【旭光電機(株)】技術部の責任者に新たなIoT事業についてインタビュー!

北田 安輝様

技術部 次長 兼 開発課長

01. 会社概要

1947年6月に創業され、60年の歴史を誇る旭光電機株式会社。

同社は日本で初めて自動ドア用コントローラを開発したという実績を持ち、センサ/コントローラの技術において国内トップクラスの技術力を誇る、パイオニアである。

ビルフロント自動ドアコントローラの分野においては国内シェア55%、新幹線をはじめとする車両連絡通路の自動ドア用コントローラ/センサは国内シェア60%、さらに船用リモコン装置分野は国内シェア50%、そして全世界において世界シェア40%とニッチな分野ではあるが存在感を見せる。

02. ご経歴について

まずは北田様のプロフィールからお聞かせください。

旭光電機に入社して30年程経ちます。これまで主に自動ドアのセンサーやコントローラーの開発を担当してきました。入社当時は、一人の技術者が担当製品の回路設計・筐体設計・ソフト開発までを担当。さらにお客様との仕様の打ち合わせや明石工場でのモノづくりの立ち合い、市場に出てからのトラブルなど顧客対応まで行っていました。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

責任感を持った開発スタンスですね。現在は管理者の立場で実際の設計業務に携わることはありませんが、「一人の担当者が一つの製品についてすべてを理解する」ことは今も当社の開発スタンスの根底に流れています。

現在は入社当時よりも会社規模が大きくなり社員数も増え、一人で製品開発のすべての工程を担当するような案件は少なくなりました。回路設計・筐体設計・ソフト開発でそれぞれ3名程度のチームで開発を進めていますが、自分の担当以外のことには関わらないといった仕事のやり方はしていません。その製品開発に携わっている以上は、その製品のすべてを理解していることが重要だと考えており、その想いで開発業務に取り組んでいます。

仕事の面白さややりがいについてお聞かせください。

世の中の役に立っている実感がやりがいに繋がっています。

例えば、新幹線の貫通扉と呼ばれる車両間をつなぐ自動ドアのセンサーやコントローラーは当社で設計製作した製品です。実はこのセンサーやコントローラーは、私達が設計したものです。昔、社員旅行で新幹線に乗った時に、工場の組み立てスタッフたちが「これは私達が組み立てたセンサーだ」と喜んでいたことがあります。こんな風に自分たちがつくった製品が市場に出て、世の中の役に立っているという実感を味わえることがこの仕事の面白さややりがいです。

 

03. 新規事業について

新規事業に取り組んでいるIoT部門についてお聞かせください。

当社ではこれまでOEM・ODMと呼ばれる受託開発を行ってきました。営業やサービス部門を持たず、お客様のブランド名と販売網を使って販売していただく事業です。昨年70期を迎えましたが、コロナの影響で売り上げが低下。鉄道関係や当社ビールディスペンサー周辺機器が、人の移動や外食の機会が減ったことで売り上げが落ちたのです。そこで69期には自社製品を開発する新規事業を立ち上げようとIoT部門を発足し、昨年70期には約8000万円の売り上げをつくることができました。

開発はどのように進めていますか。

これまでと同じようにB to Cではなく、あくまでB to BのIoT製品の開発を進めています。お客様に販売していただくことを前提とした製品開発のアイデアを練っていますね。

現在9つの製品開発を並行して進めており、その中の一つに鍵の状態を見るセンサーがあります。「こんなものがあったら便利だよね」というアイデアから開発を始めたセンシング・通信・制御技術を活用して鍵の状態を見る装置です。

当社はまずアイデアをカタチにします。それが本当に市場に受け入れられるかどうかのマーケティング分野はそれから進めていきます。

大手企業ならまず企画を考えて、マーケティングを実施し、結果をもとに企画提案。上司に認められて初めて試作品をつくるといった手順を踏むと思います。

しかし、当社ではまずモノづくりを先行させます。理由はこれまでの経験にあります。

例えばお客様のところに伺って「こんなものがあれば便利ですか」とお聞きしても「あったら便利かも」といった薄い反応しかなく、話がそれ以上進まないことが多くあります。お客様に困りごとがあった場合、「こんな解決方法がありますよ」と実際につくった試作品を持っていくと反応がまったく違って「ここをこうすれば売れそうだ!」といった具体的な提案をいただくことができるのです。

アイデアはどうやって生み出していますか。

様々な技術に実際に触れることです。メンバーには新しい技術や興味のあることを否定することなく、どんどん吸収して欲しいと指示を出しています。

例えばドローンの技術を知っておきたいと実際にドローンを購入して分解。制御の仕組み・通信・センシング技術など、ドローンに使われている技術をキャッチアップしたこともあります。

また、他部門の社員からも「こんなものがあれば便利だ」といったアイデアがあがってくれば、一切ストップはかけません。電子機器を組み立ててホビーレベルで機能確認できる試作品をどんどん作っています。

IoT市場における御社の強みについてお聞かせください。

IoT市場ではすでに多くの企業が市場に参入し、優れたメーカーさんもたくさんあります。その中で他社との差別化を図るために、産業機器で培ってきた信頼性の高いモノづくりと設計品質をベースとした製品ラインナップをつくることができることを強みにしていきたいと考えています。

04. 社風・働き方について

職場の雰囲気についてお聞かせください。

開発課には25名のメンバーがいて、平均年齢は30歳代後半。自動ドア、ディスペンサー、IoTのチームに分かれています。

先代の社長や、現在の代表取締役専務が技術者で、技術的なことを相談しやすい風土がありますね。現在の本社に移転する前は、社屋の最上階が先代社長の自宅だったため、先代が事務所に降りてきて、気軽に社員といろんな意見を交わしていました。上司に対して意見を言いにくいということはなく、現社長にもいろんな提案をしやすい雰囲気です。

またコロナ以前は月に1回全体会議を行って、それぞれのチームで情報共有を行っていました。今はコロナの影響で25名が集まって1時間の全体会議は開けていませんが収まれば再開したいと思います。

残業や有給についてはいかがですか。

平均すると10時間程度で残業時間0の人もいます。有給も気軽に申請して取得しています。上司が残っていると帰りにくいので、私は毎日ほぼ定時で退社していますし、有給休暇も月に1日は取得しているので、メンバーが取りづらい雰囲気はありませんよ。

コロナで働き方は変わりましたか。

緊急事態宣言中は基本的に在宅勤務です。とくにソフト開発のスタッフはほとんど在宅ですね。ハードウエアの技術者は、計測器に電源をつないで動作を確認するなど出社しなければできない業務もありますが、データをまとめる作業などは在宅で行っています。

Face to Face打ち合わせも99%なくなり、出張も年に1回あるかどうかでほとんどWebミーティングに変わっています。

以前は明石工場へ製品の出来栄え確認するために頻繁に出かけていましたが、今は製品をカメラで映してもらって確認しています。明石工場へは片道1時間かかりますので、1時間の打ち合わせのため3時間必要でした。Webミーティングに切り替えてからは、移動時間を使わずに済んでおり業務の生産性が上がるようになりました。

05. 中途採用で求める人物像について

どんなスキルを持った方を求めていますか。

IoT製品はセンサー部分と通信部分があって、「ある何かの状態をインターネットを通じてクラウドで見せるもの」です。当社にはセンサーと通信は既存事業で培った技術がありますが、クラウドのWebソフトを組める人材が足りていないので、そこに強い人材を求めています。

人材育成の取り組みについてお聞かせください。

現在クラウドのソフト開発を担当しているスタッフは20代と40代の2名で、クラウドのソフトを1年間勉強してある程度のシステムを組めるようになりました。それでもどうしても分からない部分が出てくるので、コンサル的な役割をしてくれる会社とフリーランスのSEの方と契約して、分からないところは質問しながら一緒に開発を進めています。

どんなタイプの人材を求めていますか。

自発的な方ですね。

既存事業だと先輩がいるので、指導を受けながら仕事を覚えていくことができますが、今回のIoT部門の募集では、自走できる人材、自ら道を切り開いていける人材を求めています。壁にぶつかった時には自分で調べて解決していく。そんな人材と出会いたいですね。

今後の体制についてのお考えをお聞かせください。

現在IoT部門では、9製品の開発を進めていますが、今後お客様からIoT関連の製品開発の相談が入るようになると、ソフト開発が2名だけでは対応できなくなると考えています。そのためには2~3名のソフト開発技術者の増員が急務です。また、筐体設計と回路設計でそれぞれ1名ずつ増員して1年後には14名から17名の体制にしたいと考えています。

面接で重視するポイントについてお聞かせください。

基本的に人柄を重視しています。まずは「当社の社風に合うかどうか」を確認しています。その上で、キャリアが当社の求めるスキルと合っているかどうかを確認します。人柄もキャリアもOKであれば、最後に応募者の方がやりたいことと当社がやってほしい業務の内容がマッチしているかを確認します。

06. 求職者へのメッセージ

御社に興味を持たれた方へのメッセージをお願いします。

開発課25名のうち16名がキャリア入社です。当社を入社して良かった点を聞くと、前職では「上の人に意見が言えなかったが、ここでは気軽に話ができる」「鉛筆1本でも稟議が必要で申請が通らなかったが、ここでは試作品を申請してもすぐに通るのでスピード感を持って仕事ができる」といった意見がありました。

他にも「転勤がない」「残業が少なく、残業代もきちんと支払ってくれる」などがあり、みんなに共通していたのは「やりたいことをやらせてもらえる」ということでした。

当社は自分のやりたいと思っていることを実現できる会社です。そんな当社に興味を持っていただけましたら、ぜひ一度お話をしましょう!よろしくお願いします。

北田様と弊社コンサルタント中村(左)

07. 取材を終えて

今回の取材を通じて、旭光電機社の魅力を再確認すると共に、北田様を含む開発課の方々の仕事に対する情熱を感じました。新規事業に積極的に取り組む姿勢や、世の中にないものを作っていくモノづくりの楽しさを感じられる職場環境が、旭光電機社の最大の魅力の一つだと思います。

技術者の想いやアイデアを尊重する旭光電機社では、自発的で技術向上意欲のある方であれば成長していける社風があります。経営層の方々も技術出身者の方々が多く、技術的な相談や提案も容易で、アイデア段階から自身が携わった製品が世の中の役に立つという機会を多く味わえると思います。

自身のスキルアップを考えられている方、社会の役に立つ仕事に携わりたいと考えられている転職希望者の皆様に、是非エントリーをご検討頂ければと思います。

記:中村 泰己

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タイズマガジン編集部

株式会社タイズ

タイズは、2005年の創業以来、メーカー専門で転職支援を行っている転職エージェントです。15年以上の転職支援実績を元に記事を執筆しております。

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  • 関西メーカー専門転職エージェント総合満足度NO.1(ゼネラルリサーチ調べ)
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