます。
一般的には、転職活動を開始して採用まで1〜3ヶ月を要する人がほとんどです。なかには企業や職種の情報収集に時間をかけ、1年ほど転職活動に取り組む人もいます。焦って準備不足のまま行動に移さないよう、しっかり計画を立ててから開始しましょう。
転職理由を明確にする
整備士への転職活動において、転職したい理由をはっきりさせることが大切です。人間関係の悪化や給与の低さなど、漠然とした理由では転職先でもまた同じ理由で悩むことになります。
転職では、ポジティブな転職理由を示すことがポイントです。スキル向上や目標達成など意欲の伝わる理由を見つけましょう。紙に書き出すことで理解が深まり、面接時にスムーズにアピールできるようになります。
実際にタイズで転職された方は、転職理由を明確にする大切さを実感しています。詳しい内容を知りたい方は、以下の事例ページをチェックしてみてください。
転職者は転職先を探すのではなく、企業を選び、企業から選ばれるようになることが大切だと思います。タイズのコンサルタントからアドバイスいただいた「転職は目的を達成するための手段であって、転職することは目的ではない」という言葉の通りだと思います。
やりたいことをするために転職することが大切で、今より良いところに行きたいという漠然とした理由だと失敗すると思います。逆に転職する価値があると本気で考えるなら、そこからぶれずに自信を持って挑戦すればいいと思います。
履歴書の書き方について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【テンプレ付き】履歴書の書き方は?採用担当者が見ているポイントなど基本を解説!
職務履歴書の書き方については以下の記事で解説しているので、あわせて確認してみましょう。
【職種別フォーマットあり】受かる職務経歴書の書き方と見本・例文
自己PRで強みをアピールする
整備士への転職活動をスムーズにおこなうためにも、自身のアピールポイントをしっかり整理しましょう。今まで経験した仕事内容や身につけたスキル、資格などを詳細に書き出し、自己分析をおこなったうえで、強みを明確に伝えるのがポイントです。
自身の強みが何かを明確にし、会社に貢献できる点や、アピールの根拠になるエピソードなどもしっかり整理しておきましょう。
自己PRの書き方については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
シチュエーションや強み別の例文付き!自己PRの書き方など3ステップで解説
企業・業界研究をして志望動機を明らかにする
整備士として働く場所は、自動車メーカーや整備工場、中古車販売店など多岐に渡ります。働く場所によって仕事内容が異なるため、企業や業界を十分に研究し自分に合った職場を見つけましょう。
企業や自動車業界全体の研究をおこない、働きたい場所が定まったら志望動機を明らかにしていきます。数多くの職種や企業があるなかで、「なぜこの業界・企業を選んだのか」を明確にすることが重要です。面接では入社後の将来像や整備士としての目標をアピールし、「ここで働きたい」という想いを伝えましょう。
転職エージェントを活用する
仕事を続けながら効率的に転職活動をしたいときは、転職エージェントを活用するのも方法のひとつです。専任のコンサルタントが希望に合った求人を探し、自己PRや書類作成のサポートもしてくれます。
面接の日程調整や面接対策の支援もあるため、はじめて転職をする人にもおすすめです。企業の情報収集や転職理由の明確化といった事前準備も進めやすくなり、転職活動をスムーズに進められます。
希望に合った求人をなかなか見つけられないときや、自己分析が難しいと感じているときは、ぜひ一度転職エージェントに相談してみてください。
転職エージェントの選び方については以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひ確認してみてください。
整備士への転職を実現して整備の仕事をはじめよう
整備士は、車の修理や点検を専門とする職業です。ディーラーや整備工場以外にも、中古車販売店やバス・タクシー会社などさまざまな場所で必要とされています。
整備士への転職を成功させるには、転職活動の計画をしっかり立て、自己分析や業界研究をしっかりおこないましょう。できるだけスムーズに転職したい場合や、働きながら活動を進めたい場合は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。
タイズでは、メーカーに特化した幅広い転職支援サービスを提供しています。転職事例も豊富ですので、整備士への転職を検討している方はぜひご相談ください。