ヤンマーの祖業“小形エンジン”開発のやりがいを、 キャリア入社の方にお話を伺いました。

(2018.05.11更新)エンジン事業本部 小形エンジン統括部 開発部 エンジン技術部 内堀正崇様

インタビュー

エンジン事業本部 小形エンジン統括部 開発部 エンジン技術部 内堀正崇様

今担当されているお仕事をお教えください。

小形エンジン開発部 陸用第一技術部 第一技術グループ(エンジン技術部 第1グループ)に所属しております。第一技術グループ(第1グループ)とは、エンジンの設計を主な業務としております。 私はエンジンの母体を設計する業務をやっています。このエンジンが使われるのは、作業機で言うと油圧ショベルやトラクターがメインとなりますが、弊社のビジネスとしては、それ以外にも発電機や、広い意味での建機、農機といった様々な作業機に載せるエンジンを設計しています。私は今、キャリア入社3年目になり、入社当初からその部門で設計を行っています。前職では完成車メーカーにて生産技術の仕事をしていました。

ヤンマーに中途入社されたきっかけは?

主な理由は2つあります。前職では完成車メーカーにて働いていましたが、元々はエンジンの設計をしたくて新卒入社したのですが、会社規模が大きいこともあり、そうそう叶うことがない。バンパーやインパネ、内装部品といった樹脂モノの金型設計や工程整備をメインにやっていました。やりがいはありましたが、どうしてもエンジン開発をしたいと考え、異動願いは出しても叶わなかった為、エンジン開発をやりたいということで、ヤンマーに中途入社しました。 小さい頃から機械系のモノが好きで、クルマはもちろん、ショベルのような製品に関わりたい。どうせやるなら設計がやりたいと思っていました。その中で、大学時代に機械工学分野を専攻したということもあり、やはり「エンジンって格好いいよね」と思っていたこと。後は滋賀が地元ということでUターンも目的でした。

あこがれの仕事に、実際に就いてみていかがですか。

やはり、やりがいはすごくありますね。私が入社したタイミングも良かったのですが、エンジン全体をイチから設計できるという、滅多に機会のない大きな新規プロジェクトに参加することができました。 完成車メーカーにいたのでよくわかるのですが、完成車メーカーではエンジンのシリンダーヘッドの設計スペシャリストや、ターボチャージャーの一部に使われるネジの信頼性・耐用性を高めることに特化したエンジニアがたくさん居ます。 一方弊社は、担当範囲が広くて「このエンジンは俺が設計したんだ」と言えるぐらいの関わり方ができます。これはエンジニアとしてはすごく夢があることで、胸を張って「これは俺がやった」と言える。それが一番のやりがいですね。もちろん、1人ですべて設計するわけではなく、周囲の方と一緒に仕事をしています。

苦労されたことはありますか?

やはり、それだけ全部を見ようと思うと、相当勉強しないといけないし、メーカーやサプライヤーなど人を動かすことも必要なので、そうした点での苦労は大きかったです。しかし、後になって考えると本当に関われて良かったなと思います。


転職してきて、知識などはすぐに習得できるものでしたか?

配属されて1~2週間ほどで設計し始めていたぐらいだったので、必死でしたね(笑)。生産技術の時も機械設計自体はやっていたので、全くの素人というわけではありませんでしたが、やはりエンジンというものに関しては、知識の足りない部分が色々ありました。設計を進めながら、自ら勉強したり、先輩に教えてもらったりしました。ヤンマー独自のデータベースや知見があるので活用し、自分で本を買ってきてエンジンの勉強をするとかしてました。

分からないことは聞きやすい環境ですか?

聞きやすいですね。比較になってしまいますが、完成車メーカーは、「部」だけでも人数が多くて、隣の部との壁もけっこう厚いんです。それに対してヤンマーは、「部」ですと20人ぐらいで、隣の部にもすぐに話しに行ったりできます。私たちが設計したものを次に試験部が評価しますが、部門間のコミュニケーションも取りやすいです。生産部門とも毎日コミュニケーションをとりながら進めています。試験部は別の建物で、研究所などと話す時は米原の方に行きます。

実際に関わられたエンジンは、どのぐらいの期間をかけて開発されましたか?

入社してからずっとやっているので、2年強ぐらいになります。今まさに佳境ですが、ほぼほぼカタチになったというところです。用途はショベル、トラクター、発電機などです。

これからやっていきたいと思っていることを教えてください。

仕事面では、もうひとつ上の立場でもっと全体を見ながらプロジェクトを進めていけるようになりたい。今、エンジンに関しては自動車業界では電動化が進んできています。ヤンマーは産業用エンジンですが、産業用もうかうかとはしていられない。その中で、いかに良いエンジンを作っていくか、電動化に負けないようなものを目指していきたい。 また、エンジンはどうしてもヨーロッパが強いんです。私たちもヨーロッパの情報を把握し、コンサル会社と話をしながら開発をすすめるということもあるのですが、ヨーロッパメーカーを倒せるようなエンジンを作りたいです。 日本では産業用で競合するメーカーもあり、もちろん勝ちたいですが、それよりも日本のメーカーともっと一緒に頑張っていきたいです。日本メーカーのエンジンがヨーロッパに対抗できるようにしていきたいと思っています。長いスパンでの話になりますが、それが将来実現したいことです。どこのメーカーも同じだと思いますが「ウチのエンジンは最高だ」と、どのメーカーのエンジニアも思っていると思います。メーカーごとに色々と特色はあります。ヤンマーは燃費が良くて、壊れなくてパワフルというところを全部実現しながら、環境規制はもちろんクリアしなければならない。燃費やトルク特性を見ても他社よりもすごいでしょ、でも小さくて載せやすいというところで、ヤンマーは負けていないと私は思っています。


ヤンマーのエンジンの一番の強みはどういったところですか?

新エンジンでいうとパワーと燃費。そしてお客様への対応力です。ベースエンジンの設計とは別にアプリケーション設計の部隊をかなりの規模で抱えています。「こんなショベルでこんなエンジンを車体に取り付けたい」といったご要望が各々にあります。エンジンメーカーによっては「ウチのエンジンはすごいのでウチに合わせてください」という会社もある中、ヤンマーはエンジニアリング力でお客様のニーズに対して答えを見つけにいく姿勢で取り組んでいます。そうした対応力が強みだと思います。

各社いろいろエンジンを作っている中で、ヤンマーに入社する魅力はどういったところになりますか?

個人的には「エンジンができる」というところがまず一点。また、入社してからの話にはなるのですが、やはり自動車会社のように業務が細分化されているわけではなく、すごく広く関われる。やっぱり、言いたいんですよ。「このエンジンは俺のエンジンだ!」って(笑)。そういう仕事ができるところが大きな魅力だと思います。

内堀さんの周囲の年齢層などはいかがですか。

私がいる部署は、31歳の私がちょうど真ん中ぐらいですが、けっこう若い組織だとは思います。上司も40代です。30代がすごく多い。そこに少し新入社員が居る感じです。堅いイメージはないですね。雰囲気はけっこう自由で、担当者に自由なことをさせてくれるとか、自分がやりたいという想いがあればやらせてくれる。そうでないと、エンジン全体を自分で見るなんてことは、なかなかできないと思います。

これから入社される方で、一緒に働くならどんな方がいいですか?

“夢”や”想い”の強い人ですね。特にもともと私は専門ではなかったということもありますが、今時点での技術力とか、まったく問う必要はないと思っています。それよりも、「こんなことがやりたいんだ」という夢・想いの強い人が、ウチの会社に欲しいですね。

「完成車メーカーを辞めてヤンマーへ行く」ことに関して、奥様やご両親などからの反対などはありませんでしたか?

反対まではいかないですけれど、「本当にいいの?」とは言われました(笑)。色んな人に言われましたけど。やはり、自分の想いを通しました。

本日は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

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安達 篤史

株式会社タイズ

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