メーカー職種解説
[ 機械設計 ]
【事例あり】機械設計エンジニアの転職事情と求められる人材とは
機械設計の転職事情や求められる人材を解説します。転職成功のコツや実際の転職成功事例についてもご紹介します。機械設計の転職が気になっておられる方はぜひお読みください。
この記事は約15分で読み終わります。
「機械設計」とは、あらゆる機械をつくる仕事のことをいいます。
本記事では、機械設計の事情や求められる人材について解説していきます。転職成功事例もご紹介していますのでぜひご覧ください。
機械設計の仕事をしている人の中には、待遇面で現在の職場に不満を抱いている人もいるでしょう。機械設計の仕事自体は好きでも、待遇や社風、社内の人間関係が自分の理想と大きく乖離してしまうとモチベーションも下がってしまいます。
そのようなときには、思い切って転職を検討してみるのも一法です。
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―目次―
1.【製造業界】機械設計の転職事情について
2.同職種・同業種の機械設計への転職
3.同職種・異業種の機械設計への転職
4.機械設計から異職種への転職
5.未経験から機械設計へ転職する
6.求められる人物像の特徴
7.機械設計の転職事例・体験談
8.【機械設計の転職】採用の確率を上げるコツ
9.まとめ
【製造業界】機械設計の転職事情について
まずは、機械設計における採用の動向や採用基準など、転職事情について見ていきましょう。
【2024年最新】機械設計の求人は売り手市場の傾向
近年製造業界では、DX(デジタルトランスフォーメーション)や自動化の進展などの理由で、機械設計の需要が高まっており、売り手市場の傾向にあります。
多くの企業でDXの推進が進んでいるので、大手企業だけでなく中小企業でも機械設計の採用は活発に行われています。
なお、スキルやマネジメント力が求められる40代・50代の転職の場合は競争率が高かったりと、買い手市場となるケースもあります。
機械設計の転職市場の動向としては、求人数が安定している一方、業界によって競争率は異なります。
例えば、自動車・航空機業界はEV化・軽量化の流れで機械設計の需要が高まっています。
また、半導体・FA(ファクトリーオートメーション)関連の業界では、ロボットや自動機の設計経験者が求められています。
一方で、家電・工作機械・重工業などは、コスト削減の影響で採用がやや減少傾向にあります。
機械設計で転職するなら、需要の高い業界を選ぶと成功しやすいといえます。
本記事の後半では、機械設計の転職の成功するコツや成功事例もご紹介しています。
また、以下の記事でも転職のコツを解説しているので、ぜひご覧ください。
ただ、転職を急ぐのではなく、現在の職場でのキャリアアップを目指したり、現在の職場で経験を積んだりすることによって、転職市場での価値を長期的に高めていくことも視野に入れておくと良いでしょう。
機械設計の転職ではスキルと経験が重視される
転職で重視されることは職種によって異なりますが、機械設計の場合にはスキルや経験が重視される傾向にあります。
具体的には、機械設計の企画段階から試作までを一人で行えるようになるには、10年ほど経験を積む必要があります。また、トランスミッションなどの複雑な製品を扱っている企業では、非常に高い技術と知識が求められます。
そのため、年齢が若いかどうかはあまり関係なく、40代から50代でも、即戦力となるスキルがあれば十分転職可能です。
「転職パターン②:同職種・異業種の機械設計への転職」にて業界ごとに求められるスキルをご紹介しているので、異業種への転職を検討している方は併せてご覧ください。
機械設計の転職に資格は必要?
転職に向けて資格を取得しておこうかと考えている人もいるでしょう。しかし、機械設計の転職では資格の有無は必ずしも合否を分ける決定的な要素ではありません。実務経験を通して、必要な知識やスキルを十分に身につけていると判断されれば、資格がなくても採用される可能性は十分にあります。
しかし、企業やポジションによっては、特定の資格を応募条件としている場合や、資格保有者を優遇する場合もあるため、事前に確認することが大切です。
なお、未経験者の場合には、資格があれば一定の知識を身につけていることをアピールできる場合もあります。
機械設計の転職に有利な「CAD」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
【機械設計の転職】必要な知識を公開!実はCAD資格は必要ない?
同職種・同業種の機械設計への転職
ここでは、同職種・同業種の機械設計への転職について解説します。
機械設計の転職では、同業種の企業に機械設計の職種で転職するというパターンがオーソドックスです。
同業種で職種も同じなら、仕事内容も似通っています。入社後も新しい職場での仕事に慣れるのにそう時間はかからないでしょう。転職が成功しやすいパターンだといえます。
また、機械設計では大半の企業が即戦力となる人材を求めています。現在の職場で扱っている製品や材質・加工方法が応募した企業と同じであれば、採用の可能性が高くなるでしょう。
現在の職場に対する不満が主に待遇面なら、同業種で同じ機械設計への転職を検討してみるのが良いでしょう。
同職種・異業種の機械設計への転職
ここでは、機械設計の職は変えずに、異なる業種の企業に転職するパターンを解説します。
先述のとおり、業界によって機械設計の需要は異なります。ここでは、それぞれの業界の機械設計の需要と求められるスキルについて解説します。
業界ごとに機械設計の求人ページもご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
自動車業界
転職市場の動向としては、EV化や自動運転技術の発展で機械設計の需要が高まっています。
求められるスキルは、軽量化設計や樹脂部品設計、バッテリー冷却技術などです。
機械設計×自動車業界の求人を見る
電気/電子/半導体業界
半導体製造装置や精密機器の需要が高まっており、機械設計の求人も豊富です。
求められるスキルは、微細加工やクリーンルーム向け設計、放熱設計などです。
機械設計×電気/電子/半導体業界の求人を見る
機械製造業界
CNC(コンピュータ数値制御)工作機械や5軸加工機、レーザー加工機、電動化対応の機械などが成長分野で機械設計の需要も高いです。
求められるスキルとしては、CADを使った機械設計、構造解析(FEM解析)、熱解析、流体解析、CNC(コンピュータ数値制御)の基礎知識、IoTとの連携経験などが挙げられます。
機械設計×機械の求人を見る
機械設計から異職種への転職
機械設計から異なる職種に転職するパターンについて解説します。
比較的機械設計からの転職がしやすい職種としては、以下のものが挙げられます。 加えて、機械設計として働いていた企業と近い業界であれば、より転職のハードルは下がるでしょう。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは営業職とエンジニア職を組み合わせた職種で、顧客に製品やサービスを提案・販売する際に技術的なサポートを行う職種です。
機械設計の知識や経験を活かして、顧客のニーズを的確に捉え、最適な技術ソリューションを提案することで活躍できます。
セールスエンジニアへの転職には、顧客との信頼関係構築やコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力などが求められます。機械設計の経験に加えて営業的なスキルを身につけることで、転職を成功させる可能性が高まります。
ITエンジニア
製造業ではDX関連の求人が増加しており、IT未経験でも転職しやすいのが特徴です。
機械設計の経験者は、製造プロセスやシステムに関する知識を持つため、重宝される傾向にあります。特に、IoTやAI、データ分析などの分野で、これまでの経験を活かすことができます。
転職を成功させるためには、プログラミング言語の習得やIT関連の資格取得など、積極的にスキルアップを図ることが重要です。
未経験から機械設計へ転職する
機械設計の仕事をしたことがない人でも、興味を持っている人もいるでしょう。
未経験からの機械設計への転職は狭き門ですが、20代や第二新卒であればポテンシャル採用もあるので、未経験で転職できる可能性があります。
特に工学系の学部を卒業している人であれば、一定の知識を持ち合わせていると評価されやすくなります。また、前職が電気・建築などの異業種のエンジニアの場合も、転職に有利に働くことがあります。
タイズでも未経験・第二新卒歓迎の求人を取り扱っているのでぜひご覧ください。
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求められる人物像の特徴
転職を成功させるには、企業がどんな人材を求めているのかを知っておく必要があります。
ここでは、企業が求めている機械設計の人物像について解説します。ぜひ自分のアピールポイントを見つけてください。
コミュニケーション能力がある
機械設計の仕事では、コミュニケーション能力が必要です。
機械設計は一人で図面と向きあうイメージがあるものの、実際には他部署と連携しながら、チームで仕事を進めることが多い仕事です。製品を作り上げるまでには、上司や同僚との綿密なコミュニケーションが欠かせません。
また、営業に同行してクライアントの要望をヒアリングしたり、製品の説明をしたりする機会も多くあります。そのため、相手の立場を尊重する共感力やマナー、自分の意図をしっかり相手に伝える伝達力や語彙力を備えていることが求められます。
海外企業と取引をする企業であれば、英語を使ったコミュニケーション能力が採用時に重視されることもあります。
向上心がある
機械設計の仕事をする人には、向上心があることも求められます。
機械設計の仕事は多岐に渡り、4大工学や材料・成形方法に関する知識のほか、PL法、規格などのコンプライアンスに関わる知識が必要です。
また、新しい製品づくりに関わるときには、社会や消費者のニーズを的確に把握して時代を先読みするセンスも求められます。
新しい技術や法律改正などにアンテナを張り、自ら情報を得ようとする行動力があれば、より良い製品づくりに活かせるでしょう。
さらに、機械設計には根気強さも必要です。稼働に問題がないか、強度は十分かなどを確かめ、試行錯誤しながら、何度も設計を練り直すこともあります。向上心を持ち、コツコツ努力できる根気強さがあれば、機械設計として活躍していけるでしょう。
CADなどのPCスキルがある
機械を設計する際はCADなどのソフトを使うため、ソフトの操作スキルも転職に必須です。「CAD利用技術者試験」や「CAD実務キャリア認定」をはじめとする資格を取得しておくと、客観的にスキルの証明ができます。
それぞれの資格について、詳しくはこちらをご覧ください。
- 「CAD利用技術者試験」(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)
- 「CAD実務キャリア認定制度」(一般社団法人コステックエデュケーション)
また、企業内外のプレゼンテーションやクライアントへの提案資料の作成でWordやExcel、PowerPointを使う機会が多いため、CAD以外のPCスキルも必要です。転職する前に、PCやソフトの操作を習得しておくと良いでしょう。
機械設計の主な仕事内容についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
タイズはメーカー専門の転職エージェントです。一人のコンサルタントが求人企業と応募希望の方の両方をサポートしているので、求人企業が求めている人物像や面接のポイントなどを熟知しています。企業に合ったアピールポイントを一緒に考えることもできますので、ぜひご相談ください。
機械設計の転職事例・体験談
機械設計の仕事における、具体的な転職事例や体験談も紹介します。
転職に至る経過や事情は一人ひとり異なります。いろいろな成功事例を知ることで転職活動の励みになるため、ぜひチェックしてください。
事例1.自動車メーカーの機械設計へ転職
環境の変化により転職を決意し、スキルを活かして自動車メーカーの機械設計へ転職した方の事例です。
転職を考え始めたきっかけは、体調を崩した家族との生活を続けるためだったそうです。しかし、当初は自分のスキルや勤務地、希望の待遇に合致する求人が見つからず苦労していました。
そのような中で、転職エージェントのアドバイスを受けて条件を見直したことで、要望に合致した自動車メーカーの求人が見つかりました。すぐに面接を受け、なんと1週間もかからないうちに内定を取得し、スピーディーな転職を実現しています。
転職を検討するときは、転職目的や自分の強みを明確にすることが重要です。転職によってどのようなキャリアを目指すのか、自分の魅力はなにかをしっかり掘り下げて考えて転職先を絞りこむことが、良い結果につながります。
悩んだときには一人で考えるのではなく、第三者の客観的なアドバイスを求めることも大切です。
事例の詳細はこちらをご覧ください。
事例2.生産機械メーカーの機械設計へ転職
待遇面の不満と自身の関心のある、本格的な機械設計の仕事に携わりたいという思いから、生産機械メーカーの機械設計へ転職を成し遂げた方の事例です。
この方は、働きながら転職活動に取り組んでいたものの、スカウトメールなどと実際の社風や待遇が異なることが多く、選考のために取った休暇が無駄になってしまうことに困っていました。そんなときに強い味方になってくれたのが、転職エージェントです。
転職エージェントのマッチングは、人と人とのつながりがあることが魅力です。デジタル的なマッチングだと情報にずれが生じることがあるものの、人対人のアナログなマッチングなら確実に希望が伝わり、良い結果に結びつきます。
転職活動中に迷ったときに、エージェントから適切なアドバイスを受けられたのも、成功につながるポイントです。転職に至った原点に立ち返ることができ、希望どおりの転職を実現しています。
事例の詳細はこちらをご覧ください。
【機械設計の転職】採用の確率を上げるコツ
機械設計の仕事へ転職しようとして、転職活動を始めてみると、なかなか採用されない人もいるでしょう。転職活動のやり方によっては長引いてしまうこともあります。
では、採用されやすくするにはどうすればいいのか、転職活動のコツについて見ていきましょう。
転職に有利な経験やスキルを備えておく
転職活動を始める前には経験を身につけることが重要です。また、より転職を進めるためにはスキルを身につけたり、資格の勉強をしたりすることが有効になる場合もあります。
最近ではグローバル化が進んでおり、機械設計の仕事でも海外企業と取引をする機会が増えてきました。そのため、英語や中国語のスキルが重視されています。英語や中国語もできる人なら機械設計エンジニアとしての市場価値が高く、採用上有利に扱われるでしょう。
また、採用の確率を上げるには、人物像をアピールすることも重要です。機械設計はチームで仕事をするため、「協調性」や「リーダーシップ」が求められます。また、モノづくりに対する意欲が強いこともアピールポイントになります。今から経験を積むのであれば、このような要素を示せる実績を残すことを意識しましょう。
スキルとしてはCADやCAE解析などが挙げられます。CADのスキルは特に設計オペレーションの仕事で活かすことができます。
機械設計関連の代表的な資格としては、「機械設計技術者試験」や「CAD利用技術者試験」、「技術士(機械部門)」などがあります。この中では「CAD利用技術者試験」が比較的易しく、「基礎」なら未経験者でも無理なく取得できます。
しかし、機械設計者ならCADは使用できて当然という認識を持っている会社も多く、実務経験を重視される傾向があるため、資格を取得することだけが転職において特に有利というわけではありません。
機械設計に強い転職エージェントを利用する
機械設計の求人は、詳細な仕事内容はさまざまで、企業によって製造している製品の種類も異なります。そのため、求人の中から自分の経験やスキルに合っているものを見極めるのは難しいでしょう。
経験やスキルが合わない求人に応募し続けて、なかなか転職できない人も少なくありません。
そこで、機械設計エンジニアの転職に強い転職エージェントを利用するのがおすすめです。機械設計の転職市場に精通した専門家が求人を紹介してくれます。自分の経験やスキルに合った求人に絞って応募すれば、採用される確率も高くなるでしょう。
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まとめ
現在の機械設計の仕事は基本的に売り手市場ですが、即戦力を求めている企業が多いので、スキルや実務経験、業界への理解が重要です。
転職に有利な、即戦力となるスキルや経験を身につけた上で、転職活動に臨みましょう。
タイズをご利用いただくと、転職市場の動向を見ながらご自身の経験やスキルに合う求人をご紹介することが可能です。メーカー転職のプロであるコンサルタントが、ご自身で気がついておられないスキルや強みを見極め、長く働き続けることのできる企業への転職をサポートします。ぜひご相談ください。