企業インタビュー
[ 株式会社村田製作所 ]
【(株)村田製作所】通信モジュールの未来・社風・求めるキャリア人物像について部長にインタビュー!
01. 会社概要
世界トップ級の電子部品専業メーカー。5年で売上2倍:1兆5,340億円、営業利益率5年平均17.5%と圧倒的高収益を実現。海外売上高が90%を超えるまさに日本を代表するグローバル企業です。積層セラミックコンデンサの世界シェア40%、ショックセンサ95%、SAWフィルタ50%など、TOPシェア多数。
誠実、まじめ、穏やかな方が多い風土。技術開発には積極的で、原材料から設備まで自社開発を行う自前主義を徹底し、世界初、日本初にこだわり、世にない技術、真似できない技術を追求する企業です。権限移譲で任せる風土があり、営業や開発の決裁権が係長クラスに任される場合もあり、若いうちから大きな権限を持って業務に携わることが出来ます。
02. ご経歴について
「まずはプロフィールを教えてください」
2001年に新卒で村田製作所に入社しました。技術開発本部に配属となり、3G基地局向けのハイパワーフィルターや携帯機器向けアンテナなどを開発してきました。その後国内商品技術を経て、2011年に課長として中国北京へ異動し、モジュールも含めた通信関係部品の商品技術を担当しました。帰国後は京都本社にて、通信モジュール事業部のシニアマネージャーとしてモバイル市場を担当し、2020年4月からは組織変更に伴い部長に就任し現在に至ります。
「学生時代から電気技術を専攻しておられたのですか?」
実は機械系の大学出身なんです。なので、村田製作所には機構設計として入社しました。そのあと社内で電気設計や商品技術など、実践を通じて幅広く学んでこれたと思います。
「今までで一番やりがいのあった仕事はなんですか?」
携帯電話に内蔵されているフェリカアンテナの小型化に成功したことですね。当時は、内蔵されているアンテナはコイルを用いた平面型が通常だったのですが、縦型に改良して小面積化に成功し、特許も取得できました。自分の製品が搭載された携帯電話が市場に出たときは嬉しくて購入したことを覚えています。
03. モジュール事業部について
「村田製作所といえば、ハードウェアのイメージが強いですが、ソフトウェアの役割は大きいですか?」
とても大きいと思います。今までの村田製作所は確かにハードウェア分野が強く、「小型化」に代表されるような技術力の高さを理由に、お客様から選ばれていました。しかし昨今、中国企業などの台頭によってハードウェアだけでの差別化が難しくなってきています。これからの競争に勝つためには今まで以上の付加価値が必要だと感じています。具体的には、使いやすさや利便性といったところで、それを実現するためにもソフトウェア開発の強化は必要不可欠ですね。村田製作所がハードウェアだけでなくソフトウェア開発にも力を入れていることを知ってもらえればと思います。
「コネクティビティモジュール開発部には何人が在籍していますか?」
現在140人程度ですね。開発部の中には6つの課があり、ハードウェアで3つの課、ソフトウェアで2つの課、そしてモジュール事業をしていくうえで必要な「認証サポート」「測定技術開発」などを行う「共通技術」といわれる課が1つあります。
「部内のプロジェクトの進め方について教えてください」
ひとつの製品において、ソフトウェアとハードウェアは切っても切れない関係ですので、社内で協力し合いプロジェクトを進めています。
またソフトウェアの基本設計は自社社員が行いますが、派遣社員の方やアウトソーシングにもサポートしていただいています。中には、ベンチャー企業と進めているプロジェクトもありますね。
「今後、ニーズの増加を予測している産業分野はありますか?」
注目しているのは車の自動運転に使われるV2X(※)やレーダー技術です。これからニーズは更に強くなると思います。
また今は世の中に知られていない新製品の相談も国内外から幾つか頂いています。シリコンバレーのスタートアップ企業に村田製作所から人を送って、新規開発の部署と協業しているケースもあります。
今後IoTが進むにつれて通信が搭載される端末は確実に増えていきます。新たにモジュールが活かせる場所やモノはないかどうか。市場マーケティングを通じて、ニーズを汲み取りながら可能性を拡げていきたいですね。
(※)V2X ・・・Vehicle-to-everythingの略であり、「車とモノ」との通信全ての総称
「顧客が村田製作所の製品を選ぶ理由は何だと思いますか?」
まず品質です。求められた品質は必ず達成する必要がありますが、どれだけ超えられたかが他社との差別化になります。一方、取り扱い商品によっては高すぎる品質を求められないお客様もいらっしゃいます。では、どこで付加価値をつけていくかというと、例えば村田製作所ならではのサポート力や販売チャネルの広さなどです。
またお客様によっては、ハードウェアは分かるがソフトウェアの知見が少ないといったケースもあります。そういった場合では、通信領域は村田製作所にすべて任せてもらえれば一気通貫でサポートできます。こういった総合力も強みであり、選ばれる理由だと考えています。今後はソフトウェアで村田製作所を選んでいただける機会を、今よりもっと増やしていきたいですね。
「今後の通信技術開発への展望を教えてください」
今はお客様のご要求に合ったものを弊社の技術を用いて作っていますが、今後は一歩前に進んだ研究開発をしていきたいですね。
開発を進める上で守るべき規格に関しては、現状では例えば3GPPにて決定した内容に沿っていますが、今後、村田製作所からの意見を規格策定前に言えるようになれれば、開発においてアドバンテージが発生します。その状況をつくれるような経験と知識力を兼ねそろえた組織にしていきたいですね。
04. 中途採用の求める人物像について
「キャリア入社は何人くらいおられますか?」
ハードウェアは新卒社員が多いですが、ソフトウェアは50人のうちキャリア採用が6割程度です。
ソフトウェアは、経験を積んだ中途入社を中心にチームを組んで進めている現状です。新卒採用や新卒者への教育体制の整備も進めていますが、まだまだ時間がかかるため、これからも中途入社の方を積極的に採用していきたいと考えています。
「面接で見ているポイントを教えてください」
スキルや実績はもちろんですが、コミュニケーション能力を重視しています。チームでプロジェクトを進めていきますし、時にはエンジニアがお客様のご質問に対応することもありますので、やはりコミュニケーションは重要です。
「会社の社風はいかがでしょうか」
フラットで仲がいいですね。コロナ以前は、よく仕事終わりに飲みに行ったりして、親睦を深めていました。
お客様はみなさんスピード感を求められるので、何か問題があればすぐに集まって話し合い、解決に向けて動く必要がありますが、村田製作所はセクショナリズムも無くスムーズに業務が行えていると思いますね。
「キャリア入社の方の受け入れ体制はいかがでしょうか」
コロナの影響もあり歓迎会までは出来ませんが、昨今は技術発表会というオンラインイベントを実施しており、そこで部門全体に対して自己紹介をしてもらってます。
仕事で求められる開発レベルは高いですが、わからないことがあれば気軽に相談できますし、雰囲気も和気あいあいとしていて、経験者ならすぐに慣れていただけると思いますよ。
「海外とやりとりすることもあると思いますが、必須な英語レベルを教えてください」
オフィスで英語のオンラインミーティングしているのは日常的な風景です。とはいえ中途入社された時点で、流暢に話せるレベルまでは求めていません。メールでやりとり出来ればまずは結構です。社内で英語教育の体制が整っていますので、入社後に徐々に身につけていただければ大丈夫です。
「最後にメッセージをお願いいたします」
IoTが進むにつれて通信モジュール事業は大きな飛躍の可能性を秘めています。
今後、自分たちのつくった製品が搭載されたモノが世の中に増えていくことでしょう。技術で世の中に貢献したいという強い想いのある方は是非ご応募ください。
05. 【取材を終えて】
取材の最中、笑顔の絶えない明るい職場を作っておられる方だと感じました。私との写真を撮影している最中もメンバーの方がスマホで写真を撮りながら弄ってくるなどフラットで、お互い言いたいことを言い合える関係のある組織だと感じました。
一方で製品や技術のお話をしている最中には自信を持って言い切られることが多く、世の中に製品に村田製作所の通信モジュールを搭載し、繋がる世界を作り出している自負を感じました。
今後5G/6Gと通信が進化し、あらゆる物が通信で繋がる時代が来ますが、そのインフラを支える仕事において、世界の中心で自分の仕事を実感できる求人を、是非ご支援させて頂きたいと感じました。
タイズの強み
- メーカー特化型エージェント
- 技術職への深い知見
- メーカーとの太いパイプと
転職支援実績