転職の秘訣
社内SE(情シス)はやめとけって本当?知っておくべきデメリットや注意点
こんにちは、「タイズ」コンサルタント長友です。
私は現役キャリアアドバイザーとして多くの方のSE転職成功をサポートしています。
社内SEとはどのような職種でしょうか。人気である一方で不安な声も多数あります。そこで社内SEを目指す人がいれば押さえておくべきデメリットや注意点をまとめました。
私は企業から社内SEの求人を預かる仕事とキャリアアドバイザーとして社内SEへの転職サポートを同時に行っています。社内SEはきつい、やめとけと言われる理由も合わせて、職選びに後悔しないため、事前に確認すべきポイントを解説します。
01. 社内SE(情シス)の仕事内容
社内SEと一言にいっても企業の情シス部門には様々な仕事があります。仕事内容は大手企業などでは主に下記の4つに分かれていることが多く、中小規模の企業ではこれらの機能をまとめて担当することが多いです。
- IT戦略企画
- アプリ開発、運用保守
- インフラ構築
- 管理 資産管理、ヘルプデスク
ここでは自社の製品やサービスの開発SEとは区別しています。
02. 社内SE(情シス)のデメリット
社内SEの仕事のデメリットややめとけと言われる理由としては下記があります。
- 環境やスキルの変化がない
- 社内調整が大変
- 管理業務が中心となり技術者としてのスキルが磨けなくなる
それぞれの詳細について解説します。
1.環境やスキルの変化がない
IT投資や新しいシステム開発に積極的な企業でない場合は、ずっと同じシステムの保守運用しか携われないという場合があります。ある程度のペースで新しい案件や取り組むテーマがあったとしても、ずっと同じ自社内に向けて取り組むため人や環境にあまり変化はないと感じる人も。
業界を超えて経験を積みたい方や、複数のシステムの種類、技術領域を幅広く挑戦したい方には不向きといえるでしょう。
2.社内調整が大変
社内SEは自社の業務部門がユーザとなり多くのステークホルダーと関わる必要があります。大手企業であれば社内だけでも数多くの部門とかかわることになります。彼らの意見を吸い上げつつ、システム導入をしていく際には意見の衝突やなかなか動いてくれないといった問題が発生することもしばしばあります。
加えて外部ベンダーや経営層など、折衝相手が多岐にわたるため、円滑にコミュニケーションをとる力が求められます。
3.管理業務が中心となり技術者としてのスキルが磨けなくなる
社内SEの仕事は、ITスキルを高めることではなく、自社のビジネスに必要なシステムを開発、導入しより良くしていくことです。一定のITスキルは必要ですが、開発自体は外部に任せることがほとんどのためエンジニアとしてのスキルを使う機会は少なくなるでしょう。
どこにいても、経験年数とともに上流の管理業務を任せられるのは同じかもしれませんが、社内SEは比較的その割合が大きいと言えるでしょう。
03. 社内SE(情シス)のメリット
一方でメリットとしては、
- 将来性がある
- 年収も期待できる
- ホワイトな労働環境でワークライフバランスが整う
- ユーザに近い場所でやりがいをもって働ける
- 上流の経験を積むことができる
等があげられます。
社内SEの職種は求人数も多く、今後も増加が見込まれます。
2022年9月には、経済産業省により時勢の変化に対応した「デジタルガバナンス・コード2.0」が公表され、企業によるDXの更なる促進が期待されている一方で、IT人材については企業全体で見たときに「7割強が不足(「やや不足している」「大幅に不足している」の合計)していると回答」した調査結果があります。
参考:DX白書
このような状況から、求神数も増加傾向であり、弊社タイズのデータベースでも非公開案件も含めて約2300件のSE求人があります。(2024.1月現在) 需要が大きいということは年収なども有利になりやすく、他の職種に比べて平均年収が高い傾向があり今後も需要が続くと見込まれます。
04. 社内SE(情シス)について後悔しないための注意点
社内SEになりたい人が事前に注意したいポイントは下記の3点です。
- 企業規模に注目せよ
- IT投資への積極度合いや本業ビジネスの将来性を見極めよ
- 自身の担当業務を確認せよ
それぞれの詳細について解説します。
1.企業規模に注目せよ
中小規模の会社ではいわゆるひとり情シスと呼ばれる状態になることがあります。情シス部門の業務を1人で対応する必要があるため忙しく、休みも取りづらくなります。
あまりITに対して投資するコストもかけられない場合は、積極的な開発や新規導入をすることもなく、ヘルプデスクや運用業務が中心となるでしょう。古いシステムの保守運用経験のみの場合、市場価値はあまり高くなりません。
一方大手企業では、情シス部門だけで100名を超える部隊を持っていることも。経営計画にもDXの推進をテーマに掲げている企業が多く、重要なテーマになっているので、中途採用も投資も活発です。 情シス部門はアプリ、インフラ、企画、DX部隊など役割分担している場合がほとんどです。 また、現時点ではシステム開発を外注のみにせず一部内製化をする傾向も強く、企業によっては開発部隊が社内にいる、あるいはシステム子会社を持っているというケースもあります。
2.IT投資への積極度合いや本業ビジネスの将来性を見極めよ
企業規模にかかわらず、その企業がIT投資に積極的なのかどうかが社内SEにとっては重要なポイントとなります。 規模が小さくてもDX推進に意欲的な企業であれば、やるべきテーマがたくさんあり活躍できるでしょう。しかし大手企業でも業績が悪化傾向にある場合はIT投資にコストを割く余力がなくなります。情シス部門は間接部門ですので、予算削減の対象としてまず上がってくるでしょう。
そのため、全社としてDX推進する意欲はあるのか、またそこに投資できる財務的な余裕はあるのかを確認しましょう。現状はもちろん、本業が将来的に伸びる、または安定している事業会社だとさらに安心です。
3.自身の担当業務を確認せよ
上記の通り、企業規模によっても経験できる業務が変わります。自身の希望のキャリアが歩めるのかどうか事前にしっかり確認しましょう。
IT投資に積極的な企業であればまだ他社では取り組んでいないようなChatGPTなどの生成AIを活用した職種や、データ活用が進んでいるからこそ発生するデータアナリスト職、社内コンサルタントのような職種を募集しているケースもあります。
とはいえ、求人票を見ているだけではそこまで詳しい情報は分からないことも多いです。公開できる情報が限られているためです。
各社ごとにどのような求人を募集しているのか、詳しく知りたい方はぜひ弊社のIT職専門のコンサルタントにご相談ください。
05. 社内SE(情シス)への転職まとめ
以上、社内SEとはどのような職種か、目指す人が押さえておくべきデメリットや注意点をまとめました。
デメリットとしては、環境やスキルの変化がない、社内調整が大変、管理業務が中心となる、などがありました。
一方、ポイントを押さえておけば、メリットも多く、将来性があり年収も期待できる上、ホワイトな労働環境でワークライフバランスが整う職種でもあります。
確認するべき注意点としては、企業規模、IT投資への積極度合い、自身の担当業務などです。 本格的に転職を成功させたい方にとっては、これに加えて自身のキャリアの棚卸、目指すべき方向性の確認も必要になります。プロの意見が欲しいという方はぜひ弊社コンサルタントにご相談ください。記事には書ききれない情報も含めてお伝えします。