企業インタビュー
[ 小西咲株式会社 ]
【小西咲株式会社】取締役 技術部長に製品の強みや社風・中途採用の求める人物像についてインタビュー!
01. 会社概要
小西咲は高い技術力を有する少数精鋭のモノづくりカンパニーです
高速道路や新幹線を始めとする鉄道など、インフラを陰から支える製品等を製造しております。具体的には、掘削工事(シールド工法)にて使用する、土砂を掘るための装置や土砂運搬に関する設備機器に加え、土木工事で使用する足場、歩廊、階段、防護柵及び災害防止対策設備等も製造しております。
普段、あまり目の当たりにすることのない場所で、小西咲は、着実に技術と実績を積み重ねています。
02. ご経歴について
まずは、ご経歴からお教えください。
高校を卒業して小西咲に入社し、最初は機械設計に携わりました。その後、会社の規模が拡大するにつれて業務の内容も変わっていきました。入社した頃は会社として機械全体の一部分をつくっていましたが、今では機械全体をつくるようになったので、機械設計に加え、電気や制御設計などの業務も行っています。機械の種類も変わり、サイズも大きくなり、その内容も濃くなっています。
機械設計から電気制御など業務が広がった理由についてお聞かせください。
入社した頃は、大手機械メーカー様からの仕様書に沿って製作しており、機械メーカー様がつくる機械の一部が主体でしたが、現在は機械を実際に使うゼネコンなどのお客様のところに直接伺って機械全体を受注するようになっていきました。エンドユーザー様と対面で仕様をつめていくようになって仕事のやり方も変わり、幅も広がっていきました。
機械メーカー様からエンドユーザー様へと取引を広げた理由についてお聞かせください。
機械メーカー様からの仕様書に沿って機械をつくるだけでは他社との価格競争になります。価格競争にならないためには、会社として特殊性が必要です。そのために、小西咲では競合他社が少ない特殊な分野に挑戦して、仕事を増やしてきました。そのため、現在取り組んでいる事業も今後の市場の変化に合わせてどんどん変化していくと思います。小西咲には「今のままでいい」ということはないのです。
新しい分野に挑むために必要な新技術の知見はどのように習得されましたか。
一部分の機械をつくっていた時は、電気関連の技術は必要ありませんでしたが、機械全体をつくる時には、その機械を動かすために電気関連の知見が必要になりました。最初は自分なりに勉強して、お客さまに教えてもらいながら開発を進めていました。1回経験すれば、2回目は次の階段を上がることができます。それを少しずつ、少しずつ増やしていきました。会社として、昔は電気設計を外注していましたが、今では社内の電気技術者が設計を担当しています。
03. 製品や会社の強みについて
御社の主力製品について教えてください。
昔は製鋼所で使われる鉄をつくるラインやパイプをつくるラインの一部分の機械をつくっていました。しかし、国内の鉄鋼業が縮小し、数多くあった鉄鋼メーカーも吸収合併して、大手の数社のみになりました。仕事も減り、将来的にも市場が拡大する見込みもありませんでした。そこで、高速道路や鉄道、トンネルなど大型の建築・土木プロジェクトに必要となる構造物や機械を製作するようになりました。現在は、トンネルなどの土を掘りだすシールド工事に使われるスクリューや掘り出した土を運搬するためのコンベア、現場の安全確保のための設備などが主力製品となっています。主力製品のスクリューコンベアは、道路やトンネル、下水道、共同溝、雨水の貯留施設などはシールドトンネルを掘るために使われています。シールドトンネルでは掘った後にセグメントという内壁を一つずつ組み込んでいきます。その内壁を運ぶクレーンや組み立て用設備など、土を掘るだけではなく様々な機械や設備が必要になります。
また、トンネルを掘れば土が出ます。排出された土砂を運ぶ必要があり運んで行った先でその土を受けて、順々にリレーで土を現場から排出していく、そうした運搬の付帯設備もあります。
小西咲の強みについてお聞かせください。
大手ゼネコン様や大手デベロッパー様から直接依頼を受けて、1度仕事をさせてもらったら、数年後にまた発注をいただけるようになりました。普通の会社であれば営業が外回りをして、提案をして仕事をもらうカタチだと思いますが、当社は設計技術者とお客様とのつながりから、別の企業様を紹介いただき、そこからまた新しいつながりができる、そんなカタチでお客様が増えていきます。
大手ゼネコンの中でも社内の技術者同士で話をして、例えば小西咲と仕事をしたことのある技術者に、別の技術者がシールドのことで相談を持ち掛けると「小西咲さんに頼んで聞いたら分かるから」と紹介していただけるのです。
これは小西咲が機械を一品一様で設計・製作しているからです。ある程度、機械のベースはありますが、そのベースやこれまでのノウハウをもとに、「こんなことはできないか」というお客さまからの相談を受けて、技術者がその要望を実現することで仕事とお客さまの幅を広げているのです。
もちろん、ベースやノウハウのない相談もあります。むしろ、そういった相談の方が多いかもしれません。そんな時はある程度お客さまと話をして、「他社でやっていることと全く同じようにならないかもしれません」と納得していただいて仕事を進めます。どうしてもできそうもないものであれば、お断りすることもありますが、何とかできそうなものは失敗するリスクも含めて理解していただいた上でお引き受けしています。このようにお客さまに寄り添って仕事を進めて、信用を築くことで仕事が広がってきたのだと思います。
あとは現場に納めてからトラブルが起きた時に迅速に対応します。トラブルはマイナスだけではなくて、プラスにすることができると考えています。
また、一つの現場で使用されるスクリューコンベアなどの機械設備には、実は標準品がないのです。大型の建築・土木プロジェクトでは多くの場合、各ゼネコンの担当者様が集まってきてJV(ジョイント・ベンチャー、共同企業体)がつくられます。その工事では前と同じ工法でやると、その担当者様の特徴が出ないので、何か新しいことに挑戦したい、という想いが生まれます。この「新しいことをしたい」という想いから、何か新しいことをしたい、こんなことができないかといった相談から私たちの仕事が始まります。
そして、こうした相談から始まる仕事には競争相手はいないのです。
今後の展望についてお聞かせください。
これまでは、リニア新幹線のシールドトンネルや東京での道路やトンネルを中心に行っておりました。今後は「大阪淀川の左岸線建設」、「地下鉄の延伸」及び「北陸新幹線の延伸」が計画されているので、まだまだ忙しい時期が続くと思います。ただ、建築・建設以外にも私たちが挑戦できる分野は他にも何かないかということはいつも頭の中で考えています。
会長と社長についてお聞かせください。
小西咲は機械部品の製造から始めて、製品や機械全体を自分たちでつくれるような組織まで、少しずつ事業を拡大しております。その中で、会長は小西咲の創業者であり、現場のことも熟知しておられますし、取引先も広げてこられました。私は入社して約40年になりますが、会社に入った頃は製品や作り方などを会長からいろいろと勉強させてもらいました。
社長は現場だけではなく会社全体や社員のことを考えて、会社を着実に成長させてこられており、他の社員よりも朝早く出社して、毎日のように工場を見て回り、仕事の進捗も常に頭に入れています。製品を見て、何かおかしいと違和感に気付くのも早いです。
04. 教育制度について
職場の環境や風土についてお聞かせください。
他社を経験したことがないので、比較はできませんが、閉塞感みたいなものはなくて、開放的な風土だと思います。何か意見があれば率直に言ってもらってもいいですし、自分の意見を言った方が良いと思います。頭ごなしに否定されることはありません。
仕事のやりがいについてお聞かせください。
仕事の魅力はモノづくりの0から10までのすべてに関わることができ、最後はお客さまのところに納めて、トンネルをつくっているところまで確認することができます。自身で設計したものを社内工場で組み立てる工程も見られますし、お客さまのところに納めて、予定通り稼働するのかを現地で確認することもできます。担当した機械のすべてに関わることができるのはとても充実感のある仕事だと思います。
もちろん、一筋縄ではいかないこともあります。お客さまと話をして、構想からすべての仕様を決めて、図面をつくって製作にかかって、機械ができあがります。それをお客さまのところに納めたら、どこかおかしいと連絡があり、現場に行くと最初に話をしていた使い方が変わっていて、そこですぐに変更された使い方に合わせて機械を改造しないといけないこともありました。シールド関係の機械はトンネルを掘り終えたら、基本的に廃棄され、機械としては2~3年位しか使われません。その意味で新しいことに比較的チャレンジしやすいのも仕事の面白さではないかと思います。
若手でも大きな仕事を任されるチャンスはありますか。
すでに工場で組み上がって、間もなく出荷されるトロンメル(分級機)付スクリューコンベヤ付ホッパー台車という機械は、入社して1年半の新人が手掛けたものです。以前にベースとなる機械はありましたが、他の仕事を挟みながら、自分なりに勉強して、分からないところは先輩に聞いて、完成させてくれました。若くてもやる気があれば十分に機械設計技術者として活躍できます。もちろん、作業の最中や図面も上司がチェックします。
これからは技術やノウハウの継承がとても大切ですが、いかに伝えるか、いかに残していくのかが課題です。だから、分からないことがあればどんどん質問して欲しいと思っています。質問には必ず答えます。そんな風にして仕事をしてもらえれば、技術を継承していけると考えています。
案件の進め方についてお聞かせください。
案件には機械ばかりではなくて、部品の案件もあります。月に1回お客さまと打ち合わせを行いながら少しずつ進めていくような3年先、5年先の長いスパンの仕事もあれば、現場トラブルや一部変更など1ヵ月未満で終わる仕事もあります。一人の技術者においても小さな仕事から大きな仕事まで複数の仕事を同時に進めています。
05. 中途採用の求める人物像について
求める人材についてお聞かせください。
経験がある方がいいのですが、実際に小西咲がつくっている機械の経験者は、競合他社が少ないので存在しないと考えております。だから、まず好奇心のある人が良いと思います。いろんなことをやってみたい人を求めています。機械設計だけでなく電気制御もやったみたい人や組立から生産管理に挑戦したい人などを歓迎します。いろんなことに挑戦して、いろんな可能性を広げてください。個人がプラスにならないと会社もプラスにはならないと思っています。
また、当社で活躍している人の多くは想いや熱意をもって仕事をしております。小西咲は独自性の強い製品をつくっているので、こちらから指示を出さないと仕事ができない人ではなく、ある程度、自分で考えて仕事を進められる人を求めています。
教育制度などについてお聞かせください。
入社時の受注状況にもよりますが、入社時はシールド関係の機械設計を担当していただきます。具体的には切り取った土を運ぶスクリューやコンベアの案件からお任せすることになると思います。この機械はこれまでに数多く手掛けてきていることからベースがあるので、まずは類似設計を繰り返して基本的な技術知識を習得していただきます。
技術教育は週2回1時間でテーマを決めて研修を行っています。
他には電気関係の外部研修に行っているメンバーもいます。機械を動かすためには電気が必要です。ボタンを押したら、これが光る、回転が速くなる、曲がるといった動きがあって初めて機械として成り立ちます。機械だけをつくっても動くかどうか、制御的な設計がないと、機械として成り立ちませんし、電気のことを分かっていないと、止まると思っていたら止まらないこともあります。一つの機械として成り立つためには、機械と電気の2つの知見が必要だと考えておりますので、学ぶ場を設けています。
なお、失敗自体が悪いこととは私は考えておりません。失敗をして、そこから学び、日々勉強を積み重ねてこそ、次があると私は考えています。
06. 転職希望者へメッセージ
最後にメッセージをお願いします。
小西咲は製鋼所関連の機械から現在はトンネルシールド関連の機械へとメイン製品を移行しました。これから先もどんな仕事をするかは分かりません。お客様から求められ、試行錯誤することで事業を進めていますし、困っているお客様がいたから、その要望を実現することで小西咲は成長してきました。どう考えてもできないかもしれない、それでもお客さまのためにチャレンジする。そんな仕事に興味を持って取り組みたいと考える人のご応募をお待ちしています。