【ローム(株)】設備技術部門のやりがい・勤務体制・中途採用の求める人物像について2名様にインタビュー!!

ローム様

豊田 勇二様

WP生産本部 ファクトリー・インテグレーション推進部 プラント技術課 統括係長

ローム様

柴田 睦月様

ファクトリー・インテグレーション推進部 プラント技術課 空調設備G

01. 会社概要

小型抵抗器メーカーとして1958年に京都で操業を開始。1970年代に日本企業として初めて半導体のメッカであるシリコンバレーに進出し、本格的に半導体分野へ参入。近年は電気自動車の走行距離延長を可能にするSiC半導体や、垂直統合型の生産体制による高品質な製品力を武器に、好調な車載・産業機器業界でのシェア拡大、グローバル展開強化を加速させています。成長を支えたベンチャーマインド溢れる社風が特徴です。

02. ご経歴について

「まずはご経歴からお聞かせください」

 豊田様:1990年にロームに入社し、はじめはクリーンルーム関係の生産設備を担当しました。5年ほど前に省エネ部会員として活動していた関係より、付帯設備を管理する人材が不足しておりプラント技術課に異動しました。

現在はプラント技術課の統括係長を努めています。

柴田様:2017年に新卒で入社しました。以来3年間プラント技術課に配属され従事しております。入社当時は、分からないことだらけだったので、周りの先輩に聞いてよく教えてもらいました。学んだ原理や理論について理解して頭の中で整理していくことで知識を増やしていきましたね。

今はメイン担当の工場がありますが、本社内の他工場も同じようなシステムで動いているので、知識を応用して他工場もカバーできるようになりました。

03. プラント技術課について

「組織構成についてお聞かせください」

豊田様:ファクトリー・インテグレーション推進部には、国内外の付帯機器の維持管理を推進する工場基盤技術課、滋賀工場の付帯設備を管理する滋賀プラント技術課、生産装置の開発・維持管理を推進する設備技術課などがあります。そして、私たちが所属しているのが本社工場の付帯設備を管理するプラント技術課となります。

プラント技術課の主な仕事は本社にある4工場のクリーンルームなどの付帯設備の維持管理です。安く効率的に維持管理するための省エネ業務も併せて担当していますね。

空調設備を担当するのが5名、純水を作り排水を担当する水処理グループが5名の計10名で業務にあたっています。

各4工場でそれぞれメイン担当が決まっており、担当が休みの時には他メンバーが代わりを務めます。修理を専門業者に発注したり、点検のスケジュールを立てたり、作業上の安全をチェックするなど管理業務を行っています。

「空調と水処理グループ間の交流や人事異動はありますか」

柴田様:水処理グループの方と打ち合わせなどは常に行っています。空調グループがボイラで炊いた蒸気を純水の加熱装置に使用したり、水処理グループが純水で不要となった水をリサイクルして空調で使ったりするシステムになっていますので、水処理グループとは頻繁にやり取りしていますね。

豊田様:空調と水処理でどちらかの業務負担が大きくなった時に、人員配置を変えることができるように両方の業務を経験してもらうことを考えています。柴田君には将来は課のリーダーとして活躍してもらいたいので両方の経験を積んでもらおうと思っています。

「滋賀工場が京都本社工場の部門に統合されましたが、その後の変化はありましたか」

豊田様:変化は特にないですが、将来的に京都工場と同じ運用方法にしたいという部門長の意向があります。

滋賀で採用した方にはまず京都工場で研修を受けていただき、滋賀工場に配属される予定です。2つの工場でより強固な関係を作り、何かあった時に互いに応援に駆け付けられるようにしたいと思っています。

「部署の課題や今後の方針についてお聞かせください」

豊田様:課題として感じているのはスマートファクトリーです。4年前から取り組み、中央監視と本社内の各工場のネットワーク構築など、現段階でほぼ構築できましたが、既存の装置を見える化すると莫大なコストがかかります。そのコストメリットを上層部にきちんと伝えることが課題ですね。必要なものであるというのはみなさん理解していますが、大きなコストがかかるので、どれくらいの割合で回収できるかを表現するのが非常に難しいです。

最初から、スマートファクトリーを想定した工場作りを進めていたならコストも低くなりますが、既存設備に新規導入すると機器の形態をアナログからデジタルに切り替える必要があります。

例えばセンサーを1個つけるために自動調整バルブを取り替えないといけないとすると、バルブは40~50万円/台するが、壊れているわけでもないバルブを取り替えるという思考を打破するのはとても難しいのです。

「今後の方針についてはいかがですか」

豊田様:今後は付帯設備が異常を発生させる前に、その傾向をつかめる予知検出システムに取り組んでいきたいと思います。

今は本社の一つの工場で予知検出システムを導入していますが、後5年位で4工場すべてに導入したいと考えています。また、関連会社のローム・アポロでSiCの新工場が2020年12月に完成しますが、こちらで得たノウハウを伝えて行こうと思います。

柴田様:ロームは国内6カ所に生産拠点がありますが、国内の付帯部門間で開催する技術や安全関係の交流会などを通じて、私たちのノウハウを伝えながらスマートファクトリーを推進していきたいと考えています。ロームのLSIの主力工場からはスマートファクトリーに関する相談がよく入るので、実験を兼ねて本社工場が先駆けて導入に取り組んでいきたいと考えていますね。

ローム様

 

04. 業務内容・やりがいについて

「年末年始に大きな工事をされるとお聞きしましたが、詳細を教えてください」

豊田様:1年365日の中で年末年始の5日間だけ工場が止まるのですが、その時期にスクラバー(排ガス処理装置)や空調機を整備するので、大きな整備をした後、無事に装置が立ち上がるよう綿密に実施前から準備を進めます。

2020年12月28日から2021年1月2日まで長期間の計画を立てており、その期間は最大のべ400名規模の業者さんに来ていただいて大規模な整備工事を行います。この時期はどこの業界も点検を行うので、3ヵ月前から依頼をかけて業者さんの手配をしてきました。

柴田様:特に去年と今年に関してはオリンピックの関係で空調機メーカーさんの業務が例年以上に増えるため、年末年始の点検を確実に行うために早めに手配する必要がありましたね。

「計画やスケジュールはどうやって立てられますか」

豊田様:作業の計画自体は業者さんが立てていきます。私たちは安全に作業を進めるために、作業の工程・スケジュールなどに問題がないかを検証していきます。100件の工事があれば100件すべての安全確認を行います。短納期で無理をして作業を行ったがために事故が起こるといったリスクを回避するために「この時間配分で大丈夫ですか?」と業者さんに再考してもらうなどの打ち合わせを常に行っています。

「プラント技術課の働き方、勤務体系についてお聞かせください」

柴田様:日勤で基本的には8:15~17:15です。

残業は上司に申告して承認をいただいた後に行います。残業時間は規定で上限30時間と定められているので、オーバーしないようにコントロールされています。

豊田様:私の残業時間は20~30時間ぐらいですね。

グループ員メンバーが残業規定内で業務が完了するようにスマートファクトリーなどの最新技術を導入し作業効率改善を図っています。

「緊急時の夜間対応などはありますか」

豊田様:基本的に機械が止まった場合は自動で復帰するようにシステムを組んでいます。緊急時に駆け付けなくてもいいように日頃から協議して、必要な装置に投資をしてきたので、昔に比べると緊急対応は極端に減っています。そのため、非常連絡用の携帯電話などもないですね。

柴田様:例えば、水処理の排水が止まればアラームが鳴って自動的に予備貯蔵へ切り替わって12時間は運転できるようになっていますので、昨年の緊急対応は2~3回程度で収まっています。

「夜間や休日に出勤された場合は振替休日を取れるのですか」

柴田様:振替休日として平日に休みが取れます。もし休日出勤を一日8時間するとそれだけで残業時間が収まらなくなるので出勤した分は振替休日を取ります。

「これまでで一番大変だったプロジェクトは何ですか」

豊田様:2019年の正月に今作っている新しい工場へ20トン級の機器を550トンのクレーンを設置して移動させた仕事ですね。クレーンを作るのに2日間、解体するのに2日間かけて行った業務がすごく思い出深いです。

準備と計画だけで半年かかりましたので、どんなやり方で移動させるのがベストなのかを計画するのはとてもやりがいがありました。

柴田様:私も同じ敷地内で仕事をしていたのでクレーンが組み立てられていくのを見ました。通勤電車の窓から大きなレッカーが見えるほど、大規模なプロジェクトだったと記憶しています。

「仕事のやりがいはなんですか?」

柴田様:やはり私たちの部署が機械を止めてしまえば工場全体が停止するので、そこの一員として大きな責任とやりがいを感じます。関連部門との接触もすごく多いですし、排気や排水設備管理しているので環境部門や広報部門との付き合いもあります。

豊田様:もし自分が何かを見落として機械を止めると工場全体が止まるということは経験で理解しています。とても緊張感はありますが同時にやりがいもあります。例えば冬の時期だと急激に温度が下がることがあり、たびたび現場へ設備を見に行くなどして、常に気を付けていますね。

ローム様

 

05. 中途採用・求める人物像・教育体制について

「中途人材を募集される背景は何ですか」

豊田様:組織体制変更に伴う増員募集です。滋賀工場はもともと付帯部門に7名いたのですが、京都工場と違って付帯のメンバーが環境分野も担当していました。今後は明確に設備・環境の役割を分ける方針となったため、設備技術エンジニアを3名増員募集することとなりました。

「中途採用される方はどちらのチーム配属を想定されていますか」

豊田様:まずは空調と水処理の業務などを経験してもらった後、適正や本人の意向を鑑みて、いずれかのグループに配属する予定です。

「異なる業界を経験された方でも大丈夫ですか?」

豊田様:電気や機械が好きで空調や水処理に興味がある方なら業界は問いません。

過去には建機メーカーで設備関連の経験のある方も面接しました。付帯設備に関しては一から勉強していただきますが、外部研修を受講していただくこともできますし、資格取得に関しては会社からの補助も出ます。

「教育体制についてお教えください」

柴田様:私が新卒入社した際は、ほとんどのことが分からなかったのですが、経験のある身近な先輩から分かりやすく簡単に説明していただけました。とても理解しやすくどんどん知識を身に付けることができました。豊田さんにはOJT教育に関してはフォローしていただき、業務以外に関しても困った事などがあれば相談に乗ってもらいました。中途採用に関してもOJTをはじめ教育体制は整っていると感じます。

豊田様:経験のないことでも仕事を任せていく社風がありますね。たくさんの経験をして分からないことがあれば、周りに聞いてもらって覚えていく。私も入社した時はそうした育成方法で業務を早く理解できたと思っています。ぜひとも体で覚えて肌で感じてどんどん成長して欲しいと思いますね。

ローム様

 

「付帯部門から生産技術や製造技術など他部門へ異動することはありますか」

豊田様:部門をまたいで異動することはほとんどありませんが、他部門のフォローアップに行くことはあります。実際に今、プラント技術課に他部門から一名異動して来てもらいましたので可能性がゼロではありません。

「海外への赴任などはありますか」

柴田様:私はまだ経験はないのですが、海外出向制度というものがあり、本人が希望すれば海外で働くということも可能と聞いています。

「中途採用の面接でポイントにしているのはどんなことですか」

豊田様:経験がマッチするかも大切ですが、自分の考えを素直に言える人を評価しています。また相手の言っていることを理解できることが大切です。私たちの仕事はチームで動きます。そのためにはお互いを理解し合わないと事故が起こる確率が高くなりますのでコミュニケーション能力は大事だと思いますね。

「最後にロームに興味を持っておられる方へのメッセージをお願いします」

豊田様:プラント技術課は総勢15名、京都が11名、滋賀が4名所属しており、お互いに切磋琢磨してレベルアップをしたいと考えています。ロームグループには各地に生産拠点がありますが、No1の付帯チームにしたいと考えていますので、一緒に仕事をしたいと思っていただける方がいれば、ぜひともよろしくお願いします。

柴田様:私は新卒でほとんど知識がない状態で入社しましたが、仕事をしながら学ぶことができて、今は楽しく仕事ができています。分からないことがあっても周りがとても丁寧に教えてくれるので安心してください。

また、やりたいことをやりたいと言った分だけ仕事をやらせてもらえます。やりがいのある仕事だと思いますので興味のある方はぜひご応募ください。

ローム様

06. 取材を終えて

お二方とも穏やかでフレンドリーなお人柄であり、温かい風土が感じ取られる取材現場でした。柴田様も若手ながら裁量の大きなプロジェクトを任されていて、挑戦を後押ししてもらえる文化が印象的でした。また、働き方も夜間対応もほとんどなしとのことですので、ワークライフバランスの改善を希望される方にもぜひ出会っていただきたい企業様です。

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この記事を書いた人

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田熊 聖樹

株式会社タイズ

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