機構設計とは?機械設計との違いや仕事内容、必要なスキルと資格を解説

  機械製品や設計に興味がある方の中には、「機構設計」についてもっと知りたい方もいるのではないでしょうか。 機構設計は機械の中でも重要な機構という部分の設計にかかわる仕事で、ものづくりにおいて重要な役割を担いま…続きを読む

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機構設計 転職

機械製品や設計に興味がある方の中には、「機構設計」についてもっと知りたい方もいるのではないでしょうか。

機構設計は機械の中でも重要な機構という部分の設計にかかわる仕事で、ものづくりにおいて重要な役割を担います。

本記事では、機構設計の概要や似ている用語との違い、仕事内容、平均年収などを紹介します。必要なスキルや資格なども解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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―目次―

1.機構設計とは
2.機構設計と似ている用語の違い
 2-1.機械設計との違い
 2-2.構造設計との違い
 2-3.筐体設計との違い
 2-4.強度設計との違い
3.機構設計の仕事内容
 3-1.製品の構想を練る
 3-2.構想にもとづいた設計図を作成する
 3-3.設計図から仕様を決定する
 3-4.詳細な組み立て図を作成する
 3-5.試作品のテストを行う
4.機構設計の平均年収
5.機構設計に必要な5つのスキル
 5-1.機械工学や素材に関する専門知識
 5-2.正確な設計・製図ができるスキル
 5-3.CADのソフトやツールを扱うスキル
 5-4.枠にはまらない柔軟な発想力
 5-5.他の部門と連携できるコミュニケーション能力
6.機構設計に役立つ資格
7.機構設計のキャリアプラン
 7-1.プロダクトマネジメントに携わる
 7-2.セールスエンジニアとして活躍する
 7-3.スペシャリストエンジニアを目指す
8.機構設計で製品の形づくりに携わろう

機構設計とは

機構設計とは?
機構設計とは、電化製品や工業製品の製造過程で、商品の形や仕組みを決める仕事・工程です。製品の中でも機構と呼ばれる部分の設計を行います。機構の具体例は、モーターのギアやエンジンのクラッチなどです。

各部品が連動して動く仕組みであり、それぞれが干渉せず正常に動作するように、素材の種類や部品の形状などを緻密に設計する必要があります。

製品が動作するためには機構が欠かせないため、機構設計はものづくりの基礎に大きくかかわる重要な仕事といえるでしょう。

機構設計と似ている用語の違い

機構設計とは?

機構設計には似ている用語が多く存在します。それぞれの違いは以下の通りです。

用語 特徴
機構設計 製品の駆動部分や仕組みに関する設計
機械設計 機構設計をはじめとした機械にかかわる設計の総称
構造設計 製品の土台や骨組みなど動きがない部分の設計
筐体設計 製品の外装にかかわる設計
強度設計 製品が動くかではなくどれくらい耐久性があるかの設計

業務内容に違いがあるだけではなく、それぞれにつながりがあります。違いや関係性を正しく把握し、機構設計への理解を深めましょう。

機械設計との違い

機械設計とは、機構設計をはじめとした機械にかかわる設計の総称です。機械を設計する際、すべての工程をひとりで行うのではなく、役割が分かれています。

機構設計は機械設計の中でも機構を専門に取り扱う仕事であり、業務範囲が主な違いです。機構設計のほかにも、構造設計や筐体設計なども機械設計にかかわっており、各役割の連携によって機械のハード部分ができあがっていきます。

機械設計に興味がある方は、やりがいや向いている人を解説した以下の記事も参考にしてみてください。
機械設計のやりがいとは?向いている人の5つの特徴

構造設計との違い

構造設計とは、製品の土台や骨組みなどの構造部分を設計する仕事です。たとえば、自動車メーカーの構造設計の場合、車体やエンジンルームなどの構造を設計します。

機構設計との違いは、取り扱う箇所に動きがあるかどうかです。構造設計は動きのない部分の設計を行い、機構設計は動作のある部分を担当する点に違いがあります。動作の有無によって、構造設計では静止荷重、機構設計では荷重の変化といったように、検討すべきポイントも変わります。

構造設計については、以下の記事で解説しているので、詳しい仕事内容を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
構造設計(6月制作)

筐体設計との違い

筐体設計とは、構造設計と関連性が高い仕事で、動きのない箇所の設計を行います。構造設計の中でも、「箱もの」とも呼ばれる外装の設計を担当するのが特徴です。

パソコンやスマートフォン、測定機器などの外装を設計する場面が多く、機能性やデザインなどにこだわって外装をつくりあげていきます。機構設計とは、構造設計と同様に、設計する部分に動きがあるかどうかに違いがあります。

強度設計との違い

強度設計とは、外部からの衝撃や荷重を想定して強度のある構造や機構を設計する仕事です。力学の理論や構造解析システムなどを用いて、さまざまな状況をテストし、安全に利用できる強度を目指します。

機構設計と異なるのは、業務で重要視するポイントです。強度設計は強度を第一に設計を検討する一方で、機構設計は機構が問題なく動作するかにこだわります。視点は異なりますが、動作と強度を両立するうえで、機構設計と強度設計の連携は非常に重要です。

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機構設計の仕事内容

機構設計とは?

機構設計の仕事は、以下のように細分化されています。

  • 製品の構想を練る
  • 構想にもとづいた設計図を作成する
  • 設計図から仕様を決定する
  • 詳細な組み立て図を作成する
  • 試作品のテストを行う

機構を設計する以外にも、設計図の作成や試作品のテストなど、幅広い業務があることを覚えておきましょう。

製品の構想を練る

機構設計では、いきなり機構部分の設計を行うのではなく、構想を練るところからはじまります。

顧客からの要望にもとづいて、使用する部品の種類や形状を考えたり、構造のレイアウトを検討したりして、構想を固めていきます。

要件を守りつつ、製品のターゲットにとっての使いやすさや、自社のコンセプトなどを盛り込んでいくことが重要です。

構想にもとづいた設計図を作成する

構想ができあがったら、機構部分の設計図を作成します。設計図の作成を「基本設計」と呼び、機構の基礎となる重要な仕事です。

設計図は構造をただ図に起こすだけではなく、実際に組み立てできることや強度に配慮されていることなども満たす必要があります。設計や製図に用いられるCADというソフトを使用して、設計図をつくっていくことになります。

設計図から仕様を決定する

設計図をさらに練っていくために、具体的な仕様を定める「詳細設計」という業務が必要になります。

組み立てや製造を意識して、各部品に使用している素材やパーツの形状・サイズなどを検討し、詳細な使用を決定します。

詳細な組み立て図を作成する

仕様が決定したら、実際に生産するために必要な組み立て図を作成します。各部品・パーツの仕様に問題がなくても、組み立てに問題が起きれば動作に重大な問題が生じるかもしれません。

機構が安全かつ最大限のパフォーマンスを発揮できるように、書き方や表記などにもこだわって、組み立て図をつくることが大切です。

試作品のテストを行う

組み立て図をもとに製品をすぐにつくるのではなく、動作や安全性をチェックするために、試作品の制作を行います。

機構が問題なく動作しながら、要件に準じた耐久性や安全性を満たしているかをテストします。テストで課題が見つかった場合は、各部品の選定や構造のレイアウト、図面などを見直す必要があるので、各工程を丁寧に進めることが効率的な設計に必要です。

機構設計の平均年収

機構設計とは?

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト jobtagによると、機構設計と関連性の高い機械設計技術者の平均年収は612.4万円です。

国税庁が発表した「令和4年 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均は458万円であるため、機構設計は比較的年収の高い職種といえます。

タイズにおける機構設計の平均年収は、以下の通りです。

大手企業(正社員) 中小企業(正社員)
20代 500 400
30代 650 530
40代 720 600

単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)

実際の年収額は企業によって異なります。平均はあくまで目安と捉え、就職・転職では提示されている金額を必ず確認しましょう。

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機構設計に必要な5つのスキル

機構設計とは?

機構設計として活躍するためには、以下のようなスキルが必要です。

  • 機械工学や素材に関する専門知識
  • 正確な設計・製図ができるスキル
  • CADのソフトやツールを扱うスキル
  • 枠にはまらない柔軟な発想力
  • 他の部門と連携できるコミュニケーション能力

機械や素材に関する知識や、設計や製図のスキルなどが求められるので、就職・転職を目指す際には習得を目指しましょう。

機械工学や素材に関する専門知識

機構を設計するためには、機械工学をはじめとした工業系の知識が必要です。とくに4大力学と呼ばれる機械力学・熱力学・流体力学・材料力学は重要で、各部品の接続や動作などを検討するうえで、各力学を活用する必要があります。

また、問題なく動作したり、耐久性を備えたりするためには、素材に関する知識も欠かせません。機構の要件に対して最適な素材を選定できると、安全かつ機能的な機構を設計できるでしょう。

正確な設計・製図ができるスキル

機構設計は設計図や組み立て図など、設計・製図をする機会が多いので、実践的な技術が必要になります。

自分のつくりかたを確立することも重要ですが、クライアントの要望や自社のコンセプトなどに柔軟に対応できるスキルが必要です。製品の進化によって求められる機構が変わっていくことも考えられるため、設計・製図のスキルを磨いていきましょう。

CADのソフトやツールを扱うスキル

設計・製図はCADと呼ばれるソフトウェアを使用する機会があり、柔軟に活用できるスキルが求められます。

CADには、AutoCADやVectorworksなどさまざまなツールがあり、その中でも汎用的なものを使いこなせると、機構設計として効率的な仕事ができるでしょう。

枠にはまらない柔軟な発想力

機構設計は、クライアントの要望に沿って設計を行うだけではなく、自身のアイデアを取り入れることでこれまでにない機構を生み出せるようになります。

すでにある概念や構造などにとらわれずに、柔軟な発想力があると、新たな製品を生み出せる原動力になれるはずです。基本を押さえつつも、異なる視点で検討するクセをつけるとよいでしょう。

他の部門と連携できるコミュニケーション能力

機構設計は機械設計に含まれる役割のひとつであり、構造設計や筐体設計などとかかわりながら設計を行います。ほかの部門と連携するために、共有事項をわかりやすく伝えたり、相手の意図を汲み取ったりできるとよいでしょう。

機構設計単体の仕事でもチームで動く傾向があるので、メンバーと円滑にコミュニケーションできる能力が必要です。

機構設計に役立つ資格

機構設計とは?

機構設計に必須の資格はありませんが、設計・製図のスキルを求められる点で、CADに関する資格は就職・転職や現場での仕事に役立ちます。

CADに関する主な資格は、以下の通りです。

  • 2次元CAD利用技術者試験
  • 建築CAD検定試験
  • オートデスク認定資格プログラム試験
  • Vectorworks操作技能認定試験

建築CAD検定試験のように業界に特化した資格や、オートデスク認定資格プログラム試験のように特定のツールのスキルを証明できる資格があります。

機構設計として携わりたい業界や、身につけたいスキル・知識にあった資格の取得を検討してみましょう。

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機構設計のキャリアプラン

機構設計とは?

機構設計への就職・転職を目指すうえで、キャリアプランを知っておきたい人もいるのではないでしょうか。

機構設計のキャリアには、以下のような選択肢があります。

  • プロダクトマネジメントに携わる
  • セールスエンジニアとして活躍する
  • スペシャリストエンジニアを目指す

将来どのように機構設計にかかわりたいかを考えたうえで、キャリアをイメージしてみましょう。

プロダクトマネジメントに携わる

プロダクトマネジメントとは、製品の生産を管理・統括するポジションです。顧客や工場、ほかの部門などとの連携を担当し、製品を問題なく生産できるようにマネジメントを行います。

機構設計として経験を積み上げると、設計への深い理解を発揮して、プロダクトマネジメントとして活躍できる道が開けます。将来的に製品づくり全体にかかわりたい方は、プロダクトマネジメントを目指すのがおすすめです。

セールスエンジニアとして活躍する

セールスエンジニアとは、エンジニアとして営業活動をサポートする職種です。設計や開発など技術面への助言をしたり、営業部門と技術部門の連携を進めたりして、営業活動の成果を目指します。

設計だけではなく製品を届ける仕事に興味がある方は、セールスエンジニアとして活躍の場を変える選択肢があります。顧客に近いポジションで、設計のスキルや経験を生かせるでしょう。

タイズでセールスエンジニアに転職した方は、さまざまな国籍のメンバーがいる環境で仕事にやりがいを感じています。

仕事面では、今はアメリカで使用される大型輸送機器を中国のメーカーが作るプロジェクトに関わっており、アメリカ人や中国人、インド人などいろんな人たちが絡んでいます。前職ではやり取りするのは日本人で日本のメーカー。一つのメーカーをずっと担当していたので、やり方も互いに理解していましたし、関わる人数もそれほど多くはありませんでした。今は社内社外を含めていろんな人が絡んでくるのでハンドリングが非常に難しいですが、その分、今後のスキルアップにもつながっていくと思います。

関東から関西での活動だったので、距離は遠かったですが、うまく日程調整をしていただいて助かりました。|メーカー転職成功事例・体験談

セールスエンジニアについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
営業?技術職?セールスエンジニアの仕事内容と必要なスキルを解説

スペシャリストエンジニアを目指す

機構設計を極めた先に、スペシャリストエンジニアというキャリアがあります。設計の専門家として、プロジェクトリーダーやアドバイザーといったポジションで、設計からマネジメントまで幅広く担うのが特徴です。

もっと設計を追究していきたい、設計のプロとして活躍したい方は、スペシャリストエンジニアを目指してみましょう。

タイズでは、スペシャリストエンジニアへの転職を支援しているので、興味がある方は以下の事例を参考にしてみましょう。

関東から関西での活動だったので、距離は遠かったですが、うまく日程調整をしていただいて助かりました。|メーカー転職成功事例・体験談

機構設計で製品の形づくりに携わろう

機構設計とは?

機構設計は、製品の動作に大きくかかわる機構部分を設計する仕事です。機械設計のひとつであり、構造設計や筐体設計などと連携して、製品の基礎をつくりあげていきます。

機構設計として活躍するためには、工業系の知識や製図スキルなどが必要です。関連する資格を取得すれば、就職・転職や現場での仕事につながっていくでしょう。

タイズでは、メーカーへの転職支援に特化しており、機構設計への転職成功事例も多くあります。プロダクトマネジメントやセールスエンジニアへの転職もサポートしているので、ぜひ一度ご相談ください。

タイズの強み

  • メーカー特化型エージェント
  • 技術職への深い知見
  • メーカーとの太いパイプと
    転職支援実績

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この記事を書いた人

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長友 美悠

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより
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