【エンジニア向け】回路設計の仕事に役立つ資格を3つ紹介

回路設計エンジニアとして活躍したいなら、資格を取得するのも方法のひとつです。 今回は、回路設計エンジニアに焦点を当てて、仕事で必要な資格はあるのか、転職に有利な資格はあるのか、それぞれ解説していきます。

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回路設計の仕事には資格が役立つケースも

まず、回路設計の仕事に資格は必要なのか解説していきます。

回路設計に「必須資格」というものはない

回路設計は、さまざまな電子回路を設計する専門性の高い仕事ではあるものの、仕事をするにあたり、必須となる資格はありません。

まれに、応募要項に必須資格を設けている会社もありますが、通信系の知識など、一定の知識レベルを求めている際に設定する会社がほとんどです。ある特定の資格を有していないと仕事ができないというわけではありません。

ただし、注意したいのは、必須資格がないからといって、まったくの知識がない状態で回路設計に携わるのは難しいということです。OJTなどでベースからしっかり教育をしてくれる会社でも、基礎知識があることが前提で進むため、知識がない状態では理解が追い付きません。

そのため、必須資格はないものの、専門学校や大学などの教育機関で、電気や電子にまつわる専門的な知識や基礎は身に付けておく必要があります。

資格があれば仕事や転職において有利となるケースも

回路設計に必須資格はないと説明しましたが、それでは仕事への従事、あるいは転職において資格はなくても良いのでしょうか。

結論からいうと、必須事項として資格を取得する必要はないものの、仕事や転職で有利になるケースもあるため、資格の取得には一定の価値があります。

前述したように、通信系など知識レベルに重点を置く会社であれば、特定の資格を応募の必須要件にしていることもあります。また、即戦力を求めている会社では採用基準にある程度の知識レベルを据えているかもしれません。このような場合に資格取得をしておくと、エンジニアとしてのスキルや実力を客観的に証明してくれる点で意味があります。

ただし、取得が有利に働くのは、より高度な仕事や幅広いに携わる可能性があるときです。回路設計エンジニアとして働くだけであれば、無理に資格を取りにいく必要はありません。

回路設計の仕事や転職で有利になる資格3選

回路設計の仕事や転職で資格が有利になることがあると説明しましたが、具体的に有利になるのはどんな資格なのでしょう。回路設計であれば、たとえば、以下のような資格が見られます。

・デジタル技術検定
・第一級陸上無線技士
・EMC設計技術者資格(EMCデザインエンジニア)

それぞれどのような資格なのか、解説していきます。

1.デジタル技術検定

「デジタル技術検定」は、文部科学省後援の公的資格です。情報処理から制御までの体型的なIT知識を問う内容で、1~4級の4つのレベルが設けられています。

4級は、初歩的な情報知識が認められるレベルです。デジタルやアナログの違い、2進整数の計算、電気や物理交換の原理、簡単なソフトウェア用語など、中学校程度の技術や理科の内容に匹敵するくらいの知識とされています。

3級は、電子部品や電気回路の基礎知識、論理関数の基本原理、簡単な計測や素数に関する知識などを問う内容です。情報処理や制御装置に関する基本的な知識や応用技術の原理を理解できるレベルとされています。

2級は、やや高度な知識を問う試験内容です。2級からは情報部門と制御部門の2種類となり、情報部門では情報通信理論や数値解析手法など、制御部門では電子素子や論理回路など、設計や運用、試験などの実務に携わるレベルの知識が問われます。

1級は、2級の専門性をさらに高めたレベルです。情報部門ならプログラム開発や実務指導ができるレベル。制御部門なら、制御システムの設計や試験、運用を行うとともに実務指導ができるレベルの知識が問われます。

情報処理と制御の知識レベルを測れる試験で、メーカーやIT業界など、ものづくり全般に役立つ資格といえるでしょう。取得するなら、実務にも役立つ高レベルの資格取得を目指すと良いです。

デジタル技術検定について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「ディジタル技術検定」

2.第一級陸上無線技術士

無線設備関連で、無線従事者制度というものがあります。無線従事者とは、アマチュア無線従事者、陸上無線従事者、航空無線従事者、海上無線従事者、総合無線従事者のことです。このうち、陸上無線従事者にあたる資格に第一級陸上無線技術士が含まれます。

第一級陸上無線技術士とは、陸上に設置された無線局の、無線設備における技術的な操作ができると認める資格です。

第一級陸上無線技術士の資格があれば、空中線電力500W以下の、陸上に設置された多重無線設備のうち、30MHz以上の周波数のものを技術操作できるようになります。

すべての回路設計の業務に直結する資格ではないものの、テレビ局の中継局、携帯電話の基地局などの回路設計に携わる場合は、もっておいて損のない資格といえるでしょう。

第一級陸上無線技術士の知識があれば、無線基地局の建設や運営など、現場に近い部分まで理解できるようになります。

また、第一級陸上無線技術士を取得していれば、異なる業種に転職するときだけでなく、回路設計以外の職種に転職したい場合にも有利です。転職したい職種によっては、資格取得が役に立つ可能性があります。

第一級陸上無線技術士について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「第一級陸上無線技術士」

3.EMC設計技術者資格

最後に、回路設計の仕事や転職に有利になる資格に、「EMC設計技術者資格」があります。EMCデザインエンジニアと呼ばれることもあり、KEC関西電子工業振興センターとアメリカのiNARTEが共同で運営している、国外でも通用するグローバルな資格です。

電子機器、電気電子回路、プリント基板の設計を行う技術者を主な対象とした資格で、EMCの原理や原則をベースに、開発の上流段階において、EMCを作り込む技術力が問われます。基礎分野から実応用分野まで、深い知識が問われる試験です。

モノづくりの業界においては、技術力強化や育成が重要な課題となっており、高度な回路設計の能力を備えている証明である「EMC設計技術者資格」は、企業でも歓迎されます。

同じEMC設計技術者資格試験には、EMC測定環境の構築や規格超過試験品の対策に特化した「iNARTE-EMC資格」もありますので、EMCの評価結果のスキルを証明したいなら、もうひとつの資格取得も検討してみると良いです。

EMC設計技術者資格について詳しく知りたい方は、こちらのサイトをご覧ください。
「EMC設計技術者試験」

【好条件の会社へ転職するなら】業界に詳しいエージェントを利用

「回路設計の仕事で転職したいけれど、良い条件の会社に転職できるか不安」と、専門的な職種だからこそ不安を感じる人もいるでしょう。

より好条件な企業への転職を目指すのであれば、今回取り上げた資格の取得に加え、業界に詳しい転職エージェントを活用すると良いです。

回路設計を含むエンジニア求人の多くは、求人票だけでは詳細な情報が取得しにくいため、ミスマッチが起こる可能性があります。転職エージェントであれば、求人票だけではわからない情報にも精通している点で、おすすめです。

タイズ」は、メーカーに特化した転職エージェント。業界知識や転職事情はもちろん、企業の社風や求めている人材についても熟知しています。独自の「アナログマッチング®」を実施しており、求職者の経験や希望について丁寧にヒアリングし、仕事における価値観や本人の資質を分析します。どのような企業であれば幸せに長く働き続けられるのかを最優先に考え、豊富な選択肢のなかから求職者に「本当に合う」企業を提案いたします。また、タイズでは資格についてのアドバイス、効果的なアピール方法も、プロの視点からサポートしています。回路設計での転職をお考えなら、タイズにご相談ください。

まとめ

回路設計の仕事や転職において必須資格はないものの、取得している有利になる資格は存在します。転職を考えるなら、資格取得を考えるのもひとつです。より好条件の企業に転職したいなら、資格取得だけでなく、業界に特化した転職エージェントの活用も考えましょう。

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この記事を書いた人

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安達 篤史

株式会社タイズ

これまで17年間、転職エージェントのコンサルタントとして従事し、これまで1,000名以上の転職支援を実施。
技術系を中心に幅広い知識・経験があり、納得感のある転職を実現している。

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