企業インタビュー
[ 株式会社村田製作所 ]
【(株)村田製作所】B2Bビジネスを変革させるWEBサービスの実現に奮闘する方々へインタビュー!
01. 経歴紹介
情報システム部門 デジタル推進部 デジタルプラットフォーム課 渡辺様にお話をお伺いしました。
自己紹介をお願いします
学生時代から情報工学を専攻しており、当時はまだ流行していなかった人工知能の研究に取り組んでいました。ディープラーニングの元となるニューラルネットワークなどの研究に従事しており、海外の学会にも論文を出していた経緯もあったので研究職も考えましたが、それまで培ってきたITの技術や知識をビジネスに活用したいという思いがあり、卒業後はSEとして大手SIerに入社。その後、通信会社やメーカーなど4社を経て村田製作所に入社しました。
村田製作所への入社への決め手は?
経験社数の多さも懸念としてありましたが、しっかり中身の経歴を評価いただいたことがきっかけでした。会社として盤石な経営基盤を持っており、安心して働くことができること、面談を通じてこれから新しいことをやっていくという活気を感じられたことが入社の決め手でした。
現在の業務内容についてお聞かせください
デジタル領域の部門にて、Webサービスを提供するシステムのから運用まで一気通貫で対応しています。
いわゆるCX(カスタマーエクスペリエンス)を高めるために、Webサイトの訪問者に対して、サイトを快適に利用していただく施策を企画する部門とオフィシャルサイトなどで企業価値や企業理解を促進する情報を発信するコンテンツを企画する部門があり、その2つの部門の企画に対して、システムを使って実現することが、私たちの部門の役割です。
02. WEBサービスmy Murataについて
(※引用URL)
https://corporate.murata.com/ja-jp/newsroom/news/company/general/2013/1008
一言でいうと村田製作所のお客様と代理店の方向けの会員サイトです。2023年1月時点で、会員数4万人以上となっています。利用者はIDとPASSWORDを入れてログインし、そのサイトのコンテンツを見て、こちらから必要な情報を提供したり、逆にお客様や代理店さんからのサンプルのリクエストを受けたり、双方向のやり取りができる仕組みになっています。
リリース前は「顧客に一番はじめに選ばれ続けられるムラタになるため顧客満足度とロイヤルティを向上させる」事を目標に企画しましたが、似たようなサービスが普及していなかったため「my Murataは本当に必要なのか?」といった議論も当初ありました。しかしmy Murataを実際に始めてみるとたくさんのお客様や代理店さんに利用していただいており、弊社を代表するBtoB向けWebサービスになっていると感じています。
お客様に愛用して頂いている大きな理由としては、それぞれのお客様に特化した情報提供やサポートを受けやすくなっていることだと思います。
こうした情報やサポートに対して、Webを使って効率的にアクセスできるのはお客様にとってのメリットになることはもちろんですが、村田製作所にとっても営業などの人を介して情報提供やサポートしなくても、Webで解決するケースもあるので、マンパワーをより高次な業務に充てることができますし、いつでも、どこでも対応することができます。
将来的にはWebで購買行動を完結できるようにECサイト的にしたいという思いもあります。
将来、どのような姿を目指されていますか?
2025年には全労働人口の75%に達するミレニアム世代についてガートナーの調査では以下のような情報があります。「現在ミレニアム世代の75%が製品購入の意思決定に関与し、そのミレニアム世代の50%が営業との直接的なやりとりを好まない。」つまり本格的にサービスやサポートをWebで提供する時代になりつつあります。対面でしか出せないバリューを営業が提供して、そうでないサービスはWebで完結できるようにサービスを充実させていきたいと考えています。
加えて、労働人口の減少が進んでいることもあります。ムラタの電子部品のマーケットは、電気自動車やスマートシティなど今後もさらに拡大していきますので、より効率的に営業のパワーを投下する必要があります。営業にしかできないことは営業が、WebでもできることはWebに。そのビジネスモデルの転換を私たちがつくっていきたいと考えています。我々が開発するWebサービスが顧客体験を大きく変える可能性を秘めており、ムラタひいてはこの業界やB to Bの営業サービスを抜本的に変えるかもしない。ミレニアム世代やZ世代に共感してもらえるサイトをつくることを目指しています。
その目指す姿を実現させる上で、どのような課題がありますか?
やはり、一番の課題は人的なリソース不足です。古いアーキテクチャーをどんどん刷新していく時期を迎えており、社会的にもデジタル化を進めていくのは必然の流れになっています。追い風がある一方で、人材が不足していることが大きな課題だと思っています。そこで部門ではモチベーション向上や離職率低下のため働きやすい環境整備に取り組んでいます。例えばフレックス制度の積極的な活用を推進しています。お子様の急な発熱や保育園、幼稚園の送迎など、フレキシブルな勤務時間を可能できるような環境整備に取り組んでいます。
サイトへのアクセス数増加について
2020年にコロナ禍に突入したこともあって、訪問者が増えてきています。ここ最近も20%位訪問者が増加しました。社内でもWebサービスの立ち位置も上がっています。オフシャルサイト以外でも、技術記事サイトというサイトがあって、そこには電子部品業界や製造業に関係なく、例えばアパレルの話として、販売される服にRFIDチップをつけて、こんな風に在庫管理をしていますといった読み物系の記事も掲載しています。
(※引用URL)
もちろん技術記事サイトには、電子部品に関する知識の記事もあって、その記事が結構Twitterで反響が大きくて、村田製作所の情報だから信頼できるといった声が上がっています。こういった情報を発信しているサイトに注力して同業他社との差別化を図っています。
03. 働く環境について
業務をされていて、どんな部分に魅力を感じられますか?
技術的な魅力・面白さが3つあります。
1つ目は規模が大きいことです。Webサービスのシステムとして300台位のサーバをAWSで運用しており、オンプレミスの環境はありません。ただ、今はあくまでクラウド化しているだけなので、これからはクラウドのメリットを活かしたアーキテクチャーへと進化させていきます。クラウドに上げたシステムをクラウドネイティブなアーキテクチャーにモダナイズしていく予定です。現在は過渡期でありこうした大規模システムの変換に携わることができるのも醍醐味です。
2つ目は、様々なWEBサービスがあるところです。B to Bの会社では基本的なコーポレート情報、会社概要や株価などの情報にとどまっているサイトが多いのですが、村田製作所ではオンラインに力を入れているので、「my Murata」や村田製作所や電子部品業界に興味のない人でも読むことのできる記事を掲載している技術記事サイトがあるなど、多彩なWebサービスに携わることができる魅力があります。
(※引用URL)
https://article.murata.com/ja-jp
3つ目は、ダイナミックな環境があることです。村田製作所は1兆円を大きく超える企業規模を持ちつつ、さらに成長を続けている会社です。電子部品業界のリーディングカンパニーでありながら、現状に甘んじることなく、3層目の新規ビジネスにチャレンジを続けるダイナミックな環境があります。こうした環境の中で情報システム部門の仕事に取り組むことができるのは大きな魅力だと感じています。
実際に働かれる中で感じられる「ムラタの良さ」を率直にお伺いしたいです。
言葉を選ばすにいうと“好き放題”させてくれるのが大きな魅力です。もちろんビジネス観点の判断もありますが、自分で思いを持って、自律的に動いていくことができます。自分でどんどん動いていくことに対して、上司の方々がその思いや動きを評価してくれることも私には大きな魅力です。
過去ご経験された会社との違いはありますか?
SIerやベンダーの立ち位置とは異なり「事業会社の情報システム部門側」にいることによって、いろいろな技術やトレンドもベンダーフリーで知ることができるので、とても勉強になりますし、様々な技術に触れることができるので、技術的な興味や関心も満たされ、確実に視野も広がったと思います。
最先端の技術に触れる機会は多いでしょうか?
私が所属する部門はWebの領域です。Web領域は非常にテクノロジーの進化が早い領域のため、様々な最新テクノロジーをキャッチアップして、積極的に取り入れていく必要があります。。逆に最新技術を採用しないと競合他社から取り残されていくことになるので、私たちの部門では新しいデジタル技術をどんどん取り入れて、新しいビジネス価値を生み出していくことを目指しています。こうした雰囲気は、個人的な所感ですが社内の他部署よりも多少強いかなと自負しています。
一般的に基幹システムはSOR(System of Record)モード1という領域で、私たちはSOE(System of Engagement)モード2といわれる領域で、それぞれ求められる要件が違います。どちらかというと私たちの領域の方がコストや納期の観点からも新たな技術にチャレンジしやすい環境にあると思います。
最先端技術はどのようにして学んでいますか?
上司の考えでもありますが、よい研修や教育は有償であっても会社が負担するので、どんどん受けに行くというのが大方針です。なので、新しい技術をキャッチアップすることは本人に意志があれば叶えることができる環境があります。
特にWebの領域には社外にいろんなコミュニティがあり新しい技術をキャッチップしやすいです。例えば、世界的に広がり始めたDrupal(ドゥルーパル/ドルーパル)というCMSのOSSがありますが、このソフトウェアをうまく活用していこうというコミュニティがいくつかあります。Drupalを学び、技術を高めていこうという有志が集まり、その有識者から技術を吸収できる機会は数多くあります。さらに有償でも研修を受けるという部門の方針や制度があるので、自分の意志があればWeb技術はどんどん磨くことができる環境があります。
どんなメンバーがどのように活躍していますか?
部門は課長を含めて10名の組織です。うち2名が新卒で、1名が事務派遣、その他は全員中途入社です。中途入社の方々の年代は30代前半から私が一番上で40歳です。メンバーのバックグラウンドは多岐にわたっています。SIer、情報システム部門、業務部門でもIT寄りの仕事をしていた人までいろんな経歴を持ったメンバーが集まっています。それが起因となっているかもしれませんが、それぞれがお互いの考え方をリスペクトしており、課内のミーティングでも建設的な意見が活発に出ます。
自分の意志があれば、それを具現化できる。そんな環境や文化は私がこれまでに経験してきた会社の中で村田製作所が一番強いと思います。例えば、昨年中途入社したメンバーは、これをやりたいという明確な意思をもって入社し、そのためのチームをつくることを実現し、今年新たに入社したメンバーを加えて、今実際に2名でプロジェクトを進めています。
裁量権は大きい環境でしょうか。
実際にスピード感をもって自分のやりたいことを実現させているメンバーが多いです。自分がやりたいことがあれば、Factを整理して、きちんと理論立てて説明すれば、提案が通りやすいということです。自分で情報を集めて、自分で論理的に説明して、その内容に妥当性があり、かつビジネスとして効果があれば、提案はどんどん通っていきます。
村田製作所で働くメリットは何でしょうか。
「攻めのIT人材」として市場価値の高い存在になれることです。私の経験でも、どちらかというとIT部門の人材は受身でいわれたことをやるという人材が多くいる印象です。しかし、受身の人よりも能動的に自分から仕事を取りに行く人の方が、他社でも評価されていましたし市場価値が高いと思います。一度、全社的に自律的に動く人材が多い村田製作所で仕事をしていただいて、攻めのITの動き方を学ぶことで、さらに上にステップアップしていくこともできると思います。もちろん、長く勤めていただくために上の人たちも巻き込んで、さらに働きやすい環境をつくっていくつもりです。
村田製作所に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします
私たちは単純なWebサービスを提供することは目指していません。ビジネスの変革につながるものをつくっていきたいと考えています。
私たちが電子部品業界だけでなく製造業、もっと広くいえばB to Bのビジネスモデルを変革するようなWebサービスをつくり上げたいと思っています。この目標に興味や共感できる方には、ぜひ村田製作所の求人情報を見てもらって、応募していただきたいと思っています。ぜひ一緒に夢を追いかけて仕事をしましょう。
私も転職経験があり、入社後に放置されたりしたこともあったのですが、私たちの部門であれば、仕事の立ち上げもきちんとサポートします。実際に入社したメンバーからは、サポートしすぎて3か月後くらいに「もう大丈夫です」といわれたくらいにサポートしていました。だから、転職経験のない方も、ぜひとも安心して門戸を叩いて欲しいと思います。