専門家コラム
-緊急特集- 猛暑の時の面接対策6選
<細井智彦> 細井智彦事務所代表 転職コンサルタント 大手人材紹介会社にて20年以上転職相談や模擬面接などの面接指導に取り組む。企画し立ち上げた面接力向上セミナーは12万名以上が受講する人気セミナーとして現在も実施中。採用企業の面接官向けにも研修・講義を開発し、人事担当から経営者まで、260社、面接官3000人以上にアドバイスをしている。2016年3月に独立し、フリーな立場から、引き続き個人と企業の面接での機会創出に取り組んでいる。著書『転職面接必勝法(講談社)』ほか多数
今回は号外編。本来は<誰も書いていない転職ノウハウ>について何回かに分けて書こうと思っていたのですが、この猛暑。「生命にかかわる暑さ!!外出は控えて!!」なんてテレビで連呼されても、「そう言われても面接なんだよね」という方も多いと思うので、猛暑下のなかでの面接への臨み方について、塩分や水分の補給とか対策グッズとかとは異なる「面接視点」で、読んですぐ役立つハウツーをまとめました。ちなみにここ数年、毎年暑さがキツくなってきたと感じていたら、ついに「命にかかわる!」なんてテレビでアナウンサーが話すようになったのはことしがはじめてだと思うのは私だけですか?
■目次
1.20分前には到着しクールダウン。
2.面接用のシャツやブラウスを持参し、着替えて臨む。
3.レジ袋を用意。書類はクリアファイルに。
4.タオルと清潔なハンカチの2つを用意。
5.ジャケットは手に持って臨む。
6.猛暑は涼しいことに感謝できるから第一印象もよくなる。
1.20分前には到着しクールダウン。
通常は5分前到着が基本ですが、クールダウンの時間を見込んでおきましょう。大体10分程度あれば汗は引きます。その後着替えなどの余裕をもっておくために20分前には現地には到着しておきたいものです。ありがちなのがスマホのMAPで見てわかったような気になって現地に着いて、駅を出たら方向感覚がわからなくなったりして、余裕かましてたけど結局最後ダッシュするパターン。この時期ダッシュで時間ギリギリ到着だと汗まみれで面接開始ってことになりかねません。あと工場などの場合電車の本数が少なく、到着時刻が微妙なときは思い切って余裕をもって駅前の喫茶店とかで準備して、現地到着は可能な限り時間には余裕をもって少なくとも20分前には臨みましょう。着いたら雑居ビルならロビーかトイレなどクールダウンできそうな場所を探しましょう。(この猛暑でトイレまでモワッと暑いところがありますが。)
工場や研究所のようなその会社の社屋の場合は中に入って、ロビーかトイレでクールダウンできます。受付さんがいて、勝手に涼んでたらバツが悪そうなら「◯時から面接に来たのですが、しばらく涼ませていただいてよろしいでしょうか」と確認しておけばばっちりです。関西のメーカーさんは省エネが徹底してるところも多く、廊下は薄暗く真夏でも「エアコンの設定は28度」で、いままではけっこうモワっとしていたものですが、流石に今年はキリッと冷やされているように感じます。きっと設定温度を下げているのではなく28度設定でも外が40度だと充分冷えて涼しく感じてしまうのだろうと思いますが。
このコラムは名古屋からの新幹線で書いているのですが、まあ、名古屋の暑いこと(この日の名古屋の気温39度)。風がまるでエアコンの室外機の前に立っているようです。新幹線のホームは地獄のように暑いから、階段降りたエアコンの効いた売店のところで、到着ぎりぎりまで待っている人でいっぱいです。暑さには慣れていると自負する京都出身の私でも名古屋の暑さには完敗です。
2.面接用のシャツやブラウスを持参し、着替えて臨む。
最寄り駅からの道のりだけでも汗だくになることしの猛暑、特に大きな会社だと、守衛さんのいる場所から面接会場の社屋まで離れていることも多く、歩くだけで汗だくになってしまいます。それを見越して、あらかじめ面接用のシャツは着ないで持参しましょう。面接場所に着いたら、ここが肝心なのですがすぐではなくちょっと汗が引いてきたタイミングでトイレを借りて着替えてしまいましょう。シャツはできればシワにならないものか、コットンのものならきちんとA4サイズにたたんでおきましょう。完璧を目指すならボール紙みたいなものを台紙にしてください。
半袖シャツでも大丈夫ですが、個人的には スーツに半袖は似合わないし、袖が汗でまとわりつきやすくなるので、換えのシャツは長袖をおすすめします。
3.レジ袋を用意。書類はクリアファイルに。
着替えや汗まみれのタオルがあると、書類が湿ってしまいがちです。汗をかいたものはレジ袋などに入れて湿気を封じ込めておきましょう。また、冷えた飲み物をカバンに入れるのも要注意です。大事な書類も紙袋だとふやけてしまうこともあり得るので、念の為クリアファイルにいれておけば安全です。もちろんZiploc使ったら完璧ですが、そこまででなくてもいいと思います。バッグは着替えやタオルが入るだけの余裕のあるものがいいでしょう。もし、適当なものがなければ、ビジネスバッグとは別に、手提げの袋に入れて行っても大丈夫です。お菓子屋さんの紙袋だとなんか勘違いされやすいかもしれないので無難なものがいいでしょう。
4.タオルと清潔なハンカチの2つを用意。
汗は面接場所に着くまではフェイスタオルで、面接中にもし汗をぬぐうなら、面接専用のプレスの効いたシャキッとした別のハンカチを用意しておきましょう。ちなみにハンカチを入れておく場所はジャケットのポケットかバッグの中のほうがよく、男性の方はスラックスのポケットには入れないほうがいいと思います。脚やおしりの汗がじわっとハンカチを湿らせてしまうのと、面接中に取り出しにくいからです。もし靴にシミが浮いてきたら、ウエットティッシュや制汗シートで粉が吹いている所を叩けば目立たなくなります。5.ジャケットは手に持って臨む。
最近クールビズが浸透しており、ノーネクタイ、ノージャケットが関西メーカーのデフォルトになってきました。面接時の案内も同様の服装でOKと記してくれている会社もありますが、自分に気合を入れるため、ちょっと落ち着かないと思う場合は、ジャケットを持っていけばよいと思います。ただ面接に臨むまでは着用せず手持ちで、現地についてほてりが収まってから着用されることをお薦めします。受付到着時には着ていたほうがよいのでは?と思うかもしれません。コートの場合は手前で脱いだほうがよいのですが、猛暑のなか汗まみれのジャケット着てこられるよりもスマートです。
6.猛暑は涼しいことに感謝できるから第一印象もよくなる。
面接という場は、その日の気候によってずいぶん気分も変わるもので、秋晴れのスカッとカラッとした日とどんより雲がたちこめて、じとじと雨が降る日ではテンションも変わってしまいがちです。ところが面接する側の人は意外にそれほど外の気候の影響を受けていません。雨でも、猛暑でも、大雪でも、空調の効いたオフィスにずっといるからです。猛暑はキツイですが、私のようなおっさんになると、ジリジリと肌を焦がす日光を浴びたときや、木陰に入ってふと風の涼しさを感じたときに、不思議と生きている実感というかよろこびを感じさせてもくれます。汗まみれで臨まないようにさえすれば、面接自体は空調の効いた部屋でできるので、ああ快適な場を提供してもらってありがたい、と思って臨めば自然と第一印象もよくなるはずです。
まとめ-猛暑だからこそ、面接の事前準備で差をつける。
クールダウンするのも、着替えるのも、 気持ちと身体を面接モードにリセットして臨めるようにするため。モード転換が大事ってことです。
以上、細井なりに、猛暑下における面接前の対策をご紹介してきましたが、猛暑だからこそ涼しい顔で面接官に相対することが他候補者と差をつけるポイントになります。ご自身に合った方法で面接に臨まれ、面接で最大のパフォーマンスを発揮していただきたいと思います。