企業インタビュー
[ ナブテスコ株式会社 ]
【ナブテスコ(株)精機カンパニー】開発部長に社風・働き方・求める人物像についてインタビュー!
01. 会社概要
「うごかす、とめる。」で社会に貢献するナブテスコ株式会社は、モノの動きを精密に制御する独自のモーションコントロール技術を武器に、数々の世界・国内トップシェア製品を保有する精密機器メーカーです。
その技術・製品は、産業用ロボット向け精密減速機や油圧ショベルなどの油圧製品、鉄道・船舶・航空機などの制御機器、自動ドア、ホームドアなど、様々な製品に使用されています。経済産業省が選ぶ2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」にも選定されました。
今回お話を伺った精機カンパニーでは、産業用ロボットの関節に使われ、緻密な動作を実現すると同時に力強さを支える要の部分、精密減速機RVTMを主に開発・製造しており、この分野で30年以上の実績と世界シェアの約60%を持つにいたっています。
02. 業務内容について
精機カンパニーではどのように開発・設計業務を行っていますか?
私たち精機カンパニーは、産業用ロボットの関節に使われる精密減速機RVTMなどの製品を取り扱っています。
技術部門は設計機能と開発機能の2つに大きく分かれています。
設計は出来上がった減速機をお客様のロボットに合うようにカスタマイズしたり、お客様の仕様に合わせてインターフェイスを変更するなど、お客様により近いところでお客様のお困りごとを解決する仕事を行っています。また、ロボットメーカーのお客様だけでなく、工作機械や半導体など幅広い分野のお客様からもニーズや仕様をいただいて、それに合うようにカスタマイズを行っています。
国内はもとより海外のお客様ともお付き合いがあり、日本のお客様は日本語で海外のお客様とは英語でやり取りすることもあります。
一方、開発はさらに3つの機能に分かれています。
一つは新しい製品シリーズを開発する機能です。ロボットの進化に合わせて、減速機も進化を続ける必要があると考えており、世代ごとに減速機の性能を上げていく取り組みを行っています。
直近でいうと「RV-Z」という新しいシリーズをリリースし、先月の「2022国際ロボット展」にも出展しました。
二つめの機能は減速機を作っていくうえで必要不可欠な要素技術の開発です。減速機の材料や軸受、歯車などの要素研究・開発を行っています。これらの主要技術についてはサプライヤー様のサポートを頂きながら自社で研究・開発を行っています。
もう一つの機能は私たち技術部隊の業務を円滑に効率的に進めるための技術支援ツールの開発です。3DCAD活用や技術文書を管理するシステムの開発などを担うグループがあります。既存システムも利用しながら、当社の仕事の進め方にマッチする仕様にカスタマイズしたり、機能を拡張するためにアドオンをのせたりしながら、システム開発を進めています。
新シリーズ「RV-Z」は、どのような特徴をもっていますか。
今回の「RV-Z」の特徴は、剛性を向上させたことです。ロボットがより重いものを持ち、その重いものを持った状態でもアームがたわまない、もしくはロボットが動いた後にフラフラしないように、関節にあたる減速機の構造を進化させて剛性を上げることで、ロボットの性能向上に寄与しようと「RV-Z」を開発しました。
精密減速機で世界60%以上のシェアをもつ強みはどこにありますか。
いくつかのポイントがあると思います。
技術面からみると長期にわたってお付き合いしているお客様が多く、そのためにお客様のやりたいこと、こうありたいということを私たちが理解していることが強みになっています。
また、お客様のやりたいことを、なんとか実現したいという気持ちをもって、みんなが仕事に取り組んでいる組織風土があり、それをお客様にご理解いただいているのではないかとも思っています。
もう一つは、お客様との密なコミュニケーションにより、お客様の新鮮な情報をいただけることです。お客様の開発の初期段階からお話しをいただくこともありますし、技術対技術で議論を進め、レスポンスよく提案できることも強みになっています。
もちろん、品質に対する評価もあると思います。ロボットは主に自動車メーカーの製造ラインで動いているので、ロボットが止まると大きな損失が生じます。私たちの精密減速機RVTMは壊れることなく、安心して使えるという信頼を感じていただいていると思います。
さらに、設計や開発によって品質を向上させる取り組みに加えて、高品質な製品を大量に安定的に供給するモノづくりの部分でも、お客様から評価をいただていることが強みになっています。
これから減速機はどのように進化していきますか。
当社がロボットに搭載される精密減速機RVTMを1986年に製造・販売してから、世代を追うごとに機能を付加したり、スペックを上げたり、精密減速機RVTMの進化が現在のロボットの進化に貢献できていると考えています。当然、これからも進化をしていくべきものだと考えています。
もっと速く、もっと重いものをもっと高い精度で動かすことのできる、よりコンパクトなロボットを開発することが、お客様にとって永遠のテーマだと思っています。大きさ、重さに対してどれだけ出力を上げられるか?
これまでも出力密度を向上させることに取り組んできましたが、これは今後も継続して取り組むテーマだと思います。
減速機はどのくらいの精度を求められますか?
精密減速機RVTMの部品はミクロンオーダーの寸法で加工・管理されていて、その部品で組み立てた減速機は、例えば1メートル先でわずか0.3㎜の誤差しか生じません。この高い精度が産業用ロボットの精密な溶接や動作を支えています。
03. 仕事のやりがいについて
この仕事のやりがいはどんなところにありますか。
設計や開発は、お客様と直接お話をして、そこからニーズをキャッチし、お客様がやりたいことを一緒に実現していきます。最終的に新しいロボットが「思い通りにつくれた」といわれるのは嬉しいですし、大きな達成感があります。
また、要素技術の研究は誰もやったことがないことにチャレンジするので、山は高くとても難しい仕事だと思いますが、尚更、こうなるのではないかと仮説を立てて、それを検証してその通りになった時には大きな喜びを感じることができます。その通りにならなかったとしても、こうした結果が出るのは、もしかしたらこれが原因かもしれないと、仮説と検証のサイクルをぐるぐると回していきます。こうした取り組みを通じて、知識や知見を蓄積していくのは技術者として非常に面白いことだと思います。
技術部門で増員を予定されている理由についてお聞かせください。
ロボットや工作機械などの用途が広がってきており、その中でお客様の要望やニーズも多岐にわたってきています。その声に応えていくために増員を予定しています。
04. 中途採用で求める人物像について
求める人材についてお聞かせください。
ナブテスコで働くことでエンジニアとして成長して欲しいと思っています。そのために自律的に行動できる方を求めています。指示待ちではなく、「次はこういう局面が来るだろうから、こういう準備をしておきます」とか「こういう風にしたいと思っているので、これでいいですよね」というくらいの勢いでリーダーや上長に対して自分の意見を述べて、自分で仕事を回せるエンジニアに成長して欲しいと考えています。
少し重めのタスクを任せることもあると思います。それを自分のテーマ、自分のタスクだという意識を持ってもらって、積極的に取り組むことで、ステップアップできる環境をつくりたいと考えています。
働き方改革についてどんな取り組みを行っていますか。
働き方改革やワークライフバランスを大切にしていこうと有給休暇取得率80%を目標として掲げています。メンバーには月1日以上の有給休暇を取得できるように、仕事のスケジュールを計画するようにと指示しています。また、フレックスタイムの活用もしながら柔軟な働き方を実現していこうと取り組んでいます。
05. メッセージ
応募を検討されておられる方へのメッセージをお願いします
産業用ロボットや自動化産業と呼ばれる市場に対して、ナブテスコの製品であればこそ貢献できることがあると思っています。この市場は今後も成長していくことが見込まれる分野で、この市場で働くことでSDGsを含めて世の中に貢献できる場所に身を置くことができます。
また、技術部門の職場には若いエンジニアが多いため、風通しが良く、お互いに協力しながら仕事を進めています。すべての仕事が成功するわけではなく、失敗することも少なくありません。しかし、その失敗を糧にしながら、より質の高い仕事につなげていける環境があり、エンジニアとしての成長を実感してもらえると思います。
さらにエンジニアは国内外の幅広いお客様を担当します。また、技術部門は工場に併設されているため、製造との強いつながりもあります。そういう意味では、お客様とのコミュニケーションだけでなく、製造というモノづくりを知ることもできるので、とても広い視野を持つエンジニアに成長できる環境もあります。
仕事を通じて達成感を得ながら、ここでみんなと一緒に成長していきませんか。みなさんのご応募をお待ちしています。
06. 取材を終えて
今回の取材を終えて特に印象に残ったことが3つあります。1つ目は想像以上に緻密さが求められる高度な技術を実現していること、2つめは取材させて頂いた皆さんが世界のモノづくりを支えているというプライドを持って働いていらっしゃること、最後は、人を育てるという組織風土が根付き引き継がれているということです。
住宅面での支援も充実している会社でもあり、自信を持ってお勧めできる会社です。
是非エントリーをご検討下さい。