【(株)村田製作所】技術企画・新規事業推進統括部の方々に事業内容や求める人物像についてインタビュー!

村田製作所様1

技術企画・新規事業推進統括部

デジタルイノベーション推進部 部長 (A)

デジタルイノベーション推進部 マネージャー (B)

新規事業推進部 マネージャー (C)

01. 会社概要

世界トップ級の電子部品専業メーカー。10年で売上約3倍:1兆8,125億円、営業利益率23.3%(2022年度実績)と圧倒的高収益を実現。海外売上高が90%を超えるまさに日本を代表するグローバル企業です。積層セラミックコンデンサの世界シェア40%、ショックセンサ95%、SAWフィルタ50%など、TOPシェア多数。

誠実、まじめ、穏やかな方が多い風土。技術開発には積極的で、原材料から設備まで自社開発を行う自前主義を徹底し、世界初、日本初にこだわり、世にない技術、真似できない技術を追求する企業です。権限移譲で任せる風土があり、営業や開発の決裁権が係長クラスに任される場合もあり、若いうちから大きな権限を持って業務に携わることが出来ます。

02. ご経歴について

まずは、みなさまのご経歴からお聞かせください。

(B):中途入社で2012年に村田製作所に入社しました。新卒入社の前職はSIer(システム開発会社)で勤務していました。医薬品の流通に関するシステムやテレビ局の選挙速報に関わるシステムなどいろんな種類のWebアプリを設計開発していました。仕事は順調でしたが、SIerの仕事はお客様が決めた要件をその通りにつくる開発がほとんどでした。より上流でお客さまに近いところで仕事がしたいと考えて、実際にモノづくりをしている村田製作所に転職しました。

村田製作所では世界中で活躍している社員がいて、いろんな開発ができるのではないかと思って入社を決めました。

入社して最初の配属は情報システム部門でした。しかし、情報システム部門では、社内の別部門から依頼を受けて、要件に沿ったシステム開発を行う業務が中心でした。しかし、想像していたのはお客さまと直接話し合いながら、「こんなシステムをつくれば業務改善につながりますよ」という仕事がしたかったのですが、実際にそうした開発はなかなか経験できませんでした。

そんな時にタイミングよく、情報システム部門で新しく“攻めのIT”として積極的に新規事業に関わっていこうという動きがあり、そこで「やりたい」と自ら手を挙げて、攻めのITを手掛けるチームで仕事をすることになりました。現在のデジタルイノベーション推進事業部と一緒に新規事業を進めることになり、その後チームごと部門を異動して、現在、新規事業の開発に取り組んでいます。

新しいものをつくり出すというのはエンジニアが求めている仕事だと思います。自分自身で新しいものをつくり出せるのは仕事の大きな魅力です。特に、自分が作ったものが市場に出て、お客さまが実際に手を触れることになって、それが広く世の中に広まれば大きな喜びを感じることができると思います。

(C):私は2015年に中途入社しました。前職では、生産技術で生産システムの構築に携わっていました。主に生産設備やロボットの制御を行うソフト開発を手掛ける他、自動車の組み込みソフトウエアの開発も経験して、村田製作所に入社しました。

村田製作所に入社してからは、現在の新規事業推進事業部のもとになった太陽光発電のパワーコンディショナーや蓄電池の開発を行う電源事業部に配属となりました。その部門では当初、太陽光発電システムを一体のソリューションとして販売する事業開発に取り組んでいたので、電源事業部のソフトウエア開発担当として業務を開始しました。入社した当時のメンバーは2~3名位しかおらず、かなりハードウエアに近いソフトウエアで、クラウドなどの上位版のソフトウエアということで、企画設計など一からシステムをつくり上げることに関わりました。この時に開発したシステムが商品化された後に、新規事業推進部に異動してきました。

生産ラインのシステムから製造までを経験してきたこともあり、もっと上位の企画や新しいビジネスになるものを、一からつくっていくことに携わりたいと新規事業推進部への異動を希望しました。

村田製作所様2

03. 業務について

現在、取り組んでいる業務についてお聞かせください。

(A):村田製作所には、1層目と呼んでいるデバイスや部品、2層目はそれらの部品を使ったモジュールデバイスビジネスがあります。最近、外部に発信している1・2層目以外のもう少しソリューション寄りのものが3層目と言われるようになって、この3層目に対する認知も高まってきました。

部門では、この3層目のビジネスに取り組んでいますが、最初は「3層目とは何をすればいいのか」と悩んだ時期もありました。その結論が、村田製作所らしい新規事業を立ち上げることでした。最近、村田製作所ではすでに3~4つの新規事業をリリースしました。その点になっているものをつないで線にできるような新規事業を行っていきたいと考えています。

技術企画・新規事業推進統括部には新規事業推進部とデジタルイノベーション推進部の2つのセクションがあります。

新規事業推進部はウエルネス、環境、モビリティの領域で新しいものをつくっていこうとしています。そこにNext newとなるIoT商材など、村田製作所のハードの強みであるシーズとニーズをうまくマッチングさせて、新規事業をつくっていこうと考えています。

デジタルイノベーション推進部は収益の主体をデータ活用に置いており、村田製作所のハードに強みを活かすというこれまでの流れに縛られない領域での新規事業を開発しています。

(B):最初に取り組んでいたのは、新規事業推進部門のメンバーが広く使ってもらえるようなプラットフォームの開発でした。この開発では外部の協力会社とアジャイルで開発を進めていきました。3年間程この開発を行って、プロジェクト自体もプラットフォームの上にのせて、現在稼働しています。しかし、3年間の開発期間にいろんな問題も見えてきました。外部の会社にスタートアップ開発をお願いするとフレキシブルにものをつくっていくのが難しくなるのです。やはり、スタートアップに関する部分は社内でつくる方が良いのではないかということになり、今は内製回帰を目指しています。外部に委託するのではなく、内部の組織に開発チームをきちんと構築して、村田製作所が自ら開発していこうとしています。内部組織が自分自身でしっかりとものがつくれる環境をつくることがエンジニアとしてのやりがいにつながると思っています。

新規事業推進統括部の事業内容についてお聞かせください。

私たちは1層目、2層目には入らない3層目の領域で、村田製作所のこれからの収益の柱を育てていくという大きなミッションを与えられています。これまでは、村田製作所が持っているシーズ、技術的な強みを活かし、市場を先読みして、ニーズを待ち伏せする売り方や広げ方を行ってきました。

しかし、3層目の領域では、これまでの動き方とは違って、まずはニーズをきちんと取りに行くことが一番大切なのです。今までの1層目・2層目の事業なら、こちらから動かなくても、お客さまからニーズが直接入ってきましたが、3層目の領域のお客さまとは接点がないために、待っていてもニーズはまったく入ってきません。だからこそ、3層目のニーズを取りにいって、それを村田製作所のシーズといかに掛け合わせるのかという部分が私たちの仕事の面白いところであり、一番の醍醐味です。そして、リリースした新規事業は最終的に社会的な課題解決につながるということをテーマとしています。

新規事業推進部では、ウエルネス、環境、モビリティと領域がある程度定められていますが、それ以外のところでも「何をしてもいい」という方針です。とても太っ腹な方針ですが、それゆえに何をするかに悩むのです。顕在化している社会的課題、例えばSDGsなどをテーマに動いているメンバーもいれば、それとは別に本当にピュアにこれから起こりうる課題とは何だろうとバックキャスト(現在から未来を考えるのではなく、「未来のあるべき姿」から「未来を起点」に解決策を見つける思考法)を調べて、マーケットを模索するメンバーもいます。

3層目のニーズの把握はどのように行っていますか。

(B):お客さまの声を直接聞くことです。実際にお客さまにインタビューをすることもあります。あとはいかに早くお客さまの声を捉えるかです。実際に試作品をつくってお客さまに評価してもらうことが、一番ニーズを拾いやすいのですが、それでは時間もコストもかかってしまいます。そこで、デジタルイノベーション推進部では紙芝居のような資料を作成して説明し、お客さまの声を聞くことで、できるだけ早くお客さまのニーズを把握できるように工夫しています。新規事業を企画するのに、いかに早く、いかにコストをかけずに正しくお客さまのニーズを得ることが重要なポイントとなっています。

(C):新規事業推進部では環境、エネルギー、ウエルネスというこれまで取り組んできた事業分野があり、いくつかの事業部も現存しているので、これまでの人脈を活かして、事業分野に関係のある会社や人たちと定期的にディスカッションを重ね、「次はこんな市場が出てくる」などの情報を仕入れながら、次に何が必要とされるのかを見据えながらターゲティングしています。

村田製作所様3

04. 新規事業について

現在、どのようにして新規事業を進めていますか

(A):現状では種まきの要素が強いですが、一部は上市したものもあります。

上市までの流れとしては、まず開発部門があり、そこで生まれてくるギガトレンドを先読みしたシーズを、ニーズとうまくマッチングできる領域を探すのが、私たち新規事業推進部門の役割です。マッチングできた後は、インキュベーションセンター部門が事業として具体化していきます。こうした段階を踏んで新規事業を立ち上げていきます。その他、ケースによってはスタートアップ企業と組んで、株式会社ピエクレックスのように合弁会社を興すこともあります。

今後の戦略についてお聞かせください。

(A):中期経営計画で2030年に売上2兆円の目標を掲げていますが、そのなかの1,000億円は新規事業でつくるという目標があります。私たちはその目標に向けて、新規事業の構築を進めています。

(C):今まで村田製作所がやってきたハードウエアのビジネスだけでは目標を達成することはできないと考えています。ハードウエア+ソフトウエアやIT、もちろんソフトウエアだけ、ITだけといったビジネスもどんどん増やしていくことで目標に近づくことを目指しています。

私のチームでは主に環境エネルギーの領域に取り組んでいます。以前の部署でも太陽光蓄電システムを開発していましたが、以前は家庭向けのシステムで、現在は産業向けのシステムを開発しています。

家庭用から産業用に転換したきっかけは、村田製作所も2020年に再生可能エネルギー100%を目指す「RE100」を宣言したことです。世界の潮流が家庭よりも企業として環境に貢献することが求められていくことと予測していたので、この宣言の少し前からプロジェクトはスタートしていました。多くのメーカーがどんどんRE100を宣言していましたし、村田製作所も電子部品メーカーであるサプライヤーとしてRE100を宣言することになるとメンバー間でも話をしていました。そういう中で、自社工場などで太陽光発電や再生エネルギーを増やしていくことで、世の中に貢献できないかというのがプロジェクトの出発点でした。

新しいプロダクトを実現させるためには社会貢献はもちろんのこと経済的効果も必要となります。その実証実験を行うために、2021年、金津村田製作所の工場に村田製作所グループで初、北陸で最大規模の太陽光発電・蓄電池システムを導入しました。実証実験の結果、経済的メリットも見えてきて、今はこれを社外のビジネスとして展開することを計画しています。

新規事業推進部では、社内の生産拠点などを実験台として新規システムを導入して、それを社外にビジネスとして展開する取り組みを進めています。

(B):デジタルイノベーション推進部では、他部署のマネージャーから幅広い相談に対応しています。例えば現在は、フェムテックと呼ばれている女性のさまざまな課題を解決するソリューションに関わったり、アニマルヘルスケアの領域では犬の健康寿命を延ばすようなプロダクト開発に関わったりしています。また、スタートアップ開発の専門チームもあり、そこではいろんな内外の部門とプロダクトのスタートアップ開発を共同で行っています。他にも新規事業の“卵”はたくさんありますが、残念ながら、今はまだは詳しくはお話しできせん。

新規事業開発は基本的にボトムアップで行っています。フェムテックもアニマルヘルスケアもボトムアップで企画を出して、社内のアセスメント部門にプレゼンを行い、承認されるとプロダクト化を進めていきます。

プロダクト化は一部門ではできないことも多く、フェムテックもアニマルヘルスケアも私たちの部門だけで進めているわけではありません。プロダクトオーナーは私たちの部門ですが、実際にモノをつくる時は、別部門と連携して進めていきます。アルゴリズムを考える業務やデータサイエンスに関わる業務は別部門にお願いして、アプリ開発は私たちの部門で行うなど、クロスファンクションで進めるケースが多いです。

私自身も実際に手を動かしてモノをつくることが好きなので、実装や開発をしたいのですが、最近はマネジメント側の仕事が多くなり、モノづくりに取り組む時間の余裕が少なくなりました。一方で、マネジメントとして複数のプロダクト化に関わって、一緒に成功を目指していくこともとても楽しいと実感するようになりました。

新規事業についてチーム内外メンバーと議論することはありますか。

(A):開発部のメンバーが新規事業をやりたいということで移ってきたのもあって、理系の人が少し多いと思いますが、あまりバックグラウンドや今までの経験などにこだわることはなくて、これをやりたいという熱量をもった人が多いです。

(B):エンジニアは技術的なコアな話でずっと盛り上がっていることがあります。

(A):先ほど(B)が話したように、クロスファンクションで開発を進める部分が多いので、ソフトウエアを開発するメンバーがいたり、アルゴリズムを考えるメンバーがいたりで、いつも喧々諤々と議論をしています。

(B):他にもプロジェクトオーナー会があり、技術の勉強会を行っていますが、新しい技術が出来たら、一緒に実装してみようといったヨコのつながりもあります。

(C):ヨコのつながりは、技術的なことよりも、ビジネスとしてどうか、事業としてどうかという観点で、共有会などで意見を出し合ったりしています。

開発予算に制限はありますか。

(A):予算という表現が当てはまらないほど、比較的自由に開発費は自由に使わせてもらっています。もちろん、費用の目的や人件費にいくらかかっているかなどの管理は行っていますが、この予算に収まらないからストップするということはありません。

(C):予算が必要な時には、これをやりたいので、これだけ使わせてほしいという説明に力を注ぎます。説明の納得してもらえれば、予算は了承されます。初めに予算はこれだけというのが決まっているわけではなくて、検討が進んでいく中で、これを検証したいから、これを使いたいということを納得してもらえれば、どんどん前に進んでいきます。

(A):事業性がないと判断した場合はストップしますが、予算で止めることはありません。

(B):1層目と2層目という安定した事業があるので、ありがたいことに豊富な資金力があります。安定した会社の中で、スタートアップに近いことができる。それも新規事業推進部門の仕事の魅力だと思います。

村田製作所様4

05. 職場の雰囲気やワークライフバランスについて

職場の雰囲気についてお聞かせください。

(B):上下関係があまりなく、わりと言いたいことが言い合える風土だと思います。私も上司である(A)に普通に意見を出しています。チームのメンバーの中でも、技術的なことは「こうした方が良い」と思ったことはすぐに率直に議論ができる雰囲気になっています。上司の顔色をうかがいながら意見することもありませんし、私自身もそんな気を使わせないようにと心がけています。

(A):上下関係があまりないのは、部門だけでなく村田製作所全体がもっている風土です。役員を含めて、食堂で社員と一緒にご飯を食べていますし、出張に行く時には役員一人で出かけて、誰かがお供についていくような会社ではありません。フランクにいろんな話ができる風土は全社にあります。

(C):昔、大企業病にならないようにと役職ではなく、“さん付け”で呼ぼうということになったそうで、ほとんど“さん付け”で呼び合っています。ただ、何かルール化したからそうなっているのではなくて、自然とみんなが“さん付け”で呼び合っています。

私のチームもそれほどはっきりとした上下関係があるわけではなく。30代の若いメンバーが多いので、フランクな感じで仕事をしています。チーム内だけではなく、課外のメンバーともフランクに話をしている環境です。

直接の上司だったことはないのですが、(A)にもわりといろんなお願いをして、聞いてもらっています。話しやすい、意見のいいやすい環境だと思います。

フリーアドレスやフレックス、在宅勤務など、働き方についてお聞かせください。

(A):最近、全面フリーアドレスになりました。コロナの影響で出社率が減ったので、フリーアドレスに変更しました。また、テレワークが広がり定着したことで、より出社した時のコミュニケーションが大切だということで、フロアの真ん中に通路をつくり、右側を執務エリアとして、左側はコミュニケーションが取りやすいように、ソファーや立ち机を配置する設計に変えて、出社した時は活発にメンバーとコミュニケーションしやすいようになっています。

(B):在宅勤務はこれまで制度としてありましたが、利用日数は多くはありませんでした。しかし、コロナで在宅勤務が増えて、出社率が減ったのでスペースを有効活用できるようになりました。

(A):会議が多ければ多いほど、テレワークが増えるので会議室などを予約しなくてもいいようになりました。

(B):IoTの機器を実際に触らないといけない時などは出社しています。

(A):また、フレックス制度を導入していますが、8:30に出社して17:00に退社する人が多い印象です。

(B):私は7:30に出社して16:00に退社しています。朝は仕事が進む上に、デスクの端の椅子が取れるからです。予定だけ調整していれば、特に業務に支障はありません。

有給休暇の取得はいかがですか。

(C):有給休暇の取得は個人の事情に合わせています。

(A):希望すれば、ほとんど取得できます。逆に取得を勧める指導は行います。会社からいわれているのは、有給取得率は40%以上になるように管理することです。メンバーの取得が遅れている場合は、まず人事からマネージャーに連絡が来ます。マネージャーはメンバーと取得スケジュールを話し合います。大体6月末に連絡が来て、9月末までに取得する予定を立てています。

残業についてはいかがですか。

(A):残業はきちんと管理しています。特にリモートワークが進んでからは、メンバーがどれだけ残業しているかが見えにくくなっているので、管理についてはかなり気を使っています。月に残業が25時間を超えるとマネージャーに「この人はこれだけ残業をしています」と毎日アラームが飛んできます。

(B):会社で平時の月35時間、月70時間は年6回までと残業制限が定められていますが、基本的には月35時間以内に収まるようにしています。

(C):部門ではそこまで残業している人の割合はとても少ないと思います。

(B):私のチームでも月20時間が平均です。

06. 教育体制や求める人物像について

教育支援制度についてお聞かせください。

(B):業務に関係ある資格取得の費用は会社から支援が受けられます。システム系の会社では資格を取得したら、報奨金などが出ますが、村田製作所ではそれは本当に限られた特定の資格のみです。しかしその反面、外部の研修やセミナーに関しては有料のものでもどんどん受講してもいいし、費用も支援してもらえます。社内に閉じこもってばかりでは知見が広がらないので、しっかり外部で学んで成長して欲しいという思いが会社にあって、かなりいろんなセミナーや研修を受けることができます。

(C):私自身も1~2カ月前に、2~3日間くらいの外部セミナーを受けてきました。上司からは「行ってこい」と2つ返事で行かせてもらいました。こうした受講の希望が受けられないということはまずありません。

部内での教育についてお聞かせください。

(A):昨年は外部の研修企業に依頼して、新規事業構築の考え方やプロセスなどの研修を半年間実施しました。しかし、外部の新規事業研修のノウハウはスタートアップ向けのもので、規模の大きな企業向けの新規事業構築とは少し違うなと感じました。やはり新規事業の教育については自前のものが必要だと考えたので、今自分たちで教育プログラムをつくっています。その他、定期的に新規事業の要となる知財や法務、契約関係は初級・中級・上級に分けて、年に3回研修を行っています。

ITスキルなどは(B)のチームで勉強会を行うなど、個々のスキルの向上に取り組んでいます。中途入社者でも一定のスキル教育をする必要性を感じていますので、今プログラムを準備しています。

(B):今回、募集しているのはIT技術者のテックリードとなる方で、配属後にまずは組織や部門の目標などについて説明を行います。その後は、業務に使う技術、AWS関係をハンズオン(実地で体験)で5つほどの業務をピックアップして1週間程度行っていただきます。そのハンズオンを通じて、AWSなどの必要な知識を習得していただきます。その後はチームのメンバーとペアリングプログラムの機会を設けて、一緒にプログラムを開発してもらいます。最初は、アジャイルチームのデベロッパーのメンバーの一員として入ってもらうので、それほど孤独感を感じることはないと思います。

(A):まだ、正式な仕組みにはなっていませんが、メンター制度的なものも行っています。約1年間、少なくとも月に1回は先輩社員と面談をして、中途入社の方の状況を確認します。

(C):いわゆるOJTのようなことはやっていませんが、必要なサポートはマネージャーをはじめメンバーがしっかりとフォローするので安心してください。

今回、募集するテックリードの人材像についてお聞かせください。

(A):新規事業の企画ごとに「この事業を立ち上げたい」というテーマ(プロダクト)オーナーがいます。プロジェクトの成功には、このテーマオーナーの熱量が必要です。そして、テーマが進んでくると、マンパワーが必要になります。オーナーがテーマを次のステージに上げるために必要となる「熱量を持ったオーナーのサポートとして技術的な領域をマネジメントしてけん引できる「テックリード」となれる人材を求めています。

(B):お客さまのニーズをしっかりと読み込んで、どういうシステムをつくっていくべきかを考えられる人材を求めています。

(C):商品としてカタチにするのには、どうつくり上げればベストなのかという視点を持ち、一部の技術スキルだけではなくて、商品全体としてどうつくっていくかを考えられる人材を求めています。

(A):オーナーのテーマに共感して、商品化に向けて全体を見て、テクニカルをリードする、そんな人材を求めています。

村田製作所様5

07. 転職希望者へメッセージ

最後に村田製作所の新規事業推進部門に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします。

(B):新規事業として、社会に役立つ新しいプロダクトを自分の手でつくっていくことができます。さらに、そのプロダクトを使う方に喜んでいただくことができます。そんなことを経験したい方にはとても向いている仕事です。新しいものをつくっていきたいという熱意を持った方にぜひ来ていただきたいと考えています。

(C):自分でモノをつくる、商品化するということにやりがいを感じる方を求めています。そして、事業化や商品化は一人だけの力では実現しないので、いろんなメンバーと議論しながら仕事を進められる協調性を持つ方となら、チームとしても最高の結果が出ると考えています。チームとの関りを大切にしながらプロジェクトを進められる人材に来ていただきたいと思います。

(A):社会の問題を解決しようというテーマが私たちの新規事業構築の根っこにあります。それを踏まえた上で、新しい未来を創造していくことに対して、私たちと一緒にチャレンジしていただける方を求めています。みなさんのご応募をお待ちしています。

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中村 陸

株式会社タイズ

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