企業インタビュー
[ オムロン株式会社 ]
【オムロン(株)】ドライブ事業部の開発部門長にミッションや求める人物像についてインタビュー!
01. 会社概要
オムロンのIABカンパニー(以下、IAB)は、お客様のモノづくり製造現場の革新に貢献することが役割です。
その中核にあるのが、オムロン独自の「センシング&コントロール+Think」技術です。現場から必要な情報を取り出し(センシング)、蓄積したデータから人の知恵をプラスして機械が解析し(+Think)、現場にソリューションとして提供する(コントロール)というコア技術を通して、IABは「人の代わりに機械を使う時代」から「人と機械が分業する時代」を経て、今、そしてこれからを「機械が人のクリエイティビティーを引き出す『協調と調和』が求められるモノづくりの時代」と捉えています。その実現のため、既存技術に捉われずAI、ロボティクス、DX(デジタルトランスフォーメーション)をはじめとした最先端技術も常に取り入れ、活用しています。
昨今、団塊世代の熟練工のリタイア、少子高齢化による労働力人口の減少など、人材関連の社会的課題が深刻です。IABはこうしたモノづくりに携わる「人」にフォーカスし、これまで培ってきたオートメーション技術ノウハウを作業の「自動化」や「効率化」のために発揮し、そしてさらに「人」を超越する効果を現場に生み出すことで、社会的課題の解決に取り組んでいます。
02. ご経歴について
まずはご経歴についてお聞かせください
2000年に新卒で入社して、ずっとFA商品の開発に携わってきました。最初の10年間はコンポーネント商品、残りの10年間はコントローラ商品、ドライブ商品の開発を行ってきました。世の中の技術を少しでも進化させたい、その技術で社会を少しでも良くしたい、仕事に対してそういった思いを持って取り組んできました。
仕事のやりがい、面白さについてお聞かせください
やりがいは顧客視点で技術開発を行っているところにあると思います。その技術で社会にどういうポジティブな影響を与えるのか、この技術で顧客にどんなメリットを提供できるのかを考えて、技術を開発しています。そして、この考え方は企業理念である「ソーシャルニーズの創造」につながっています。
新商品を出せば、顧客からフィードバックをみんなで受けて、この技術の評価はどうだったのかをみんなで確認する風土はオムロン全社にあります。
私もメンバーにいつも伝えているのは、「この技術はお客さまにとって、何が嬉しいんだ」ということを強く意識して開発して欲しいということです。社会的課題に真摯に向き合い、顧客を意識して、自部門だけでなく、様々な部門とも連携して、開発することが仕事のやりがいにつながっていると思います。
ものづくりの進化は商品単体だけでは実現できません。環境負荷を最小化するものづくり、安心・安全を守るものづくりなど、顧客視点で、様々な技術・商品をつなぎあわせ、それらをセットにして、提供することでものづくりの進化に貢献していると実感することができます。
また、パワーエレクトロニクスや制御技術の分野は世の中でとても需要の高い技術で、まだまだ人数も多くはありません。オムロンに入社すれば、すぐにその開発にアサインされて、需要の高い技術を身に付けて、自分自身の価値を上げられることも、この仕事の魅力だと思います。
03. 事業部のミッションや製品の強みについて
ドライブ事業部の事業や製品についてお聞かせください
商品事業本部ドライブ事業部は、大きく分けてハードウエアを開発する部署とソフトウエアを開発する部署、既存商品を維持する部署があり、サーボドライブ/インバータをつくっています。
私たちIAB は産業だけでなく、人と地球に革新を起こしていこう、その在り方を変えることを目指しています。その中でドライブ事業部は、ドライブというものづくりの中で機械を動かす部分の革新をリードしていこうとしています。
事業部のミッションについてお聞かせください
特に労働人口の減退やエネルギー問題などの社会的課題に対して、モノづくりの現場での課題解決を行っていく部署です。モータは、世界中で使われていますが、工場エネルギー消費量の半分近くがモータの消費エネルギーともいわれています。そこに対して、例えば省エネルギーなどのソリューションを導入することで、未来の工場のエネルギーに対する生産性を上げていくことができます。また、労働者の安全を守るために、安全機能を搭載した商品をつくっています。
事業部のミッションとしてはものづくりを動かすシーンに革新を起こすことです。
事業部の現在の課題についてお聞かせください
ドライブ事業部の人材のスキルが偏っていることです。これまで、モーションの制御と組み合わせることがメインだったからです。
今後はエネルギーなどの新しい価値を生むところに拡大していく必要があります。そのために必要なのはパワーエレクトロニクス人材です。エネルギーを「見える化」して、情報制御をしっかりとできる、例えば、社外パートナーと提携してデジタルツールなどで工場の状態を把握できる、そんな技術を持った人材の強化が必要です。これからは時代に合わせて、人材のポートフォリオを変えていく必要があります。
オムロンのサーボドライブの強みについてお聞かせください
簡単なサーボ調整で、高い制御性能を実現することについて、顧客からの評価は高く、業界№1を目指し、この強みを磨き続けています。
また、コントローラやセンサ、サーボドライブなどのIAB 商品はセットで使われますが、それぞれがつながることによって、単品では生まれないような新しい価値を創出させていることも我々の強みです。サーボドライブでは現在、様々なシリーズを販売していますが、例えば、コントローラとサーボドライバをセットにして密結合し、高速高精度制御を実現することを得意としています。また、密結合だけでなく、セーフティー機能を加えて機械を安全に動かす技術があり、この制御と安全の両立も強みとしています。ドライバ単品だけではなくて、システムとして強みをつくることで、専業メーカなどの競合他社にも模倣されにくいという優位性を確保して、現在売り上げを伸ばしています。
今後の戦略についてお聞かせください
社会的課題の解決を軸に、まず、土台としてのドライブそのものの価値は拘って、高め続けます。そこに加え、IABがもつ、豊富な商品ラインナップをフル活用し、強い商品同士をつなげることで、実現できる価値を最大化し、それらをセットで売ることによる相乗効果で、売上を伸ばしていくことが基本戦略となります。
経営トップも力を入れており、これから大きく成長していく部署になるのでやりがいも持っていただけると思います。
海外とのやり取りも多くありますか
特に開発とSEは世界中にいるので、開発はグローバルのメンバーと、どういう商品が欲しいのか、どんなニーズがあるのかなど、コミュニケーションを取る機会が多くあります。今はコロナで少なくなりましたが、コロナが終われば出張する機会にも恵まれると思います。
新商品の開発はどのように行われますか
ドライブ商品は幅広く、数多くのラインナップがあります。複数のお客様の声を聞いて、こんな商品づくりをしようというコンセプトをつくって、開発を進めていきます。お客さまが要望したものをそのままつくるということではありません。FA商品は継続的な供給を求められるので、汎用的に商品をつくる必要がありますし、売上げの総量の大きさも必要です。
基本的にはお客さまの声を聞くことから始まりますが、その声を分析して、社会的課題の解決という視点から自分たちで立てたコンセプトに基づいて商品をつくっていきます。
最近ではお客様自身が課題を明確化していないこともあるので、私たちの方から社会的課題の解決策を提示し、新商品のコンセプトを立てて、お客さまに提案し、それに対する評価を聞いて、さらにコンセプトを固めていくという進め方が多くなっています。
04. 部署の雰囲気や教育体制について
活躍している人材についてお聞かせください
意欲的な目標を自ら設定して、失敗にくじけることなく、達成に向けて走っていける強さを持った方が活躍しています。企業理念である「ソーシャルニーズの創造」「絶えざるチャレンジ」を体現している方です。失敗しても最後まで走りきる、そんなメンバーには年齢に関係なく、積極的に機会を与えられます。できるようになったからポジションが与えられるというよりかは、まずはやってみて成長を促していく風土があります。
キャリアが浅くても機会は与えられますか
ドライブ商品にはモータを制御するコア技術があります。それをやってみたいという入社4年目のメンバーがいたので、手を挙げたメンバーをその技術開発のリーダーとして経験を積んでもらうことにしました。先輩をフォロワーとしてつけましたが、若いメンバーはリーダーとして中心になって開発を進めて、今も活躍しています。コアな技術開発でも意志さえあれば、まずはやってみる、そして、経験を積みながら技術知識を高めてもらっています。
部署の雰囲気についてお聞かせください
ドライブ事業部にはいろんな技術分野や経歴を持つ中途入社のメンバーが多く集まり、多様性に溢れており、互いに意見を活発に出し合いながら開発を進めています。元気に自由闊達に議論をしながら仕事に取り組んでいます。いろんなタイプのメンバーがいるので、マネジメントはメンバーのフォローに力を入れています。成長するためには機会が必要なので、月に1回、メンバーと面談を行って成長できる機会をしっかりと与えられているかを確認するなど、密にコミュニケーションを取っています。
メンバー同士が教え合うこともありますか
ドライブ商品の特徴はすごく多様な技術で成り立っているので、一人の力だけで開発することはなかなかできません。部署には専門領域を持ったスペシャリストが集まっているので、それぞれが意見を出し合って一つの商品をつくり出すのが基本となっています。そのため技術分野の違うメンバーが互いに教え合っています。また、新しく入社したメンバーには指導者とメンターがついて育成していきます。
他部署と連携することはありますか
オムロンの商品を組み合わせてソリューションとして価値を生み出すことを目指しているので、他部署との連携は欠かせません。開発拠点のある草津事業所には、開発専用のデモ機が設置されています。そこで複数の事業群の商品を組み合わせて新たな価値を生むために、いろんな部署の技術者が集まり連携して開発を進めています。
また、いろんな専門性を持った開発者がいるので、ドライブ事業にはない技術を持つメンバーが他部門にいます。そのメンバーに講師になってもらい技術塾を開催して、部内にはいないスペシャリストから部署を超えて技術を教えてもらえるような交流も行っています。
05. 求める人物像やワークライフバランスについて
求める人材についてお聞かせください
まずは技術にこだわりをもっていること、それはベースとして持っていてほしいと思います。おそらく、キャリアで転職される開発の人たちは、開発に関する知見や技術の軸はあると思います。その経験と技術を使って、世の中を良くしたい、社会的課題を解決したい、お客さまに貢献したいといった意欲のある方を求めています。技術を軸にして社会貢献や顧客の課題解決をしたいという志向を持った方に来ていただきたいと思います。そんな志向をお持ちの方ならオムロンで必ず成功すると考えています。
キャリアパスについてお聞かせください
基本的にはそれぞれの価値観に合わせたキャリアパスを用意するようにします。オムロンでは技術に特化してスペシャリストとして社会貢献していくキャリアパスがあります。また、技術よりも経営を軸として社会貢献していくマネージャーを目指すキャリアパスもあります。
スペシャリストもマネージャーも待遇に変わりはなく、それぞれの価値観に合わせたキャリアパスを進んでいくことができます。
働き方についてお聞かせください
残業は月に10~20時間です。男性の育児休業の取得実績も増えてきており、昨年度(2021年度)は、部内でも3名が2~6カ月間の育児休業を取得しています。
有休制度は可能な限り、すべての日数を取得しようと年間20日の有給取得を目指す取り組みを行っています。労働時間もできるだけ短くすることに取り組んでいますが、開発の仕事は頑張りたい時は、時間をかけてでも頑張る必要があります。そんな時は残業時間を減らすより、有休をうまく使いながら、頑張る時は頑張って、有休の取得を進めて、全体的な労働時間を減らすことでバランスを取っています。だから、有給の取得にはこだわっています。やる時はやって、休む時はしっかりと休む。そこは個人の裁量に任せて、ある程度幅を持たせながら、休日取得に注視して管理を行っています。
リモートワークも行っており、コロナが終わっても続けていく方向です。みんなと話し合って、ずっとリモートワークをするのではなくて、週に3日出社して2日はリモートといった出社とリモートのハイブリッド型がいいのではと考えています。
フレックス制度を利用するメンバーも数多くいます。特に子育て世代のメンバーはお子さんの送り迎えなどで利用するケースが多いです。
草津事業所の良さについてお聞かせください
ファクトリーオートメーションIABの開発部署が草津の拠点に集まっています。そのため、いろんな技術者と交流できることが草津事業所の良さだと思います。他にもATCセンターという実機が多く設置されている場所もあり、その実機をベースに技術者が活発な交流を行っています。
06. 転職希望者へメッセージ
最後にオムロンのドライブ事業部に興味をお持ちの方にメッセージをお願いします
意志さえあれば、いくらでもチャンスはあります。機会は用意しますので、必ず活躍できると思います。単にチャンスを与えるだけではなくて、マネジメントもそこのフォローはしっかりと行います。
自己の成長と社会貢献といったオムロンの企業理念に賛同いただける方にとって楽しく仕事ができる環境があるので、ぜひ来ていただきたいと考えています。