企業インタビュー
[ 小林製薬株式会社 ]
【小林製薬(株)】ヘルスケア事業部マーケティング部の部長に今後の展開・社風・求める人物像についてインタビュー!
01. 会社概要
「“あったらいいな”をカタチにする」をスローガンに、生活者の視点に基づいた製品づくりを強みとする医薬品、医薬部外品、日用品メーカー。
水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」や芳香剤のパイオニア「サワデー」、コンタクトレンズユーザー向けの洗眼薬「アイボン」など画期的な製品を生み出し続け、現在に至ります。「ニッチマーケッター」として隙間市場へ革新的な製品を投入し、ヒット製品に育てることによって新しい市場を拡大。
「人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念に基づき、医薬品、栄養補助食品や日用雑貨品などの分野で、さまざまな製品をしており、現状の事業領域にとらわれず、常に幅広い視野を持ち、多彩な分野に向けて事業活動を行っています。
02. ご経歴について
まずはご経歴についてお教えください。
前職は大手消費財メーカーに20年間勤務し、マーケティングや海外事業に携わっていました。海外勤務をしたいと小林製薬に転職して10年目になります。小林製薬に入社後は、本社で2年間勤務した後、6年間中国法人に駐在し、再び本社に戻って1年が経ちました。
現在はヘルスケア事業部で医薬品やサプリメントなどのマーケティング部の責任者をしています。
転職されて前職とのギャップを感じることはありましたか。
ほとんど違和感はありませんでした。日用品と医薬品の違いはあるにしても、職務はマーケティングだったので、マーケティングで使う用語やどうやってブランドを強く育成するのかといった根本的な考え方は同じです。だから、違和感なく中途入社でもすんなりと職場に馴染むことができました。
ただ、いろんな新製品のマーケティングを担当できたり、社長に直接プレゼンできたりするということは前職と大きく違っていましたし、そこに仕事の魅力を感じました。やはり、経営者の考え方に触れられるというのはすごく貴重な経験です。予算についても経営者と同じ目線で考えて、議論を戦わせることができることは、自分にとって大きな成長の場になっていると感じています。
03. 業務内容について
ヘルスケア事業部のマーケティング部の組織体制についてお聞かせください。
マーケティング部は約40名の体制で、6割が女性です。そして、漢方・生薬グループ、西洋薬グループ、食品グループ、新製品開発グループの4つに分かれています。漢方、西洋薬、食品の3グループは各グループ7~8名でブランドマネージャーと開発の2つの職務があります。新製品開発グループでは8名のスタッフが開発を専門に行っています。
平均年齢は約30歳で、そのうち半数はマーケティング業務の経験が3年以下と職歴の浅いスタッフです。これは小林製薬が「国際ファースト」をスローガンに掲げて、海外事業を強化しており、国内でマーケティングをしっかりと身に付けたスタッフは海外事業に異動して活躍するという流れになっているためです。こうした海外事業への異動に対応するために、現在国内のマーケティング部ではキャリア採用に力を入れて人材の強化を図っています。
マーケティング部の戦略について教えてください。
小林製薬の「小さな池の大きな魚」戦略(※)という言葉にも表れています。私たちはニッチャーであり、超大手消費財メーカーと正面から勝負するのではなく、これからも私たちが勝てる土俵で戦っていきます。今までなかった市場や小さな市場で他社が入り込んでいないところを見つけて、いち早く商品を投入していきます。発売当初は市場がなかったり、すごく小さかったりするので、商品をリリースしていきなり10億円を売り上げることはほとんどありません。そのためにマーケティングにかけるコストも限られていますが、少ない投資で最大限の効果を上げられるよう、広告やパッケージについては1度見れば、それが何のために使う商品かを理解してもらえるように分かりやすさを徹底的に追求しています。
周りの方から「ナイシトールはたくさんCMしていますね」と言われることがよくありますが、実はCMの回数はそれほど多く流しているわけではありません。これは1回のCMのインパクトが強いからだと思います。15秒のCMの中で、どんな人に向けて、どんな効果がある商品なのかということをパッと印象づけられているからだと思います。CMもパッケージもいかに分かりやすく伝えるかを常に考えているのです。社外に向けてだけでなく、社内のプレゼンでも「ここが一番の特徴」だとすぐに伝わるように工夫しています。競合他社と戦っていくために、差別化ポイントや他にはない付加価値を追い求めています。
※「小さな池の大きな魚」戦略
まだ誰も釣り(市場開拓)をしていない「小さな池」で釣りを始め、将来的に圧倒的高シェアを維持できる製品「大きな魚」が育つように池を大きくする開発・販売し、高利益を獲得するニッチマーケティング戦略
小林製薬のマーケティングの仕事の魅力についてお教えください。
ブランドマネージャーも開発スタッフも1人で複数のブランドを同時に担当できるのが一番の魅力です。他社だと一つのブランドを数名で担当するため、職歴の浅い人はアシスタント業務しかできないケースが多いのですが、小林製薬では配属後すぐに担当者としてコンセプトを立案し、広告制作、パッケージ作成を行って、社長にプレゼンできるという醍醐味があります。ブランドマネージャーは1年間で最低2~3本の広告を作ります。前職でもそこまでの数を担当することはありませんでした。社内では「打席に立てる回数が多い」という表現をよく使いますが、場数が踏めて社長にまでプレゼンして承認を得る機会が多くあります。そのため、より早いスピードでマーケティングのプロへと成長できる環境があると思います。
プロジェクトも数多く立ち上げられていますか。
新製品の開発は一つのプロジェクトのようなものです。小林製薬はいくつもの新製品を生み出して、それらを育てていこうという開発型の企業です。だから、売り上げに対する新製品寄与率の目標設定があり、それを達成するためにアイデアの段階から社長にプレゼンしたり、パッケージを作ってカタチにしたり、マーケティング戦略を提示するなど、いろんなプロジェクトの会議があって、それに参加できる機会も多くあります。
04. 社風や働き方について
職場の雰囲気はいかがでしょうか。
マーケティングは一人でじっくり考える仕事ではなく、商品の開発やパッケージの制作などはみんなで議論して進めていくので、ワイワイガヤガヤと結構にぎやかです。ただし今は、コロナ禍で在宅勤務が基本で、みんなで議論することがなかなかできない状況です。
また、スタッフの1/3位が中途入社の方です。私自身も中途入社ですが、中途入社だからやりづらいと感じたことはありません。
御社の働き方についてお教えください。
現在は週2回まで在宅勤務が可能です。また、フレックス勤務制度も導入されているので、多くの人が自身のライフスタイルに合わせて働いていますよ。
05. 中途採用の求める人物像について
中途入社の方に期待することについてお聞かせください。
好奇心旺盛であること。自ら提案していく積極性があること。あとは新製品を出すにしても、既存製品を育成していくにしても、いろんな競合がある中でどのように戦っていくかを考えて課題を設定し、それを踏まえて戦略を立案できる論理的思考(ロジカルシンキング)に期待しています。
また、社長は「分かりやすさが大事」だといつも話しています。マーケティングでも複雑なものを最後はシンプルに分かりやすく相手に伝える力、プレゼンできる能力も重要です。
お人柄についてはいかがですか。
人柄は人それぞれです。元気で威勢のいい人もいれば、自分でじっくり考えてから発信する人もいます。金太郎飴のような組織ではなくて、いろんなタイプの人がいる方がいいと思います。
あとは素直さも大切です。トラブルが起こった時に言い訳をして、体裁を取り繕うのではなくて、間違いは間違いとしてまずは認める素直さであったり、逆に相手が間違っていると思う時はきちんと自分の意志を伝えて、しっかりと議論できたりする素直さも必要です。
面接する時の採用基準についてお聞かせください。
はっきりとした基準はありませんが、小林製薬の風土に何となく合う人は面接を始めて5分程で分かります。言葉にするのはとても難しいのですが、発言や話し方で何となく感じることができます。当社には本当に良い人だなと感じる人が多く、嫌だなと感じる人はいません。だから、私自身が良い人だなと感じられる人を採用しています。
今後のビジョンについてお聞かせください。
小林製薬は現在「国際ファースト」を掲げて、国内だけでなく海外のお客様にも商品を届けることを目指しています。この方針に合わせて、小林製薬流のマーケティングも日本だけでなく海外でも導入していこうとしています。
国内事業については、今は商品を販売するだけでは継続的にお客様からの支持を集めることができないので、新しいサービスや新しい仕掛け、コト売りなどのアイデアを考えていくことを進めています。
06. 転職希望者へメッセージ
最後にマーケティング職を希望する求職者の方にメッセージをお願いします。
マーケティングに携わる多くの人は、楽しく活き活きと仕事をしていると感じています。マーケティングが好きな人たちは、新しいものを生み出すのが好きなのだと思います。お客様がファンになってくれて、それを継続的に使っていただけることも私たちにとって、とても楽しいことです。小林製薬はマーケティングが好きな人にとっては非常に楽しくやり甲斐のある会社です。たくさんの商品を担当できて、自分で考えたアイデアをスピーディーにカタチにできるやりがいに溢れた面白い会社です。食品や漢方、西洋薬などカテゴリーは分かれていますが、健康を増進できるものであれば、カテゴリーに関係ないものでも担当することができる面白さもあります。マーケティングが大好きだという方がおられましたら、ぜひ一度小林製薬にご応募ください。
07. 取材を終えて
取材を通して、小林製薬のマーケティング職は、経営の根幹を担う重要度が高く、面白みのある仕事であると実感しました。
誰もが一度は目にしたことがある製品の開発・ブランド拡大に関われることはもちろん、年次関係なく自らのアイデア・努力が形となり、世間・社内共に認められることがやりがいではないかと考えます。
心よりおすすめできる小林製薬様へ、是非エントリーのご検討お願いします!