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食品メーカー・業界とは?主な企業や職種別の仕事内容、平均年収を解説
こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。
メーカー転職を検討している方の中には、就職・転職先として食品業界が気になっている方もいるのではないでしょうか。
食品メーカーは取り扱う商品によって、複数の業界に分かれています。かかわる分野によって仕事内容は異なるため、業界や職種への理解が必要です。
本記事では、食品メーカーの分類別の企業例や職種別の仕事内容、平均年収などを解説します。食品メーカーに関する情報収集をしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
01. 食品メーカーとは?業界の特徴や仕組みを解説
食品メーカーとは、仕入れた原材料を使用して食品を生産し、消費者に流通する企業です。食品の種類は幅広く、調味料や乳製品などさまざまなものを各メーカーで取り扱っています。
食品業界の特徴は、食品を生産・販売するためにメーカー企業や商社などが連携している点です。
食品メーカーが商品をつくるためには、第一次産業や食品専門商社などから原材料を調達する必要があります。生産した食品を販売・流通するためには、小売店や外食産業などの存在が欠かせません。
生産・販売に多くの人がかかわるビジネスモデル・仕組みによって、日々消費者に食品が届けられています。
02. 食品メーカー・業界の分類と主な企業例
食品メーカー・業界は、取り扱う製品によって、以下のように分類されています。
- 調味料メーカー
- 乳製品メーカー
- 即席麺メーカー
- 冷凍食品メーカー
- 菓子メーカー
- 食肉・水産加工品メーカー
- 飲料メーカー
メーカーによって携わる製品や仕事が大きく変わるので、それぞれの特徴や主な企業例をしっかり理解しましょう。
調味料メーカー
調味料メーカーでは、食品の味つけに欠かせない調味料を取り扱っています。砂糖や醤油などの調味料を生産・販売し、一般家庭はもちろん、飲食店にとっても欠かせないメーカーといえるでしょう。
主な調味料メーカーは、以下の通りです。
- 味の素株式会社
- キッコーマン株式会社
- ハウスギャバン株式会社
- ヱスビー食品株式会社
- ベル食品株式会社
うま味調味料を取り扱う味の素株式会社や、醤油やみりんなどを取り扱うキッコーマン株式会社など、多くの家庭にある調味料を各メーカーが製造しています。
乳製品メーカー
乳製品メーカーでは、ヨーグルトやチーズ、バターなど、牛乳を原料とした食品を生産・販売しています。牛乳そのものを商品として展開しているメーカーもあり、飲料メーカーの側面をもっているのも特徴です。
主な乳製品メーカーには、以下の企業が挙げられます。
- 森永乳業株式会社
- 株式会社ヤクルト本社
- 雪印メグミルク株式会社
- スジャータめいらく株式会社
- オハヨー乳業株式会社
森永乳業株式会社では牛乳やデザートなど幅広い乳製品を展開しています。スジャータめいらく株式会社は、コーヒー用のミルクを開発しているように、同じ乳製品でも各メーカーで特徴のある商品を生産・販売しているのが特徴です。
即席麺メーカー
即席麺メーカーでは、カップラーメンやカップ焼きそばなど、短時間で食べられる加工麺類を生産・販売しています。即席麺を製造する技術は冷凍食品にも応用されており、冷凍食品も展開しているメーカーが多いです。
主な即席麺メーカーには、以下の5社が挙げられます。
- 日清食品ホールディングス株式会社
- 東洋水産株式会社
- 株式会社マルタイ
- エースコック株式会社
- ユタカフーズ株式会社
即席麺メーカーの中では、日清食品ホールディングス株式会社は知名度が高い企業です。さまざまなラインナップがある「カップヌードル」だけではなく、そばや焼きそばなど幅広い商品を展開しています。
冷凍食品メーカー
冷凍食品メーカーでは、調理済みの食品を冷凍加工した商品を生産・販売しています。電子レンジで温めてすぐ食べられる手軽さが魅力で、お弁当や夕食などさまざまなシーンで貢献する商品を提供しているメーカーです。
主な冷凍食品メーカーとしては、以下のような企業があります。
- 株式会社ニッスイ
- 株式会社ニチレイ
- 味の素冷凍食品株式会社
- テーブルマーク株式会社
- 日東ベスト株式会社
株式会社ニッスイは水産加工会社としての顔ももち、魚の調達から加工・販売までを一貫して行っています。幅広い品目を取り扱う株式会社ニチレイも、代表的な冷凍食品メーカーです。
菓子メーカー
菓子メーカーとは、クッキーやチョコレートなどの菓子を取り扱っている企業です。主食ではないものの、嗜好品として人々の生活に欠かせない菓子を生産・販売しています。菓子は和菓子と洋菓子に大きく分かれ、さらに生菓子や干菓子などに細分化されるのが特徴です。
主な菓子メーカーとしては、以下の5社が挙げられます。
- カルビー株式会社
- 江崎グリコ株式会社
- 株式会社シュゼット
- 株式会社ブルボン
- 亀田製菓株式会社
ポテトチップスで有名なカルビー株式会社、菓子をはじめとして乳製品やアイスなども展開する江崎グリコ株式会社などが代表的です。米を使った菓子が人気の亀田製菓株式会社のように、地元で愛される菓子を生産するメーカーも多くあります。
食肉・水産加工品メーカー
食肉・水産加工品メーカーは、肉や魚を加工した食品を生産・販売する企業です。ハムやサラダチキン、ツナ缶など、生活に身近な製品を取り扱っています。糖質ゼロや減塩などの健康需要の高まりを受けて、ニーズが増しているメーカーのひとつです。
主な食肉・水産加工品メーカーは、以下の5社です。
- 日本ハム株式会社
- 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
- マルハニチロ株式会社 はごろもフーズ株式会社
- イオンフードサプライ株式会社
食肉加工では、日本ハム株式会社や伊藤ハム米久ホールディングス株式会社が有名で、ハムやソーセージなどを展開しています。水産加工では、マルハニチロ株式会社やはごろもフーズ株式会社が代表的なメーカーです。
飲料メーカー
飲料メーカーでは、清涼飲料水や酒などの製造・販売を行い、さまざまなドリンクを消費者に届けています。生産する飲料の種類によって分類され、清涼飲料水メーカーやアルコール飲料水メーカーなどがあります。
主な飲料メーカーは、以下の5社です。
- サントリー食品インターナショナル株式会社
- カゴメ株式会社
- 株式会社伊藤園
- コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス株式会社
- キリンビバレッジ株式会社
カゴメ株式会社は野菜ジュース、株式会社伊藤園はお茶など、各メーカーで特徴的な主力商品があります。
飲料メーカーの分類や仕事内容などは以下の記事で解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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03. 食品メーカー・業界の主な職種・仕事内容
食品メーカー・業界の仕事内容は幅広く、さまざまな職種がかかわっています。主な職種は、以下の6つです。
- 研究職
- 商品開発
- 企画・マーケティング
- 生産管理
- 営業職
- 事務職
それぞれの仕事内容を理解し、自分にあった職種を考えてみましょう。
研究職
食品メーカーでは、新しい商品を開発したり、既存商品を改良したりする土台として、研究職が日々研究に従事しています。
まだ見つけていない技術や材料を発見する「基礎研究」と、基礎研究の内容を実用化するために試作や検証に取り組む「応用研究」に分かれています。
近年では、健康志向の高まりによって栄養素や機能性などの付加価値が注目されているため、研究職の役割は非常に重要です。
タイズで食品メーカーの研究職に転職された方は、スキルを生かしながら研究に取り組まれています。
実際にタイズで転職された方の声
研究職はほとんどが20代で、30代のミドル層は私ぐらいです。若手のみんなに知識やノウハウを伝えるという点でも、大きなやりがいを感じています。
研究領域も前職と重なる部分が多く、自分のスキルを今までで一番活かせていると感じますね。周りも良くしてくださるので、非常に働きやすい職場環境で満足しています。
たった3社に絞って転職活動をスタート。わずか1ヶ月で大手食品メーカーの研究職に転職成功したストーリー|メーカー転職成功事例・体験談
研究職の種類や仕事内容などは以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
研究職とは?種類・仕事内容・転職するメリット・向いている人の特徴を解説
商品開発
食品メーカーの商品開発は、新商品の開発や既存商品の改善を担当する職種です。消費者や市場などの分析を実施したうえで、求められている商品を検討したり、既存商品の課題解決に向けた改良を推進したりします。
タイズでの転職で商品開発に携わっている方は、プレゼンの機会を生かして、重要なプロジェクトを任されやりがいを感じています。
実際にタイズで転職された方の声
面接のプレゼンで自分がこういうことをしたいと伝えた通りの担当にしていただきました。まだ入社して4-5ヵ月ですが、提案を研究所の中の最重要テーマにしてもらって、社長に直接プレゼンする機会もよくあります。重要なところを任せてもらい、大きなやりがいを感じています。
一番大切なのは、相手が求めていることに対して、自分に何ができるのかをきちんと考えて、アプローチしないと受からないということです。|メーカー転職成功事例・体験談
開発職については、以下の記事で仕事内容や必要なスキルを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
企画・マーケティング
食品メーカーの企画・マーケティング職は、商品のコンセプトを設計したり、開発に必要なマーケティング活動を実施したりします。
新商品開発や既存商品の改良に向けて、コンセプトや消費者ニーズは欠かせない情報です。企画・マーケティングが、ブランドイメージを押さえつつ消費者目線で施策を立案することで、自社の売上につながる食品を生産・販売しやすくなります。
生産管理
食品メーカーの生産管理は、自社で製造している食品の生産全般を管理する職種です。スケジュール通りに生産できているか、品質に影響を与えるトラブルが起きていないかなどを管理するため、安心・安全な食品を確実に生産するために欠かせない存在といえます。
タイズで転職された方は、前職との違いを感じながらも生産を支えるために、さまざまな業務で貢献しています。
実際にタイズで転職された方の声
前職では単純作業がメインでしたが、今の会社では単純作業はまったくなくて、工場や現場の配管フロー図を見て、機械が故障したら自分でばらして修理も行っています。
生産管理の仕事内容や向いている人の特徴などを知りたい方は、以下の記事もチェックしてみましょう。
生産管理とは?仕事内容や向いている人の特徴、転職を成功させるポイントを解説
営業職
食品メーカーの営業職は、自社で生産した食品を小売店や卸売業者などに提案する職種です。食品を取り扱ってもらうことで売上が発生するため、企業の業績を支える仕事といえます。
新しく食品を取り扱ってもらうだけではなく、すでに取引がある顧客との関係構築も重要な役目です。
メーカー営業については、転職事情を以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
メーカー営業への転職は未経験でもできる?メリット・デメリットや成功させるポイントを解説
事務職
さまざまな企業で活躍している事務職ですが、食品メーカーでも欠かせない職種です。書類作成や経理、電話対応などの一般事務を担当し、企業の運営を縁の下で支える存在といえます。
企業によっては、営業事務や人事事務など分野に特化した事務を配置している場合もあります。営業や人事を円滑に行う役割があり、サポートの質次第で大きな成果に貢献できるでしょう。
タイズで事務職に転職された方は、事務全般にかかわるようになり、日々勉強になりながら充実感を得ています。
実際にタイズで転職された方の声
前職では連結で一番末端のところをやっていましたが、現職では基礎のところから税務・経理などを全般的に行うので、仕事が充実していて、とても勉強になる職場だと思います。また、同僚のみんなに何を質問しても答えが返って来るので、質の高い人材が集まっていると思います。
04. 食品メーカー・業界の現状と将来性
食品メーカー・業界の現状と将来性は、メーカーについて理解したり、就職・転職を検討したりするうえで、知っておきたい情報です。
ここでは、食品メーカー・業界の現状と将来性を詳しく解説していきます。
食品業界の現状
財務省が発表した「年次別法人企業統計調査(令和4年度) 」によると、食料品業界の売上高は以下のように推移しています。
年度 | 売上高 |
2018年 | 458,416億円 |
2019年 | 441,287億円 |
2020年 | 421,311億円 |
2021年 | 416,385億円 |
2022年 | 454,120億円 |
新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、2020年から2021年は売上高が落ちているものの、2022年には盛り返し、最近5年でもっとも売上高が高い2018年に近づいています。売上高だけを見れば回復傾向にあり、需要は安定しているといえるでしょう。
ただ、原材料の高騰による価格見直しの必要性、国内の人口減による市場縮小の傾向など、対策しなければならない課題も顕在化しています。
食品業界の将来性
食品メーカー・業界は、国内の人口減によって長期的に市場が縮小すると見られています。一方で、世界の人口は増加傾向にあり、食品の需要増加が予想されます。国際的な市場は拡大傾向にあるため、今後海外に進出するメーカーが増加するでしょう。
また、国内では、食品に付加価値を求める傾向があり、顧客のニーズへの対応が急務です。環境への配慮や健康志向への対応などに積極的に取り組むメーカーは、成長を期待できます。
就職・転職においては、人手不足の傾向が続いています。中途採用の需要増加も見込まれているため、食品に関するスキルや経験をアピールできれば、転職のチャンスは大きく広がるでしょう。
食品メーカーへの転職を検討している方は、ぜひタイズにご相談ください。
タイズの強み
- メーカー特化型エージェント
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- メーカーとの太いパイプと
転職支援実績
05. 食品メーカー・業界の平均年収
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、食品メーカー・業界を含む製造業の平均年収は約501万円です。給与所得者全体の平均は458万円であり、食品メーカー・業界の年収は全体平均よりも高いという結果が出ています。
タイズのデータでは、食品メーカー・業界の平均年収は、以下の通りです。
大手企業(正社員) | 中小企業(正社員) | |
20代 | 450 | 400 |
30代 | 620 | 500 |
40代 | 750 | 600 |
単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)
具体的な年収は企業や職種によって異なるため、希望する企業の待遇面が自分の条件にあうか必ず確認しましょう。
06. 食品メーカー・業界に向いている人の特徴3つ
食品メーカー・業界に向いている人には、以下のような特徴があります。
- 食に興味・関心がある
- 責任感や使命感をもっている
- 試行錯誤しながらコツコツ取り組める
食品への興味はもちろん、安全な製品を生産・提供するための責任感が欠かせません。自分の強みをイメージしながら、食品メーカー・業界への適性を考えてみましょう。
食に興味・関心がある
食品メーカー・業界の仕事はどれも食にかかわるものであるため、食への興味・関心が欠かせません。
「美味しいものが好き」「いろいろなものを食べてみたい」といった気持ちはもちろん、どうすれば安全で美味しい食品を届けられるかまでを考えられると、仕事で貢献できるでしょう。
また、食べることが好きなことからいろいろな料理を知っていたり、味覚が優れていたりすると、研究や商品開発などでも活躍できるはずです。
責任感や使命感をもっている
食品メーカー・業界が取り扱う食品は、美味しいだけではなく、安全であることが最重要です。 安全で美味しいものを生産・販売するという責任や使命を常にもって行動できると、メーカーの一員として業界で活躍できるでしょう。
試行錯誤しながらコツコツ取り組める
新商品の開発や既存商品の改良は、何度も試作を重ねながら、納得できる食品をつくっていきます。
思うような味にならなかったり、輸送時に形が崩れるリスクがあったりするなど、さまざまな壁にぶつかります。
課題に直面したときに気落ちするのではなく、失敗をポジティブに捉え、試行錯誤を楽しみながらコツコツ取り組める一面があると、食品メーカーでよりよい製品を手がけられるでしょう。
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07. 食品メーカー・業界への就職・転職は難しい?
食品メーカー・業界への就職・転職は、大手になるほどハードルが高くなる傾向があります。知名度が高い企業が多く、志望する求職者が多いために倍率が高くなる点に注意が必要です。
とはいえ、食品メーカー・業界に関する経験やスキルなどをもっていれば、多くの求職者の中でも強みがある人材としてアピールできます。一般的には就職・転職が難しいといわれる業界ですが、企業に求められている人物像を理解し、自分の強みを伝えて、希望する企業への入社をかなえましょう。
食品メーカー・業界で食品にかかわる仕事をはじめよう
食品メーカーは、食品を生産・販売する企業で、調味料や乳製品などさまざまな食品を各メーカーが手がけています。
食品を製造・販売するためには、研究職や商品開発などさまざまな職種が活躍しており、食品といろいろなかかわり方ができるのが特徴です。
タイズは、食品メーカーをはじめとしたメーカーに特化した転職エージェントです。食品メーカーに転職された方も多くいるので、食品に興味がある方はぜひ一度ご相談ください。
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