メーカー職種解説
[ 生産技術 ]
生産技術と品質管理の違いとは?仕事内容と向いている人を解説
製造業の求人を見ていると、「生産技術」と「品質管理」が並べて書かれてあることがあります。どちらも製造ラインに関わることから、生産技術と品質管理の具体的な違いがいまひとつわからない人もいるのではないでしょうか。 今回は、それぞれの仕事内容の違いや、役割について解説していきます。
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【仕事内容】「生産技術」と「品質管理」の違い
生産技術も品質管理も、顧客により良い製品を届けるために活躍する仕事です。
社外向きな品質保証の仕事とは違い、社内で改善活動を行うのが生産技術と品質管理の特徴です。
では、それぞれの仕事内容の違いについて解説していきましょう。
生産技術の仕事内容
生産技術は、生産ライン全体の設計、管理を行う仕事です。
効率の良い生産体制を築くために、品質と効率をバランス良く向上させる役割を担っています。狙いの品質を損なわない範囲で、早く生産することを目指すため、生産技術の仕事においてはこのバランスが非常に重要な要素となります。
また、目標とする生産ラインに必要な設備、環境が整っていなければ、生産技術が設備導入などを行い、現場の調整を行わなければなりません。
そのほか、生産設備や人員の配置を最適化したり、生産ラインの稼働テストを指揮して不具合がないかどうかを確かめたりする仕事も担います。
全工程に携わる生産技術は、非常に責任があるポジションといえるでしょう。
高品質な生産工程を築く重要な役割であるため、単に技術力やモノづくりの知識だけではなく、生産ライン全体を管轄できるマネジメント能力が必要とされます。生産技術の平均年収について、こちらの記事で詳しく説明しています。
品質管理の仕事内容
品質管理は、製品の品質を一定水準以上に保つ仕事です。仕事内容は、大きく「工程管理」「品質検証」「品質改善」の3つに分けられます。
生産工程の調整や改善により、不良品を出さないようにするのが主な役割です。また、検査を行い、不良品があった場合には、各現場へその情報を提供して問題解決に取り組みます。
品質管理では、PDCAサイクルとQC7つ道具という手法に則り行われます。
それぞれ詳しく説明しましょう。
・PDCAサイクル
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実施)、Check(確認)、Action(処理)の頭文字をとったものをいいます。概要は以下のとおりです。
P=Plan(計画):蓄積されたこれまでの実績や将来予測などを基に検査基準書を作成する
D=Do(実施):作成した検査基準書に従って品質検査を実施する
C=Check(確認):実施後の検査結果が検査基準書の想定なのかを確認する
A=Action(処理):検査基準書の想定を外している部分の原因を突き止め処理する
・QC7つ道具
統計の観点からデータを分析する手法です。その名のとおり、7つの分析ツールを用いることからQC7つ道具と呼ばれています。
以下がその概要です。
1.ヒストグラム(棒グラフ):検査結果の測定値を分布で可視化する
2.管理図(折れ線グラフ):生産工程を時系列で表示させて工程の以上をチェックする
3.チェックシート(図表形式シ―ト):決めた項目を点検、記録し正しいデータを収集する
4.パレート図(棒グラフ+折れ線グラフ):不良項目を降順にし重点項目を把握し対策を練る
5.層別(図形さまざま):不良箇所を特徴別にグループ分けし、問題点を具体的に把握する
6.特性要因図(魚の骨図):発生した不良箇所の特性と付随して影響している要因をまとめる
7.散布図(点描の図):2種類のデータを点で示し、両データの関係を視覚的に把握する
QC7つ道具は品質保証にも共通する必要な知識です。
品質管理と品質保証の違いや、扱う知識については、以下の記事で詳しく説明しています。
生産技術に品質管理が含まれている
生産技術は品質や原価を設定するほか、納期を管理し製品を生産します。
その工程には、在庫管理や生産計画、需要予測といった業務も含まれ、そのひとつに品質管理があります。
つまり、生産技術はモノづくりを行う工程のほぼすべてに関わり、品質管理は生産技術の全工程の中のひとつ、ということです。
生産技術は幅広く製造全体に携わりますが、品質管理は生産技術が請け負う業務の一部分であることから、より専門性の高い職種である、といえるでしょう。
【向いている人】「生産技術」と「品質管理」の違い
ここからは、生産技術と品質管理のそれぞれに向いている人の特徴について説明します。
生産技術に向いている人の特徴
まずは、生産技術に向いている人の特徴です。
主に以下のふたつが挙げられます。
・モノづくりへの興味
・忍耐力
それぞれ詳しく解説しましょう。
モノづくりに興味がある
どれだけ良い製品を作れるか、効率的に作れるかといった、モノづくりへの好奇心や興味があることは生産技術を目指す上で大事なポイントです。
品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)を満たすため、自社の生産体制全体に真摯に向き合うのが生産技術の仕事です。コスト管理からマネジメントまで、幅広い知識とスキルが求められるため、モノづくり全般に興味関心がある人の方が向いていると言えます。
また、どの工程を修正すればより速いスピードで生産できるか、コストを抑えられるかと、製造プロセスを常に追求する好奇心や探究心が活かされます。
モノづくりに対する興味が高い人は、現場に入ってからより早いペースでスキルや知識を吸収できるでしょう。自社のデータだけでなく、他者の改善事例などを学び、積極的に取り入れていく姿勢があると、より生産技術で活躍ができます。
忍耐力がある
生産技術には忍耐力も求められます。
最適なプロセスを考えるためには、一度生産ラインを稼働させたあとも改良を重ねる必要があります。継続的に見直し、無駄な工程やコストが削減できるポイントを見つけて改善方法を考える忍耐力が重要です。
新製品の量産体制を築く場合や、生産工程自体の改善が必要な不良が発生した場合など、大勢のメンバーと協力して仕事するケースも多いです。品質とコストを管理する立場上、他部署との板挟みになることもあるため、高いストレス耐性を求められる仕事でもあります。
他部署の担当者だけでなく取引先と関わる機会も多く、相手の立場や要求を理解してうまく調整していくコミュニケーション能力が重要です。忍耐力も併せた人付き合いにおける高度なスキルが必要といえるでしょう。
品質管理に向いている人の特徴
一方、品質管理に求められるのは以下のようなスキルがある人です。
・観察力
・危機管理能力
どちらも製品の品質を維持する上で、重要なポイントとなります。
鋭い観察力がある
不良品を社外に出さないことが品質管理の大きな役割です。そのためには、常に現場を観察し、異常や不具合を察知する能力が必要です。
再現性が必要な製造現場において、平時との違いはいち早く発見し、改善していく必要があります。鋭い観察力を持ち、不良が発生する根本的な原因を特定できる人であれば、より活躍できるでしょう。
危機管理能力がある
リスクを最小限に抑えるためには危機管理能力も欠かせません。
品質管理は、不具合の修正はもちろんですが、そもそも不具合が発生しないように管理することが必要です。
危機管理能力がある人は事前にあらゆるリスクを想定でき、対策の筋道を立てられるため、品質管理において力を発揮できるでしょう。
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まとめ
生産技術と品質管理は製造業において非常に重要な役割です。
それぞれ製造や品質の維持、改善が主な仕事でありモノづくりに興味がある人は活躍できるポジションといえるでしょう。
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