メーカー職種解説
[ 生産管理 ]
生産管理とは?仕事内容や向いている人の特徴、転職を成功させるポイントを解説
こんにちは。メーカー専門の転職エージェント「タイズ」です。 製造業への転職を検討している方の中には、業務のひとつである「生産管理」に興味をもっている方がいるのではないでしょうか。 生産管理とは、計画から受注、納品までの一連を管理する業務です。生産数や納期が決まっている製造業において、欠かせない業種といえます。 本記事では、生産管理の概要や工程管理との違い、主な仕事内容について解説します。向いている人の特徴や役立つ資格なども紹介するため、転職に向けた情報収集にも役立ててください。
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生産管理とは
生産管理とは、製品の生産にかかわる業務全般を管理する取り組みです。製品をつくるために必要な、生産計画の作成や資材の調達、在庫管理などさまざまな工程の管理を行います。
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」では、生産管理の業務は「生産工程の進捗を掌握、出荷データなどグループ内での情報共有を図る」と定義されています。具体的な業務内容は、生産現場での業務チェックやスタッフの指示、システムでのモニタリングなどです。主に、製造過程における部門間とのやりとり・調整を行います。
生産管理を行う目的は、以下の3つの要素を維持・向上することです。
Quality(品質)
Cost(コスト)
Delivery(納期)
限られた予算内で製品の質を担保し、顧客が要望した納期内に間に合わせる工程管理が求められます。
生産管理と工程管理の違い
生産管理と似ている取り組みに「工程管理」があります。どちらも製品の製造にかかわるものですが、管理する範囲が異なります。
生産管理と工程管理の具体的な違いは、以下の通りです。
生産管理 | 工程管理 | |
管理の対象 | 製造全体 | 製造の各工程 |
業務内容 | 受注した案件全体の統括
部門間の調整やシステム管理 |
各工程における人員の配置や
製造設備の確認 |
具体例 | 車を製造する依頼の予算管理と
納期調整、および全体統括 |
タイヤや車体など車を製造する
各工程の管理 |
生産管理は生産計画の立案から製造後の品質チェックまで、製造全体に対する管理を行います。
一方、工程管理は、製品を製造するステップの中でも、各工程の管理に特化した取り組みを指します。各工程が円滑に進むように、生産計画の見直しや人員配置の検討などを行うのが主な仕事です。工程管理は、生産管理とまったく異なるものではなく、生産管理の一部として認識しましょう。生産管理の中で、各工程の調整や改善に特化した業務が工程管理です。
生産管理の仕事内容
生産管理と一口にいっても、仕事内容は細かく分かれています。主な仕事内容は、以下の9つです。
受注管理
生産計画
在庫管理
製造管理
工程管理
進捗管理
品質管理
原価管理
外注管理
転職活動で自分の強みや思いを伝えるためには、仕事への理解が必要になるため、仕事内容をしっかり理解しましょう。
受注管理
受注管理とは、顧客からの受注を管理する業務です。顧客からの注文に対して、以下の項目を把握・管理します。
いつ(受注日)
どこから(受注先)
なにを(品目)
いくらで(受注金額)
いくつ(数量)
いつまで(納期)
受注内容にもとづいて生産計画の立案や各部署への連携などを行うため、受注状況を正確に把握することが重要です。
また、これまでの受注履歴や業界の動きなどを参考に、製造する製品の需要を予測する仕事も含まれます。予測と実際の受注数に差異が出ると、在庫切れや機会損失につながるため、慎重な需要予測が必要です。気温や天気などさまざまな条件で、根拠のある数値を導き出す必要があります。
生産計画
生産計画とは、生産する製品や数量、納期など製造全体の計画を立てる仕事です。受注管理で把握した発注にもとづいて、以下の項目をベースに生産計画を立案します。
いつ(生産日)
なにを(品目)
いくつ(数量)
いつまでに(納期)
受注に関する情報をまとめるだけではなく、発注通りに生産できるように、人員の配置やスケジュールなどを検討する必要があります。現場にあわせた計画が求められるため、スタッフのヒアリングも重要です。
在庫管理
在庫管理とは、製品の製造にかかわる資材や部品などの在庫を管理する仕事です。現在の在庫を管理する際は、以下の項目を把握します。
なにが(品目)
どこに(倉庫や棚の場所)
いくつ(数量)
使用によって減少したり、追加によって増加したりした場合には、適宜在庫情報を更新する必要があります。
在庫切れは機会損失につながり、過剰在庫はコストの増加を引き起こすため、あらかじめ適正在庫を設定し、リスクの少ない在庫管理が欠かせません。
製造管理
製造管理とは、製品の製造プロセス全体を管理する業務です。生産計画にもとづいて各工程に指示を出したり、日々の実績を記録したりしながら、問題なく製造が進むように管理します。生産計画と似ている部分もありますが、製造管理はより詳細な管理を行うのが特徴です。生産計画で定めたスケジュールをさらに細分化し、製造現場の動きを日単位・時間単位で計画して円滑な製造を目指します。
工程管理
工程管理とは、生産計画にもとづいて各工程を管理する業務です。各工程に対して作業指示を出したり、納期に対する進捗を把握したりするなど、予定通りに進行するように管理を行います。各工程の質やスピードは製造プロセス全体に影響を与えるため、細やかな管理が必要です。現状の把握だけではなく、遅れやトラブルなどが起きた場合の改善も工程管理に求められる仕事といえます。
進捗管理
進捗管理とは、生産計画に対してどの程度進んでいるかを把握し、目標を達成するために調整を行う業務です。
「受注数に対していくつ完成しているか」「納期に対して進行度はどのくらいか」などを把握し、生産業務の調整を行います。生産に遅れが出ている場合には、要因を特定し、遅延を取り戻すための対策を講じる必要があります。計画との乖離に早く気づき、こまめな調整で製造プロセスを最適化することが大切であり、日々のチェックとすばやい対策が求められる重要な仕事です。
品質管理
品質管理とは、製品が一定の品質基準や要件を満たすために、品質検査やトラブルの再発防止を行う業務です。品質検査では、製造した商品を品質基準と照らし合わせ、良品と不良品を明らかにします。不良品に対しては、不良の内容や原因を特定するだけではなく、再度起きないように作業手順の見直しを行うことが大切です。
また、顧客の手に届いてから製品の不良が発覚した際には、顧客対応を行います。顧客に正しく状況を説明するのはもちろん、クレームや要望を製造にかかわる部門に共有し、全体で改善を図ることが重要です。品質管理の課題を解決するコツや手法などは以下の記事で解説しているため、あわせて参考にしてください。
メーカー職種解説|品質管理の「あるべき姿」とは?課題解決をうまく進めるコツ
原価管理
原価管理は、製造におけるコストを管理する業務です。見積り時と実際の原価を比較したり、過去の製造コストを分析したりしながら、適正なコストで製造できるように管理を行います。原価管理が適切に実施できていると、組織に利益に対する意識を浸透させやすくなります。日々の原価管理とデータ分析を習慣化し、利益につながるコスト管理を実現する重要な仕事です。
外注管理
外注管理は、自社の業務を他社にアウトソーシングしている場合に、外注先の進捗や委託状況などを管理する仕事です。状況を正しく把握するためには、委託している品目や数量、納期などの項目を細かく管理する必要があります。
将来的に外注を検討している場合には、外注先の選定や外注する業務の洗い出しなども、外注管理の重要な業務です。
生産管理に向いてる人の特徴5つ
生産管理の仕事への適性を示すためには、どのような人が向いているのかを理解しましょう。
生産管理に向いている人の特徴は、以下の5つです。
ものづくりへの興味や関心がある
コミュニケーションが得意で周囲と連携できる
物事を俯瞰できる広い視野をもっている
状況にあわせて臨機応変に対応できる
トラブルに対して冷静に判断できる
上記の特徴と自分の価値観やできることの共通点を見つけ、志望動機や面接でのアピールに活かしましょう。
ものづくりへの興味や関心がある
生産管理は、製造現場で製品づくりにかかわるため、ものづくりへの興味や関心をもっている人に向いています。開発職や技術職のように製品を直接つくる仕事ではないものの、ものづくりにかかわることに喜びを感じたり、達成感を味わえたりする人は、生産管理としてやりがいを感じられるでしょう。
コミュニケーションが得意で周囲と連携できる
生産管理の仕事は幅広く、ひとりですべてを担当するのではなく、各部門のスタッフとかかわりながら取り組んでいきます。チームワークが重要になるため、コミュニケーションに苦手意識がなく、周囲と関係をつくれる人は生産管理との相性がよいです。話すことが得意なだけではなく、相手の話を丁寧に聞いたり、状況を考慮して働きかけたりするなど、相手や状況に応じたやり取りができる人が生産管理に向いています。
物事を俯瞰できる広い視野をもっている
生産管理は、製品の生産にかかわる工程全体を管理する仕事であるため、広い視野で物事を俯瞰できる人に向いています。目の前の仕事にとらわれることなく、全体の動きに目を向けられると、生産プロセスの進捗や改善点などを発見できるので、生産管理として重宝されるでしょう。
状況にあわせて臨機応変に対応できる
生産管理の仕事では、計画通りに進まないこともあるため、臨機応変に対応できる柔軟さが求められます。納期に対して進捗が思わしくなかったり、製品の不良が見つかったりするなど、さまざまな状況に応じて動きを変えられる対応力が必要です。
トラブルに対して冷静に判断できる
製造過程でトラブルが発生する場合もあるため、冷静に状況を把握し、的確な判断ができる人は生産管理に向いています。冷静な判断は経験を重ねて身につくスキルでもありますが、予想外の事態でも焦らないメンタルや原因を突き止める論理的な思考をもっていると、より早い段階から活躍できるでしょう。
生産管理に役立つ資格
生産管理の仕事をするために必須の資格はありませんが、スキルや知識を客観的に証明するためには、資格の取得は効果的です。
生産管理に関連する資格には、以下のようなものがあります。
生産管理(1級・BASIC級)
生産管理プランニング(2級・3級)
生産管理オペレーション(2級・3級)
いずれも中央職業能力開発協会が主催している検定試験であり、生産管理システムの設計・計画や統制・運用などに従事している方を対象にしています。
資格は、転職時だけではなく、入社後のキャリアアップに役立つ場合もあります。生産管理として将来的なキャリアアップを目指したい方は、働きながらの取得も検討してみましょう。
生産管理の職種への転職を実現する5つのポイント
生産管理の職種への転職を実現するためには、以下のポイントを押さえましょう。
志望する企業が生産している製品を研究する
生産管理を志望する理由を明確に伝える
生産管理に活かせるスキルや経験をアピールする
生産管理に携わって実現したいことやキャリアプランを伝える
転職エージェントを活用する
志望する企業への理解や自分の強みが伝わるアピールなどが大切になるため、上記のポイントを意識して採用したくなる転職活動を行いましょう。
志望する企業が生産している製品を研究する
強みや思いが伝わる志望動機をつくるためには、企業理解が必要です。生産管理は製品の製造にかかわるため、企業が生産している製品を研究しましょう。製品がどのような場面で使われているか、どのような目的でつくられているのかを正しく知ることで、志望する企業を理解していることを伝えられます。製品に興味をもったきっかけや使用した経験などがあれば、製品への思いに説得力が増すため、自分の経験を整理しておきましょう。
生産管理を志望する理由を明確に伝える
「なぜ生産管理に転職したいか」は、自分の思いを伝えられる重要なポイントです。志望動機や面接で聞かれることが多いため、明確に言語化する必要があります。
「日頃から愛用している御社の商品の製造に携わりたい」「ものづくりの中枢で、よりよい製品の製造に貢献したい」など、生産管理を目指す理由を明確にすることが大切です。生産管理を志したエピソードや経験がある場合は、積極的に取り入れましょう。
生産管理に活かせるスキルや経験をアピールする
生産管理に活かせるスキルや経験は、自分が企業に求められる人材であることをアピールできるポイントです。前職でチームのマネジメントを担当した経験や、営業職として社内外のさまざまな人とかかわりコミュニケーション能力を身につけたことなど、生産管理に必要とされるスキルや経験をアピールしましょう。
生産管理に携わって実現したいことやキャリアプランを伝える
生産管理として入社するために強みを伝えるだけではなく、入社後のプランも伝えられると、より視野の広いアピールになります。生産管理として携わりたい仕事や、実現したいことなどを具体的に伝えるのがポイントです。働きながら専門的なスキルを身につけたいこと、資格を取得して仕事に活かしたいことなど、入社後の成長についても触れられると、意欲をアピールできます。
転職エージェントを活用する
自力での転職に不安がある場合は、転職エージェントを活用すると、転職活動に取り組みやすくなります。
転職エージェントを活用するメリットは、以下の通りです。
自分にあった求人提案を受けられる
応募書類の添削や模擬面接などの対策ができる
転職の不安や悩みを相談できる
「タイズ」は、メーカー転職に特化した転職エージェントで、大手メーカーとのつながりや支援実績を活かしながら手厚いサポートを提供しています。
メーカーの生産管理への転職実績も豊富です。
たとえば、大手造船メーカーの生産管理から大手電池メーカーの生産管理に転職したY.Wさんに対しては、職務経歴書の添削や面接の回答の検討、企業研究リストなどで転職活動をサポートしました。転職後は、スタッフ全員が同じ目標に向かって取り組む雰囲気を実感し、人間関係のよさにも満足しています。こちらの事例は、動画でも紹介しているため、詳しく知りたい方は視聴してみましょう。
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生産管理とは何かを理解し希望する企業への転職を成功させよう
生産管理は、製品の生産工程全般を管理する仕事で、受注管理から生産計画の立案、外注管理までさまざまな業務を担当します。
ものづくりへの興味やコミュニケーション能力、広い視野などのスキルを発揮しながら、製品の品質を向上し、計画通りに生産するのが重要な役割です。
生産管理への転職は、生産管理を選んだ理由や活用できるスキル・経験などを具体的に伝えることが大切です。
より確実に転職を実現したい場合は、転職エージェントを活用するとよいでしょう。とくにメーカー転職はタイズの強みであるため、メーカーの生産管理に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。