企業インタビュー
[ 日本ジッパーチュービング株式会社 ]
国内最大手!『配線結束チューブ』の日本ジッパーチュービング株式会社 開発技術部についてお話を伺いました。
日本ジッパーチュービング株式会社 開発技術部 福田様
■日本ジッパーチュービング株式会社について
≪概要≫
代表取締役社長:湯口 正敏様、ZTJ本部 / 神戸工場:兵庫県神戸市西区、設立:1972年10月、従業員数:100名
束ねた配線を包み込む保護材「配線結束チューブ」の国内トップシェアメーカー。
自動車・航空・半導体・医療・家電などの幅広い業界に配線結束チューブ、電磁波障害EMI対策部品を製造販売しています。さまざまな業界、用途より選ばれ、47年のノウハウと実績を誇る同社は、設立61年の米国ジッパーチュービング社との技術提携などの強みを活かした戦略の下、日本・アジアの新市場を開拓していきます。
*配線結束保護チューブとは…束ねた配線を包みこむ保護材。EMC(電磁波)、EMI(電磁妨害)対策や遮熱断熱などの機能を持ちます。同機能を持つものとしてガスケット、テープ・メッシュ、スリープなども手掛けています。
インタビュー
福田様のご経歴について教えて下さい。
福田様:現在入社24年目。入社後は技術課を数年経て製造部に5年配属されました。その後、再度技術系部署でモノをつくりたいという思いがあり、現在私が所属している「開発技術部」の前身「開発技術課」に異動しました。
開発技術課は当時、新しく設立されたばかりの課でして、メンバーは私1人でした。そこで、3人ほど人材を引き入れ、私は機械系の技術者ですので、その他3人にはエレキ系・電子系・営業系のメンバーを迎え入れました。
技術課では、どのようなお仕事を担当されていましたか?
福田様:技術課では、基本的には既存のモノを改良、もしくはお客様からのご要望に合わせたカスタマイズを担当し、例えばシールドフォーム®※を延命させるための改良などを行っていました。
開発技術部に変わってからは、新たな柱として何か新しいビジネスができないかを模索し、市場にニーズを見つけて製品を開発する、ということを担当していました。当時は、関連会社の弘栄貿易㈱が商社として車関連、樹脂、ゴムを取り扱っていたこともあり、車関係で何か新しいことができないかを考えました。
※シールドフォーム®:シールドフォームは日本ジッパーチュービング株式会社の登録商標で、弾力性のあるポリウレタンフォームに導電布を巻付けたソフトガスケット(構造に気密性、液密性を持たせるために用いる固定用シール材)です。
福田様は技術者でありながら営業部にも4年在籍されていたとのことですが、詳しくお伺いしたいです。
福田様:実は開発技術部で遮熱ビジネスの売り上げが軌道に乗る寸前のタイミングで、営業部への異動辞令が下り、4年間営業部長をしておりました。今までは技術者としてモノを「考える」「つくる」という経験しかしてこなかったので、その先のモノを「売る」「回収する」までの一連の流れを経験し、視野を広げることができました。
また、営業担当者として、ユーザーと対面で話をする機会が持てたことは大きかったです。当時、私は営業部長として、若手の担当者に同行し、お客様への訪問をしていましたが、「若い担当者がまた上司を連れてきている」という印象を持たれてしまうため、何度も足を運ぶわけにも行かず、工夫が必要でした。そこで、「実は技術者出身で、営業も担当しながらマーケティングを行っているので、色々と提案をさせて下さい」とお客様に言えるような名刺を、当時の社長に頼んで新たに作ってもらい、何度も訪問できるようにしました。
去年の11月から半年間は開発技術部の責任者と営業部長を兼務で行い、今年の3月、本格的に開発技術部に帰ってきました。
シールドチューブ
営業を経験される前と後では、考え方や仕事の取り組み方にどのような変化がありましたか?
福田様:工場で技術者として勤務している時は、つくったモノはすぐに売れて回収できると思っていましたが、実際には様々なプロセスがあって、モノが売れていくことを知りました。こういった、新しい考えやモノの見方を学ばせて頂いたことで、今まではシーズ中心の考え方をしていましたが、「ユーザーにとってどこに価値があるのか」 というお客様のニーズを意識した考え方も持つようになりました。また、技術者でありながら営業的視点を持って、話し合いができるようになり、営業メンバーにも、「話がしやすくなった」と喜ばれました。
―――営業を経験され、技術者も営業視点を持つことが大切だと実感されたということですが、実際、技術者と営業が意見交換をするような場はあるのでしょうか?
福田様:例えば、毎月開催している営業-技術交流会があります。当社の営業拠点は大阪と東京にありますが、とくに東京とは距離があり、工場勤務の技術者と接点を持つことは難しいです。ですから、「技術と営業の接点の場になれば」という思いで、月に一度の交流会を開催しています。交流会以外の空いている時間は工場で過ごしていただき、疑問を解決する時間に充ててほしいと思っています。
現在の開発技術部のメンバーについて。
福田様:私を含め6名のメンバーが在籍しております。その内の1人は、エレキ、電気、電子系、幅広い分野を担当できる技術者の方で、営業開発部署で営業経験を積んで現部門にいます。
また、開発を行うための営業や、開発品を展開するための営業などを行うメンバーが1人います。現在は、熱材をさらに展開するため、新たな開拓先を探して日本中を飛び回っています。残り3人のメンバーは、設計や実験、データ集計など、エンジニア的な仕事を担当しております。開発技術部には、このように様々な職種の人間が集まっているので面白いと思います。
今回応募される方には、どのような働き方をしていただくイメージを持っていますか?
福田様:転職を考える上で、例えば大きい会社で一つの部位の設計を担当して、技術者として極めていくのも選択肢の1つだと思います。当社は100名規模の中小企業で、開発技術部には6名のメンバーしかいませんので、他社の設計部の人と同じような働き方はできないと思います。逆に言えば、一人一人が裁量を持って様々な業務にチャレンジすることができ、多くの経験を積んでいただけます。ですから、今回ご応募して来ていただく方には、まずは1年以上、現場を経験してもらい、最終的には開発技術部で働いていただこうと思っています。実際にモノを触ったり、お客様の生の声を聞いたりなど、様々な経験を積むことで、多角的視点を持って仕事に取り組むことが出来るようになり、大きく成長していただけると思います。
―――基本的には営業と技術、両方を経験していただくイメージでしょうか?
福田様:技術者の中には、自分でモノを触って、コツコツ仕事を行うことが好きなメンバーもいますので、営業を強制するつもりはありませんし、技術者として得意な部分を伸ばしていきたいと思っています。
当社が一番期待している部分は、「どういったスキルを持っていて、それを本人がどのように伸ばそうとしているのか」です。成長するためのフィールドは私たちが用意しますので、自分のスキルを思う存分伸ばしていただくことが、会社のためにも本人のためにもなると思っています。
極薄導電性両面テープ
求職者の方が御社を志望される理由は何ですか?
福田様:ノイズ対策の観点から、今後発展しそうな企業だと考えて志望される方が多いですね。
御社の製品はこれまでどのようなシーンで使われてきましたか?
福田様:例えば携帯電話にカメラ機能が付くと、カメラからノイズがでるのでシールドフォームが採用され、さらに携帯電話が進化してワンセグ機能が付くと、チューナーのノイズ対策のためにさらにシールドフォームが採用されてきました。また、例えばテレビにおいても、液晶画面、地デジ化、プラズマ画面と進化する度に当社の製品を採用していただくという流れを繰り返してきました。このように、産業機器に新しい機能が追加されると、ノイズ対策を行う必要が出てくるので、当社製品が活躍をしてきました。
―――御社はこれまで様々な産業機械メーカーと取引をされてきたんですね
福田さん:そうですね。このように、ひとつの会社にいながら、様々な業界の知見やノウハウを持つことができるのは当社の魅力の1つだと思いますし、キャリアとしての厚みが生まれると思います。
エンジニアとしてのやりがいについてお伺いしたいです。
福田様:つくったモノをお客様に採用していただけることが1番の喜びですね。お客様からの難しい課題に頭を抱えて悩むこともありますし、できないならば現状で何ができるのか、妥協点を見つけるのも大事な仕事です。いくつかの開発テーマを持っていまして、開発技術部では半期で10件の開発テーマをもって、何割が商品につながるのかを考えています。簡単なテーマから難しいテーマまで様々ですが、「こんなことをやれば面白いんじゃないか」という思いを個人が持って取り組んでいます。
関連会社について、また当時開発技術部で新しく展開されたビジネスについてお伺いしたいです。
福田様:当社は1972年に弘栄貿易株式会社と、配線結束チューブの老舗である米国のTHE ZIPPERTUBING CO.との合弁事業としてできた会社です。
ドイツにZIPPER-TECHNIK GmbH.、スイスにTICON GmbH、中国にZHUHAI ZT-REN MANUFACTURE LTDがあり、ここでは主に熱からチューブやラインを保護する製品を提供しております。
私たちも、日本市場に遮熱の技術・製品を取り入れることはできないかを考え、熱から保護する技術・製品を展示会など主催しビジネス展開を図った結果、だんだんと軌道に乗り、7年ほどしてようやく、売り上げの10%以上を担えるまでに成長しました。
ZTサーモプロテック
御社は外資系企業のグループ会社ではありますが、純粋な「日本の会社」としての技術部隊ですよね。
福田様:そうですね。確かにアメリカのTHE ZiPPERTUBiNG CO.社のグループ会社として、会議などは行いますが、あくまでも設計から販売までは日本で一貫して行っています。
―――made in japan の強い意志を感じます。日本の中のニーズがどこにあるのかを把握して、新しいビジネスを考えることができるというのは開発技術部の大きな魅力だと思います。
福田様:そうですね。本当に良い会社だと思っています。入っていただければ、非常に面白いですよ。
これから応募される方へのメッセージ
福田様:新たなビジネスを考えて製品開発を行えること、自分の手掛けた製品が、世に出ていくことは、技術者の方にとっての夢であり、可能性が広がっていると思います。当社の業界に興味を持っていただき、幅広い仕事にチャレンジして成長したい方、様々なモノの見方を身に付け、成長したい方は是非、一度直接お話しできたらと思います。共に新しいモノを気づき上げていきましょう!!ご応募お待ちしております!!
本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
―担当コンサルタントより―