構造設計とは?仕事内容や年収・向いている人の特徴と役立つ資格を解説

こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。この記事では構造設計について解説します。建築関係の仕事に興味をもっている方の中には、「構造設計」が気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事は約13分で読み終わります。

構造設計とは?仕事内容や年収について解説!

構造設計とは、建物の土台や骨組みなどの設計をする仕事です。建物の要に携わる仕事で、責任感があるとともに、大きなやりがいを得られるでしょう。

本記事では、構造設計の仕事内容や平均年収、やりがいなどを紹介します。向いている人の特徴や役立つ資格なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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―目次―

1.構造設計とは|意匠設計や設備設計との違い
2.構造設計の仕事内容とやりがい
 2-1.構造設計の仕事内容
 2-2.構造設計のやりがい
3.構造設計の仕事でつらい・きついと感じるところ
4.構造設計の平均年収
5.構造設計に向いている人の特徴・スキル5つ
 5-1.建築に対する知的好奇心・熱意
 5-2.イメージを構造に落とし込む設計力
 5-3.計画的に業務を遂行するスケジュール管理能力
 5-4.設計者や施工者と連携するためのコミュニケーション力
 5-5.安全にこだわった仕事ができる責任感
6.構造設計に役立つ3つの資格
 6-1.構造設計一級建築士
 6-2.一級建築士
 6-3.JSCA建築構造士
7.構造設計の就職・転職事情
8.構造設計のキャリアプラン
9.将来性はある?構造設計からの転職先2選
 9-1.製造業
 9-2.不動産業
10.構造設計の仕事で建築に携わろう

構造設計とは|意匠設計や設備設計との違い

構造設計とは?
構造設計とは、建物の土台や骨組みといった構造部分が安全性の基準を満たせるように設計する仕事です。構造は建物の安全性に大きくかかわる部分であり、建築基準法によって基準が定められています。構造設計の仕事では、基準に適合させつつ、安全性を担保した設計が求められます。

構造設計と似ている仕事として、意匠設計と設備設計との違いを理解することが大切です。意匠設計と設備設計との違いは、以下のような点が挙げられます。

職種 業務範囲
構造設計 建物の土台や骨組みなどの構造部分
意匠設計 外観や内装、間取りなどのデザイン
設備設計 上下水道や電気、空調などの設備

業務範囲が大きな違いで、「構造設計」が土台となる構造部を対象にする一方で、「意匠設計」は建物のデザイン、「設備設計」は設備の設計を担当します。業務内容は異なりますが、お互いが連携して建築に取り組みます。

構造設計の仕事内容とやりがい

構造設計とは?
構造設計の仕事内容とやりがいについて解説します。自分に合った仕事を選べるように、理解しておきましょう。

構造設計の仕事内容

構造設計の主な仕事内容は、以下の通りです。

  • 建物の基礎や土台の設計図を作成する
  • 建物の構造や安全性を管理する
  • 建物の構造確認と補強を検討する
  • 意匠設計と連携してデザインや設備の設計をする

構造を設計するだけではなく、設計した構造の耐震性や安全性を確認したり、状況に応じて補強を検討したりします。意匠設計や設備設計とかかわる場面も多く、構造設計の立場からデザインや設備へのフィードバックを行うのも重要な仕事です。

意匠設計や設備設計とのかかわりは、近年変化しています。構造技術の発展によってさまざまな構造を実現できるようになり、それぞれ独立していては理想的な設計が難しいのが現状です。設計の初期から意匠設計や設備設計と連携することが増えており、一緒に設計する機会が多くなるでしょう。

構造設計の役割が変化したからといって仕事自体がなくなることはないと考えられますが、現在の設計環境にあわせたアップデートは必要です。

構造設計のやりがい

構造設計の仕事にかかわることで、以下のようなやりがい・楽しさを感じられます。

  • 住宅やオフィスなどさまざまな建物の構造や内部デザインに携われる
  • 安全な構造を設計することで人々の安心・安全に貢献できる

さまざまな建物の設計にかかわり、仕事を通して人々の安心・安全に貢献できるのが魅力です。自分が携わった建物を目にする機会が多くあり、日々安全に利用されている様子から達成感を得られるでしょう。

構造設計の仕事でつらい・きついと感じるところ

構造設計とは?

構造設計にはやりがいや楽しさがある一方で、「つらい・きつい」と感じる部分もあります。

構造設計で大変に感じやすいことは、以下の通りです。

  • 建物の構造は契約先の条件や意向に沿う必要がある
  • 設計以外にも幅広い仕事があり負荷が高い
  • 人々の安全にかかわる部分でプレッシャーを感じる
  • さまざまな人とかかわる中で人間関係の構築が難しい

構造設計は契約先の依頼に沿って設計を行うため、自由な設計はできません。納期や要件の変更などによっては、調整やマネジメントに苦戦することもあります。

設計以外の業務にかかわる場面もあり、さまざまな仕事を担当します。安全な建物を設計するという役割を重く感じ、プレッシャーにさらされる場合もあるでしょう。

また、構造設計は意匠設計と設備設計をはじめとして、さまざまな人とかかわる機会があります。人間関係を構築する必要があり、接し方やコミュニケーションなどに苦労することも多いです。

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構造設計の平均年収

構造設計とは?

厚生労働省の職業情報提供サイト jobtagによると、構造設計を含む建築設計技術者の年収は632.8万円です。

国税庁発表の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は458万円であるため、一般的な年収よりも高い水準となっています。

タイズ独自のデータでは、構造設計の平均年収は以下の通りです。

大手企業(正社員) 中小企業(正社員)
20代 520 400
30代 620 500
40代 800 720

単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)

政府の統計やタイズのデータはあくまで平均値であり、実際の年収は企業の規模や役職などで変わります。就職・転職を目指す際は、詳細な条件を必ず確認しましょう。

構造設計に向いている人の特徴・スキル5つ

構造設計とは?

構造設計に向いている人には、以下のような特徴やスキルをもっている傾向があります。

  • 建築に対する知的好奇心・熱意
  • イメージを構造に落とし込む設計力
  • 計画的に業務を遂行するスケジュール管理能力
  • 設計者や施工者と連携するためのコミュニケーション力
  • 安全にこだわった仕事ができる責任感

自分のスキルや価値観などと照らしあわせて、構造設計への適性があるか確認してみましょう。

建築に対する知的好奇心・熱意

構造設計は建物にかかわる仕事であるため、建築に対する思いが欠かせません。よりよい構造を探究する知的好奇心や、設計にかける熱意があると、構造設計として長く活躍できるでしょう。

日頃から建築の最新情報を収集していたり、設計に関する勉強に取り組んでいる人は、構造設計への適性があるといえます。

イメージを構造に落とし込む設計力

構造設計のメイン業務は設計であり、高い設計力を求められます。顧客や意匠設計、設備設計などとすり合わせたものを構造に落とし込んでいくため、イメージを組み立てる力や想像力なども必要です。

漠然としたイメージでも図や形を想像できる人は、具体的な設計を検討しやすく、頼りになる構造設計になれるでしょう。

計画的に業務を遂行するスケジュール管理能力

構造設計の仕事は、設計にとどまらないだけではなく、顧客から提示されたスケジュールで進める必要があるので、日程管理をする能力が欠かせません。

1日のスケジュールはもちろん、納期から逆算した全体の日程を把握し、いつまでに設計や補強などを完了させるか検討する必要があります。働き方の見直しが重要な昨今においては、時間内で仕事を完結させる管理能力が必須です。

設計者や施工者と連携するためのコミュニケーション力

構造設計は、ほかの設計者や施工者と連携する場面があるため、さまざまな人とかかわることに抵抗がない人に向いています。

ただ会話が得意なだけではなく、円滑なコミュニケーションがとれて、スムーズに情報共有や伝達ができるスキルが必要です。

安全にこだわった仕事ができる責任感

建物の構造は、人々の安全に大きくかかわる部分であり、構造設計には重い責任があります。構造の質次第で、人々を危険にさらすおそれがあるので、とことん安全にこだわる姿勢が必要です。

建築基準法を遵守したり、細部まで安全性にこだわったりするなど、当たり前の部分にこそ責任をもって取り組める人が構造設計に向いています。

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構造設計に役立つ3つの資格

構造設計とは?

構造設計に必須の資格はありませんが、構造や設計にかかわる専門知識やスキルを求められるため、資格をもっていると就職・転職で評価を得やすくなります。

構造設計に役立つ主な資格は、以下の3つです。

  • 構造設計一級建築士
  • 一級建築士
  • JSCA建築構造士

職場でのスキルアップやキャリアアップにもつながるので、ぜひ取得を検討してみてください。

構造設計一級建築士

実施団体 公益財団法人 建築技術教育普及センター
取得条件
  • 一級建築士として5年以上構造設計の業務に従事していること
  • 国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が行う講習の課程を修了すること

引用:構造設計一級建築士|公益財団法人 建築技術教育普及センター

構造設計一級建築士とは、平成18年12月に改正された建築士法で創設された資格です。

一定規模以上の建築物の構造設計に対して、構造設計一級建築士自らが設計するか、構造設計一級建築士が適合性を確認することを義務付けられたため、専門性の高い資格といえます。

構造設計一級建築士になるためには、一級建築士として5年以上の構造設計業務の実務経験と、講習の修了が必要です。民間資格ですが、取得のハードルが高いため、強みの大きなアピールになるでしょう。

一級建築士

実施団体 公益財団法人 建築技術教育普及センター
受験資格
  • 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において指定科目を修めて卒業した者
  • 二級建築士
  • 建築設備士
  • その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者など)
出題科目 【学科】

  • 計画
  • 環境・設備
  • 法規
  • 構造
  • 施工

【実技】

設計製図

一級建築士とは、建築法にもとづく資格である建築士における資格のひとつです。建築士は、一級建築士・二級建築士・木造建築士に分類され、一級建築士は一般住宅から大規模な建物まですべての建築物の建築に携われます。

建築全般の知識やスキルを証明できる資格であり、構造設計に生かしやすい資格です。構造設計一級建築士の取得条件にも含まれているため、キャリアアップやスキルアップを目指している方はぜひ取得にチャレンジしてみてください。

JSCA建築構造士

実施団体 一般社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)
受験資格
  • 構造設計一級建築士を取得していること
  • 2年以上の責任ある立場での構造設計業務の実務経験があること
試験内容
  • 面接試験
  • 筆記試験

引用:JSCA建築構造士について|一般社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)

JSCA建築構造士は、一般社団法人日本建築構造技術者協会(JSCA)が認定する資格です。構造計画の立案や設計図の作成、工事監理などに対して的確な判断を下せる技術者として認められます。

構造設計一級建築士であることがJSCA建築構造士の条件になっているので、構造設計一級建築士からのステップアップに最適です。高い専門性や実務遂行能力など、さまざまなスキルをアピールしやすくなります。

構造設計の就職・転職事情

構造設計とは?

構造設計は、設計図の作成や設計後の管理などに実務経験やスキルを求められます。就職・転職においても経験やスキルが重視される傾向があるので、長く活躍したり、携わりたい会社への入社を実現したりするためには、実務経験を積み上げることが大切です。

即戦力を求める企業が多い一方で、将来に向けて若手の採用に力を入れている企業もあります。直接的な経験がない場合でも、構造設計に活用できるスキルがあったり、転職動機を的確に伝えたりすれば、未経験でもチャンスはあるでしょう。

タイズでは、構造設計の求人を多数取り扱っています。転職に興味がある方は、ぜひ以下のページから求人をチェックしてみてください。
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構造設計のキャリアプラン

構造設計とは?

構造設計は、実務経験や技術が評価に大きくかかわるため、経験やスキルの積み上げがキャリアにも影響を与えます。

経験を積み上げたり、スキルアップを実現したりすると、より待遇のよい企業へのステップアップや、現職でのキャリアアップなどの選択肢が生まれやすくなります。構造設計一級建築士や一級建築士などの資格を取得し、より深い領域にかかわっていくキャリアプランも考えられるでしょう。

一方で、構造設計の仕事は大変な部分も多く、一定数やめていく人もいます。多忙な日々で転職活動をする余裕がなく、退職してから転職に向けて動く人も多いのが特徴です。

もし構造設計を退職してから転職を検討している方は、退職後の転職活動ノウハウや事例を紹介した以下の記事も参考にしてみてください。
退職後の転職活動ノウハウと、退職後の転職活動に成功した人の体験談まとめ

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将来性はある?構造設計からの転職先2選

構造設計とは?

構造設計は仕事の大変さから退職する人も一定数いるため、ネガティブなイメージをもっている人は少なくありません。

構造設計として将来働けるか不安がある方は、関連性の高い職種への転職を検討するのも選択肢のひとつです。

構造設計からの転職先として、以下2つが挙げられます。

  • 製造業
  • 不動産業

それぞれの特徴と構造設計からの転職に相性がよい理由を解説します。

製造業

構造設計は建築分野でものづくりにかかわる仕事であるため、ものづくりを続けたい方には製造業は相性のよい業界です。

ものづくりという共通点から製造業に転職するケースはあり、環境を変えても興味のある分野にかかわれます。製造業は比較的労働環境がよいといわれているため、構造設計で負担を感じている場合には、働き方も改善できるでしょう。

メーカーに特化した転職エージェントであるタイズでは、製造業を目指す多くの方の転職をサポートしてきました。転職に成功した事例を知りたい方は、ぜひ以下のページをご覧ください。
メーカー転職成功事例・体験談はこちら

不動産業

不動産業は、構造設計で培った建築の経験やスキルを生かしやすい業界です。構造や設計などの知識を活用して、営業職やコンサルタントとして活躍できる場合があります。

構造設計からのキャリアチェンジはしたいものの、建築にはかかわっていきたいという思いがある場合は、キャリアアップの選択肢として不動産業を検討してみましょう。

構造設計の仕事で建築に携わろう

構造設計とは?

構造設計とは、建物の土台や骨組みなどの構造を設計したり、工事の監理をしたりするなど、構造部分に大きくかかわる仕事です。

人々にとって安全な建物の構造をつくる責任があり、携わった建物が利用されている様子からやりがいを感じられます。構造設計一級建築士や一級建築士などの資格は強みをアピールする際に役立ち、転職や現職でのキャリアアップにつながっていくでしょう。

タイズでは、メーカーに特化した転職支援サービスを提供しています。構造設計への転職、構造設計からの転職の両方で実績があるので、キャリアの中で転職を検討している方はぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いた人

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長友 美悠

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより

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