業界トレンド
飲料メーカー・業界とは?企業例や主な職種の仕事内容、向いている人の特徴を解説
メーカーへの就職・転職を検討する際に、ジュースやお茶、ビールなどを扱う飲料業界に興味をもっている方がいるのではないでしょうか。
飲料メーカーでは、清涼飲料水やアルコールなどの飲料を製造・販売し、消費者に商品を届けています。市場調査や開発、営業など、求められる仕事の種類はさまざまです。
本記事では、飲料メーカーの分類や職種別の仕事内容、向いている人の特徴などを解説します。やりがいや年収なども紹介しているので、ぜひ情報収集に役立ててください。
01. 飲料メーカーとは?業界全体の仕組みを解説
飲料メーカーとは、清涼飲料水や酒などの飲料を製造・販売する企業です。清涼飲料水は炭酸飲料やコーヒー・お茶など、酒はビールや日本酒など、さまざまな飲料がメーカーでつくられています。
飲料メーカー・業界は、第一次産業や商社、外食産業などがかかわることで、ビジネスモデル・仕組みを構築しています。
飲料メーカーが製品をつくるためには、第一次産業や商社からの仕入れが必要です。製品を消費者に届けるためには、販売ルートである飲食店や小売店、自動販売機などへ流通する必要があります。
飲料メーカーは、食品メーカーのひとつとしても数えられます。食品メーカーについては以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
食品メーカー・業界とは?主な企業や職種別の仕事内容、平均年収を解説
02. 飲料メーカー・業界の分類と主な企業一覧
飲料メーカー・業界は、取り扱う印象の種類によって、以下3つに分類されます。
- 清涼飲料水メーカー
- アルコール飲料メーカー
- 乳製品メーカー
3つのメーカー・業界の特徴と主な企業をチェックしていきましょう。
清涼飲料水メーカー
清涼飲料水メーカーとは、炭酸飲料や果実飲料などが分類される清涼飲料水を製造・販売する企業です。主な清涼飲料水メーカーには、以下の5社が挙げられます。
- コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス株式会社
- サントリー食品インターナショナル株式会社
- カゴメ株式会社
- 株式会社伊藤園
- ネスレ日本株式会社
炭酸飲料で有名なコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス株式会社をはじめとして、野菜ジュースやお茶、コーヒーなど、各社特徴のある主力飲料を提供しています。
海外発のネスレは、日本法人であるネスレ日本株式会社をもち、コーヒーやミネラルウォーターなど幅広い飲料を展開しているメーカーです。
アルコール飲料メーカー
アルコール飲料メーカーは、ビールやウイスキー、日本酒などの酒を製造・販売している企業です。アルコール離れが叫ばれる中、ノンアルコールビールや微アルコール飲料など、消費者のニーズに対応しながら、変化している業界といえます。
主なアルコール飲料メーカーは、以下の通りです。
- アサヒグループホールディングス株式会社
- キリンホールディングス株式会社
- サッポロホールディングス株式会社
- 麒麟麦酒株式会社
- 宝ホールディングス株式会社
ビールを取り扱うメーカーの知名度が高く、アサヒやキリンなど大手の競争が激しく行われています。お酒に特化したメーカーだけではなく、お酒以外に清涼飲料水を取り扱うメーカーもあります。
乳製品メーカー
乳製品メーカーは、牛乳を製造・販売しているため、飲料メーカーに分類されています。ほとんどのメーカーで牛乳以外の乳製品を取り扱っており、牛乳を原料としたさまざまな製品を展開しているのが特徴です。
主な乳製品メーカーには、以下の5社が挙げられます。
- 株式会社明治
- 森永乳業株式会社
- 雪印メグミルク株式会社
- よつ葉乳業株式会社
- 高梨乳業株式会社
株式会社明治では、牛乳以外にヨーグルトやチョコレートなどを販売しています。森永乳業株式会社でもアイスクリームや飲料を製造しているように、乳製品メーカーの多くは牛乳とあわせて他の製品を提供している傾向があります。
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03. 飲料メーカー・業界の主な職種・仕事内容
飲料メーカー・業界では、安全でおいしい飲料を提供するために、さまざまな職種が活躍しています。
飲料メーカー・業界の主な職種は、以下の5つです。
- 研究開発職
- 企画・マーケティング
- 調達・購買
- 生産管理
- 営業職
職種ごとに仕事内容を詳しく解説していきます。
研究開発職
飲料メーカーの研究開発職は、飲料をつくるうえで研究・開発を担当する職種です。研究分野では新商品の開発や既存商品の改良に必要な技術や成分などを研究し、開発分野では研究で得た成果の実用化を目指します。
商品開発や改良に向けた研究開発だけではなく、今後可能性を秘めている技術の発見や、既存のノウハウの発展などにも取り組んでいます。
研究開発職については、以下の記事で仕事内容や向いている人の特徴などを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
研究開発職とは?仕事内容・向いている人の特徴・転職成功事例を紹介
企画・マーケティング
飲料メーカーでは、新商品の企画や既存商品の改善策などを練るために、企画・マーケティング職が活躍しています。
市場調査や消費者アンケート、データ分析などを行い、顧客のニーズや市場の動向などを把握し、今求められている商品の開発に貢献する職種です。
調達・購買
飲料メーカーが飲料をつくるためには原材料を仕入れる必要があり、調達・購買が仕入れを担当します。生産に必要な原材料を正確に仕入れるだけではなく、コストや納期などを調整し、効率よく調達する仕事を求められます。
原材料だけではなく、業務に必要な資材の調達や補充なども、調達・購買の重要な仕事です。
生産管理
生産管理とは、製品の生産にかかわる工程や業務など全般を管理する職種です。あらかじめ決められたスケジュールや納期、コストなどを把握したうえで、それらをクリアできているかを管理します。
製品の品質はもちろん、納品やコストなど経営にもかかわる仕事であるため、責任をもって生産現場をコントロールすることが重要な役割です。
また、タイズの求人で募集している「ネスレ日本株式会社」のように、生産技術という職種で、効率アップや製造ラインの構築が求められることもあります。ライン設計のほか、既存の工程の見直しや設備の導入なども担当します。
生産管理の仕事内容や向いている人の特徴などは以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみましょう。
生産管理とは?仕事内容や向いている人の特徴、転職を成功させるポイントを解説
営業職
飲料メーカーの営業職は、自社で製造・販売した飲料を小売店や飲食店などに提案する職種です。成果が企業の利益に直結するため、重要度の高い職種といえるでしょう。
スーパーやコンビニ、レストラン、自動販売機のオーナーなどさまざまな販売ルートに交渉を行い、商品の取り扱いを取りつけるのが役割です。新規取り扱いの営業以外にも、既存の取引先へのフォローや販売促進の提案なども担当します。
メーカー営業への転職については以下の記事で解説しているので、食品メーカーの営業職として働きたい方はぜひ参考にしてみてください。
メーカー営業への転職は未経験でもできる?メリット・デメリットや成功させるポイントを解説
04. 飲料メーカー・業界の現状と将来性、働くやりがい・魅力
飲料メーカー・業界の現状と将来性
飲料メーカー・業界について理解するうえで、現状と将来性は知っておきたい情報です。 今の業界の状況や今後の動向を知ることで、飲料メーカー全体について理解しやすくなります。ここでは、飲料メーカー・業界の現状と将来性を詳しく解説します。
飲料業界の現状や課題
一般社団法人全国清涼飲料連合会が発表した「清涼飲料水統計2023」によると、販売金額の推移は以下の通りです。
年度 | 販売金額 |
2018年 | 4,050,367 |
2019年 | 4,098,510 |
2020年 | 3,797,844 |
2021年 | 3,890,941 |
2022年 | 4,153,659 |
引用:清涼飲料水統計2023|一般社団法人全国清涼飲料連合会
単位:百万円
2020年から2021年にかけては販売金額が落ち込んだものの、2022年には最近5年でもっとも高い販売金額を記録しています。長期的に見ると販売金額は安定しており、比較的安定した業界といえるでしょう。
ただ、課題も顕著になっており、今後の成長には対策が欠かせません。人口減にともなう国内市場の縮小や、若者のアルコール離れなどが売上に影響を及ぼしています。コンビニコーヒーの台頭や健康志向の高まりなども注目されており、変化が求められているでしょう。
飲料業界の将来性
飲料メーカー・業界はさまざまな状況への対応が求められているため、ニーズにあわせた変化が今後の鍵となるでしょう。
たとえば、サッポロホールディングス株式会社では、アメリカのストーン・ブリューイング社の全持分を取得し、海外市場への進出を目指しています。
また、株式会社矢野経済研究所の調査によると、健康面にアプローチした飲料からヒット商品が生まれたことから、新たなニーズに対応した商品は成長のきっかけになると考えられています。
課題解決に取り組む飲料メーカーが今後成長すれば、人材の需要は高まるでしょう。現状は業界全体で人手不足の傾向があるため、スキルや経験をアピールできれば、転職のチャンスが十分にあります。
飲料メーカー・業界で働くやりがい・魅力
飲料メーカー・業界で働くやりがい・魅力は、以下の通りです。
- 自分がかかわった飲料が世の中に広く流通する
- 飲料を通して消費者の生活を支えられる
- 消費者の喜ぶ姿からやりがいを感じられる
飲料は生活に欠かせないものであり、多くの人の身近にあります。自分がかかわった飲料が世の中に流通するのはやりがいのひとつで、仕事の成果が形になったことに達成感を得られるでしょう。
また、飲料を通して、消費者の生活を支えられるのも魅力です。健康に配慮した飲料で体づくりをサポートしたり、爽快感のある飲料でリフレッシュさせたりするなど、さまざまな貢献ができるでしょう。
身近な製品を提供する分、消費者の喜ぶ姿を見られる機会が多くあります。飲料を飲んで喜ぶ顔や「おいしい」という声は、日々の努力が報われる瞬間でしょう。
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05. 飲料メーカー・業界の平均年収、向いている人の特徴4つ
国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、飲料メーカーを含む製造業の平均年収は約501万円です。給与所得者全体の平均は458万円であるため、平均に比べて年収の高い業界といえるでしょう。
タイズのデータでは、飲料メーカーの平均年収は以下の通りです。
大手企業(正社員) | 中小企業(正社員) | |
20代 | 450 | 400 |
30代 | 620 | 500 |
40代 | 750 | 600 |
単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)
実際の年収は企業の規模や職種、経験などによって異なるため、求人情報をしっかり確認し、条件とマッチするか見極めましょう。
06. 飲料メーカー・業界に向いている人の特徴4つ
飲料メーカー・業界に向いている人の特徴は、以下の4つです。
- 飲料に興味・関心がある
- 責任感のある仕事ができる
- 市場や消費者の動きを分析できる
- グローバルな視点やスキルをもっている
飲料への興味だけではなく、さまざまな資質やスキルが求められます。自分の強みを振り返りながら、飲料メーカー・業界への適性を見極めてみましょう。
飲料に興味・関心がある
飲料メーカーでは、飲料の製造・販売にかかわるため、飲料への興味・関心が欠かせません。
新しい飲み物を普段から興味をもって飲んでみたり、コーヒーやお茶などにこだわっていたりする人は、飲料メーカーの仕事に生かせる感性があるといえるでしょう。
責任感のある仕事ができる
飲料メーカーの仕事は安全な飲料を提供するのがもっとも大切であり、日々の業務に責任感が求められます。
基本的な業務にも手を抜くことなく、安全な飲み物をつくる使命を忘れず、誠実な仕事ができる人に向いている業界です。
市場や消費者の動きを分析できる
飲料メーカー・業界は、知名度の高い企業が多く、競争が激しい業界といえます。
そのため、競合との差別化が重要であり、そのヒントとなる分析力が重要です。 物事に対して常に深く考えたり、異なる視点で発想できたりすると、市場や消費者の動きを掴み、求められている商品を生み出せるでしょう。
グローバルな視点やスキルをもっている
飲料メーカーは、国内市場の縮小傾向を背景に海外進出の動きを強めています。海外に向けた事業展開で活躍するうえで、グローバルな視点やスキルが必要です。
海外の文化や風習について理解していたり、外国語でのコミュニケーションが得意だったりすると、世界を舞台に活躍できるでしょう。
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- 技術職への深い知見
- メーカーとの太いパイプと
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07. 飲料メーカー・業界で飲み物の開発や流通にかかわろう
飲料メーカー・業界では、清涼飲料水やアルコール飲料などの製造・販売が行われ、生活に欠かせない飲料を消費者に届けています。
研究開発職や企画・マーケティング職などさまざまな職種が活躍し、国内はもちろん、海外に向けても製品を展開しているのが特徴です。
飲料メーカーには、飲料に興味やこだわりがあったり、責任感があったりする人が向いています。
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