業界トレンド
自動車メーカー・業界とは?関連の深い企業や主な職種・最新動向まで解説
車が好きな方の中には、就職・転職先として自動車メーカー・業界が気になっている方もいるのではないでしょうか。
自動車メーカーには、研究開発や生産技術などの職種があり、日々目にする車の生産に取り組んでいます。
本記事では、自動車メーカー・業界の主な企業一覧や関連するメーカー、職種別の仕事内容などを解説します。やりがいや就職・転職で役立つスキル・資格も紹介しているので、自動車メーカー・業界で働きたい方はぜひ参考にしてみてください。
01. 自動車メーカー・業界とは
自動車メーカーとは、自動車を製造・販売する企業のことです。
自動車にはさまざまな部品が使われており、ホンダやスズキといったブランド別の販売網が存在するのが特徴です。そのため、自動車メーカーだけではなく、さまざまな企業が連携して業界を構成しています。
具体的には、自動車メーカーは素材メーカーや部品・パーツメーカーから材料を仕入れ、自動車を生産します。生産した車両は自動車販売会社によって、消費者に届けられるのが業界の大まかな仕組みです。
02. 自動車メーカー・業界の主な企業一覧【国内・海外】
自動車メーカー・業界には、多くの企業が属しています。国内企業はもちろん、海外にも企業があり、日本でも人気を集めているメーカーも多く、耳にしたことがある企業も多いでしょう。
自動車メーカー・業界に属する主な企業一覧は、以下の通りです。
国内企業 |
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海外企業 |
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上記の企業は一部であり、国内・海外ともに数多くの自動車メーカーがあります。気になるメーカーを見つけて、より詳しくリサーチしてみましょう。
03. 自動車メーカーとかかわりの深いメーカー・企業
自動車メーカーは、独立して事業を展開することは少なく、さまざまなメーカー・企業と連携し、自動車業界に貢献しています。
自動車メーカーとかかわりの深いメーカー・企業は、以下の通りです。
- 素材メーカー
- 部品・パーツメーカー
- カーディーラー
- 中古車販売店やカー用品店などの関連サービス
各メーカー・企業で取り扱う製品やサービスを理解していきましょう。
素材メーカー
素材メーカーとは、自動車の部品・パーツをつくるために必要な素材を取り扱うメーカーです。部品・パーツにはさまざまな素材が使われており、アルミニウムやプラスチック、ゴムなどを開発・製造しています。
素材全般を扱っているメーカーもあれば、特定の素材に特化しているメーカーがあるのも業界の特徴です。素材をただ提供するのではなく、強度や柔軟性などを高めるために、日々開発や改良に取り組んでいます。
部品・パーツメーカー
部品・パーツメーカーは、素材メーカーから材料を仕入れて、自動車に必要な部品・パーツを製造・販売しています。自動車には大小さまざまな部品が使われており、各部品を取り扱う多くの企業があります。
かつての自動車業界は、特定の自動車メーカーに部品を供給するのが一般的でしたが、現在は複数の自動車メーカーと取引を行うメーカーが増えました。部品・パーツを通して、さまざまな自動車にかかわっているメーカーといえるでしょう。
カーディーラー
カーディーラーは自動車販売会社とも呼ばれ、自動車メーカーから供給された自動車を消費者に販売する企業です。
たとえば、スズキ株式会社の店舗ではスズキの自動車というように、自社の自動車を販売するのが一般的で、他のメーカーの自動車は取り扱いません。
また、特定のメーカーと契約を結ばず、さまざまなメーカーの自動車を取り扱う個人ディーラー・サブディーラーも存在します。各メーカーから自動車を買いつけることで、複数のメーカーを取り扱っています。
中古車販売店やカー用品店などの関連サービス
自動車を購入した後に消費者が接点をもつのが、中古車販売店やカー用品店などの関連サービスです。販売後にニーズが生じるサービスであり、アフターマーケットと呼ばれています。
自動車を売りたい・乗り換えたいと考えたときに中古車販売店に相談したり、より快適に自動車を使用するためにカー用品店でアイテムをそろえたりするなど、カーライフに欠かせないサービスです。
04. 自動車メーカー・業界の主な職種と仕事内容
自動車メーカー・業界では、自動車をつくるためにさまざまな職種が活躍しています。主な職種は、以下の7つです。
- 研究開発
- 生産技術
- 品質管理
- 生産管理
- 企画
- 調達・購買
- 営業
職種別の仕事内容を紹介するので、自分にあった職種を見つけてみましょう。
研究開発
研究開発とは、新しい技術や素材の研究や自動車の開発設計などを行う職種です。エンジンやモーターなどのパーツを開発したり、ボディの形状を設計をしたりするなど、さまざまな分野で研究開発が行われています。
研究においては、電気自動車や自動運転技術など、新たな技術に関する動きが活発です。次世代自動車を生み出すうえで、研究は重要な役割といえます。
研究開発に興味がある方は、以下の記事で向いている人の特徴や仕事内容を詳しくチェックしてみましょう。
研究開発職とは?仕事内容・向いている人の特徴・転職成功事例を紹介
生産技術
生産技術とは、自動車を製造するためのラインを設計・整備する職種です。自動車を効率よく生産しながら、できるだけコストを抑えて量産できる方法を実現する役割をもっています。
自動車メーカー・業界では、次々に新しい自動車が発表されています。モデルチェンジやマイナーチェンジにラインを対応させたり、次世代自動車にあわせたラインを構築したりするなど、柔軟な仕事によって企業に大きく貢献できるでしょう。
生産技術の仕事内容や将来性については、以下の記事をチェックしてみてください。
品質管理
品質管理は、一定の品質を備えた自動車を生産するために、製造工程や業務を管理する職種です。自動車を製造する工程を対象に、作業手順の見直しやマニュアルの整備、人員配置の検討などを行い、品質を担保できる体制を整えます。
万が一、製造工程に問題が発見された場合には、改善を主導するのも品質管理の役目です。状況を検証したうえで、問題の防止策を検討し、新たなオペレーションを全体に浸透させる取り組みを推進します。
品質管理の仕事内容や品質保証との違いは、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
品質管理とは?品質保証との違いや仕事内容・転職成功事例を解説
生産管理
生産管理とは、生産にかかわる業務全般を管理する職種で、生産計画の立案から現場でのチェックまで幅広く携わります。
目標に対して必要な部品を調達したり、スケジュールを設定したりするところからはじまり、生産の進捗管理やスタッフの指示なども行います。
また、自動車メーカーでは、生産管理部門の指示を受けて製造部門が生産を開始するため、部門間の連携も生産管理の重要な仕事です。
生産管理の仕事に興味がある方は、以下の記事を参考にして、仕事内容や適性を理解しましょう。
生産管理とは?仕事内容や向いている人の特徴、転職を成功させるポイントを解説
企画
企画とは、新しい製品の企画やコンセプトなどを立案する職種で、自動車メーカーでは新車の企画を担当します。
ユーザーが求めている自動車をリサーチし、今求められている機能やデザインなどを備えた新車のアイデアを練るのが仕事です。
新車の企画以外にも、すでに販売されている自動車の改良案や、自社製品をより多く販売する戦略を立てたりすることもあります。
調達・購買
調達・購買とは、自社製品をつくるために必要な原材料を仕入れる職種です。自動車メーカーにおいては、自動車をつくるために必要な素材や部品・パーツなどを調達します。
調達する原材料そのものや仕入れ先などは、コストや納期などにかかわる重要な要素です。企業の利益にも大きくかかわるため、自動車メーカーを縁の下で支える仕事といえるでしょう。
営業
自動車メーカーの営業は、カーディーラーやサブディーラーなどへ自社製品の提案を行います。自社製品の取り扱いを増やすことで、企業の売上・利益を支えられる仕事です。
営業先をサポートする役割もあり、より消費者に販売できるように、顧客満足度を高められるように、適宜フォローを行います。
メーカー営業への転職を検討している方は、以下の記事で解説しているメリット・デメリットや成功させるポイントを参考にしてみてください。
05. 自動車メーカー・業界の動向と今後の展望
自動車メーカー・業界は、以下4つの頭文字をとった「CASE」への対応を求められているのが現状です。
- Connected(コネクテッドカー)
- Autonomous(自動運転)
- Shared&Services(シェアリング)
- Electric(電気自動車)
ネットワークに接続されたコネクテッドカーや、システムによる自動運転など総称した領域のことで、交通事故の減少や環境への配慮といった、社会課題を解決するための動きが強まっています。
また、「Mobility as a Service」の略称であるMaaSも注目を集めています。MaaSは自動運転やAIなどを活用した交通サービスのことです。MaaSによって車をもっている人とそうでない人双方の利便性向上が予想されています。
自動車業界は、さまざまな技術やサービスが登場したり、環境問題をはじめとした社会問題とのかかわりが注目されたりしています。技術革新を中心として、今後の動向に注目しておきましょう。
技術革新が進む一方、自動車業界は人手不足が問題となっています。とくに中途採用の需要があるので、スキルや経験があれば、転職がしやすい傾向です。自動車業界への転職・就職を考えていて、最新の技術(自動運転)に関する知見が欲しい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
06. 自動車メーカー・業界で働く3つのやりがい・魅力
自動車メーカー・業界で働くやりがい・魅力は、以下の3つです。
- さまざまな業務を経験し幅広いスキルを習得できる
- 海外で活躍できるチャンスがある
- 平均年収が高く待遇面が整っている
タイズで転職された方のインタビュー内容も交えて、働くことで得られるやりがいと魅力を解説します。
さまざまな業務を経験し幅広いスキルを習得できる
自動車メーカー・業界は、ジョブローテーション制度を採用している企業が多く、さまざまな職種を経験する体制が整えられています。
複数の職種を経験することで、さまざまな業務を通して幅広いスキルを習得し、自動車業界への理解を深められるのが魅力です。職種や業務が定期的に変わるほかに、グループ会社に出向する機会もあり、新たな環境で仕事に取り組める新鮮さもあるでしょう。
実際にタイズ経由で自動車メーカーに転職された方は、自分のスキルを活かせる仕事内容にやりがいを感じています。
業務に関しても自動車メーカーなので、企業体質がしっかりとしているので、まだ日は浅いですが、ちゃんとした設計や高い品質のものづくりができることが見えています。仕事に慣れてくれば、もっと楽しくなると思っています。
キャリアコンサルタントの方には、見落としていた求人や思いもしないアプローチで求人を提案していただいて本当に助かりました。|メーカー転職成功事例・体験談
海外で活躍できるチャンスがある
国内の自動車メーカーは国外でも認知されている企業が多く、海外進出を活発に進めています。
自動車にかかわる仕事を通して「海外で働きたい」「語学力を活かしたい」と考えている方にとって、海外で活躍できるチャンスは大きなやりがいになります。
タイズで自動車メーカーに転職された方は、グローバルな事業展開に魅力を感じたそうです。世界に目を向けた仕事をしたい方は、ぜひ自動車メーカーを候補に入れてみてはいかがでしょうか。
会社の規模も大きく、待遇もよくなりました。私は小さな頃から、グローバルな仕事をしたくて、英語や日本語を学んできました。今の部署は、まずは基本的な知識を身に付けることから仕事をスタートしていますので、それほど英語を使うことはありませんが、全世界に拠点がたくさんあり、そのやり取りを行っており、会社全体のグローバルに対する考え方が進んでいると思います。
苦労したことは一杯ありますよ(笑)。冗談ですけど。そもそも仕事を探すのは楽なことではないですね。|メーカー転職成功事例・体験談
平均年収が高く待遇面が整っている
自動車メーカー・業界の平均年収は比較的高く、待遇面は充実しているといえるでしょう。
例として、厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」 によると、自動車技術者の平均年収は約612万円です。
また、国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」 によると、自動車メーカーを含む製造業の平均年収は約501万円で、全体の平均である458万円よりも高くなっています。
タイズのデータでは、自動車メーカーの平均年収は以下の通りです。
年代 | 大手企業(正社員) | 中小企業(正社員) |
20代 | 450 | 400 |
30代 | 650 | 500 |
40代 | 750 | 630 |
単位:万円
引用:タイズ経由で転職成功された方の実績(2023年度)
上記はあくまで目安であり、実際の年収は企業規模や職種によって異なります。希望する企業や職種の待遇をあらかじめ確認しておきましょう。
07. 自動車メーカー・業界での就職・転職に役立つスキル
自動車メーカー・業界で就職・転職するうえで、以下のようなスキルは強みをアピールするために役立ちます。
- 緻密な作業を正確にやり遂げられる技術
- チームで連携できるコミュニケーションスキル
- 海外と円滑にやり取りできる語学スキル
専門的なスキルや緻密な作業をやり遂げられる能力は、研究開発や設計などの技術系の職種で役立ちます。海外拠点での生産管理や、海外の顧客とのやり取りなどでは、語学スキルがあると、円滑な連携や提案ができるでしょう。
職種に共通して求められるのは、コミュニケーションスキルです。社内の各部門とはもちろん、取引のあるメーカーやグループ会社などと連携するため、よりよい関係を構築できるでしょう。
職種によって求められるスキルが異なるため、どのような人材が必要とされているかを理解したうえで、自分の強みをアピールすることが大切です。
自動車メーカー・業界での活躍の幅が広げられる資格
自動車メーカー・業界では、スキルや経験だけではなく、客観的な能力を証明できる資格によって活躍の幅を広げられます。
自動車メーカー・業界でもっていると役立つ資格は、以下の通りです。
- CAD利用技術者試験
- フォークリフト免許
- 電気工事士
- TOEICのスコア
技術部門での設計には、ITやシステムに関する資格が役立ちます。生産部門では、運搬に活用できるフォークリフト免許や、危険がともなう業務を担当できる危険物取扱者などは、重宝される資格です。
海外で活躍したい場合にはTOEICやTOEFLのスコアが英語力のアピールにつながるでしょう。
スキルと同じく、資格も職種によって求められるものが異なるため、希望する職種でどのような資格が活用できるかをリサーチしておくのが重要です。
自動車メーカー・業界への理解を深めよう
自動車メーカーは、素材メーカーや部品・パーツメーカーと連携して自動車を製造し、カーディーラーを通して消費者に製品を販売しています。
新しい技術の開発や製造工程の管理などで、さまざまな職種が活躍しています。ジョブローテーション制度を採用している企業では、いろいろな職種を経験して幅広いスキルを身につけられるのが魅力です。
自動車メーカー・業界は先進技術の登場で、変化を求められています。現状や今後の動向を把握したうえで、業界をより深く理解し、就職・転職を検討してみましょう。