鉄鋼メーカー・業界とは?主な企業や職種別の仕事内容、現状・将来性を解説

鉄鋼メーカーとは?仕事内容や現状、将来性などを解説!
鉄鋼メーカーは、製鋼や鋼材を生産し、鉄を必要とするさまざまな業界に貢献しています。

メーカーへの就職・転職を考えている人の中には、国際競争力の高い鉄鋼業界を候補として考えている人もいるのではないでしょうか。

本記事では、鉄鋼メーカーの種類や企業一覧、主な職種の仕事内容などを解説します。やりがいや向いている人の特徴なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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01. 鉄鋼メーカーとは?ビジネスモデルや仕組みを解説

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカーとは、鉄鉱石や鉄くずなどを原材料とし、製鋼や鋼材などを生産している企業です。製鋼や鋼材はさまざまなシーンで使われているため、いろいろな製品の素材や部品を供給するという面で重要な役割をはたしています。

鉄鋼業界は、鉄鋼メーカーや金属卸売業者、製品を取り扱うメーカーによって、構築されています。鉄鋼メーカーが製鋼や鋼材を金属卸売業者に素材として卸し、金属卸売業者から自動車メーカーや造船メーカーなどが原材料を仕入れるのが一般的な流れです。

鉄を必要とする業界は数多く、鉄鋼メーカーが製造・加工した鉄は、さまざまな企業に提供されています。

02. 鉄鋼メーカー・業界の種類

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカー・業界は、以下の2種類に分かれています。

  • 高炉メーカー
  • 電炉メーカー(特殊鋼メーカー)

製品を生産する方法で業界が分かれており、電炉メーカーについては特殊鋼メーカーと呼ばれることもあります。

2種類の鉄鋼メーカーについて、特徴をチェックしていきましょう。

高炉メーカー

高炉メーカーとは、高炉と呼ばれる大型の設備で鉄鉱石や石炭から鋼材を生産するメーカーです。国内はもちろん、世界でも高炉は主流の設備であり、鉄鋼メーカーの大半を高炉メーカーが占めています。

高炉メーカーは、原材料からの製鉄だけではなく、製品の製造までを一貫して行うのも特徴です。製造の大部分を担うため、大規模な設備や装置をもっている傾向があります。

電炉メーカー(特殊鋼メーカー)

電炉メーカーとは、電気炉と呼ばれる製鉄設備を用いて、鉄のスクラップやくず鉄から製鉄を行います。

機能をもつ鉄鋼をつくることから特殊鋼メーカーとも呼ばれ、高い技術力で精度の高い鋼材を生産しているのが特徴です。

ただ、電炉では取り除けない不純物があったり、高炉で生産した鋼材に耐久性が劣ったりする面から、高炉メーカーに比べるとシェアは高くありません。

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03. 鉄鋼メーカー・業界の主な企業一覧

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカーは、国内外に多くあります。その中でも、4大鉄鋼メーカーと呼ばれる企業は、以下の通りです。

  • 日本製鉄株式会社
  • 株式会社神戸製鋼所
  • 日鉄日新製鋼株式会社
  • JFEホールディングス株式会社

日本製鉄株式会社は国内最大手ともいわれるメーカーで、粗鋼生産量で高いシェアを獲得しています。鉄道用車輪や車軸は、とくにシェアの大きい製品です。

株式会社神戸製鋼所は鉄鋼事業を主力として、素材・機械・電力という部門に分かれて事業を展開しています。日新日鉄製鋼株式会社やJFEホールディングス株式会社も国内では粗鋼生産量が多く、古くからの業界を支えている企業です。

04. 鉄鋼メーカー・業界の主な職種・仕事内容

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカー・業界では、製品をつくるために、さまざまな職種が活躍・連携しています。主な職種は、以下の6つです。

  • 研究開発
  • 調達・購買
  • 生産管理
  • 品質管理
  • 営業職
  • 事務職

職種別の仕事内容を理解し、鉄鋼メーカー・業界での自分にあった仕事を考えてみましょう。

研究開発

研究開発は、技術やノウハウの研究、ニーズにあった製品の開発などに取り組む職種です。

研究分野では、素材や加工の技術を研究し、新しい製品の開発やノウハウの発展を目指します。開発は、研究で見つけた成果を実用化するために、試作や検証を繰り返すのが主な仕事です。

研究開発職の仕事内容や向いている人の特徴などを知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
研究開発職とは?仕事内容・向いている人の特徴・転職成功事例を紹介

調達・購買

調達・購買とは、製品をつくるための原材料を仕入れる職種です。鉄鋼メーカーにおいては、鉄鉱石や鉄くず、石炭などを買いつける役割を担当します。

原材料の質はもちろん、コストや納期などは調達・購買の力量によって変わります。できるだけ低いコストで質の高い原材料をすばやく仕入れることができれば、企業の業績に貢献できるでしょう。

生産管理

生産管理は、生産の計画立案から管理までを担当する職種です。鉄鋼メーカーでは、スケジュールにもとづいて、鋼材を生産する工程や原材料の在庫などを管理し、計画通りに生産できるように現場をコントロールします。

企業によって生産管理が担当する役割に違いがあり、資材の発注や品質チェックなどを担当することもあります。

生産管理の仕事内容や向いている人の特徴などは以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみましょう。
生産管理とは?仕事内容や向いている人の特徴、転職を成功させるポイントを解説

品質管理

品質管理とは、製造された製品の品質を管理する職種です。できあがった鋼材の品質を確認し、問題なく基準を満たしているかをチェックします。

品質に問題があれば、工程を見直したり、トラブルが起きた箇所を改善したりします。顧客からのクレームがあった場合は、トラブル対応を行うのも重要な役割です。

品質管理の仕事内容や品質保証との違いは以下の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はチェックしてみてください。
品質管理とは?品質保証との違いや仕事内容・転職成功事例を解説

営業職

鉄鋼メーカーの営業職は、生産した商品を金属卸売業者や商社などに営業・提案する職種です。営業先のニーズや課題を調査・ヒアリングしたうえで、自社製品のメリットや強みを伝えることで、成約の確率を高められます。

企業によっては海外に事業を拡大しており、海外の顧客を相手に営業を担当することもあります。高いスキルを求められますが、グローバルな活躍ができるでしょう。

メーカーの営業職に興味がある方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
メーカー営業への転職は未経験でもできる?メリット・デメリットや成功させるポイントを解説

事務職

鉄鋼メーカーにおいて、事務職は書類整理や電話応対などの事務を担当し、組織の運営を支える役割を担います。

事務全般を担当するだけではなく、営業や人事などの部門に配属され、部門の業務をサポートする場合もあります。営業事務や人事事務といった名称になるため、募集されている仕事内容を十分に確認しましょう。

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05. 鉄鋼メーカー・業界の現状・課題と将来性

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカー・業界への就職や転職を検討するにあたって、現状と今後の動向について理解しておくことは重要です。

現状と将来性を理解することで、メーカー・業界について深く理解できます。

鉄鋼業界の現状・課題

経済産業省が発表した「金属産業の現状と課題」によると、鉄鋼業および非鉄金属業の国内総出荷額は約29兆円であり、製造業全体GDPのうち9.3%を占めています。

ただ、1990年代まで世界の粗鋼生産量の中で日本企業が上位を占めていましたが、2020年には上位10社のうち7社に中国企業が入ってきているのが課題です。これまでに比べて、世界における日本企業のシェアが落ちている中、日本国内の需要も緩やかに減少しています。

世界の鉄鋼需要は2050年に向けて増加すると見込まれているため、海外進出によってシェアを高めたり、ニーズにあった新たな鋼材を開発したりするなど、現状を打破するための取り組みが求められます。

鉄鋼業界の将来性

鉄鋼業界は、国内市場の縮小と脱炭素への対応が課題となっています。人口減少に伴い、国内の鉄鋼需要は減少傾向です。海外企業の台頭や国内市場の縮小傾向などに対応するために、鉄鋼メーカー同士の合併により、競争力の強化や事業の効率化を目指すケースが増えてきています。

また、輸入に頼っている原材料の確保ルートを確立したり、環境問題に対応した技術を開発したりするなど、さまざまな課題への取り組みが求められます。

人材にかかわる将来性としては、人手不足の問題が顕著です。経済産業省が行った調査によると、さまざまな工程がある現場において、各ステップで人手不足が生じています。

人手不足解消に向けて、一定のスキルや経験をもつ人材や、将来を担う若手人材は転職しやすい環境になっていくでしょう。

06. 鉄鋼メーカー・業界で働く魅力・やりがい3つと平均年収

鉄鋼メーカー・業界で働く魅力・やりがい3つ

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカー・業界で働くことで、以下のようなやりがいを感じられるでしょう。

  • 生活や社会を豊かにする仕事ができる
  • 大きなプロジェクトにかかわるチャンスがある
  • グローバルな仕事に携わることができる

取り扱う製品は暮らしに欠かせないものであり、大きな使命のもと、仕事に取り組めるのが鉄鋼メーカー・業界の魅力です。

自分が仕事に求めるやりがいをイメージしながら、主な魅力を3つチェックしていきましょう。

生活や社会を豊かにする仕事ができる

鉄鋼メーカーで取り扱う製品は、さまざまなものに使われています。自動車や電化製品など生活に身近なものだけではなく、暮らしに欠かせないインフラなどにも大きくかかわる業界です。

製品の生産を通して、生活や社会に貢献できるため、世の中の役に立ちたいと考えている人はやりがいを感じられます。

大きなプロジェクトにかかわるチャンスがある

鉄鋼メーカーは、ものづくりにかかわる産業の中でも川上に位置し、社会と密接にかかわる仕事が多くあります。

国内における大規模な案件はもちろん、海外での案件を任されることもあります。大規模なプロジェクトを無事に終えたときの達成感は大きいです。規模の大きな仕事にかかわれることが、鉄鋼メーカー・業界で働く魅力です。

グローバルな仕事に携わることができる

鉄鋼メーカーは、国内だけではなく海外にも事業を展開している企業が多く、グローバルな市場と密接にかかわっています。

そのため、海外出張や海外赴任の機会があったり、海外企業に向けて営業をしたりする場面が増えています。世界を舞台に働きたい人にとっては、海外で仕事ができるチャンスは多くなりやすいです。

実際に、鉄鋼メーカーの株式会社神戸製鋼所では、世界を相手に働きたいという思いをもった人を歓迎しています。インタビューを詳しくチェックしたい方は、ぜひ記事もご確認ください。

Q.貴社を志望される方へのメッセージをお願い致します。

日本にいながらも、世界を相手にトップメーカーの一員として働きたい。そんな思いを持った方なら、ぜひ神戸製鋼所にご応募ください。

株式会社神戸製鋼所のインタビュー記事を見る

鉄鋼メーカー・業界の平均年収

鉄鋼メーカー

「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、鉄鋼メーカー・業界を含む製造業の平均年収は約501万円です。給与所得者全体の平均は458万円であるため、平均に比べると高い年収を期待できるでしょう。

タイズのデータでは、鉄鋼メーカー・業界の平均年収は以下の通りです。

大手企業(正社員) 中小企業(正社員)
20代 450 400
30代 620 500
40代 750 600

単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)

ただし、平均年収はあくまで目安です。就職・転職してから年収にギャップを感じることが少なくなるように、具体的な年収を求人票や募集要項などで確認しておきましょう。

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07. 鉄鋼メーカー・業界に向いている人の特徴4つ

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカー・業界で活躍できる人には、以下のような共通点があります。

  • チャレンジ精神や成長意欲がある
  • 強い責任感をもっている
  • 知識欲がある
  • 世界での活躍を視野に入れている

自分のスキルや価値観などを振り返り、鉄鋼メーカー・業界に向いている人の特徴に当てはまるか考えてみましょう。

チャレンジ精神や成長意欲がある

鉄鋼メーカーは変革のときを迎えており、変化を起こせる人材が求められています。新しいことに臆せず取り組めるチャレンジ精神をもった人や、成長意欲が高い人は、鉄鋼メーカーを引っ張っていく人材になれるでしょう。

日頃から新しい概念や技術に興味・関心をもったり、スキルアップのためにコツコツ努力できたりする人は、鉄鋼メーカーは相性のよい業界です。

強い責任感をもっている

鉄鋼メーカーが取り扱う製品は、トラブルが起きたときには重大な問題が発生する可能性があるため、責任感のある仕事が求められます。

担当した仕事をただこなすのではなく、当事者意識をもって一つひとつの業務を丁寧に行える人は、鉄鋼メーカーの適性があるでしょう。

知識欲がある

鉄鋼メーカーは先進的な技術や概念が続々と生まれている業界であり、さまざまなことを知ろうとする知識欲がある人に向いています。

従事している職種についての知識はもちろん、他の部門や業界など広い視点で知ろうとする姿勢があると、変化に対応しながら活躍できるでしょう。

実際に、鉄鋼メーカーの株式会社神戸製鋼所では、知識欲が高い人や物知りな人を評価しています。インタビュー記事をチェックしたい方は、以下からご覧ください。

Q.採用面接では、どのような点を意識して実施されていますか?

私自身は、「機械事業部門内で現在活躍している人の特徴」を意識しながら面接を行っています。部門内で活躍している人に共通して言えるのが、「自分で手足を動かして情報を掴みに行く人」であるということ。

例えば部門内の営業職なら、営業のことだけでなく財務関連の知識にも明るく、技術的なことも把握しており、なおかつ全社的な他事業部門の知識などもある程度備えている人が活躍しています。物知りな人、知識欲の高い人が多い印象ですね。そうした特徴をお持ちの方を、面接でも評価するよう意識しています。目の前の業務に集中することも大切ですが、同時に視野を広く持ち、アンテナを張っている人に魅力を感じます。

株式会社神戸製鋼所のインタビュー記事を見る

世界での活躍を視野に入れている

鉄鋼メーカーは海外進出している企業が多いので、世界で活躍したい人に向いています。海外を舞台にダイナミックな仕事をしたい、語学スキルを生かしたいなど、海外で働きたい人にとって鉄鋼メーカーは相性がよいでしょう。

株式会社神戸製鋼所では、海外案件に携わる機会が多くあり、挑戦できる環境が整っています。詳しいインタビュー内容は、以下からチェックしてみてください。

Q.転職を考えている方々へ御社のお勧めポイントを教えてください。

海外の仕事をしたい方にとっては、他社と比べてハードルもすごく低いと思います。私は元々国内の案件しかやったことがなく、海外案件をやります、と手を挙げて、最初は不安でしたが、先輩について海外出張に出かけ、英語の研修もあり、海外で仕事をする上での語学力を含めたスキル向上に手厚いサポートを受けられるのがお勧めできるところです。

株式会社神戸製鋼所のインタビュー記事を見る

鉄鋼メーカー・業界への就職・転職を考えてみよう

鉄鋼メーカー

鉄鋼メーカーは、自動車や家電製品、インフラ設備などで使われている鋼材を生産しています。生活に身近なものから、暮らしに欠かせないインフラまで広くかかわっているため、働くことでさまざまな場面に貢献できるでしょう。

業界としては海外メーカーの台頭や原材料の不足など多くの課題があり、それらを解決するために、チャレンジ精神や海外志向をもった人が求められています。

タイズでは、鉄鋼メーカーをはじめとしたメーカーを専門に転職支援サービスを提供しています。実際に鉄鋼メーカーに転職した事例も多くあるので、ぜひ一度ご相談ください。

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  • 技術職への深い知見
  • メーカーとの太いパイプと
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この記事を書いた人

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長友 美悠

株式会社タイズ

  • 関西メーカーへの高い合格率に自信あり。メーカーへの深い知見、太いパイプを活かした転職のご支援をさせていただきます
  • 「勤務地・給与」といった条件だけではなく「働きごこち・忙しさ・社風」など転職の軸を丁寧にヒアリングさせていただきます。
  • 転職成功者の満足度は92%! ※当社経由でご転職に成功された方へのアンケートより

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