企業インタビュー
[ 大研医器株式会社 ]
大研医器株式会社の製品開発の特徴や社風、中途採用で求める人物像について、総務人事課の方にお話をお伺いしました。
(2018.10.30更新)大研医器株式会社 管理部 総務人事課 課長 安川大輔様
■大研医器株式会社の医療機器について
同社は、独創的なアイディアと医師との共同開発で医療機器業界に新たな製品を展開し続けてきた、最先端の医療機器メーカーです。同社の代表的な製品であるフィットフィックス(手術室用吸引器)やシリンジェクター(加圧式医薬品注入器)は、今や手術中の医師・看護師、手術後や患者のケアに欠かせない製品となっています。今回の取材では、メーカー専門の転職サイト「タイズ」に求人を掲載している大研医器株式会社の管理部 総務人事課 課長の安川大輔様に、同社の医療機器の製品開発の特徴や同社の社風、中途採用で求める人物像について、コンサルタントがインタビューさせていただきました。
大研医器株式会社 管理部 総務人事課 課長 安川大輔様
インタビュー
安川様のご経歴について教えてください。
安川様:2004年に京都大学法学部を卒業し、新卒で大手電子部品メーカーに入社しました。約5年間、事業企画の業務に携わり、2009年の当社が東証二部に上場したタイミングで当社に入社しました。翌年の2010年には、東証一部上場を果たしましたが、入社後はこの一部上場に関わる業務を担当させていただきました。2013年に主任、2016年に課長代理となり、2018年に課長となりました。
なぜ御社へ転職をされたのでしょうか。
安川様:前職のメーカーは、業績も好調ですし、社員も優しい方ばかりの良い会社でした。いろいろな工場に行き、工場長や事業部長、営業に近いところでメーカーの仕事の進め方を勉強し、とてもいい経験をさせていただいたと思います。一方で、技術者優位の会社で、工場と本社を繋ぐメッセンジャーの仕事が多いと感じました。大企業の分業制という面で悩んでいたのです。また、部品メーカーとなると、前職の会社ほど大きな会社でも、最終製品に対するイニシアティブは無く、完成品メーカーにいろいろ仕掛けていくのが難しいと感じました。現在こそ当社の社員は約200名の規模になりましたが、私の入社当時は100名強。そのうち技術系は当時で20~30名ですが、医師と直接対話をする中から出てきたアイディアを、ゼロから新しく企画していると聞き、当社への入社にあたっては、医療機器で社会貢献ができる、クリエイティブな完成品を作っている、という点に魅力を感じました。
安川様は御社に入社されてからどのようなお仕事をされてこられたのでしょうか。
安川様:管理部総務人事課の配属となり、まず、東証一部上場のための準備が大きな仕事でした。直近の損益状況の取りまとめや、ワークフローの仕組みの構築、内部統制の構造化などを提出書類にまとめるという業務です。当社について深く知る良い経験になりました。その後は人事の業務です。東証一部への上場が完了し、毎年10名弱の新卒採用をするというタイミングで採用業務を担当しました。大学訪問をしたり、リクナビや逆求人サイトを使ってみたり、PDCAを回しながら、どうすれば学生に当社を選んでもらえるかをいろいろ試しました。技術系の職種なのか、営業系の職種なのかで求められる資質が違いますので、最適な資質を持ち合わせた学生を獲得するのが私のミッションです。
採用以外の業務にも取り組まれてこられたのでしょうか。
安川様:はい。階層/部門別の教育プログラムの構築や、効率的な給与計算ソフトの導入、給与テーブル・社員等級の統廃合、業績連動型賞与制度、確定拠出年金制度、家賃補助や家族手当といった様々な福利厚生制度の導入など、多くの人事企画の業務にも携わり、より魅力的な会社になるような業務改善や新制度の導入を徹底してやってきました。今は、上司と部下のコミュニケーションをより活発にするための1on1ミーティング制度を導入しようと検討しています。私は本を読んだり勉強するのが元々好きなこともあり、他社の事例を集めたり、参考書を読んで情報をまとめたりして、当社の新たな人事制度を構築してきました。
御社のブランドコンセプト、「COOPDECH」についてご説明いただけますでしょうか。
安川様:「COOPDECH」は当社のブランドコンセプトで、Coup d’Etat by Technology、テクノロジーによってクーデターを起こす、という意味を込めて考案されました。当社のコーポレートブラントロゴで表現しているのですが、青と緑の矢印は「医師」と「大研医器」を表し、医師と私たちが双方向でPDCAを回し続ける、新しいものを作っていくこと、矢印は「最先端」の企業であること、を意味しています。この強固な二者の関係性が当社の強みの根幹をなしています。
御社の製品開発の特徴について教えてください。
安川様:医師の方々は常に、手術にまつわる医療機器に興味をお持ちで、こんなものがあったらいいなと常に考えておられます。当社の立場で多くのドクターにヒアリングを行い、本来の目的から落とし込んでプロトタイプを作ります。製品が既にあって、少し違う形状の製品を作るのではありません。どれもゼロからの開発です。当社は最適な方法を製品に落とし込みますので、この病気のこの手術にしか使わないという製品も多く、多品種であることが特徴です。医療機器業界はニーズ過多の状態で、製品が追い付いていないのが現状です。これからどんどん、まだ世に無い医療機器が登場してくると思います。
世界初の製品やアイディアが生まれる背景には何があるのでしょうか。
安川様:ニーズ発信ですか?シーズ発信ですか?と学生からよく聞かれるのですが、答えは両方です。どういう手順で手術をするのか、どの場面でどのくらい止血をしなければならないのか、その止血は血が滲む程度でよいのか完全に止血しなければならないのか、というように、当社がターゲットとしている医療分野の知識に関して医師と対等な会話ができなければなりません。そこからニーズもシーズも生まれると考えています。ただ、医師は工学のプロではありません。工学的なアプローチは私たちから提案しなければなりません。単なるアイディア勝負だと厳しいかと思いますが、当社には医師と共に製品化に繋げているという点が強みだと考えています。
御社は中途でご入社いただく方にどのようなことを求めていらっしゃいますか。
安川様:今は2~3年後の当社の次なる主力製品の展開に向けた仕込みの時期に入っています。今後、世界を視野に入れ、さらに会社を大きくしていこうとしていますが、医療機器業界は国によって規制が違ったり、業界の人脈が形成されていたりしますので、そこをどのように突破していくかも課題です。中途でご入社いただく方には画期的な医療機器の開発を担っていただくとともに、それを世界に向けて発信していただきますので、技術力と意欲のある方に来ていただきたいですね。
医療機器分野に優れたアイディアで製品を提供されてきた御社ですが、これまで中途入社でどのような方が入社されてきたのでしょうか。
安川様:2~3年前にご入社いただいたソフトエンジニアの社員は今、当社の開発のキーマンの1人になってくれています。AV機器のソフトエンジニアをされていたのですが、前職の分野では今後の業界の伸びしろが多く望めないため、新しい分野に挑戦したいという方でした。液晶関係で生産技術の仕事をされていた方は、社会貢献度の高さから当社を選んでくださりました。
ご自身が属する業界の先行きに悩みを抱えた技術者はたくさんいると思っています。当社には異業種の方にたくさんご入社いただいていますし、皆さん共通しているのは、「社会貢献度の高い分野」で、「クリエイティブな仕事がしたい」とお思いだということですね。
御社では、中途で入社した社員が数多くご活躍されているのですね。
安川様:元々2009年の上場以前は中途入社の社員の割合がかなり高かったので、40代、50代の社員や、現在の経営を担う管理職の社員の多くが中途入社の社員です。新卒入社と中途入社、どちらが有利なのか、ということはそもそも考えたことがない社員が多いと思います。30代で課長になったり、40代で部長になったりする人も複数います。
御社の医療機器は独創的で、ベンチャー企業のような雰囲気も感じるのですが。
安川様:ベンチャー企業ではないが、ベンチャー精神を持てと、経営者もよく言いますね。ベンチャー精神で世界初のものを作っていくんだ、という方針が一切ぶれません。現在開発している「マイクロポンプ」を使って、画期的な吸引器や注入器を開発中です。本当に夢があるなと思いますね。業界が業界で、やはり安全に対する制約が大きく、市場に出回るのはまだ数年先かと思いますが、私たちが仕掛けた製品が世の中で広く活躍しているというのは本当に意味のある仕事をしていると思います。
安川様は、御社の社風についてどのようにお感じになっていらっしゃいますか。
安川様:メーカーらしいことですが、社員はみんな、真面目ですね。真面目に加えてチャレンジングな方が多いと思います。私たちは今ある製品のマイナーチェンジをするのではなく、ゼロから新しい製品を考案しています。作るモノが違えば生産ラインも全く違うものを用意しなければなりませんよね。いつもチャレンジングで、常に背伸びをしながら仕事をしている感じですね。実際に、挑戦する人材が活躍していると思いますし、そもそもそのような資質のある方が集まっているイメージですね。社会貢献という名の元に集まったメンバーです。
初めにお伺いした安川様が導入された数々の制度は、社員を思ってこその制度だと感じました。御社の福利厚生について、特徴的なものがあれば教えてください。
安川様:業績連動型賞与を中心に、家族手当や家賃補助など、福利厚生のラインナップは揃えてきました。
経常利益率と連動して賞与を計算する業績連動型賞与の仕組みを5~6年前に新設しました。社員全員で目標とする経常利益を達成し、その分け前をみんなで平等に割ろうという思想です。
ETCカードの支給もそうですね。例えばここ和泉研究所は、車通勤の社員が多いのですが、以前は交通手当として電車通勤相当の手当しか出ていませんでした。車通勤で高速道路を利用すると足が出るので、時間かかってしまうが下道で来るという社員が多かったのです。そこで、ETCカードを支給して、通勤を快適にしてもらおうという取り組みです。もちろん、ガソリン代は追加で支給しています。
御社の経営陣の方はどのような方でしょうか。
安川様:当社の経営陣に共通するのは、現場主義であるということですね。医師との共同で新しい製品を作っていくのが私たちのスタイルですので、医師との関係構築は経営者自身が先頭に立ってやっています。開発者が一次情報や医師の言葉のニュアンスを感じ取ってきなさい、開発者はそのニュアンスも含めて設計しなさい、とよく言われますね。現場の情報から次の製品を開発する、医療現場に基づいた経営がなされていると思います。
御社へのご応募を検討されている方へメッセージをお願いします。
安川様:強調したいのは、医師と密な関係を持って仕事をしている、ということです。当社は手術室の分野を中心として、独創的なアイディアで様々な製品を展開してきた、最先端の医療機器メーカーです。社員になぜそんなに頑張れるのかを聞きました。困っている患者がいる、苦痛を感じている患者がいる。こんなものがあれば患者は絶対喜ぶよ、大研医器の力でなんとかならないかと、医師から言われるから、そのために頑張れる、とのことでした。この感覚を共有してくださる、当社と一緒に成長してくださる方に来ていただきたいです。
200名という企業規模は、ひとつの歯車として働くのではなく、一人一人が責任あるポジションとなる、ちょうど良い規模だと思っています。今、当社がさらに成長する良いタイミングですし、何より私たちの仕事は社会貢献度が高いです。安心しながらチャレンジしていただけると思いますね。
本⽇は、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。
―担当コンサルタントより―
約10年前に上場されてから、売上・従業員数共に急成長を遂げてきている同社。常に新規開発に取り組むチャレンジングな社風が根付いている反面、安定した収益から福利厚生やワークライフバランスの改善にも積極的に取り組まれています。少数精鋭だからこそ得られる充実感、達成感は大きいと思いますし、それを感じられるのが大研医器社の魅力だと思います。「ベンチャー×安定感」のバランスの取れた環境でチャレンジしたい!現場主義の製品開発に取り組みたい!とお考えの方にピッタリな会社だと、今回の取材を通して改めて感じました。ありがとうございました。