メーカー職種解説
[ 機械設計 ]
機械設計のフリーランスの心得とは?実は転職の方がよいって本当?
「機械設計の仕事で年収を上げたい」と考えたとき、また「自分に合ったワークライフバランスで働きたい」「職場の人間関係に不満がある」という場合には、フリーランスへの転身も選択肢のひとつです。ではフリーランスで機械設計の仕事をする場合、どういった準備や注意点などがあるのでしょうか。 この記事では、機械設計の仕事をするときに必要なことや、仕事の探し方などについて紹介します。これからフリーランスで働こうと考えている方は参考にしてください。
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機械設計がフリーランスとしてやっていくために必要なもの
機械設計に限った話ではありませんが、フリーランスで仕事をやっていくためには、いくつかの準備が必要です。
まずは、機械設計のフリーランスに必要なことを3つ紹介します。
CADソフト
機械設計の仕事には、CADなどのツールを使った図面設計があります。CADは契約先が用意してくれる場合もありますが、そうでなければ自分自身でソフトを用意する必要があります。
フリーランスとして働くことを考えるなら、事前にCADソフトを比較検討し、導入する準備をしておくとよいでしょう。
基本的にCADなどの図面設計ツールのほとんどは有料です。ソフトによっては数十万円の購入費がかかるものもあるでしょう。
また、購入費自体は低くても、月額費用や年額費用などが発生する商品もあります。そういった場合、毎月の維持コストについても考慮しておく必要があります。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、実績やスキルについてまとめた、自分を売り込むときに必要な資料集です。企業によっては、ポートフォリオの提出を求めてくるケースも多いです。
勤めていたメーカーが掲載を許可しているのであれば、過去に手がけた製作物の写真を添付します。
掲載不可であれば、可能な範囲で実績について記載します。その際は、開発コンセプトや製作に要した期間など、具体的な詳細情報について書いておくとよいでしょう。
フリーランスがポートフォリオを作成するメリットは、自身の実績を適切にアピールできるという点です。
もしも企業側から「業務を遂行できるほどの実績がない」とみなされた場合、仕事の依頼を受けることが難しくなります。
しかし実績をしっかりまとめたポートフォリオを提出できれば、企業側は実力をはかりやすくなるので、結果として仕事を依頼される可能性も高くなるでしょう。
ただし、前述した製作物の写真のように、守秘義務などが理由で実績を表に出せないケースもあります。
この場合は、まずは実績を積むことからはじめる必要があります。企業によっては「実績がない」という理由から、相場よりも安価で仕事を依頼してくることもあるので注意しておきましょう。
コミュニケーション能力
会社員時代と違い、フリーランスとして生計を立てるためには、自分を売り込んで仕事を取ってくるための「営業活動」を自ら行わなくてはなりません。
営業活動において重要なのは、折衝能力やプレゼン力など、高いコミュニケーション能力です。
フリーランスは仕事の獲得から実務まで、すべて自分自身が担うことになるため、会社員時代よりも高いコミュニケーション能力が必要となります。
実際に仕事を得る方法
会社員であれば、仕事の獲得は営業部署の担当なので、機械設計の仕事に集中して取り組める環境が整っているといえます。しかし前述したように、フリーランスで働くなら、仕事の獲得も自ら行なわなくてはなりません。
ここからは、どうすれば機械設計の仕事を受注できるか、仕事を得るための方法を3つ紹介します。
前職のツテをたどる
フリーランスで機械設計の仕事を得る方法のひとつは、前職のツテを頼ることです。
過去に在籍していた会社から仕事を回してもらったり、関係者から仕事を紹介してもらったりする方法です。円満退職であれば前職のツテに頼ることも可能でしょう。
ツテを使って仕事をするメリットは、相手もこちらのスキルや実績を理解していることです。もしも表に出せない実績しかない場合でも、ツテを使ってフリーランスで仕事を重ねていくことで、ポートフォリオにできる実績を築くことができます。
また、相手を見知っていることから、安心して受注できる点もツテのメリットだといえるでしょう。
クラウドソーシングを使う
機械設計の仕事を獲得するには、クラウドソーシングを利用する方法もあります。
クラウドソーシングとは、インターネット上で発注者と受注者が直接やり取りできる業務委託サービスのことです。
発注者との契約を遂行すれば、成果物や労働時間に対して、事前に合意した金額がサービス会社をとおして支払われる仕組みになっています。
やり取りは直接発注者と行いますが、支払いはサービスを介して行われるため、不払いなどのリスクは低いです。
とはいえ、クラウドソーシングを利用して受注できる機械設計の案件は、実際のところ多くはありません。
例としてコーディングなどIT系と比較した場合、大手クラウドソーシング会社であっても機械設計の案件は極端に少ないのが実情です。
・「機械設計」…約30件
・「コーディング」…約6,000件
求人サイトやマッチングサービスなどで仕事を探す
求人サイトやマッチングサービスでは、業務委託の機械設計の仕事を募集していることもあります。インターネット上の募集を見つけて応募するのも、フリーランスで機械設計の仕事を獲得する方法のひとつです。
注意点としては、業務委託であっても書類選考や面接があったり、常駐する必要があったりすることです。また、働き方や採用までの流れが企業によって異なることにも留意が必要です。応募前に、募集要項や働き方、採用までの流れを確認しておくとよいでしょう。
副業からはじめてみるのも選択肢
ここまで紹介したように、フリーランスとして機械設計の仕事を得るにはいくつかの方法があります。
しかし案件数の少なさなどを考えた場合、フリーランスで安定して仕事を獲得し続けるのは簡単なことではないといえるでしょう。
機械設計のフリーランスとして本気で生計を立てたいと考えているのであれば、副業からはじめてみるのも選択肢のひとつです。
会社員として安定収入を得ながら実績を積めるので、完全な独立よりもリスクの低い方法だといえます。
機械設計の副業については、以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
いまの職場に不満があるだけなら、転職の方がスムーズ
前述したように、たとえ機械設計としてフリーランスに転身したとしても、継続して仕事を獲得するのは難しいことがわかりました。仕事のツテがあれば継続して仕事をもらえるかもしれませんが、その状態がいつまでも続くという保証はありません。顧客の担当者が異動した際や、景気変動により契約が更新されないリスクにも備えておく必要があります。
前項で紹介したクラウドソーシングやマッチングサービスなどでも仕事探しができますが、機械設計の案件自体、ほかの職種と比較すると数が少ないのが実情です。また、仕事の単価によっては、予想していたよりも稼ぐことができないという場合もあるでしょう。
実際にクラウドソーシングのマッチングサービスで検索してみると高いもので1件20万円程度の仕事もありますが、ほとんどが1,000〜20,000円のものでした。
1件あたりにかかる時間や案件受注の際の競争などを考慮した場合、ひと月にできる仕事の量は限られてしまい、月収は会社員時代よりも下がってしまう可能性もあります。
それらを考慮した場合、人によっては必ずしもフリーランスへの転身が最善な選択肢だとは限りません。特にフリーランスになりたい理由が「現在の職場に対する不満」という人の場合、転職をするほうが良い場合があります。
現状に満足していないなら、転職も視野に
待遇や仕事内容に不満があったり、人間関係に不満があったりするのであれば、転職も視野に考えてみましょう。
フリーランスに転身しても問題がすべて解決できるとは限りません。むしろ、継続して仕事を獲得するのが難しいといったリスクを負うことになります。
現職に対する不満だけであれば、フリーランスになるより自分の希望に合った企業に転職したほうが、低いリスクで問題解決できることもあります。
とはいえ、機械設計の転職も簡単ではありません。
同じ「機械設計」という求人であっても、募集側の企業が求める経験やスキルは異なるため、求職者と企業のマッチングが重要となります。こういった場合、機械設計に詳しい転職エージェントにサポートを依頼するとスムーズです。
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まとめ
今回紹介したように、フリーランスとして機械設計の仕事をするためには、いくつかの準備が必要です。
さらに独立後は、継続して仕事を獲得するため営業活動も行わなくてはなりません。しかし、大きなツテなどなければ、コンスタントに仕事を得るのは難しいといえるでしょう。
本記事でも取り上げましたが、機械設計として仕事を続ける場合、必ずしもフリーランスだけが最善の選択肢ではありません。
現職に対する不満を解決したいのであれば、リスクのあるフリーランスに無理に転身しなくても、別の会社へ転職するほうがうまくいく場合もあります。
スキルに自信がある方は、業界に詳しい転職エージェントなどを活用して、自分の価値観に合った、より好条件の会社に転職してみるのもおすすめです。