メーカー職種解説
[ 研究 ]
研究職とは?種類・仕事内容・転職するメリット・向いている人の特徴を解説
こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。本記事では、研究職の種類や仕事内容、向いている人の特徴を詳しく解説します。転職するメリット・デメリットや転職成功事例も紹介するため、転職に向けて情報収集している方はぜひ参考にしてください。 新しい技術や理論などの発見に興味がある方の中には、研究職という仕事が気になっている方がいるのではないでしょうか。 研究職とは、まだ世の中にない概念を生み出したり、研究成果の実用化を目指したりできる職種です。 本記事では、研究職の種類や仕事内容、向いている人の特徴を解説します。活躍できる場所や転職成功事例なども紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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メーカーの研究職への転職をかなえるならタイズ
研究職はさまざまな場所で活躍しており、中でも製品を開発するメーカーでは需要が高まっています。研究部門のあるメーカーに転職したい方は、ぜひ「タイズ」にご相談ください。
タイズはメーカー専門の転職エージェントであり、大手メーカーへの転職支援実績を豊富にもっています。メーカーとのパイプやきめ細かいサポートによって、希望のメーカーへの転職を手厚くアシストしているのが特徴です。
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研究職とは
研究職とは、大学や公的機関などで研究に従事する仕事です。基礎研究・応用研究・開発研究という3つの段階に分かれて、世の中にない概念や技術の発見、実用化に向けた実験・解析などを行います。
研究職は、厚生労働省が公表している職業分類表では、以下のように細分化されています。
● 理学研究者
● 工学研究社
● 農学・林学・水産学研究者
● 医学研究者
● 人文科学研究者
● 社会科学研究者
● 他に分類されない研究者
引用:職業分類表|厚生労働省
従事する場所によって、研究内容は異なります。研究職は携わるテーマやものにさまざまな種類があるため、どのような研究に従事したいかを明確にして、転職先を検討することが大切です。
また、国税庁が公表している「民間給与実態統計調査」によると、研究職の平均年収は約500万円です。研究職の多くは、大学院卒限定だったり、専門的な知識・技術が求められたりするため、ほかの職種と比較して給与は高水準となっています。
研究職と開発職の違い
研究職と開発職はどちらもものづくりに関連する職種であるため、混同される場合があります。しかし、ものづくりへのかかわり方が異なるため、正しく違いを理解しましょう。
研究職と開発職の主な違いは、以下の通りです。
研究職 | 開発職 | |
仕事の対象 | 新たな概念や価値 | 商品 |
仕事内容 | 新たな概念や価値を生み出す | すでにある概念や価値を製品化する |
仕事の種類 | ・基礎研究
・応用研究 ・開発研究 |
・研究開発
・技術開発 ・商品開発 |
研究職は、新たな概念や価値を生み出すために研究を行います。基礎研究や応用研究などの段階を経て、ゼロからイチをつくるのが特徴です。
一方、開発職はすでにある概念や価値を製品化するために開発に取り組みます。研究職が発見した知見や、すでに明らかになっている技術を応用して、技術・製品の開発を行います。研究職とは異なり、イチから10や100を生み出すために、製品づくりを行うのが主な役割です。
研究職と開発職は「R&D(Research and development)」とも呼ばれます。研究と開発を並行して進めることで、自社にしかない知見や技術を蓄積し、企業競争力を向上させるのが目的です。
研究職と開発職の違いは以下の記事で解説しているため、詳しく知りたい方はあわせて参考にしてください。
研究職の種類・仕事内容
研究職は、大きく以下の3種類に分けられます。
● 基礎研究
● 応用研究
● 開発研究
それぞれ研究へのかかわり方が異なるため、研究職の仕事内容を理解しましょう。
基礎研究
基礎研究とは、まだ発見されていない概念や理論などを見つけるために行う研究です。新たなメカニズムや価値を解明することで、新たな製品づくりの土台をつくるとともに、成果によって社会に貢献できるチャンスがあります。
基礎研究では、研究テーマに対して仮説を立て、実験を繰り返します。条件を修正しながら実験を続けてはじめて成果を得られるため、根気が求められるものの、大きなやりがいを感じられるでしょう。
応用研究
応用研究とは、基礎研究で解明した成果の実用化を目指す研究です。たとえば、機器の新しいメカニズムを基礎研究で発見した場合、応用研究で機器の設計や製造プロセスの検討などを行います。
基礎研究と同じく、研究成果が形になるまでには多くの時間や努力が必要です。より製品に近い段階で研究に携われるため、研究を通してものづくりの楽しさややりがいを実感できるでしょう。
開発研究
開発研究とは、基礎研究と応用研究で得た成果を活用し、装置やシステム、部品などを開発する仕事です。
研究職の中ではもっとも製品化に近いプロセスであり、基礎研究と応用研究への理解や開発の技術などを求められます。市場やユーザーの視点をもち、どのようなものが求められているかを考えながら研究に取り組むのが特徴です。
研究職が活躍する3つの転職先
研究職は、さまざまな場所で活躍していますが、主な転職先は以下の3つです。
● 公的な研究機関
● 大学・大学院
● 民間企業
それぞれ研究にかかわる環境や仕事内容が異なるため、自分にあった転職先を見極めましょう。
公的な研究機関
国が運営する公的な研究機関では、さまざまな研究が行われています。主な公的研究機関は、以下の通りです。
機関の種類 | 詳細 | 機関名 |
国立研究開発法人
|
研究開発を行う独立行政法人 | ・理化学研究所
・産業技術総合研究所 など |
国立研究機関 | 中央省庁が管轄する研究施設 | ・厚生労働省「国立感染症研究所」
・警察庁「科学警察研究所」 など |
公設試験研究機関 | 地方公共団体が管轄する施設 | ・産業技術センター
・健康安全センター など |
公的な研究機関は、科学技術の発展や先進分野の開拓を目的としています。国や都道府県からの支援を受けているため、資金が潤沢にあり、大規模な研究や費用のかかる研究に取り組めるのが特徴です。国家公務員や地方公務員として採用されることも多く、雇用が安定している点も魅力といえるでしょう。
ただし、採用人数は多くないため、転職のハードルが比較的高い点は要注意です。携わる施設によって研究内容が限定されるため、かかわりたい分野を慎重に見極める必要があります。
大学・大学院
大学・大学院は教育機関であるとともに、研究機関としての顔をもっています。
大学・大学院では、専門分野の基礎研究に取り組み、まだ見ぬ概念や価値の創出を目指します。比較的自由に研究テーマを決められるため、自分が専攻したい分野を追究できるでしょう。
研究職に就くには、大学院や講師からキャリアアップする場合が多く、着任まで数年以上かかる場合がほとんどです。ポジションによって給与には差があり、助教は600万円、教授は800〜1000万円が相場といわれています。
大学で研究を行う際は、提供される研究資金が限られているため、科研費の獲得など、予算管理をしなければいけません。学生指導や書類作成などの雑務を行わなければいけない点も押さえておきましょう。
民間企業
民間企業では、新しい商品・サービスの開発や既存製品の改良などを行うために、研究職を配置している場合があります。
世の中にない商品につながる価値を基礎研究で発見したり、新たな価値を用いて既存製品をリニューアルしたりするなどの仕事を通して、企業の利益や競争力を高めるのが役割です。
潤沢な資金をもとに研究に行える場合が多く、研究職の給与にも反映されるため、新卒で年収1,000万円を超えることもあります。ただ、利益を追求するうえで成果をシビアに求められるため、プレッシャーを感じることもあるでしょう。
成果主義の側面で厳しさを感じることもありますが、研究成果は商品となって世の中に送り出されるため、売上やユーザーの声などから研究のやりがいを感じられます。
研究職に転職するメリット・デメリット
研究職への転職を目指している場合、メリットに注目しがちですが、デメリットにも注意が必要です。
ここでは、研究職に転職するメリット・デメリットを詳しく解説します。
メリット
研究職に転職するメリットは、以下の3つです。
● 興味のある分野を突き詰められる
● やりがいを感じやすい
● 研究にじっくり取り組める環境が整っている
興味のある分野の研究職に転職すると、好きなものや気になるものをとことん突き詰められます。自身の知識を活かせたり、新たな概念を学んだりでき、興味があるからこそ充実感を得られるでしょう。
研究成果は、世の中にまだないものや実用化されていないものであり、世に送り出す瞬間は大きなやりがいを感じられるはずです。世紀の大発見につながったり、成果が世界で活用されたりすることは、研究職ならではの魅力といえます。
研究職が従事する公的機関や大学・大学院などは、環境の整備が行き届いている場合がほとんどです。じっくり研究ができる環境で働けるので、さまざまな研究を実践できるでしょう。
デメリット
研究職に転職するうえで、気をつけたいデメリットは以下の3つです。
● 成果を求められる
● 求人数が少ない(ポストがない)
● 採用要件が厳しい
研究の目的は利益の追求や学術研究の成果であるため、一定の成果を求められます。職場によって基準は異なりますが、成果を求められるプレッシャーを感じたり、キャリアに影響が出たりする点には注意が必要です。
また、転職を検討するうえで、求人数の少なさと採用要件の厳しさは大きな壁になります。求人数が非常に少ないうえに、競争率が高いため、転職活動のハードルは高い点に注意が必要です。高度な専門性が求められる性質から、学歴や論文実績などが定められている場合が多く、気になる企業があっても応募できないことがあります。
自身にマッチした求人を探しながら、スキルや実績を的確にアピールすることが重要です。
研究職に向いている人の特徴5つ
研究職に向いている人の特徴は、以下の5つです。
● 物事への知的好奇心や探求心がある
● ひとつのことに根気強く取り組める
● 失敗を前向きに捉えられる
● 状況に応じた判断ができる
● 周囲の人と適切なコミュニケーションがとれる
求められるスキルや資質を理解し、自分の適性を見極めたうえで、転職活動でのアピールに役立てましょう。
物事への知的好奇心や探求心がある
研究の対象は世の中にないものや実用化されていないものであるため、化学反応や動作の理由や内部の構造などを探求する姿勢が求められます。
物事に対して「なぜ?」「どうなっている?」など疑問をもち、知的好奇心や探求心を忘れない人が研究職に向いているでしょう。
ひとつのことに根気強く取り組める
研究成果が出るまでには、多大な時間がかかるため、根気強く取り組める人が研究職に向いています。
新たな試みに取り組みながら、改善を繰り返し、粘り強く成果を目指す姿勢が必要です。仕事や趣味などひとつのことを続けてきた経験がある人は、研究職への適性があるでしょう。
失敗を前向きに捉えられる
研究の過程では、さまざまな失敗やトラブルに遭遇しますが、立ち止まるのではなくポジティブに捉えられる前向きな姿勢が求められます。
失敗は成功につながる課題を発見できる機会であり、次の試みに活かすことで、少しずつ成果に近づいていきます。失敗を前向きに捉え、すばやく切り替えられる人は研究職に向いているでしょう。
状況に応じた判断ができる
研究において、仮説とは異なる結果が出たり、予期せぬトラブルが起きたりする場合があります。原因や状況を的確に把握し対応する力が求められるため、冷静に状況判断できる人は研究職に向いているでしょう。
直感に頼ったり、周囲の声に影響されたりせず、冷静に状況を把握できると、研究の軌道修正やトラブルの早期解決を実現できるでしょう。
周囲の人と適切なコミュニケーションがとれる
研究職はひとりで研究に没頭するのではなく、同じ研究スタッフや他部署との連携が必要になります。そのため、周囲の人と円滑なコミュニケーションがとれる人は、研究職の適性があるでしょう。
基礎研究の成果を応用研究を担当するスタッフに引き継いだり、研究成果を社内に報告したりするなど、周囲と連携する場面が多くあります。
タイズでの研究職への転職成功事例3選
ここからは、タイズでの研究職への転職成功事例を紹介します。
● 重工メーカーから電機メーカーの研究開発への転職
● 自動車関連メーカーから電力機器メーカーの研究開発への転職
● 化学メーカーの研究開発への転職
各メーカーへの事例を参考にして、自分の転職活動に活かせるヒントを見つけましょう。
重工メーカーから電機メーカーの研究開発への転職
こちらは、重工メーカーの設計開発から電機メーカーの研究開発への転職を実現した事例です。年齢を考えたときに転職のラストチャンスと思い、よりやりがいのある仕事を探してみようと転職活動をスタートしています。
必ず転職したいわけではなかったものの、タイズの求人提案から前職とはなじみのない求人に触れ、前職の経験を活かせる案件に応募しました。製品の成長は自分次第と感じ、事業を伸ばしていくことにやりがいを感じているようです。
絶対に転職したいという思いがない方でも、転職による変化が気になる方は、ぜひ以下の事例を参考にしてください。
メーカー転職成功事例・体験談|自分の一番の強み、自分でこれだけは人に絶対負けないという強みをアピールすることが大切だと思います。
自動車関連メーカーから電力機器メーカーの研究開発への転職
こちらは、自動車関連メーカーの設計開発から電力機器メーカーの研究開発への転職に成功した事例です。給与面の不安や方針転換などをきっかけに転職活動を開始し、希望にあった求人の中からいくつか応募しています。
現職の会社に決めた理由は、会社の雰囲気がよかったことと、経験がなかった研究職への興味です。前職と異なる職種で学びながら、新たなスキルや知識の習得を実感しています。
現在職場への不満や将来への不安を抱えている方は、以下の事例を参考にして、ぜひ転職を検討してみてください。
メーカー転職成功事例・体験談|良いことは良い、悪いことは悪いとはっきり言ってもらったことが良かったです。
化学メーカーの研究開発への転職
こちらは、同業他社の研究開発への転職事例です。前職も研究開発でしたが、営業的な仕事も担当していた中で、より研究開発に取り組む時間が欲しいと考え、転職活動をスタートさせています。
タイズから提供した質問想定問答集を軸に面接対策や企業研究を進め、見事に仕事内容やワークライフバランスなどの条件を満たした企業への内定を勝ち取りました。
同業他社の研究開発への転職が気になる方は、ぜひ以下の事例をチェックしてください。
メーカー転職成功事例・体験談|「同じ研究開発でも、川上の基礎研究の仕事がしたい!」仕事内容・ワークライフバランス・年収、すべてが上位互換の職場に転職成功!
研究職の種類や向いている人の特徴を理解して転職を検討しよう
研究職とは、研究を通して新たな概念を生み出したり、実用化したりする仕事です。公的な研究機関や大学・大学院などに所属し、学術研究や製品開発のために研究を行います。
興味のある分野を突き詰められ、研究成果によってやりがいを感じられるのが魅力です。物事への探求心があったり、根気強く取り組む姿勢があったりする人は、研究職に向いているでしょう。
研究職は、製品を製造するメーカーでも活躍しています。メーカーの研究職に興味がある方は、メーカー専門の転職エージェント「タイズ」にぜひ一度ご相談ください。